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(おや)


親とは、を産んだ母親とその配偶者である父親の総称である。2人一組であることから両親とも言う。親は子を養い、指導する。親と子の関係を親子関係という。実際の関係は社会の仕組みによって異なる部分も大きい。

親とは[編集]

生物学的にはヒトの場合、両性の親の間でのみ子が生まれるから、男親と女親が存在する。一般的に女親は子を産み、また育てるための乳房を持つから、母親と子の間には養育するものとされるものの関係が成り立つ。他方、男親も何らかの形で特定され、さらに育児に参加することが多い。こちらが父親となる。一夫一婦制のもとでは、両親がある程度恒久的な関係を作り、その元で子育てが行われる。男親と女親はことの関係がやや異なるので、法的にも様々な差を持たせる例もあるが、日本では男女平等の思想のもと、ほぼ平等な扱いとなっている。

なお、両親が揃っていることが普通とされる社会においても、何らかの理由で片親、あるいは両親が亡くなること、あるいは本来の親とは異なるものが親の位置に着くことはあり得る。そういった場合、血縁上の親と実質的な親とを分け、前者を生みの親、後者を育ての親という。後者のような関係を義理の親子関係という。

実際の親ではないが、やや似た役割を持つものに名付け親がある。なお、上記のような勝負事に対するという語の転用は、その場を上位に立って取り仕切る立場を親子関係に見立てたものである。

親の役割[編集]

親は子を養うものであり、子は親の庇護の元で安全に成長する。親は子に必要なものを与える。同時に子を指導することが必要となり、時には子の意志に反することをさせ、あるいは要求を受け入れないこともあり得る。つまり親の意志は子の意志に優先する。この権利を親権という。また、日本では親は子供に義務教育を受けさせることが義務づけられている(日本国憲法第26条)。

このように、親が子に対して上位の権利を持つと同時に、それなりの責任を負うとの考えもあり、子の犯した罪に対して親がわびるのは当然との社会通念もある。

男親と女親[編集]

男親を、女親をという。この両者は性質や役割として異なる部分があると考えられることが多い。それぞれの性質を父性母性という。ただし、父親だけが父性を、母親だけが母性をあらわすとは限らない。なお、両者に共通する部分も多いと考えられており、それが親という語の存在する意義である。親は子に愛情を感じるものとされる。その感情は可愛いと表現される。なお、も可愛いもので、その可愛さは子供以上らしい。

儒教における親[編集]

儒教的思想においては、親子関係はもっとも基本的な関係の一つである。その意味では父母の区別はしない。子は親によって生まれ、育てられたのだから子は親に対して感謝の意を持たなければならず、それを正しい形で表すことが重視された。親が死んだときには三年間喪に服するが、これは子供が生まれて、やっと独り立ちできるまでの期間に相当するとしている。親に対する礼をという。親孝行はこれに由来する。逆に親不孝はもっとも許されないの一つである。このような親子関係は様々な社会的関係にも持ち越され、「大家といえば親も同然」とか、「監督とは親子のような関係で」など、最近の日本でも耳にすることがある。

キリスト教では神父が父親的役割を持つ。ただしここでは母親はいない。

生物一般[編集]

さらに一般化すれば生殖を行う生物において、それによって生じた個体に対して、それを生み出した個体を指してこう呼ぶ。ただし、分裂のように親子関係が区別できない場合もある。その場合、分裂前を母、分裂後を娘と呼ぶこともある(細胞分裂など)。

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