佐賀インターナショナルバルーンフェスタ

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ファイル:La Montgorlfier Nocturne.JPG
ラ・モンゴルフィエノクチューン (La Montgorlfier Nocturne)
ファイル:Saga international balloon site Kase River.jpg
嘉瀬川河川敷の空中写真。このあたりが主会場南部となる。国土画像情報(カラー空中写真)国土交通省

佐賀インターナショナルバルーンフェスタ(さがインターナショナルバルーンフェスタ 、SAGA International Balloon Fiesta)は、佐賀県佐賀市嘉瀬川河川敷を主会場として佐賀平野中西部の広範囲で毎年秋に開催される熱気球競技大会である。

概要[編集]

熱気球の各種競技がメインの大会であり、毎年十数ヵ国の選手が110機前後(競技に参加するのは70~80機)の熱気球で参加している。開催期間は年によって変動するが、10月下旬から11月上旬にかけての1週間ほどで行われる。佐賀空港の開港で開催が危ぶまれた時期もあったが、無事に大会は続いている。

佐賀市で最も人出の多いイベント(佐賀市の観光客数の4分の1を占める)であり、秋季イベントの動員数としては同時期開催の唐津くんちを抜いている。熱気球競技の世界大会が行われた1989年には117万人の人出を記録した。

通常、競技は午前7:00から行われるため、観光客は日没前の早朝6:30ごろと早い時間帯から集まり始める。渋滞を避けるため駐車場は佐賀市や小城市に分散させてあるが、出勤の時間帯と重なることもあり、主会場近くの国道34号国道207号は早朝に渋滞することがしばしばである。

午前と午後に分けて開催の有無が判断され、雨や強風などの悪天候が予想される場合は競技が中止され順延となることがある。ただし、競技と天候によっては一部競技のみ開催することもある。また、競技の途中でも天候によって内容が変更されることもあり、天候に大きく左右されるイベントである。

メイン会場となるのは、佐賀市の嘉瀬川左岸(東側)の河川敷のうち、国道34号嘉瀬大橋の北側から国道207号嘉瀬橋までの細長い区域である。北から順に駐車場、出店やイベント会場が集まる「憩いの広場」、本部エリア、競技エリア・ブリーフィングエリア、駐車場に区分されている。

「憩いの広場」には、飲食、土産物、ゲームなどを中心に毎年数百店舗が出店し賑わう。また同エリア内に設けられたイベントステージでは、ライブやコンサート、物産展などの各種イベントも行われる。また、佐賀市を中心に周辺の広範囲で同時開催イベントが行われる。

広域的な飛行[編集]

メイン会場の嘉瀬川河川敷を中心にバルーンの離着陸が行われるが、練習飛行や一部の競技飛行では、会場外を離陸地点やターゲット(競技を行う地点)に指定したり、事前にパイロットが自ら会場外に規定された範囲内で離陸地点やターゲットを定める。

会場外では、着陸地点やターゲットは、着地の際に衝撃が少ない田んぼとなることも多い。この時期、佐賀平野の水田は稲刈りが終わって土や藁に覆われ着陸可能な状態となっていることに加え、佐賀市中心部を除けば着陸可能な開けた土地が広範囲に分布している。そのため、一般の田んぼにも多くのバルーンが着陸する。ただし、着陸などに関しては土地の所有者の許可が得られている。

会場に出向かなくても、佐賀市や小城市など佐賀平野の比較的広いエリアでバルーンの飛行・離着陸・競技を見ることができる。また、飛行するバルーンの「追っかけ」、競技を終えて着陸した選手と着陸地域などの市民との交流なども見られ、地元でも広く親しまれている。

大会終了後にも、個人で熱気球の飛行が行われる。近年では、大会後にも小規模の大会がいくつか開催されるようになってきている。

大会概要[編集]

  • 大会名称 佐賀インターナショナルバルーンフェスタ
  • 主催 佐賀バルーンフェスタ組織委員会(Saga International Balloon Fiesta Organization / S.I.B.F.O.)※略称から「シブフォ」と呼ばれることが多い。
    佐賀の熱気球パイロットなどが運営するバルーンフェスタ運営組織。主に熱気球競技運営を行う。
  • 公認 日本航空協会(JAA)・日本気球連盟(NKR)・熱気球グランプリ運営機構(Air-B)
  • 主な後援 熱気球大会佐賀運営委員会
    佐賀市など自治体・商工団体等で組織される運営組織。主にイベント、物産展、駐車場などの管理運営を行う。
  • 特別協賛 本田技研工業株式会社

各大会概要[編集]

開催期間中、大会の中で複数の公式大会が開かれる。

  • パシフィック・カップ(Pacific Cup)
    各競技の総合成績を基に順位を競う。1位の選手には優勝杯が授与される。2006年までに計22回(1997年を除く)を開催。
  • 熱気球日本選手権(Japan National Championship)
    2006年までに計23回行われた日本選手権のうち17回をこの大会で開催。
  • 熱気球ホンダグランプリ第4戦
    熱気球日本グランプリ→熱気球ホンダグランプリ→熱気球ジャパンホンダグランプリ→熱気球ホンダグランプリと名称変更。開催当初から最終戦または第4戦をこの大会で開催している。2006年までに全14回を開催。2001年はルクセンブルクでの大会中止に伴って熱気球ワールドホンダグランプリを同時開催した[1]
  • SAGAバルーンマスターズカップ
    SAGAシニアパイロット選手権→SAGAバルーンマスターズカップと名称変更。2006年までに全4回を開催。
  • キー・グラブ・レース(Key Grab Race)
    嘉瀬川河川敷の会場中心部に鍵をかたどった大きな「キー」を吊るしたポールが複数立てられ、会場外で熱気球を離陸させて会場に向けて飛行し、低空飛行で「キー」を取る。「キー」を取ると協賛の本田技研工業から商品または賞金が贈られる。最終日に競技の締めくくりとして行われるスペシャル・タスク。

歴史[編集]

  • 1980年 1978年から福岡県甘木市で開催されていた熱気球大会「バルーンフェスタイン九州」が福岡空港の離着陸圏内に影響することから、開催場所を佐賀に移し、初めての佐賀で熱気球大会が開催される。その後毎年11月に大会を開催するようになる。
  • 1981年 「バルーンフェスタイン佐賀」と名称を変更。
  • 1984年 熱気球世界選手権誘致に向け、国際大会となり「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」と名称を変更。熱気球日本選手権も同時に開催するようになる。「パシフィックカップ」を制定。
  • 1988年9月23日 バルーンでの交流をきっかけとして、佐賀市ウォーレン郡(Warren County)・グレンズフォールズ市(Glens Falls)(ともにアメリカ ニューヨーク州)が姉妹都市提携を結ぶ。
  • 1989年 アジアで初めての世界選手権「1989第9回熱気球世界選手権」を開催。参加132機(世界選手権102機/国外94機)。大会史上最多の観客動員117万人。大会期間中の臨時駅としてJRバルーンさが駅が開業する。
  • 1990年 「熱気球太平洋選手権」を開催。熱気球では唯一の女性パイロットのランキングを決定する「レディスワールドカップ」を制定。
  • 1993年 佐賀空港着工、建設が進むにつれバルーン飛行中止の懸念が広がる。翌1994年に両者の共存を協議する佐賀空港・熱気球調整研究会が発足[2]
  • 1993年 「熱気球日本グランプリ」(現在の「熱気球ホンダグランプリ」)が初めて開催される。
  • 1995年 佐賀空港とバルーンの共存について、バルーンに警報機能付きGPSとポケットベルの搭載を義務づけ、離着陸を自動管理するシステムを構築し、飛行エリアを一部制限して存続していくことで合意[2]
  • 1997年 「1997第13回熱気球世界選手権」を開催。大会史上最多の参加170機(競技外58機、38ヶ国・地域)。観客動員107.1万人。
  • 1998年 佐賀空港開港後、初の大会。
  • 1999年 佐賀で大会が開催されて20周年を迎える。
  • 2000年 これまで開催されていた大会日程を11月下旬から日程を11月上旬に変更する。
  • 2002年11月4日 午前9時ごろ、マーカー投下を終えて着陸した1機において、着陸直後にシリンダ(燃料タンク)が破損しガスが側方に噴出、機体が横倒しになり、球皮が被さってバーナーの火に引火する事故が発生。乗員2人が脱出した後、機体は炎上しながら再び浮上、南東に約1.3km飛んで農地のクリークに落下した。乗員が軽い怪我を負ったほか、落下物により付近のビニールハウスが損傷したほかは、被害はなかった。[3]
  • 2003年 50歳以上の熱気球パイロットを対象とした選手権「SAGAシニアパイロット選手権」(現在の「SAGAバルーンマスターズカップ」)が初めて開催される。
  • 2005年 佐賀での大会開始からの延べ観客数が1500万人を突破する。
  • 2006年11月12日 午前7時30分ごろ、競技中の2つの機体がお互いに気がつかないまま、片方の機体のバスケット(ゴンドラ)がもう一方の機体の球皮に乗る形で衝突する事故が発生。乗られた機体は球皮が損傷し緊急着陸、乗った機体は競技を続行した。気球を除いて人的・物的ともに被害はなかった。[4]

競技種目[編集]

同時開催イベント[編集]

メイン会場でのイベント[編集]

  • バルーンファンタジア
    アニメのキャラクターや様々な動物のバルーンが登場する。2006年に「ファンファンカーニバル」からこの名称に変更されている。
  • キッズデー
    子供を中心として、熱気球に触れたり中に入ったりする事が出来る。団体での参加は事前の申し込みが必要。個人の場合も、天候や参加人数を考慮して早めに集合することが推奨されている。
  • ハートフルデー
    障がいを持つ人を招待し、熱気球に体験搭乗したり中に入ったりするイベント。事前の申し込みが必要。共栄火災海上保険の協賛によるイベント。
  • ラ・モンゴルフィエノクチューン
    夜間に開催されるイベントであり、河川敷一面に並べられた熱気球がバーナーによりライトアップされる。
  • スポーツ&レジャーフェスティバル
    子供向けを中心に十数のイベントが行われる。競輪公益資金の補助を受けて行われている。
    • 気球教室
      実際にバルーンに触りながら、バーナーによる気球の立ち上げから片づけまでを行える。
    • ホンダバイクトライアル
      世界の一流バイクライダーが様々なデモンストレーションを披露する。
    • スポーツカイト
      スポーツカイトによるデモンストレーション。
    • サッカーパーク
      サガン鳥栖の選手などが参加して行うサッカー教室。

イベントステージでは大会期間中、協賛企業や後援団体が主催・支援して地元の団体や著名人などが参加して行う、ショー、コンサート、ライブ、NBCラジオ佐賀およびエフエム佐賀の公開生放送などのイベントが行われる。

同時開催されるイベント[編集]

  • サガライトファンタジー
    前日には、佐賀市内の大通りのライトアップ点灯式、競技を行うパイロットなどが参加してバーナーを点灯させながら行うパレードなど、前夜祭を兼ねたオープニングイベントが開催される。ライトアップはクリスマスイルミネーションなどの意味も兼ねて翌年1月ごろまで継続される。(リンク:[1]
  • ザ・サンヤマチナイト
    選手も参加しバルーンを通して行う、市民との交流会。
  • 古湯映画祭
    古湯温泉で行われる映画祭。2007年から同時期開催となった。
  • 道の駅大和そよかぜ館の秋祭り
  • 佐賀城下秋の骨董市(松原神社
  • 佐賀市歴史民俗館特別展
  • 大隈記念館・大隈重信旧宅の一般開放
  • 吉野ヶ里歴史公園のイベント・料金一部無料化
  • 三瀬村田舎と都市のふれあい祭り

この他にも様々なサテライトイベントが開催される。

会場へのアクセス[編集]

自転車や二輪車でのアクセスも多いため、メイン会場東側の土手下に駐輪場が設けられている。

関連項目[編集]

参考資料[編集]

  1. 熱気球ホンダグランプリ データ グランプリの歴史 Air B
  2. 2.0 2.1 1998 SAGA International Balloon Fiesta NEWS LETTER vol.1 佐賀バルーンフェスタ組織委員会, NetComさが
  3. 2002/11/4の気球炎上爆発事故 事故調査報告書 本文 日本気球連盟 事故調査委員会 事故情報
  4. 2006年佐賀バルーンフェスタにおける衝突事故 日本気球連盟 事故調査委員会 事故情報

外部リンク[編集]