ナイツ(ゲーム)

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ナイツ』(正式名称:ナイツ NiGHTS into Dreams...)とは1996年7月5日ソニックチームの製作でセガより発売されたセガサターン用ゲームソフト。同社の看板作品『ソニックシリーズ』と並ぶ人気を誇る。

独特でファンタスティックな夢の世界を、心地良いメロディの中で縦横無尽に飛び回り、悪夢の支配から自分たちの夢の世界を守る物語。作品の音楽や登場キャラクターは、後に発売されるソニックアドベンチャーファンタシースターオンラインなどでも度々使用されている。

世界観と設定[編集]

楽しい夢の世界、ナイトピアを消滅させ、夢の世界を悪夢の世界ナイトメアにしようとする「ワイズマン」が突如として生まれ、彼によって人々の夢は悪夢によって支配されつつあった。ワイズマンは自分の片腕としてファーストクラスのナイトメアンであるナイツとリアラを作り出すが、ナイツはその自由奔放な性格と、彼を快く思わないリアラの悪計によって夢の狭間「イデアパレス」に監禁されてしまう。ナイツは「イデア」があればイデアパレスから極短い時間開放されるため、勇気のイデアを持つクラリス(もしくはエリオット)と同化しナイトメアンから奪われたイデアを奪い返してナイトピアを平和な世界にしようと持ちかけるのだが……。

キャラクター[編集]

主要人物[編集]

ナイツ
主人公であるナイツは本来「悪夢の世界の住人」でありナイトメアン本来のクレイジーな面も持っているが、その自由奔放な性格から生みの親であるワイズマンに反抗したためにイデアパレスに監禁されてしまう。彼は空を自由に飛行する能力の他、体の形をたくみに変え、水の中では魚の形に、氷の上では「そり」の形になるなどさまざまな姿に変形することができるが、それ以上にナイツはナイトメアンの中でも2人しか存在しないファーストクラスのナイトメアンであるため、ビジター(夢を見る人々)と同化するという最大の能力を持っている。しかしイデアパレスに幽閉されている現在はイデアが無くては外に出ることは叶わず、出られても極短い時間だけである。なおナイツを含め、夢の中の住人たちが話す言葉はすべてビジターが無意識に作り出した夢語で、デュアライズが解除される瞬間にナイツが叫ぶ「アディーマ! (= あばよ!)」など、実際に存在する言語に近いが、実在はしない。
クラリス・シンクレア
最初にナイツと出会うことになる15歳の少女(※海外版では14歳)。いまや稀である勇気のイデアを持つ。赤い瞳で、ピンク色の髪をポニーテールにしている。芸術家の家庭に生まれ高い感受性を持ち、育ちの良い彼女の夢はミュージカルの舞台に立つことだが、街の100周年記念で開催される作品のオーディションを間近にした彼女の、失敗を恐れる気持ちが悪夢の世界に迷い込ませ、そこでナイツと出会うことになる。エンディングでは現実世界でエリオットと再会を果たす。続編であるクリスマスナイツのエンディングではエリオットとは相思相愛の仲になる。
エリオット・エドワーズ
クラリスと同じようにいまや稀である勇気のイデアを持つ15歳の少年(※海外版では14歳)。青い瞳にスポーツ刈りの青い髪をしている。彼はいわゆる優等生で、特に得意であるバスケットは同級生の誰も敵わないほど。クールで人前で感情をあまりださない彼は近所のコートで仲間とバスケットボールをプレイ中、年上のグループに突然乱入され実力の差を見せつけられた上に、彼らに追い出されてしまった。負けると分かっている勝負にアッサリと身を引く彼だが冷静な表情の奥底では屈辱的な思いで一杯となっていた。その夜、彼はその時の悪夢を見、逃げ出そうとするところにナイツと出会う。エンディングでは現実世界でクラリスと再会する。続編のクリスマスナイツではクラリスと恋人同士になる。

ナイトピアン[編集]

夢の世界ナイトピアの住人。ゲーム中ではステージのそこかしこにいるが味方でも敵でもない。詳しくは後述の「#「A-LIFE」システム」を参照。

ナイトメアン[編集]

ゲームの敵キャラクターであるナイトメアンは、ナイトメアマスター、ファーストレベル、セカンドレベル、サードレベルの4種類に分けられる。ファーストとセカンドは各ステージのボス、サードは雑魚キャラクターである。

ワイズマン
ナイトメアの世界と共に生まれ、ナイトメアの世界を作った謎の存在。ナイトメアマスターであり現在いるナイトメアンのほとんどを彼が創造した。鉄兜のような頭に実体の無い体、怪しく輝くマントを着用しており、体から離れた目玉の着いた6つの手がある。夢の世界を完全征服しようと策略し、イデアを奪ってビジターを悪夢の世界に引きずり込もうとしている。
リアラ
ナイツと共に生み出されたファーストレベルのナイトメアンであり、ナイツのライバル。ナイツに姿形は似ているものの、冷酷で残忍、禍々しい顔をしている。ナイツと共に生み出されたが、その存在を快く思っていない。

ゲームシステム[編集]

アクション[編集]

ナイツとデュアライズしている状態では様々なアクションが可能。

飛行
飛びたい方向に方向キーを押し続けると上下左右に移動できる。
ドリルダッシュ
回転しながらダッシュするアクション。A・B・Cボタンのどれかを押しっぱなしにする。減速してしまったときに素早く最高速に達するほか、ナイトメアンに対して攻撃するときなどに使われる。ドリルダッシュには画面左下のゲージで使用時間が制限されているがリングを通過すると少しずつ回復する。ゲージがゼロでも約0.5秒だけドリルダッシュができる。
パラループ
ナイツが空を飛んでいる際に光の軌跡(トゥインクルダスト)が一定時間表示される。この光の軌跡を途切れさせず一つの輪にすると「パラループ」が発生し、輪の中のナイトメアンを消滅させたりアイテムを同時に大量に獲得したりすることができる。パラループは3次元的に発生するのでコースの手前や奥のアイテムを回収できることがある。パラループでのアイテム回収は若干のタイムラグが発生するため、これを有効活用することでリンクをより長く維持することもできる。また、特定の場所でパラループをすることにより、隠しアイテムが登場することもある。
タッチダッシュ
タッチ状態(ナイトメアンを捕まえている状態)でドリルダッシュするとナイトメアンを弾き飛ばすことができる。
タッチループ
タッチ状態でほおっておくとナイツはゆっくりと勝手に回りだし、小さいパラループが発生する。
アクロバット飛行
飛行中にL / Rボタンを押すと、入力している方向キーの組み合わせに応じて特殊なアクションを起こすことができる。アクロバット飛行自体にそれほど有用性は無いが、飛び方に「遊び」をつけたり、ある特殊なリング(アクロリング)を通過すると発生する「アクロバットタイム」時にボーナススコアが入る。また、L+Rボタン同時押しの急停止でアクロバットタイム時は終了し、最後のボーナススコアがもう一度入る。
急停止
L+Rボタン同時押しで、タッチダッシュ中でも急停止することができる。
方向転換
ナイツが静止中(直立ポーズ)にLボタンを押すと左に、Rボタンを押すと右に向きを変えられる。

ステージ[編集]

目的[編集]

プレイヤーはエリオット、もしくはクラリスとなってそれぞれの夢の世界「ナイトピア」に降り立つところからゲームが始まる。ステージ開始当初は人間の姿であり非力だが、イデアパレスに幽閉されているナイツとデュアライズ(同化)することで飛行能力を得ることができる。

ゲームの目的は主人公たちの表の夢の世界「ナイトピア」で敵キャラクターに奪われてしまったイデアを取り戻し、悪夢の元凶である「ナイトメア」(ボスステージ)へ移動してそこにいるボスを倒すことである。なお、ボスを倒す条件や方法はどれも異なる。

ダメージ[編集]

基本的にはナイトメアン自体に触れてもダメージは受けないが、ナイトメアンの攻撃を受けたびに制限時間が5秒減ってしまう。

ナイトピアでの目的[編集]

ゲーム開始当初は必ず「ナイトピア」でゲームが開始する。ナイトピアとはクラリスとエリオットの楽しい夢の世界で、この世界は意識の象徴であるイデアによって形成されているという設定になっており、明るく美しい世界である。

ゲームの開始~デュアライズまで[編集]

イデアはプレイヤーの周囲を飛び回る光の球体として表現され、純粋をあらわす「ホワイト」、成長をあらわす「グリーン」、知性を現す「ブルー」、希望を表す「イエロー」が存在し、プレイヤーは最初からその全てを持っているが、ものの数秒も経たずにナイトピアに進入して来たナイトメアの住人「ナイトメアン」に奪われてしまう。

イデアが無くなればナイトピアは消滅し、夢の世界はナイトメア(悪夢)になってしまうが、直前に忘れかけていた勇気を現す「レッド」のイデアを取り戻し、ナイトピアの世界を守るために戦うという物語である。

プレイヤーは「勇気のイデア」を媒体にナイツとデュアライズ(同化)し、他のイデアを再び取り戻すことになる。マップは一つの小さな箱庭の世界で作られている。画面は3Dだが実際の動きは2D横スクロール(一部ステージギミックによる例外あり)で、コースはイデアパレスをスタート / ゴール地点にして、マップをぐるりと周回する形になる。コースは1つのステージに4つ存在し、コース1に捕らわれたイデアを奪還しイデアパレスに奉納するとコースが切り替わり、次はそのコース(コース2)のイデアを奪還し……といった形でゲームが進行する。

また、デュアライズ中は画面上部に「残り時間」が表示される。残り時間とはナイツとデュアライズできる時間(秒)である。これがゼロになるまでにイデアをイデアパレスに奉納できないと、デュアライズが解けてエリオットもしくはクラリスの姿に戻ってしまう。

なお、デュアライズが解けた状態でもイデアを開放することは可能であり、後述する「イデアキャプチャー」からイデアを取り戻せば再びナイツとデュアライズすることができる。これらの要素のためナイトピアでゲームオーバーになることはめったにない。こうした要素の都合上、ナイツは旧来の「アクションゲーム」というよりも、ある種「レースゲーム」的な感覚を覚える者も多い。なお、残り時間はイデアをイデアパレスに奉納すると120秒(固定)にチャージし直される。

イデアの解放~奉納[編集]

イデアを取り戻すのに敵を倒すという行為を必要とはしていないのも本作の特徴である。イデアは「イデアキャプチャー」と呼ばれる機械に取り込まれている。

このイデアキャプチャーを破壊するには、ステージに散らばっている「ブルーチップ」を持っている状態でイデアキャプチャーに入るとダメージを与えることができ、20個のブルーチップをイデアキャプチャーに開放して破壊すれば、イデアキャプチャーからイデアが出てきてナイツの周囲を飛び回り始める。

イデアの開放は人間時でも可能であり、人間時はナイツの時とはまた違い3次元的な動きが可能で制限時間は無いが、ゲームオーバーのリスクやナイツの状態よりも移動速度に劣り、またスコアが格段に減るなどのデメリットが存在するためハイスコアを狙うことができない。

こうして4つ全てのイデアを取り戻すとプレイヤーは「ナイトメア」へと旅立つことになる。

スコア稼ぎ[編集]

イデア奪還時にはそのときの残り時間に応じたボーナススコアが加算され、その後イデアをイデアパレスに奉納するまでの間、全ての取得スコアが2倍になるボーナスタイムに突入する。

ナイツの状態の時ならばイデアを取り戻した後もイデアパレスに奉納せずに通り越せば、もういちど同じルートを周回することが可能である。この時、イデアパレス通過前に取ったブルーチップやリングなどのアイテムなどが復活しており、それらを取れば再びスコアとして取得できる。

その際、アイテムを連続で取ったり、「リング」に連続で通ると(リングは一度通ると消滅する)「リンク (Link)」となり、スコアにさらにボーナスが入り、スコアが高ければ高いほどイデア奉納時に出されるランクも高くなる。

コース終了時には、スコアに応じたランクが表示される。このランクはラップごとに記録され、最高ランクは「A」となっている。しかしスコアは人間に戻ってしまうと非常に下がってしまうため、いかに限られた時間内で多くのスコアを得るかがポイントである。

特に、高いランクを得ようとした場合、イデアキャプチャー破壊~そのまま奉納のルートではE~Cランク程度が限界のため、それ以上のランクを得るには必然的に周回を繰り返す必要がある。

つまり、短い時間でより早くイデアを奪還し、より多くリンクし、より多く周回を繰り返すことで、スコアをより高くし、ランクを上げるというのがこのゲームの目的である。しかし欲張りすぎると時間切れでデュアライズが解除されてしまうため、その辺りのさじ加減も重要である。

なお、イデア解放までにかかる時間はスコアに大きく影響するが、イデア解放後にイデアパレスに奉納するまでどれだけ時間がかかっても、スコアに影響はない。

ゲームオーバー[編集]

ナイトピアでは時間切れでデュアライズが解除される事はゲームオーバー(このゲームでは「ナイトオーバー / night.over」と呼ぶ)ではない。出現するアラームエッグ(卵の形をした目覚まし時計)に捕まってしまうことでゲームオーバーとなる。このアラームエッグは比較的動きが遅いため、そう簡単につかまることはなく、地面から浮いた足場には上ることができないため、少し気をつけていれば捕まることはまずない。また、アラームエッグはナイツとデュアライズしている状態では出現しない。

ナイトメアでの目的[編集]

ナイトメアでは巨大な敵「ナイトメアン」と対決することになる。

ナイトメアンはクラス分けされており、ここで戦うこととなるナイトメアンは、ナイトピアに登場する小型のサードクラスのナイトメアンよりも強力な「セカンドクラス」、もしくは「ファーストクラス」のナイトメアンである。ナイトメアのナイトメアンのほとんどは巨大な身体を持ち、多様な攻撃でナイツを苦しめる。

ナイトメアでの時間切れは即刻ナイトオーバーであるため、限られた時間内でナイトメアンにダメージを与え倒さねばならない。しかし中には通常の攻撃だとまったくダメージを与えられないナイトメアンも存在し、彼らを倒すにはナイトメアに用意されたトラップを利用しなくてはならない場合もある。ナイトメアンをより早く倒すと、残り時間に応じてボーナス倍率が得られる。ボーナス倍率はナイトピアで得たスコアを1.0倍~2.0倍まで0.1倍刻みで増加させるものである(倍率は残りタイムにより決定される)。

ボス[編集]

どのステージでどのボスが出るかはランダムで決まる。

ギルウィング
竜のようなセカンドレベルのナイトメアン。丸い頭に長い尻尾と胴が一体化したような体を持つ。棘がびっしり生えていて触れるとダメージを受ける。タッチダッシュで頭を弾くと体を媒体にして再び頭が生える。頭が生えた分だけ体は短くなり、最後まで弾くと倒すことができる。または尻尾にパラループを当てると一撃で倒すことができる。
パフィー
ボール体型のセカンドレベルのナイトメアン。ウサギのような太った貴婦人。宝石の装飾品を大量に身につけており、バウンドしてナイツを踏みつけてくる。ステージの奥まで弾き飛ばして行き、一番奥の部屋にある罠にはめて倒す。
ガルポ
超巨大魚のセカンドレベルのナイトメアン。周りの赤い魚の形をしたダッシュボールを使ってナイツ自体を弾かせ、ガルボに突撃する方法で攻撃する。
クロウズ
黒猫のようなセカンドレベルのナイトメアン。ステージに設置されたネズミ花火ミサイルを点火、発射し攻撃してくる。ネズミ花火ミサイルを壊し続けると逃げ場を失い、攻撃できるようになる。
ジャックル
魔術師の姿をしたセカンドレベルのナイトメアン。追尾トランプを投げてくる。笑い声が不気味。マントを剥がしてタッチダッシュを叩き込む。
リアラ
詳細は#ナイトメアンを参照。ナイツと同等の能力を持つ。パラループを発生させてそこに入れることでダメージを与えられる。リアラもパラループを使ってくる。

スコアとランク[編集]

ナイトピア4コースのスコア合計にナイトメアで得た倍率ボーナスを掛けたスコアがそのステージでの最終スコアとなる。このスコアに応じて最終的なランク(A~F)が下される。なお、スコアとランクの関係はステージごとに異なる。

クラリスとエリオット各4ステージずつあるが、第4ステージは第1から第3でランク「C」以上を取ることで出現する。また、4ステージ全てでランク「A」を出してゲームをクリアすると通常とは違った展開になる。

「A-LIFE」システム[編集]

本ソフトには「A-LIFE」システムという人工生命ライフゲーム)の要素がある。(ゲーム進行上のルールには一切影響しないおまけ的な要素である。)

とはいっても、それは別項目で存在するわけではなくマップ上に存在する「ナイトピアン」というキャラクターがそれである。「ナイトピアン」は頭に天使の輪がかかったかわいらしいキャラクターとして表現されており、マップの各所で生活をしている。プレイヤーが彼らに対してネガティブ(パラループで消滅させる)な行為をしたり、逆にポジティブ(ナイトメアンに襲われている彼らを助け出す)な行為をとったりすると、ナイツに対する感情に変化が生まれ、ゲーム中の音楽が変化する。

ナイトピアンにナイトメアンをドリルダッシュやタッチダッシュでぶつけたり、それでさらにナイトピアン同士がぶつかったりすると新しいタイプのナイトピアン(楽器を持っていたり歌を歌ったりするなど)が誕生することがある。マップ中にはまれに卵が存在することがあり、それをタッチして孵化を促すことで新しいナイトピアンを誕生させることもできる。

ナイトピアンは「パラループ」で消滅させることもできるが、かなり悲痛な叫び声とともに消えるので、あまり気持ちの良いものとは言えない。ナイトピアンと直接干渉する機会はあまり多くなく、プレイしている最中に発生する突発的な出来事によって状況が変化することが多いため、どちらかというと彼らとの干渉はライフゲームに近い感覚である。

この「A-LIFE」はドリームキャスト用ソフト「ソニックアドベンチャー」シリーズで「チャオ」という形になって導入されることとなるが、そちらはライフゲームというよりも育成ゲームに近い形であり、原型をとどめているとは言いがたい。「ファンタシースターオンライン」では、ある条件を満たすことにより「ナイトピアン」と「チャオ」の形をした防具を作ることができ、これらのキャラクターはソニックチームを代表するキャラクターにもなっている。

音楽[編集]

本作は「ナイトピアン」と「ナイツ」との友好関係度によってゲーム中の音楽が節ごとにリアルタイムで変動する。これは「プレイヤーが現在どのような状況であるか」ではなく「プレイヤーが今の今までどのようなプレーをしてきたか」を表すものであり、このゲームの音楽はプレイスタイルによって千差万別となるという最大の特徴がある。ナイトピアンとの友好関係はステージごとに個別で存在する。なお、この変動は本ソフトのセーブデータがある状態でクリスマスナイツのおまけモードをプレイすると自由にカスタマイズして視聴することができる。

ナイツで使用されているBGMの大半は「佐々木朋子」(ササキトモコ)によって作曲されている。なお、佐々木は2001年セガから分社化したウェーブマスターに移転し、「ROOMMANIA#203」などのシリーズに携わった。なお、すべてのステージでランクAをとってクリアすると、スタッフロール時のエンディングソング「DREAMS DREAMS」が子供の歌うものから大人の男女によるデュエット曲に変化する。

続編・関連作品[編集]

続編[編集]

クリスマスナイツ
ナイツ体験版のファンディスク的なゲームソフト。

クリスマスナイツ参照

ナイツ (プレイステーション2)
セガサターン版の発売から11年を経て待望の移植。ストーリーや基本システムはそのまま引き継がれている。セガサターン版のグラフィックを再現した「SEGASATURN DREAM」モードとグラフィックを一新した「BRAND NEW DREAM」モードを搭載している。また様々な追加要素がある。
ナイツ 〜星降る夜の物語〜
2007年12月13日に、正式な続編としてWii用ソフトとして『ナイツ 〜星降る夜の物語〜』が発売された。
詳細は ナイツ 〜星降る夜の物語〜 を参照

CD[編集]

プレイステーション2への移植を記念して、オリジナル版およびクリスマスナイツで使用された音楽を収録したCDがプレイステーション2版と同時に発売された。

その他[編集]

ソニックアドベンチャーのあるステージではナイツがゲスト的に出演し、そのマップの一部もかなり忠実に再現されている。

プレイステーション2用の周辺機器EyeToyを用いたソフトSEGA SuperStarsでは、ミニゲームの一つとしてナイツも入っており、プレイヤーが実際に両手を広げて大空を飛んでリングをくぐるという内容になっている。

ソニックピンボールパーティーにはナイツをモチーフとしたピンボール台が登場する。

ソニックライダーズでは、使用キャラクターの中にナイツが入っている。その他にもニンテンドーゲームキューブで発売されたファンタシースターオンライン エピソード1&2のミニゲーム(GBAジョイキャリー用「NiGHTS~SCORE ATTACK~」[1])や、iモードのアプリとしても登場している。

補足[編集]

  • 元々はプログラマである中裕司が、リードプログラマとして自身の手でプログラムを書いた最後のソフトである。当時の役職は、CS第三研究開発部部長。これ以降はプロデューサー業、後に株式会社ソニックチームとして分社化後は社長業を担当した。
  • 「ソニックチーム製作」の製品であるが、当時はCS第三研究開発部内において、中裕司が何等かの形で関ったプロジェクトに冠していた(いわば自称の)ブランドである。実際にソニックチームが独立した組織となったのは、株式会社ソニックチームとして分社化されて以降である。
  • 本作はセガサターンの周辺機器、マルチコントローラー(いわゆるアナログ方向キー)対応であるが、むしろマルチコントローラーが無ければ操作に難がある。
  • 本作のゲームディスクにはゲームのデータの他に楽曲が収録されているトラックがあり、セガサターンのCDプレイヤーか、一般のCDプレイヤーで再生することで音楽を視聴できる(ただし一般のCDプレイヤーで再生する場合は1トラック目および2トラック目を再生しないよう注意する必要がある)。また、クリスマスナイツも同様になっている。両者では収録されている楽曲が若干違う。

PS2版 ナイツ製作秘話[編集]

今から2年前(2006年2月)~[編集]

「SEGA AGES2500 ダイナマイト刑事」が完成間近となり、次の仕事を何にしようか奥成Pと検討開始。

刑事の出来がなかなか良かった為、「難易度高いですけどナイツやれませんか」と言いだす奥成P。我々自身にとっても「やりがいのある」タイトルだ。個人的に調べてみると“たのみこむ”などでのリクエストもとても多い。

あまりの難易度の高さに日本の開発会社では採算が合わない、我々がやらねば世に出ることは無いだろう。そう思うと何やら責任感さえ湧いてしまい、結局承諾した。

この時点で「2006年中に出してくれれば10周年です」と飯塚Pに言われるが、奥成Pと苦笑いでスルーだ。

作業開始から1ヶ月~[編集]

当時の上司でありナイツの生みの親でもある中氏から

「ほんとに上海チームでできるの?全部アセンブラ言語で組んであるし、しかもサターンのツインCPUをフルに使いまくっているよ。」

と嫌味を言われるも、「まあ見てて下さい」と豪語しつつ説得。これが自らを背水の陣に追い込むことになる。

SS版ソースは有った物の、元の絵のデータは全滅だし、クリスマスナイツのソースは行方不明。いきなり見通しは暗い。ムービーは高画質データが現存せず。 それならもう一度レンダリングし直そうとデータを集めるも元素材が不完全、一部の足りない部分は目コピーで作り直しが確定。

これが結構大変な作業で、上海スタジオの赤字仕事も確定。それでも「やりがいのある」仕事なので、そこは上司に内緒でGO!

サウンドは幡谷氏が全面協力を申し出る。本人かなりやる気のよう。ただし忙しいので本格作業は6月からだ。

作業開始から2ヶ月~[編集]

セガの販売目標が○万本と設定され、予算もちょっと増えて上海スタジオは赤字回避。

飯塚Pが手掛ける新作とのコラボも視野に入れ、2007年春にPS2版でナイツ認知度アップ、年末に新作でビッグヒットという戦略が組まれる。上海チームはかつて無い興奮に沸きあがる。ダイナマイト刑事とはえらい扱いの違いだ。

作業開始から4ヶ月~[編集]

アセンブラ解析チームの作業の進み具合がどうも怪しい。4人がかりでやっていたのだが、調べてみると、どうもできているようで、できていないっぽい。それを追及中、我々に激震が走った。

『メインプログラマー4名中、3名が辞職願を同時に提出』

それはもろにヘッドハンティングだった。米国で壮絶なバトルをしてセガを叩きのめしたあの○A社が、ここ上海でも我々にキバを剥いて来たのだ。もちろん彼らの仕事は中途半端な状態で投げ出され、内容が内容だけにとても引き継げるような物ではなく、ナイツプロジェクトはここに来て死亡寸前の危機に陥ってしまった。 我々上海チームの顔色は、淀んだ上海の空のような灰色だ。

作業開始から5ヶ月~[編集]

この時点でナイツは本当に into dreams…だった。

しかし私の長いゲーム開発経験の唯一の自慢は、一旦開発を始めておきながら完成に至らなかったゲームは一つも無い事。(売れる売れないは別としてね)

この程度の事で諦めるほど往生際はよくない。それにここでやめたらセガ上海に大きな汚名が残ってしまうし、ナイツが復活出来ずに“たのみこむ”の書き込みも増えてしまう。私はその時点で最大の技能を持つ中国人プログラマーと、最もあてになる日本人プログラマーO氏に「今すぐやっている仕事を切り上げてナイツを担当してくれ」と指令を出した。

これはまさにお願いではなく指令。お願いでは引き受けられる難易度ではない。

「その代わりスケジュールだけは君らの言うとおりにするから」と説得し、彼らは仕方なく実現性の見積もりだけは開始してくれた。こうしてボロボロの中からも「使えるかけら」を拾い集める作業が開始された。

作業開始から6ヶ月~[編集]

私は今回のヘッドハント劇とその影響を奥成Pに説明しなければならなかった。気が重い話を淡々と伝え、どれくらいの遅れが出るかは見積もり次第だと告げる。しかも見積もりに数ヶ月かかるとも伝えた。絶望的な内容と私のカラ元気を受話器越しに察し、しかして懐の広い奥成Pはこう言ってくれた。

「スケジュールの遅れは構いません、正直なところを出してください。ただし、予算は増えない方向で。」

いろんな意味でありがたい言葉だ。私はスタッフにこれを伝え、日本側は我々の努力を汲んでくれるから根性を見せてくれとハッパをかけた。そうして開発チームは恐ろしい難易度のアセンブラとの格闘に再チャレンジし始めた。後に奥成Pから「僕らのナイツはプロジェクトが小さすぎて気にされていないんですよ」と聞かされた気がするが、中国の安酒で二日酔いになった為かはっきり覚えていない。

作業開始から7ヶ月~[編集]

開発スタッフがアセンブラの挙動を検証するためにどうしてもサターンの開発機材が必要だと言う。サターンの開発機材といえばもう十年前の骨董品。使い方はおろか、どこにしまわれているかも不明だ。大体見つかったとしても動く保障は全く無い。

探すことを渋る機材サポートチームを説得し、苦労の末やっと一台をレンタル倉庫の奥から発見した。大喜びもつかの間、これを動かすためにはこれまた骨董品のPC(旧PCIスロット付き)が必要と言うことになった。こちらも手を尽くして社内中を探し、何とか個人の所有物を発見。機材サポートチームを拝み倒し、ボランティア仕事でサターン開発機が繋がって動くところまで組み上げてもらう。

なんとも涙ぐましい努力の末に、やっとサターン開発環境はここに復元された。ここまで余裕で数ヶ月が消費され、さらに輸出関係ですったもんだした挙句、やっと上海に届くことになる。しかしこれが後のナイツの再現性を高める原動力となるのだった。

作業開始から9ヶ月~[編集]

アセンブラ解析チームの見積もりが終了した。その結果は耳を疑う恐ろしいものであり、我々の全てが凍りつき、そして恐怖した。

「このままアセンブラ解析を続けての製作では、今から2年かかっても完成しません」

・・・・・・・・・アア・・・・・・・・・ナイツ・・・・・・・・

ああ、ナイツ。なんという偉大なゲームであろう。

我々を苦しめて、どん底にたたきつけて、それでも立ち上がろうとする心を「これでもか」と踏みつけてくれる。

N氏の魂が籠められたゲームには、それに触れるものを容赦なく苦境に陥れるという伝説は本当だったのか。

しかし私は言わねばならない。その責任を持ったヒトとして言わねばならない。

「で、完成させるにはどうすればいいの?」

一同はさらに凍りつくしかなかった。

作業開始から10ヶ月~[編集]

再びナイツはinto dreams…となっていた。

ここが私にとっての最大の山場だった。開発チームは「アセンブラ解析はある程度に抑え、残りは目コピー」が最良の答えと言う。しかしナイツは半端な規模のゲームではない。

全てを一から作るとなると、しかもサターンモードと両方を作るとなると、絵の作業だけでも莫大な量となるのはもちろん、アセンブラで書かれたソースコードの量も尋常ではない。いったい何人がかりでどのくらいの労力が詰め込まれているのか見当も付かない。しかもあのナイツファンを納得させる移植レベルが必須。

私はゲーム作りの素人ではないから、その作業が絵に描いた餅に感じるくらいの巨大さであることがはっきり認識できていた。さらに問題は期間と予算。

いくら中国人スタッフの人件費が安いと言ってもタダではないし、当初予定の締め切りまでは、半年しか残っていない。この作業をするのにどれほどの費用がかかるのか、どれほどの時間がかかるのか、ひたすらに気が遠くなってゆく。

「やめるという選択肢は無いのですか?」一人のスタッフから声が上がる。

ああ、その言葉のなんと甘く心地よい響きであることか。それが最も楽であり、この苦しみから開放される近道であることは言われるまでも無く解っている。そう、解っているのだよ。でも私には選べないのだよ。何故だか解らないけど、選べないのだよ。

「・・やる。・・・やると言ったらやる。・・とりあえずどうにかするぞ。」

私に残されていたのは、もうからっぽの言葉だけだった。

作業開始から11ヶ月~[編集]

大幅な開発方針の変更と、チーム編成のやり直し。作業仕様の切り直しとスケジュールの組み直しを一気に推し進めた。チームはこの時点で社内に余っているプログラマーを全員投入した。余っていない者も投入した。おかげで他のプロジェクトはプログラマーが居なくてスカスカだ。

デザイナーも大人数で一気に進めることにした。ちょうど刑事EXのチームが空いたところだったので、10人全員をそのままつっこんだ。サターンモードの担当とブランニューモードの担当が、それぞれの背景とモデルを流れ作業のようにバリバリ作り上げてゆく。こういった仕事は上海チームに向いている。仕事の速さがそのまま能力と見る文化的背景があるのだ。

予算オーバーはこの際もう見ない。とりあえずスケジュールだけを重視して、でもクオリティを妥協しないという、恐ろしいやっつけ仕事に突入した。何故だろう、もう怖い物はなくなっていた。

出来る出来ないよりも、「やる」という意識しかなくなっていて、迷いはすっかり消えていた。メンバー達もその言葉の通り、ひたすら「やる」だけになっていた。 みんななんだか「やれそう」な気がしてきていた。

作業開始から12ヶ月~[編集]

ここにきて日本人プログラマーO氏が悲鳴を上げた。こんなに大きな背景では、1ステージ分すらPS2のメモリーに入りきらないと言うのだ。

サターンのナイツでは、背景情報を升目に区切った座標の高さ情報だけで構成するという、恐ろしい圧縮方法を取っていた。恐らくサターンのちっちゃなメモリーの中で広大な背景を作り出すために考え出した天才の発想だろう。

しかもせっかく輸入したサターン開発機は寿命間近でしょっちゅう再起動、その上1台しかないからツインCPUの両方をデバッグできず、高度なプログラムはアルゴリズムが途中までしか追えない。彼の悲鳴と苦悩は毎日のように続いていた。

私にはカップ麺の差し入れくらいしか出来ないが、なぜか私が差し入れる日本製のカップ麺は彼の机に次々と山と積まれ、その下で机に突っ伏して昼休みを寝て過ごしている。カップ麺すら食べる暇が無いのか・・・

この後もこうした先人の恐ろしい知恵や機材の不具合とO氏の格闘は続いてゆき、彼の超人的な活躍によって不可能を可能に変えてゆくことになる。そんな中、幡谷氏から曲と効果音が届き始める。幡谷氏の魂のこもった懐かしいナイツの曲がやっとPS2から流れ始めた。それによって我々の意識は「やれそう」から「出来そう」に劇的に変わってゆくのだった。

作業開始から14ヶ月~[編集]

いよいよリリースを視野に入れた作業が増えてきて、細かな仕様合わせが山となって私と李Dにのしかかってきていた。そんな時に日本から高橋Dが上海に赴任して来てくれた。

これ幸いとばかりに、私は彼にナイツの総指揮を任せることにする。これがナイツにとっての爆発的な好材料であることは言うまでもない。このころからサターン版の詳細な仕様との刷り合わせが佳境に入っており、そうした作業はやはり日本人の重箱の隅をつつくような目線が必須。彼はその光る眼鏡の奥から鋭い目線を走らせ、次々とアラを探し出してくれるのだった。

強力な助っ人を手に入れ、ナイツチームはいよいよ最後の難関に立ち向かう事になる。

作業開始から16ヶ月~[編集]

開発開始の当初より、最も難関であろうと予想されていた難物が、この時点でも残されていた。

そう、A-LIFEである。

この「人工知能」様は仕様書とプログラムが一致しておらず、開発した本人も「プログラムの中身が正しい仕様です」という代物。殆ど思いつきでどんどん仕様を付け足されている、アルゴリズムのフランケンシュタイン状態だった。そのフランケンシュタインがアセンブラ言語で組まれている訳だから、これはもう笑うしかない。

それもゲームの本流ではないのに、やたらとファンの記憶に残っていて、謎だらけな所を是が非でも再現せねばならないという使命があるから、ヘッドハントが無くても逃げ出したくなる。もう担当者は必死でアセンブラ言語と格闘し、ひたすらオリジナルコードが何をやっているかを解析し、一つ一つ再現してゆくほか無かった。この「人工知能」様は最後の最後までバグをだしまくり、細かなオリジナルとの違いを高橋Dと奥成Pから指摘され続け、担当者は悪夢にまで見ながらこのチマチマした生き物の再現に力を尽くした。

この中国の人にしてはなかなか粘り強い仕事のおかげで、なんとか満足の行くA-LIFE君が完成する運びとなった。そしてもう一つの難関が、ナイツの挙動である。

何と言ってもナイツの挙動こそがこのゲームの全てであるといっても過言ではない。そんなことは言われなくても誰もが解っているのだ。

専属のプログラマーはナイツの挙動再現だけを半年間ずっと続けていて、もう限界に近いところまで来ていたのだが、やはり奥成Pも飯塚Pも我々のナイツの挙動には全く納得してくれなかった。高橋Dも李Dも毎晩深夜までひたすらナイツの操作感をサターンと比較して改善策を探している。サターン開発機も最後の奉公とばかりに、何度も死にながら24時間フル回転で、ナイツの再現に力を貸してくれている。マスターアップの締め切りも近づき、皆が灰色になって力尽きる頃、それは完成した。同時にクリスマスナイツが完成し、私はその両方の披露を同時に受けた。

感無量だった。

スムーズで迷いの無い操作感。PS2コントローラーに限界まで最適化された感触。そして何よりクリスマスナイツの驚くほどの美しさと相まって、もう感涙するしかなかった。自分で操作していても他の人のプレイを見ていても、なぜかジーンとしてくるこのゲーム。

これなら大丈夫だ、誰もが満足してくれるに違いない。あとはもう、完成に向けて仕上げるだけだ。

作業開始から24ヶ月~[編集]

このあと結局発売までは、非常に長い期間がかかってしまう。

販売戦略に変更が入り、新作の後に売られることになった為だ。

「なぜ新作が先で、リメイクは後?」と誰もが不思議に思うだろうが、それは我々の作業の遅れが大きな要因なんじゃないかと思っている。そこを世の中から指摘されることは、この発売日を聞いたときに解っていた。

しかしそんな事は我々にはもう気にならない。我々が気になるのは、遊んだお客さんが満足してくれるかどうかだけだから。その為だけにこんなに無理して続けてきた。こんなにも苦労を重ねてきた。こんなにも血のにじむ思いに耐えてきた。その成果がいよいよ試される時が来る。

幸いなことに絵本が付いた「ナイトピア・ドリームパック」は予約が好調。加えてセガダイレクトのオリジナル商品のサントラも、恐ろしいことに売り切れ。ナイツファンのディープさに震えが走る。

あとは発売後のユーザーの声だけ、これだけは我々の仕事に全ての責任がかかっている。糸が張り詰めたような緊張の中、発売のカウントダウンに入っていた。

発売[編集]

2008年2月21日、いよいよその時が来た。

固唾を呑んで見守っていた我々の元に、販売状況とユーザーの反応が届き始める。販売数は予測を少し下回るものの、お客さんの反応はすこぶる良い。おりしもサッカーの16文キックやギョーザ事件の直後だったため、中にはエンディングテロップで上海チームの仕事だと知ったときに思うところのあった人も居たはずだ。しかし評判はすこぶるよろしい。

そして我々と同じように、プレイしながら落涙する者も少なくないとのことだ。この瞬間、全ての苦労が報われた思いで私たちは満たされた。

このナイツの挙動と再現されたグラフィック、ブランニューより大変だったサターンモード、見るのも嫌になったA-Life、そしてソースも無かったクリスマスナイツ。

それら全てが意義のある仕事として認められ、ユーザーから喜ばれている。それこそが私たちの最も欲しかった宝物だ。恐らく同じ気持ちであろう奥成Pが、早速連絡してくるとこう言った。

「さて、次は何をやりましょうかね?」

おい待て、ちょっと待て、今はこの満足感に浸らせておいてくれ。とりあえず「電波状態が悪くて聞こえませーん」でスルーしておき、会社の玄関に向かう。そこには私が特別にお願いして作った、常にクリスマスのまま動き続けるナイツのデモ機が置かれている。誰もプレイしていなくとも、あのカラフルな画面にわくわくさせるクリスマスソングが流れ続ける。

私はこれをセガ上海の代表作として、会社の入り口で長く動かし続けようと決めているのだった。

追記[編集]

A-LIFEに関する当時の開発者との質疑が面白いので、ちょっとだけ紹介

Q.1ステージにスーパーピアンは2匹作れるか

A.見たこと無いけど、可能だと思う。

Q.クリスマスナイツでもスーパーピアンは作れるか

A.見たこと無いけど、作れるはず。

Q.ピアンタワーもクリスマス仕様?

A.覚えていない。クリスマスツリーにしてたかも。

Q.ナイトピアンコレクションでスーパーピアンはどちらに分類?

A.覚えていない。どちらかといえば「ピアン」ではないか。

Q.ゲーム中のピアンとナイトピアンコレクションのピアンは何故違っている?

A.バグです。直してください。

その他[編集]

外部リンク[編集]