ダイヤモンドは砕けない

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ダイヤモンドは砕けない』(ダイヤモンドはくだけない、JOJO'S BIZARRE ADVENTURE Part4 Diamond is not Crash)は、荒木飛呂彦の代表作である大河漫画作品『ジョジョの奇妙な冒険』のPart4(第4部)。幽波紋(スタンド)シリーズ・第2弾。

単行本29巻 - 47巻に収録。シリーズ最長連載である。

『ダイヤモンドは砕けない』は後につけられた副題で、連載当時の副題は「第4部 東方仗助」。 なお、文庫版で付けられた日本における公式な英語表記はDiamond is not Crash。これは英語としては誤った表現であるため、英語圏ではDiamond is unbreakableのタイトルで発表されている。

あらすじ[編集]

1999年、舞台は日本国M県S市杜王町(もりおうちょう)。町の花は「フクジュソウ」。特産品は「牛たんのみそづけ」。ジョセフ・ジョースターの息子(隠し子)で、空条承太郎の年下の叔父である高校生「東方仗助」(ひがしかた じょうすけ、ジョジョ)が、「弓と矢」によって生み出されたスタンド使い達の起こす事件に立ち向かう物語。

限定された狭いエリア(杜王町内)を舞台とし、平凡な日常に忍び寄る恐怖を描き出した物語である。

登場人物[編集]

仗助とその仲間[編集]

東方 仗助(ひがしかた じょうすけ)
  • スタンド名:クレイジー・ダイヤモンド(狂った金剛石)
高校生。ジョセフの隠し子で、血縁上は承太郎の叔父。本作の主人公。
広瀬 康一(ひろせ こういち)
  • スタンド名:エコーズ(ACT1)、エコーズ ACT2、エコーズ ACT3
仗助の同級生。今作の語り部。1984年3月28日生まれ。身長は157cm?でとても低い。牡羊座。両親と姉との4人暮らしで老犬ポリスを飼っている。虹村形兆にスタンドの矢で射抜かれスタンド使いとなる。最初はどこか頼りない性格だったが、自分で窮地を乗り越えていく度に人間的に成長していった。誰からも好かれる性格で、特に承太郎や露伴からは強く信頼されており、玉美や間田といった悪人にも好かれている。山岸由花子からは異常なほど愛されている。
スタンドは「エコーズ(ACT1)」、「エコーズ ACT2」、「エコーズ ACT3」。成長するスタンドでそれぞれ異なる能力を持つ。「エコーズ」は当初卵の状態で出現し、玉美との戦いで殻を破って誕生した。パワー、スピードはほとんどないが、「物体に擬音を貼り付け、繰り返し響かせる」能力を持つ。また、康一の気持ちを文章にしたものを相手に貼り付ければ、相手の心に直に想いを強く訴える事ができる。ただし、異常なほど思い込みの激しい人間には通用しない。「ACT2」はスピードが格段に上昇し、「尻尾を切り離して変形させた『しっぽ文字』に触れた者に『擬音の効果』を体感させる」能力を持つ(ACT2の登場により、旧エコーズは「ACT1」と命名された)。「ACT3」は一つの物質を地面にめり込む程重くする(エコーズ ACT3 FREEZE)。「ACT3」のみ自意識を持ち、会話が出来る。口癖は「S・H・I・T(エス・エイチ・アイ・ティー)」と口汚い。
次のスタンドへ進化する際には脱皮をする。パワーがそう強くはないACT1・ACT2の射程距離は50m程だが、逆にパワーが強いACT3は5m程。「音のスタンド」だと周囲に認識されているが、ACT3のみ能力が大きく異なるため、「成長」のスタンドではないかと言う説も存在する。なお、成長しても出すスタンドは自由に使い分けられる(同時に一体のみ)。スタンド名の由来はPink Floydの楽曲「Echoes」。また、「魔少年ビーティー」に、彼の原型になったと思われる「麦刈公一」という人物が登場している。名字の由来は作者の故郷宮城県仙台市の地名「広瀬」より。
虹村 億泰(にじむら おくやす)
  • スタンド名:ザ・ハンド(手)
虹村形兆の弟。身長178cm。てんびん座。仗助の同級生で家も近い。兄の手助けのため仗助と戦ったが、彼に助けられ改心、以降は親友となる。いつも兄を信じ頼って行動していたためか、決断が苦手。単純で直情的だが気のよい人物。物事を深く考えると頭痛を起こす。女の子に縁がないらしく、康一と由花子の関係に嫉妬して泣いて悔しがる描写が見られる。ちなみに好みのタイプは杉本鈴美らしい。強面な容姿に似合わず、極端なまでの甘党であり、カレーライスは甘口の物しか食べられず、トニオの唐辛子入りパスタにも難色を示した他、幕の内弁当を食べながらミルクティーを注文したり、憂鬱な月曜の朝には、ストロベリー&チョコチップアイスを舐めながら登校するのが心の慰めと発言したりする。
右手で掴んだ空間を削り取るスタンド「ザ・ハンド」を操る。これで削られたものがどこに行くのかは億泰自身にもわからず、クレイジー・ダイヤモンドの能力でも戻すことは出来ない。その高い攻撃力から「恐ろしいスタンド」と称される。また、空間を削り取る能力の応用として、相手と自分の間の空間を削り、目の前に持ってくる等の瞬間移動が可能。スタンド名の由来はカナダのバンド「The Band」。
岸辺 露伴(きしべ ろはん)
  • スタンド名:ヘブンズ・ドアー(天国への扉)
杜王町に住む人気漫画家。対象を本にして、記憶を読んだり命令したりできるスタンド「ヘブンズ・ドアー」を操る。
スピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』では主役を務める。
空条 承太郎(くうじょう じょうたろう)
  • スタンド名:スタープラチナ(星の白金)
Part3の主人公。28歳。祖父のジョセフに何かがあった時のために遺産を整理していたところ、ジョセフに隠し子・仗助がいることが発覚。仗助への遺産分配の手続きと、ジョセフの念写により杜王町に潜伏していることが判明した殺人鬼・アンジェロの追跡のため、杜王町を来訪する。
ジョセフ・ジョースター
  • スタンド名:ハーミットパープル(隠者の紫)
Part2の主人公で仗助の父親。79歳。隠し子・仗助の存在を知り、仗助と対面するため、また音石明をそのスタンド能力で追跡するため、杜王町を訪れる。

敵スタンド使い[編集]

片桐 安十郎(かたぎり あんじゅうろう、アンジェロ)
  • スタンド名:アクア・ネックレス(水の首かざり)
杜王町生まれ。「日本犯罪史上最低の殺人鬼」。1964年生まれ。IQ160の天才。いい意味でも悪い意味でも「いい気になっている奴」を破滅させることが生き甲斐。虹村形兆によりスタンド使いとなり、絞首刑を執行されるもスタンド能力で生き延びて脱獄。その後杜王町で、かつて自分を逮捕した仗助の祖父を偶然発見し、私怨により殺害。仗助と承太郎にも襲い掛かるが、仗助によって粉々に粉砕した岩と融合させられ、「アンジェロ岩」と呼ばれる杜王町の観光名所になる。液体に忍び込み相手を攻撃するスタンド「アクア・ネックレス」を操る。スタンド名の由来はSantana-Aqua Marine[1]と思われる。
虹村 形兆(にじむら けいちょう)
  • スタンド名:バッド・カンパニー(極悪中隊)
虹村億泰の兄。18歳。杜王町で「弓と矢」を使いスタンド使いを増やしていた張本人。その目的は、かつてのDIOの部下で、肉の芽の暴走により不死身の化け物になってしまった父親を「普通に死なせてやる」ことのできる能力者を探す事。父親の家族を想う気持ちを仗助により知らされた直後、「レッド・ホット・チリ・ペッパー」から億泰を庇い、電線に引き込まれて命を落とす。歩兵57名、戦車7台、AH-64 アパッチ4機で構成されているミニチュア軍隊のスタンド「バッド・カンパニー」を操る(歩兵隊は当初60名だったが、仗助が3名撃破したため57名に。)。スタンド名の由来はイギリスのバンド「Bad Company」。元ネタはスティーブン・キングの「戦場」か。
音石 明(おといし あきら)
  • スタンド名:レッド・ホット・チリ・ペッパー
ギターを愛するロッカー。19歳。ライトハンド奏法が出来る。電気を操り、電気と同化することによって強くなるスタンド「レッド・ホット・チリ・ペッパー」を操る。虹村形兆の「弓と矢」を奪って彼を殺害、スタンド能力で5億円相当の窃盗を働いていた。仗助との戦いで、弱点の「海」に落ち再起不能となり、窃盗罪により(殺人罪はスタンドによる殺人なので立件できなかった)逮捕された。尚、彼が奪った「弓と矢」は、スピードワゴン財団によって回収・管理されている。後に、数コマだが『岸辺露伴は動かない -六壁坂-』にも登場しており、この頃にはすでに刑期を終え、出所している事が判明している。スタンド名の由来はアメリカのバンド「Red Hot Chili Peppers」。外見のモデルは(当時の)大槻ケンヂ。常に持ち歩いているギターの設定はブライアン・メイのギター「レッド・スペシャル」のパロディーで、ファーストネームの「明」もブライアン・メイから(音読みすると「メイ」になる)。
ネズミ(虫喰いともう1匹)
  • スタンド名:ラット
杜王町に生息する2匹のドブネズミ。音石明によってスタンド使いとなる。生物や物、さらにはスタンドさえ溶かしてしまう毒針を発射する、大砲型のスタンド「ラット」を操る。普通の鼠では考えられない高度な知能を持ち合わせており、同種の鼠や人間を襲っていた。1匹は仗助によって仕留められるが、さらに奸智に長けたもう1匹は仗助と承太郎を苦戦させる。後者は耳たぶが虫喰い状にちぎれているため、承太郎が「虫喰い」という通称をつけた。スタンド名の由来はアメリカのバンド「Ratt」。
大柳 賢(おおやなぎ けん、ジャンケン小僧)
  • スタンド名:ボーイ・II・マン
年齢11歳の小学6年生。吉良吉廣のスタンドの矢でスタンド使いとなる。左頬には矢が刺さった際にできた穴が開いている。
能力はジャンケンで勝った相手のスタンド能力を、頬の穴から1/3ずつ吸収する「ボーイ・II・マン」。上手くゆけばスタープラチナなどと言った強力なスタンドの能力も奪えるので、無限の成長性を秘めたスタンドとも言える。
岸辺露伴との壮絶なジャンケン勝負は有名。最後は改心し、本作では比較的珍しい「再起可能」な状態のまま出番を終えた。左頬の穴は結局ふさがらなかった。
スタンド名の由来はアメリカのコーラス・グループ「Boyz II Men」。
鋼田一 豊大(かねだいち とよひろ)
  • スタンド名:スーパーフライ
杜王町郊外の鉄塔を買い取り、3年間その中だけで自給自足していた謎の男。素顔をマスクで隠し、名前も偽名。
スタンドは、住居としている鉄塔と一体化した「スーパーフライ」。鉄塔に入ると誰かと入れ替わるまで脱出できず、最後の一人が脱出しようとすると鉄塔に取り込もうとする。また、攻撃を受けるとその破壊エネルギーを鉄塔内で循環させた上で相手に返すため、破壊する事も不可能。一人歩き状態で操作できないため彼も囚われているが、彼自身は放出される破壊エネルギーの軌道を見切る事で攻撃等に利用する事も可能にした。
吉良吉廣にそそのかされ、仗助ら追跡者の誰かを鉄塔に閉じ込めるために敵対する。仗助との対戦後はやはり自分の居場所はこの鉄塔しかないと再認識し、この中で生涯を過ごす事を決意した。
様々な手法で、自給自足し鉄塔ライフを確立させている彼だが、塩や菓子類は手に入らないため、持って行くと喜んで写真撮影などに応じてくれるという。スタンド名の由来はCurtis Mayfieldの楽曲「Superfly」。
乙 雅三(きのと まさぞう)
  • スタンド名:チープ・トリック
1970年生まれの一級建築士。吉良吉廣にスタンドの矢で背中を射抜かれスタンド使いとなる。しかしスタンド能力を認識できていない上にスタンド自体が自我を持っていたため、全く制御できていない。
能力は、自意識を持ち宿主の背中にとり憑く完全な自律型スタンド「チープ・トリック」。パワーはほとんどゼロに近く、絆創膏を剥がすほどの力さえも持っていないが、作中で電話の受話器を持って出前を注文しているシーンはある。宿主の耳元で囁くことで精神的なダメージを負わせる他、周囲の人や動物に話しかけ、宿主の背中を見るように仕向ける。宿主が誰かに背中を見られると、このスタンドは背中を見た者の背中へと移動してその者を新たな宿主とする。その際に元の宿主は背中を引き裂かれ、精気を吸われて干からび、死亡する(本体である乙 雅三もこの能力によって死亡した)。能力によって貼り付いている為力で引き剥がすことは不可能で、スタンド攻撃も自スタンドへの攻撃としてそのまま宿主へ跳ね返ってしまう。人のボケに対してツッコミをしたり、慰めたりもする。
本体である乙自身がチープ・トリックに宿主とされており、能力には最後まで無自覚だったものの「背中を見られたくない」「見られたらおしまいだ」という恐怖だけは感じていた。チープ・トリックは乙の背中を見た岸辺露伴に取り憑き殺そうとしたが、露伴に「ふり向いてはいけない小道」に連れて行かれそこで広瀬康一にとりつこうとしてふり向いてしまい、あの世へと引きこまれてしまった。
スタンド名の由来はアメリカのバンド「Cheap Trick」。
ストレイ・キャット(猫草(ねこぐさ)、元タマ)
  • スタンド名:ストレイ・キャット
元はブリティッシュ・ブルー種の猫、タマ。スタンドの矢に貫かれた後、川尻しのぶに誤って殺されてしまい、死体の埋葬場所から猫とも草ともつかない生き物として生まれ変わる。
能力は、空気を固めて発砲したりクッション代わりにして防御する「ストレイ・キャット」。これの能力を利用できると考えた吉良吉影によって川尻家の屋根裏部屋で飼われていた。
仗助との最終決戦時には「キラークイーン」の腹部に内蔵され能力を利用された。
一応植物なので歩けず、日の当たらないところではほとんど活動しない。また猫なので性格は気まぐれ。戦いの後には億泰の父と友達になった模様。スタンド名の由来はアメリカのバンド「Stray Cats」。
宮本 輝之輔(みやもと てるのすけ、エニグマの少年)
  • スタンド名:エニグマ
小説家・宮本輝に似た名前を持つ少年。杜王町に住み、人が恐怖する姿を観察するのが好きな謎の少年。吉良吉廣によりスタンド使いになる。「恐怖のサイン」を示した者、または物質を紙に封印するスタンド「エニグマ」を操る。紙は折りたたまれており、開くことで封印された中身を取り出すことが可能。人間を紙に封印する際の演出は、エッシャーの作品を参考にしていると思われる。康一や朋子を紙にして人質とし仗助をおびき寄せ、仗助も追い詰め紙にするが、噴上裕也の協力もあり抹殺に失敗。最後は仗助によってシュレッダーの紙屑と融合させられて本にされ、生きた本として杜王町の図書館に寄贈される。劇中では本名が出ておらず、「エニグマの少年」と表記されている。スタンド名の由来はルーマニアのバンド「Enigma」。
吉良吉影(きら よしかげ)
  • スタンド名:キラークイーン
手の綺麗な女性を48人殺してきた連続殺人鬼。
吉良 吉廣(きら よしひろ)
  • スタンド名:アトム・ハート・ファーザー
吉良吉影の父親。吉影が21歳の時に癌により病死するが、自身の写真の中に自分や他人を入れ込むスタンド「アトム・ハート・ファーザー」により写真の中に入り込み、幽霊となって現世に残る。「エンヤ婆」からスタンドの矢を譲り受け、その時点でスタンド能力を手にした。息子の異常な性癖を理解している唯一の人物で、スタンド能力を持つ者を増やして仗助を倒し、吉影を守ろうとする。仗助と吉影の最終決戦では、早人のポケットに隠れて息子を援護したが、仗助に気づかれ空気弾を逆に誘導され、吉影に仗助と間違われて爆破されてしまう。スタンド名の由来はピンク・フロイドのアルバム「Atom Heart Mother」と、その収録曲「Father's Shout」。

その他のスタンド使い[編集]

小林 玉美(こばやし たまみ)
  • スタンド名:ザ・ロック(錠前)
仗助達の高校のOBで、ゆすり屋。身長153cm。乙女座。20歳。虹村形兆のスタンドの矢で射ぬかれスタンド使いに。能力は、罪悪感の大きさがそのまま心と身体の重圧としてはね返るスタンド「ザ・ロック」。
康一とその家族をゆすり破滅させようとしたが、康一のスタンド「エコーズ」に倒されて改心し、彼の舎弟になる(とは言ってもスタンド戦には情報を提供するのみで、実戦には一切参加しない)。その後、金融業者の取立人を始めた。
余談だが玉美は康一のエコーズの攻撃を受けるたびになぜか身長が縮んでしまった。スタンド名の由来はThe Whoの楽曲「The Rock」。
間田 敏和(はざまだ としかず)
  • スタンド名:サーフィス(うわっ面)
仗助達と同じ高校の3年生。身長165cm。獅子座。虹村形兆のスタンドの矢で射抜かれスタンド使いとなった。かなり卑屈で陰険な性格。テニス部でマンガ好き。
能力は、等身大のポーズ人形に触れたものを姿、仕草、声紋から全てコピーして、コピーされた相手を影響下に置く「サーフィス」。敗北して入院後、仗助たちに「スタンド使いは無意識のうちに惹かれ合う」という物語の重要なテーマを初めて話した人物でもある。スタンド名の由来はアメリカのバンド「Surface」。
彼も最初は背が高くリアルな感じの人物だったが、やがて顔がギャグ顔になり、身長も康一と同じ程度にまで縮んでしまった。
山岸 由花子(やまぎし ゆかこ)
  • スタンド名:ラブ・デラックス
康一を異常に愛する容姿端麗な女子高生。身長167cm。射手座。高校では億泰と同じクラス。非常に身勝手でキレやすく、思い込みの激しい性格である。
能力は、髪の毛を自在に伸ばし動かす「ラブ・デラックス」。標的の頭皮に「ラブ・デラックス」の一部を植え込むことにより、行動範囲に制限を加えることも可能。思いこみの激しさから、愛する康一を独占する為に監禁する。求愛を拒否され、逆上して暴走するが、結果として康一とエコーズが成長するきっかけとなった。その後、敵でさえ気にかける彼の優しさに触れて改心(?)。辻彩の介入の後やがて両想いの関係となった。ちなみに料理の腕は抜群で、康一は監禁されている間も彼女の作る料理だけは本心から喜んで食べていた。スタンド名の由来はSadeのアルバム「Love Deluxe」。エピソードの元ネタはスティーヴン・キングの「ミザリー」と「安珍・清姫伝説」などからか。怒ると髪を伸ばして相手を絡めとる我がままな女の子というキャラクター造型は、『怪物くん』の怪子ちゃんを髣髴とさせる。
トニオ・トラサルディー
  • スタンド名:パール・ジャム
杜王町でイタリア料理店「トラサルディー」を営むイタリア人ナポリ生まれ)。
能力は料理に混入し、食べた者の体の不調をとんでもないオーバーアクションをさせつつ治す(治し方は症状にもよるがかなりグロテスク)スタンド「パール・ジャム」。基本的に無害なスタンドである。料理人としては億秦の舌を唸らせ「ンまあーいっ!」「天使のような料理人」とまでいわせるほどである。
自分の理想とする料理を求めて世界中を旅していた時にスタンド能力に気づく。故郷ではあまりの若さゆえ認められなかった為、日本の杜王町に出店する。料理の才能は超一流な上に、手のひらを見ただけで相手の身体状況を一目で見抜く特技を持つ。善人だが非常にきれい好きなため、手を洗わないまま厨房に踏み入ると烈火のごとく怒り、包丁を投げつけてくるという案外恐ろしい人。ただし、自分は衛生上動物を入れてはいけないとされている厨房に味見係の子犬を入れている。
敵スタンド使いとの連戦で疑心暗鬼気味になっていた仗助には敵だと誤解されたが、結局戦う事なく終わり、逆に厨房に勝手に入った仗助を掃除係としてこき使った。スタンド名の由来はアメリカのバンド「Pearl Jam」。元ネタは筒井康隆の「薬菜飯店」か。
静・ジョースター(しずか・ジョースター、透明の赤ちゃん)
  • スタンド名:アクトン・ベイビー
杜王町で迷子になってた所をジョセフ・ジョースターに保護された母親不明の赤ん坊。
能力はストレスを感じると、自分と周囲を透明化させる「アクトン・ベイビー」。
結局最後まで母親は分からず、ジョセフの養女となり静・ジョースターと名づけられた(細かいことに「静」の字は「じょう」とも読むので、彼女もまた”ジョジョ”である)。スタンド名の由来はU2のアルバム「Achtung Baby」。
矢安宮 重清(やんぐう しげきよ)
  • スタンド名:ハーヴェスト(収穫)
中学生。あだ名は「重ちー」。体重110kg。家で飼っている亀の名は「ゴン太」。かなりの守銭奴。実年齢より精神年齢は幼く、口癖は「~だど」「ししっ」「理解不能」。頭が非常に異様な形をしており、頭皮には頭髪はないように思われるが、代わりにドリアンの外皮のような棘で覆われている(『JOJO A GOGO』のイラストでは髪の毛であるように彩色が為されている)。
スタンド「ハーヴェスト」は、約500体もの小さな群体型。遠隔操作が可能で、彼はこれを使い、町中から小銭を集めていた。なお、このハーヴェストは「最強のスタンドは何か」という議論で必ず出ると言っていいほどの強力なスタンド(射程距離の長さ、群体型ゆえの1体破壊した際に本体が受けるダメージの低さ、破壊力は低いが人間の頸動脈を切断する程度は可能な上、毒劇物(作中ではアルコール)を体内に取り込んで相手に注入する事もでき、人間に対する殺傷能力も充分あるという点から、重清本体は敵から攻撃を受けない遠くに避難し(ハーヴェストに自分を運ばせる事で俊敏な逃走も可能である)、何体かを敵のスタンドに足止めの囮として戦わせて、その隙に敵の本体を攻撃するという戦法を取れば、ほとんどのスタンド使いに対し圧倒的に有利な戦闘が行える)であり、このスタンドが強すぎるという事実は作者である荒木飛呂彦自身が西尾維新との対談内で認めている。
仗助と億泰とで宝くじで一悶着あったが、結局は自分一人では宝くじを手に入れる事はできなかった事を悟り、改心。その後偶然にも殺人鬼・吉良吉影に出会い、彼の秘密を知ったために交戦、爆殺された。スタンド名の由来はNeil Youngのアルバム「Harvest」。苗字の「矢安宮」もNeil Youngに由来する。36巻と37巻の短い登場(群体を描くのが大変なため早期退場したと、大亜門太臓もて王サーガ』では憶測している)。
辻 彩(つじ あや)
  • スタンド名:シンデレラ
杜王町でエステ「シンデレラ」を営み、世界各国のエステティシャンコンクールで優勝した実力派。魔法使いを自称する。「フ~~」と息をつきながらの、低血圧っぽいしゃべり方が特徴。
能力は肉体のイメージを変換し、人相や運勢を固定するスタンド「シンデレラ」。
康一を振り向かせたい由花子の願いを聞き入れ協力するが、約束を破った自分のミスを棚に上げ逆恨みしてきた彼女に失望し、一生「顔の無い人生」を送ることを宣告。しかし彼女を追ってきた康一の真摯な態度を見て由花子を許した。その後、逃走中の吉良吉影に無理矢理、川尻浩作の顔と指紋を移植させられ、彼の仕掛けた「第一の爆弾」によって爆殺される。スタンド名の由来はアメリカのヘヴィメタルバンド「Cinderella」。名前については小説家綾辻行人
噴上 裕也(ふんがみ ゆうや)
  • スタンド名:ハイウェイ・スター
暴走族の高校生。取り巻きに「アケミ」「ヨシエ」「レイコ」というヤンキー女3人をはべらせている。
スタンドは、人型から足跡型(輪切り型)に分離して標的を追跡、とり憑いて養分を吸い取る遠隔操作型の「ハイウェイ・スター」。目視による遠隔操作に加え、遠隔自動操縦も可能。噴上裕也が入院中だった頃は、自動操縦で動いていた。追跡スピードの最高は時速60kmで、追跡相手に振り切られた場合には瞬間移動して先回りし(正確には、スタンドを解除して相手の向かった先に再び出現させる。)、匂いを頼りに再度追跡を開始する。ある程度の近距離攻撃も可能であり、非常にバランスのいいスタンドであると言える。ただし、スタンド自体の破壊力は低く、シュレッダーを破壊することすらできない。
自慢は猟犬以上に良い鼻(スタンド能力の影響と言われる)と、自称「ミケランジェロの彫刻のような」美貌。
バイク事故での負傷を回復させるため、トンネルにワナを張り能力者を待ち構えていた。岸辺露伴と仗助との戦いの後、エニグマの回で仗助と共闘をする。
スタンド名の由来はDeep Purpleの楽曲「Highway Star」。また、噴上が所持しているスカーフに書かれている言葉の「SPEED★KING」の由来はDeep Purpleの楽曲「Speed King」。ちなみに、スタンドの最高速度「時速60km」は、一般道路の制限速度からと思われる。
支倉 未起隆(はせくら みきたか、ヌ・ミキタカゾ・ンシ)
  • 能力名:アース・ウインド・アンド・ファイヤー
仗助の高校に転校してきた少年。自称マゼラン星雲からやって来た宇宙人で、本名はヌ・ミキタカゾ・ンシ、年齢は216歳、職業は宇宙船のパイロットだと彼は語る。吉良吉廣の放ったスタンドの矢をはじき返すという、全シリーズ中でも彼にしか起きたことのない現象を見せた。
ミステリーサークルの中央に倒れていたところを、仗助と億泰に発見される。
サイレンの音を異常に嫌う。とても神経にこたえる波長らしく作中ではジンマシンが出たり、悲鳴を上げたり、吐いたりしていた。
能力は、人間や複雑な機械、自分以上の力があるもの以外なら何でも変身出来る「アース・ウインド・アンド・ファイヤー」(本人はスタンド能力ではなく宇宙人としての特殊能力だといっている)。仗助はこれを利用して、彼をサイコロに変身させ、イカサマ博打で岸辺露伴から金を巻き上げようと画策した。
スタンドは見えないらしく、仗助のスタンドを認識できなかったり杉本鈴美とアーノルドの魂が昇天していく際、彼のみあさっての方向を向いていたりとスタンド使いとは異なる場面もみうけられた。
彼の母親は「息子が『自分は宇宙人だ』と言って転校する先々の学校を混乱させて困る」と言うが、当の未起隆は彼女の事を「母親役を演じさせるために洗脳しているのだ」と言っていた。結局彼が宇宙人なのかスタンド使いなのかは最後まで明らかにされず、真実は謎のままとなっている。能力名は劇中には登場せず、画集『JOJO A-GO!GO!』でつけられた。苗字の由来は伊達政宗の家臣の支倉常長。能力名の由来はアメリカのバンド「Earth, Wind & Fire」。

その他・杜王町の住人[編集]

杉本 鈴美(すぎもと れいみ)
コンビニ「オーソン」と薬局「ドラッグのキサラ」の間にある道(地図上にはない)に住む。15年前に自宅で吉良吉影に両親や飼い犬アーノルドと共に殺され、幽霊(地縛霊)となって現世に留まる。享年16。吉良吉影の危険性を街中の人に伝えるために死後ずっと留まっている。実は吉良吉影が杉本鈴美の家に現れた時に偶然幼少時の岸辺露伴を預かっており、自らの命を犠牲にすることによって露伴を逃がしていた。吉良吉影の死後、露伴・康一・そして杜王町の人々に見守られ、アーノルドと共に成仏する。
アーノルド
杉本鈴美の飼い犬。鈴美と共に吉良吉影によって首を切られて殺され、地縛霊となる。死して尚、首からは血を滴らせている。吉良吉影の死後、鈴美とともに成仏。名前の由来はピンク・フロイドの楽曲「Arnold Layne」。
虹村(形兆・億泰の父)
  • スタンド名:不明
虹村兄弟の父親。劇中で名前は出てこない。元々は東京在住で会社を経営していたが、1987年には妻(形兆、億泰の母)を病で失い、その2年後にはバブル真っ最中ながらも莫大な借金を残し会社は倒産した。
スタンドの才能があったらしく、その才能をDIOに見いだされDIOの部下になるが、肉の芽を頭に打ち込まれており、DIOが死亡したことにより肉の芽が暴走。醜い見た目になり知能が低下し、生き続けるだけのただの肉の塊となってしまう。しかし、こんな姿になっても家族を思う気持ちだけは残っていた。吉良吉影との決戦後、吉良が飼っていた猫草と仲良くなり一緒に暮らしているらしい。
川尻 早人(かわじり はやと)
川尻浩作の息子。11歳。登場時点では自分の両親の盗撮や盗聴が趣味という、いわゆるオタク系の少年。母曰く「何を考えてるか分からない子」(しかし後の性格の強さや描写を見るに、自分の事を「愛情のない両親から産まれた子供」と思ってひねくれていただけの模様)。盗撮の中で浩作(吉良)の不審な行動に疑念を抱き、猫草の一件でそれが確信に変わった事から吉良吉影と戦う決心をする。後にはスタンド使いの仗助たちと共に吉良吉影を追いつめた。
スタンド能力はないが、当初見せていなかった意志の強さと度胸は並のスタンド使い以上で、また偽の父との「戦い」の中で更なる成長を遂げた様子も垣間見え、バイツァ・ダストを解除したり、仗助の対吉良戦でも彼の代わりに爆弾に変えられた億泰に触るなど大活躍。彼抜きでは仗助たちの勝利もなかった。スタンド使いでない彼が活躍した対吉良戦をベストバウトとして挙げるファンも大変多い。
川尻 浩作(かわじり こうさく)
会社員。妻のしのぶ曰く「つまらない男」。吉良吉影に「年齢と体格が似ている」為殺害され、成り代わられる。
川尻 しのぶ(かわじり しのぶ)
川尻浩作の妻。学生時代に浩作と付き合い、早人を身ごもったために「できちゃった結婚」したものの、結婚後の生活と平凡な夫がつまらないとずっと鬱屈した感情を抱き、また息子の存在を枷と考え内心では疎んじていた。だが、浩作が吉良吉影と入れ替わってからは、打って変わってスリルのある行動を取るようになった夫に対してときめきを感じ、愛情も芽生えた。また、吉良自身も心のどこかでは何かを感じていたのか、衝動的に彼女の首を絞めようとしても結局出来なかったり、猫草に襲われた彼女を心配する素振りを見せたりと、彼女に対してだけは彼らしからぬ行動をしている。(女性をまともに愛した事のない吉良は、それがごく普通の愛情だと言う事には気付かなかった。本人は平穏な生活の為と自分で諌めている。)
最後の決戦では「吉良吉影」は事故死し、「川尻浩作」は失踪する形になるが、彼女は夫の帰りを待ち続けるであろうと思われる姿が描かれた。ちなみに猫好きだが、猫草には嫌われている。
東方 朋子(ひがしかた ともこ)
仗助の母で職業は教師。大学在学中に65歳のジョセフと不倫をし、仗助を生む。仗助の母なだけあってキレやすい性格。今でもジョセフを愛している。承太郎が家を訪ねたときジョセフと間違えて抱きつき、勘違いと分かった後ものろけていた。
好物は「鎌倉カスター」という菓子(同名の菓子は神奈川県鎌倉市の洋菓子店「鎌倉ニュージャーマン」の人気商品として、1983年から実在している)。
東方 良平(ひがしかた りょうへい)
仗助の祖父で警官。35年間杜王町を守ってきた正義感あふれる警官だった。普段はちょっとお茶目な姿も見せるが、時折見せる顔は紛れもなく「町を守る男」の顔。昔捕まえた片桐安十郎の逆恨みにより、アクア・ネックレスによって殺害される。
広瀬(康一と綾那の母親)
広瀬姉弟の母親だが、下の名は不明。温和な性格で息子である康一を信じている良き理解者。由花子曰く「一番いてほしくない」存在らしい。
広瀬 綾那(ひろせ あやな)
康一の姉で2つ年上の女子高の3年生。母親似で康一の事を「康ちゃん」、「弟」、「変なヤツ」と呼んでいる。名前は露伴の「ヘブンズ・ドアー」によって判明した。
ポリス
広瀬家で飼っている老犬。老いてるためか動くことが苦手ですぐ眠ろうとする。康一曰く「ボケ犬」らしい。名前の由来はイギリスのロックバンド「The Police」。

関連用語[編集]

弓と矢(ゆみとや)
製作者不明の石矢と弓のこと。この矢に射抜かれた者(人間に限らない)は、スタンド使いの素質があれば致命傷になるような位置を射抜かれていても死なずにスタンド使いとなり、そうでない者はそのまま命を落とす。ただし、射抜かれ瀕死になったがクレイジー・ダイヤモンドによる治療で生き延びスタンド使いとなっている康一や、鏃の破片で指を傷つけただけでスタンド使いとなったPart6の空条徐倫などの例もある事から、単純に矢に射抜かれたダメージで死ななければスタンド使いになれると言う可能性もある。
鏃は50,000年ほど前に地球に飛来した隕石を加工したもので、確認されている矢の数は6本(多くの情報はPart5に登場)。ちなみに「弓」及び「矢」の胴体部分には、特に特殊な能力はないようだ。
スタンド使い(すたんどつかい)
スタンド(幽波紋)能力者のこと。スタンド使いは、スタンド使い同士で知らずに惹かれ合う習性がある。作中の一部で、読みが「すたんどづかい」になっていた(後に修正)。
杉本鈴美の小路(すぎもとれいみのこみち)
自縛霊になった杉本鈴美と愛犬アーノルドがいる場所であり死者の魂の通り道。入口はコンビニのオーソンとドラッグのキサラの間の道(入口は地図に載っていない)、出口はポストを越えて曲がった後20m先の道にある。その間ポストを越えて出口につくまでの間は決して後ろをふり返って見てはいけない決まりがあり、ふり返って見た者はあの世行きになる。道を通る間は、後ろから得体の知れない何者かが振り向かせようと、様々な嫌がらせや誘惑、脅しをかけてくるが、振り向かない限りその実体には捕まらない。

その他[編集]

  • 物語の舞台であるM県S市杜王町は、作者の出身地であり、「杜の都」と呼ばれる宮城県仙台市を元にしており、「牛タン味噌漬け」「勾当台」などあちこちに仙台市のキーワードが現れる。杜王町の名産品である「牛タンのみそ漬け」のキャッチフレーズ『杜王に銘品あり』は、仙台名産のお菓子「萩の月」のキャッチフレーズ『仙台に銘菓あり』のもじりであると思われる。なお、劇中には「S市杜王町」との表記が頻出するが、同シリーズのスピンオフである『デッドマンズQ』に「S市杜王区」として登場する。
  • 「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズを象徴する主人公の愛称は「ジョジョ」であるが、本シリーズの仗助は、序盤で一度用いられただけであり、それ以降「ジョジョ」という呼称は用いられていない。
  • 何故か物語の途中で杜王町内の一部の地名が変更されている。
    • 「定禅寺」が読みはそのままで字が「浄禅寺」に変わっている(なお、元ネタである仙台市の地名は最初に使われていた「定禅寺」の字)。
    • 「杜王駅」が「杜王町駅」に変わっている。
  • 33巻に登場した杜王町地図にて、32巻に登場した「CAFE れんが亭」の位置に「カフェ ドゥ・マゴ」と表記されている。しかし、38巻に登場した杜王駅前上面図でのカフェ ドゥ・マゴの位置は33巻の地図と異なっている。なお、リミックス版のおまけページでの特集では、先に発売された一部抜粋収録版ではれんが亭の名前が変わったと書かれているが、後に発売された全話収録版ではれんが亭とドゥ・マゴを別々の店として扱っている。
  • キャラクター設定やセリフまわしなどに作者が非常に好きだという『BE‐BOP‐HIGHSCHOOL』の色濃い影響が残る。
  • 作中の「旅行するなら日本のここベスト100」という箇所で男塾シリーズでおなじみの架空の出版社である民明書房の名前が登場する。
  • 三石由起子の小説に『ダイモンドは傷つかない』(田中美佐子主演により映画化)という作品があるが、関連性は無い。

小説[編集]

詳細は “The Book”jojo's bizarre adventure 4th another day を参照

外部リンク[編集]

  • JOJO×乙一 - JUMP j-BOOKS内 ノベライズ本公式サイト
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