Oracle Database

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Oracle Database
開発元: Oracle Corporation
最新版: 11g (2007) /
評価版: /
対応OS クロスプラットフォーム
プラット
フォーム
種別: RDBMS
ライセンス
公式サイト www.oracle.com

Oracle Database(オラクル データベース)とは、米国Oracle社が開発・販売している、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)のことである。Oracle Databaseは世界初の商用RDBMSであり、メインフレームからパーソナルコンピュータまで、幅広いプラットフォームをサポートしている。

現行バージョン(Oracle Database 10g)における特徴[編集]

行レベルロック
ページ単位ではなく処理対象の行のみにロックをかけることにより、待ち時間の発生確率を低減している。また、ロックされた行に対する参照は可能であるため処理待ちが発生しない。
読み取り一貫性
SELECTを発行した時点のデータが読み取れることを保障する機能。更新前のデータが格納されているUNDOセグメント(Oracle8iまではロールバックセグメント:一般的にはトランザクションログ、更新前イメージともいう)を参照することで、排他ロックによるブロックを受けずにデータを読み取ることができる。
堅牢性
REDOログ(更新ログ・ジャーナルログ)のアーカイブとその冗長化、Real Application Clusters (RAC) に代表されるノード分散による運用構成の冗長化や、災害対策のためのデータベース遠隔複製機能(スタンバイデータベース・DataGuard)をもち、ダウンタイムの削減やデータ資産消失を防ぐことが可能である。
移植性
データベースエンジン・コアAPI周りはすべてC、各種ツール類はほとんどが CまたはJavaで記述されており、広いプラットフォームでの移植性を誇る。ユーザの開発する応用プログラムも、C/C++COBOL、Javaに対応し移植性は良い。

歴史[編集]

1977年ラリー・エリソン、ボブ・マイナー、エド・オーツの3名により、Software Development Laboratories (SDL) が設立された。1979年にSDLは、社名を Relational Software, Inc (RSI) に変更し、その際に初期の商用リレーショナルデータベースとして、Oracle V2を発表した。Oracle V2には、トランザクションの概念はなかったが、基本的なデータベース言語 SQL を使用することができた。

なお、OracleにVersion 1が存在しないのは、購買層に洗練されたデータベースであることを印象付けるための営業戦略であったといわれている。

1983年、RSIが社名を変更し、Oracle Corporationになる。同年、Oracle version 3がリリースされるが、それは、旧バージョンをCにより再プログラミングしたものであり、commitrollbackといったトランザクションの概念をサポートしたものであった。このバージョンでは、使用可能なプラットフォームUNIXまで拡張している。

1984年にリリースされた Oracle 4は読み取り一貫性をサポートした。

1985年、徐々にネットワークが進化していく中で、クライアント・サーバモデルをサポートする。また、Oracle 5.0は、分散クエリーを搭載した。

1988年、Oracle は、ERPの市場へ参加する。Oracle Financialsと呼ばれた製品は、これまでのOracle Databaseをもとに開発された。また、Oracle 6.0がリリースされ、PL/SQLや行レベルロックなどをサポートした。また、RACの前身であるシェアードエブリシング型のクラスタリングであるパラレルサーバーがサポートされた。

1992年、Oracle7 7.0がリリースされる。このバージョンにおいて、パラレルクエリー、完全制約性、ストアドプロシージャ、データベーストリガー、データベースリンク、レプリケーションなどがサポートされた。

1997年オブジェクト指向やマルチメディアに対応したOracle8 8.0がリリースされる。このバージョンにおいて、パーティショニング機能と新しいカラム型LOB (Large OBject) がサポートされた。

1999年には、インターネット上での使用が高まる中、Oracle8i (R8.1.5 ~) をリリースした。このバージョンには、Unix/Linuxプラットフォームでもインストーラーのグラフィカルユーザインタフェース化(GUI化)や、データベースエンジンにJava仮想マシンを組み込んだ。データベースロケール(iInternet の略とされている。)。

2001年XMLの入出力など、400もの新しい特徴を有したOracle9i Databaseをリリースする。運用機能の最大の目玉は、パラレルサーバの後継機能として性能と安定性向上を実現したRAC (Real Application Clusters) である。最終バージョンは9.2.0となる。

2003年グリッド・コンピューティングを目指し、グリッド技術を応用したOracle Database 10gがリリースされた。(gGrid の略とされている。)

2007年 Oracle11のリリースが予定されている。

製品群[編集]

2004年6月現在、Oracle Database 10g までが提供されている。

  • Oracle RDBMS V6
    • 主要な機能拡張:行レベル・ロック、オンラインバックアップ(アーカイブログ機構)、PL/SQL(無名ブロックのみ)
  • Oracle7 Server (7.0.x, 7.1.x, 7.2.x)
  • Oracle7 Server (7.3.1 - 7.3.4)
    • 主要な機能拡張:データウェアハウス向け機能の実装(ハッシュ結合、ビットマップ索引)、パラレルクエリーによる大規模テーブル検索の高速化、レプリケーション、スタンバイデータベース
  • Oracle8 Server (8.0.3 - 8.0.6)
    • 主要な機能拡張:パーティショニングテーブル、Parallel Server(シェアードディスク型のハイパフォーマンス型クラスタリング)、マルチメディア対応(ビデオ・空間データ)、全文検索機能 (Oracle*Context)、LOB型カラムの追加、オブジェクトリレーショナルデータベース機能(オブジェクト型)の導入
  • Oracle8i Database (8.1.5 - 8.1.7.4x)
    • 主要な機能拡張:JServer/OracleJVM(DBサーバプロセス内で稼動するJava仮想マシン環境)、マテリアライズドビュー、各種グラフィカルユーザインタフェースツール(GUIツール)・インストーラのJavaアプリケーション化、XML対応 (Oracle XDK)
  • Oracle9i Database (9.0.1.1 - 9.0.1.4, 9.2.0.1 - 9.2.0.8)
    • 主要な機能拡張:領域管理の自動化、XMLデータベース機能(XMLType型カラム、DBUri)、ANSI/ISO SQL:1999 準拠構文サポート、クラスタの機能強化 (Parallel Server → Real Application Clusters「RAC」)、DataGuard、削除したデータのリカバリができるフラッシュバッククエリー機能
  • Oracle Database 10g (10.1.0.2 - 10.1.0.5, 10.2.0.1 -)
    • 主要な機能拡張:RAC構成ノード間での動的負荷分散運用の実現(RACへのGrid技術導入)、ストレージ管理の自動化 (ASM)、情報統合 (EII) 機能の強化 (OTG、OGC)、削除した表のリカバリができるフラッシュバック機能

関連製品[編集]

「SCOTT/TIGER」の由来[編集]

Oracle Databaseに付属するdemobld.sql (Oracle Database 10g以降ではutlsampl.sql) を実行すると「EMP」「DEPT」というふたつのテーブルと「SCOTT/TIGER」というスキーマよりなる伝統的なデモ環境が構築される。「SCOTT」とはOracle社の前身であるSDL社に在籍していたBruce Scottを指し、「Tiger」は彼の愛猫の名前に由来する。Scottは優秀な開発者であり最初期のSQL*Plusも彼の手によるものとされている。ScottはすでにOracle社を後にしているが、この伝統は変わる様子がない。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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