「HD DVD」の版間の差分

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==HD DVDメディアの種類==
 
==HD DVDメディアの種類==
HD DVDの記録メディアにはDVDと同様に読み取り専用型と記録型の規格が存在する。書き換えができる記録型HD DVD規格はランドグルーブ記録を採用しているHD DVD-Rewritable(HD DVD-RW)の規格策定が行われていたが、二層化が困難なことなどからHD DVD-Rの基本構造を継承したHD DVD-ReRecordable規格を策定し、HD DVD-Rewritableの名称を「HD DVD-RAM」に変更、HD DVD-ReRecordableの名称を「HD DVD-RW」と決定した。「RW」は[[2007年]]7月からPCメーカー等に向けてサンプル出荷されているが、RAMの製品化時期は未定だ。
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HD DVDの記録メディアにはDVDと同様に読み取り専用型と記録型の規格が存在する。書き換えができる記録型HD DVD規格はランドグルーブ記録を採用しているHD DVD-Rewritable(HD DVD-RW)の規格策定が行われていたが、二層化が困難なことなどからHD DVD-Rの基本構造を継承したHD DVD-ReRecordable規格を策定し、HD DVD-Rewritableの名称を「HD DVD-RAM」に変更、HD DVD-ReRecordableの名称を「HD DVD-RW」と決定した。「RW」は[[2007年]]7月からPCメーカー等に向けてサンプル出荷されているが、RAMの製品化時期は未定である。
  
 
多層化に関しては[[2005年]]5月に片面三層45GB(一層15GB)HD DVD-ROMの開発発表が行われており<ref>[http://www.toshiba.co.jp/about/press/2005_05/pr_j1101.htm 記録容量45GBの再生専用次世代光ディスクの開発について]</ref>、2007年のCESにて片面三層51GB(一層17GB)HD DVD-ROMの発表が行われた。また、片面三層51GBのHD DVD-ROMについては2007年[[9月12日]]にDVDフォーラムによって規格化が行われた<ref>[http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070913/dvd.htm DVD Forum、HD記録DVD用ロゴ「HD Rec」を策定 −3層/ツインフォーマットなどを規定] AV Watch、[[9月13日]]</ref>。
 
多層化に関しては[[2005年]]5月に片面三層45GB(一層15GB)HD DVD-ROMの開発発表が行われており<ref>[http://www.toshiba.co.jp/about/press/2005_05/pr_j1101.htm 記録容量45GBの再生専用次世代光ディスクの開発について]</ref>、2007年のCESにて片面三層51GB(一層17GB)HD DVD-ROMの発表が行われた。また、片面三層51GBのHD DVD-ROMについては2007年[[9月12日]]にDVDフォーラムによって規格化が行われた<ref>[http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20070913/dvd.htm DVD Forum、HD記録DVD用ロゴ「HD Rec」を策定 −3層/ツインフォーマットなどを規定] AV Watch、[[9月13日]]</ref>。

2007年10月22日 (月) 23:40時点における版

HD DVD(エイチディー・ディーブイディー)とは東芝NECが共同で開発した青紫色半導体レーザー世代の光ディスクの規格である。ピックアップレンズで世界シェアトップの三洋電機も開発に参加した。「HD」はHigh Definition(高解像度)の意。青紫色半導体レーザー世代の光ディスクの別規格としては「Blu-ray Disc(以下、BD)」がある。大きさ(直径12/8cm)についてはCD・DVDと共通であるが、記録・再生方式に関してはこれらのディスクと規格上の互換性はない。しかし、HD DVD対応機器を3波長化することで従来のCDDVDも使用できる。

概説

HD DVDはDVD規格をベースにして本格的なハイビジョン放送時代に対応するために開発されたディスクメディアの規格である。DVDと同様、直径12cm/8cm、厚さ1.2mmのプラスチック製の円盤であるが、読み取りに使われるのは波長405nmの青紫色レーザーである。CDやDVDよりも波長の短いレーザーを用いることでより高密度の記録が可能となっている。HD DVDの直径12cmディスクは一層で15GBの容量を持ち、二層で30GBの容量を持つ。直径8cmディスクでは一層で4.7GB、二層で9.4GBの容量を持つ。保護層はDVDと同じ0.6mmである。そのため、DVDの製造機器を一部流用することが可能である。

HD DVDメディアの種類

HD DVDの記録メディアにはDVDと同様に読み取り専用型と記録型の規格が存在する。書き換えができる記録型HD DVD規格はランドグルーブ記録を採用しているHD DVD-Rewritable(HD DVD-RW)の規格策定が行われていたが、二層化が困難なことなどからHD DVD-Rの基本構造を継承したHD DVD-ReRecordable規格を策定し、HD DVD-Rewritableの名称を「HD DVD-RAM」に変更、HD DVD-ReRecordableの名称を「HD DVD-RW」と決定した。「RW」は2007年7月からPCメーカー等に向けてサンプル出荷されているが、RAMの製品化時期は未定である。

多層化に関しては2005年5月に片面三層45GB(一層15GB)HD DVD-ROMの開発発表が行われており[1]、2007年のCESにて片面三層51GB(一層17GB)HD DVD-ROMの発表が行われた。また、片面三層51GBのHD DVD-ROMについては2007年9月12日にDVDフォーラムによって規格化が行われた[2]

  • HD DVD-ROM:読み取り専用のHD DVD規格。12cm片面一層15GB/片面二層30GB/片面三層51GB、8cm片面一層4.7GB/片面二層9.4GB
  • HD DVD-R:1回だけ書き込み可能な記録型HD DVD規格。片面一層15GB/片面二層30GB
  • HD DVD-RW:繰り返して書き込みおよび消去が可能な記録型HD DVD規格。片面一層15GB/片面二層30GB
  • HD DVD-RAM:繰り返して書き込みおよび消去が可能なPC用途向け記録型HD DVD規格。ランドグルーブ記録を採用。片面一層20GB/片面二層未定(二層が未定で商品化時期は未定)

HD DVD-Video

主に市販ビデオソフトを収録するために策定された規格。従来のDVD-Video規格のHD DVD版とも言えるものだが、コピープロテクションなどではAACS(Advanced Access Content System)とよばれる新技術が使用されている。

映像コーデック

音声コーデック

インタラクティブ機能

HD DVDではHDiとよばれる対話型操作機能が利用可能である。このHDiはマイクロソフトが中心となって開発されており、XMLやECMAScript、SMILといったWWW関連技術からなるものである。HDiはHD DVDにおいて必須機能でありすべてのHD DVDプレイヤーで利用できる。

著作権保護機構

DVD-VideoのCSS(Content Scramble System)が破られ違法コピーが蔓延していることから、CSSに代わる新たな著作権保護機構としてより強固なAACSが採用されている。このAACSは再生専用メディアに限らず、記録型メディアにも対応する。

リージョンコード

2007年6月の段階で市販されているHD DVD-Videoではリージョンコードによる制御は行われていない。しかし、映画会社などからリージョンコード導入に対する要望により導入に向けて検討が行われている。

DVDとHD DVDのツインフォーマットディスク

片面にDVDとHD DVDの両方の記録層を持つツインフォーマットディスクは、記録層の深さが現在のDVDと同じであることから、ピックアップ用のレンズ共用が可能なため、設計製作上の敷居が低いとされる。いくつかのDVDとHD DVDのツインフォーマットディスクが販売されている。

HD DVD9

ワーナー・ブラザーズが提案したDVDメディアにHD DVDのアプリケーションフォーマットで圧縮映像を入れる規格である。「3x DVD」という名称でもよばれDVD-Videoの3倍の帯域幅を持ち、MPEG-2のかわりにVC-1やH.264といったより高圧縮のコーデックを用いることでハイビジョン規格の映像をDVDメディアに保存することが可能である。DVDメディアであるため記録容量がHD DVDに比べ少なく、記録時間や画質の面ではHD DVDに劣る。片面二層8.5GBのDVDに平均ビットレート13Mbpsで85分のハイビジョン映像の記録が可能である。また一般的なDVD-Video規格とは全く異なるため一般的なDVDプレイヤーで再生することはできず、再生にはHD DVDプレイヤーが必要である。

当初ワーナー・ブラザーズが想定していた物は片面二層8.5GBのDVDに平均ビットレート8Mbpsで120分のハイビジョン映像を収録し、青紫色半導体レーザーを用いないHD DVD9(またはBD9)対応のDVDプレーヤーで再生可能にする事である。

BD規格でも同様に、BDのアプリケーションフォーマットを用いたVideo規格として、DVD-Videoの三倍の帯域幅を持つBD9が考えられている。

HD Rec

2007年9月12日、DVDフォーラムにてHD Recのロゴを策定した。HD RecはDVD-R/RW/RAMメディアにMPEG-4 AVCなどのコーデックにより、HD DVDフォーマットのSD~HD映像を記録する規格。レコーダーやカムコーダーでの使用を見込んでいる。

Blu-ray Disc との比較

構造

HD DVDが読み取りに用いるレーザーは405nmの青紫色レーザーである(BDも同様)。HD DVDはDVDと同様に記録面から0.6mmの深さに記録層がある(BDは0.1mmの深さに記録層がある)。そのためDVDの製造機器を一部流用することが可能であるため、BDにくらべ製造コストの面で有利である。また、DVDとHD DVDとの片面二層ツインフォーマットディスクがDVDからHD DVDへの橋渡し的役割を果たすとしてコンテンツホルダーに対して採用を呼びかけており、初期タイトルで採用されていた。

容量

現在の一般的なDVDと同じ12cmディスクにおいてHD DVDは片面一層15GB、二層30GBである。現在販売されている片面一層の録画用HD DVD-R(15GB)では75分と記載されている。これは地上波デジタルハイビジョン放送(最大約17Mbps)とBSデジタルハイビジョン放送(最大約24Mbps)のビットレートのうち、最大ビットレートである約24Mbpsから算出されている。そのため地上波デジタルハイビジョン放送を録画する場合はより長時間の記録が可能である。それに対し、BDは片面一層25GB、二層50GBであり、片面一層の録画用BD-Rでは130分と記載されている。これもHD DVD同様、約24Mbpsから算出されている。

ビデオ規格

インタラクティブ機能

HDi(旧・iHD)と呼ばれるインタラクティブ機能が採用されている。XML、CSS、SMIL、ECMAScriptなどの技術が使われている。これに対しBDではBlu-ray Java(BD-J)が採用されており、インタラクティブ機能をサポートしている。Blu-ray JavaはJavaを基礎技術としている。当初、マイクロソフトが中心となりHD DVDにiHDが採用されBDでもiHDを採用する提案がなされていたが、採用は見送られた。

著作権保護機構

HD DVDとBDの両方でAACSと呼ばれるコピープロテクト機能が採用されている。これに加えてBDではAACSが無効化されたことを検知して、再生を停止することが出来るBD+が採用されている。

参入企業

家庭用AV分野やノートPC分野に強い東芝、DVDドライブシェア世界一、PCやMPEGといったデバイスに強いNEC、読み取りレンズシェア世界一・低価格レコーダーに期待ができる三洋の三社で次世代大容量光ディスクメディアの主役を握ろうとしている。

ハードウェアソフトウェア関連企業

エンタテインメント関連企業

注:斜太字はHD DVDの幹事企業。(※)印はBlu-ray Disc Associationにも参入を表明している企業。

参考:

達成されなかった規格統一

2005年4月21日日本経済新聞朝刊には、東芝とソニーの間でHD DVD・BDの両者の長所を生かした規格を共同開発することで合意したと報道した。これにより次世代大容量光ディスクは一つに統一された規格となり、ユーザーやコンテンツ製作者のメリットは大きなものになることが期待された。

しかしながらその後の報道によれば、この交渉は難航した末に中断された。以降は互いに譲歩することなく交渉が再開されないまま、2005年8月末には両陣営共に『交渉は時間切れ』として自陣営規格の本格的な製品化へ動き出した。これによりベータマックス対VHS戦争の再現は不可避となり、2006年に規格戦争が本格化した。規格の主導権争いもさる事ながら、余りにも両者の設計思想に相違点が大きかった事が原因と見られる。

東芝は2005年内にHD DVDプレーヤーを発売する予定としていたが2005年9月、米国の映画産業の意向により米国内での発売を2006年春に延期すると発表した。さらに12月、日本国内での発売も年明けに延期した。著作権保護規格・AACSのライセンスの発行が遅れているためとしている。

今のところ、ドライブ開発メーカーはかつてのベータマックス対VHS戦争のように勝ち馬に乗る形でどちらかの規格に流れていく可能性が強いが将来的には両陣営にも属さない第三者的な立場のメーカーになるか、かつての記録型DVDメディア規格争いの時のように規格争いの趨勢が決まった後で両規格対応のドライブを開発・発売する可能性もある。

だが2006年になると両規格対応を決めたメーカーも増えており、趨勢が決まる前に両規格対応のドライブが主流となる可能性も出てきた。2007年のCESにて韓国のLG電子からBDとHD DVD両方のディスクに対応できるプレーヤーの発売が発表された。すでにリコーやNECといった企業が両規格対応のための安価な部品開発に成功しており、他のメーカーからも両規格対応のプレーヤーが発売されることも予想できる。

また、ワーナーからHD DVDとBDを一枚のディスクの裏表に記録することでどちらのプレーヤーでも再生可能なTHDTotal Hi Def)ディスクが発表されたものの製造コストが極めて高く、次世代DVD規格争いは今だ混迷の中にある。

ハードウェア

  • 2006年
    • 3月31日、日本国内でHD DVD再生専用機「HD-XA1」が東芝より発売された(HD DVD-RやCPRM対応DVD-RAMDVD-RWの再生には非対応)。
    • 5月には東芝のQosmioG30/697HSを皮切りに、HD DVD-ROMドライブ搭載PCが数社から発売された。HD DVD-ROMドライブはDVDスーパーマルチドライブも兼ねている。再生専用規格に対応したドライブの発売はBDよりも1ヶ月先行したものの、記録型ドライブの投入はBDの方が早かった。このためHD DVD陣営のNECも2006年秋発売の機種でBDドライブを採用する結果を招いている。
    • 7月14日に東芝が録画再生機の「RD-A1」を発売する予定だったが、生産が遅れているとして7月28日発売に延期となった。HD DVDの記録は-Rのみとなる。なお、フロントパネルに「VARDIA」のロゴが入っている。同機はデジタルとアナログのチューナーを1つずつ搭載している。
    • 10月10日、NECエレクトロニクス株式会社がBD、HD DVD両規格の記録と再生に対応し、読み込みや書き込みが技術的には可能になるドライブ向けシステムLSIセットのサンプル出荷が開始された。
    • 11月22日マイクロソフトよりXbox 360用HD DVD-ROMドライブ「Xbox 360 HD DVDプレーヤー」が20,790円(税込)で発売された。Xbox 360との組み合わせによりHD DVDプレーヤーとして機能するが、Xbox 360がHDMIに対応していないためデジタル転送ができないが、既にXbox 360を購入済みのHDTVユーザーには既存のHD DVDプレーヤーに替わる魅力的で安価なHD DVD導入の選択肢である。
    • 12月下旬、世界初のPC用内蔵ファイルベイ用HD DVD-ROMドライブ「HDV-ROM2.4FB」がバッファローより37,000円で発売された。HD DVD-ROM 2層/HD DVD-R 1層/CDDVDの各種メディアの再生に対応する。
    • 12月下旬、東芝より新型プレーヤー「HD-XA2」が11万円前後(2007年1月下旬に延期)、「HD-XF2」5万円前後で発売された。再生メディアやCPRM未対応等は既存のプレーヤーと同等であるが、ローディング時間の短縮や、上位バージョンの「HD-XA2」でのHDMI Ver.1.3相当に対応(Ver.1.3のどの機能まで対応しているかは不明)等の機能向上がみられる。現在の所、上位バージョンの「HD-XA2」は2007年1月下旬発売予定になっている。また、NECエレクトロニクスは12月27日に東芝と協力して開発していたHD DVDレコーダー/プレーヤー用システムLSI『EMMA3』のサンプル出荷を開始した。CPU/映像デコーダー/エンコーダー/音声デコーダー/ストリーム処理/グラフィックスエンジン/ビデオスケーラーの次世代DVDの機能を1チップにしたLSIであり、今回はHD DVDに特化した物で「HD-XA2」と「HD-XF2」に採用されているが、BDにも対応可能なため先に開発されているドライブ向けシステムLSIと同じく、コスト削減と両対応の用途への使用も可能である。また、NECエレクトロニクスは「米国では、映画ソフトでHD DVDがBDの3倍売れてる。」と発言していたが、年末時点で拮抗した。さらに2007年第一四半期にはBDソフトのシェアはHD DVDの倍以上となり差を広げている。
    • 年末、東芝はHD DVDプレーヤーの年内販売台数が世界計で約10万台になるとの見通しを発表した。同年3月31日の「HD-XA1」発表時の目標は年度内100万台で「年末に売れてしまえばそこで決まる」と自信を見せていた。またユニバーサルピクチャー・ホームエンターテイメント社長のクレイグ・コンブローは2006年はHD DVDプレーヤー、対応PC、Xbox 360向けHD DVDドライブなど北米市場全体で17万5000台のHD DVD機器が普及したと発表した。
  • 2007年
    • 6月12日、東芝は新型HD DVD/HDDレコーダー「RD-A600」600GB HDDと「RD-A300」300GB HDDの2機種を6月末に発売と発表した。基本的には今年2月に発売したDVD/HDDレコーダーの使い勝手を向上させた物にHD DVDの録画再生機能を搭載した物であり、先代のHD DVDレコーダー「RD-A1」に比べると格段に進歩しているが、HD DVD-RWには対応していない。月産1万台でHD DVDとBD世代のレコーダーシェア7割を目標にしている。なお、国内の販売目標はHD DVD製品総計で30~40万台としている。
    • 東芝はこの新型HD DVD/HDDレコーダー発表会で様々な発言や発表を行った。国内の専用プレーヤーが累計で1万台以下、北米で累計15万台と発表。北米の専用プレーヤー累計シェアで6割であることが発表された(この発表を基にすると高価格帯のBD専用プレーヤーは10万台と思われ、両HD世代のプレーヤーの伸び悩みが露見した)。今回の発表会を睨んだとものと思われるキャンペーンでさらなる低価格とバンドル戦略(5本無料クーポンも別途継続中)を行った結果、5月に一時的に専用プレーヤーの単月のシェアで7割程度になったことも発表。しかしこうした低価格戦略にもかかわらず、前回4月の発表時の北米の専用プレーヤー10万台から5万台しか上積みできなかったことも同時に露見した。こうした事から東芝は、今年初めの北米プレーヤーの販売計画を180万台から下方修正し100万台とした。また、ユニバーサルスタジオの発言やHD DVDプロモーショナルグループのプレスリリース[5]において、北米のアタッチレート(プレーヤーあたりのビデオタイトル販売数)が4:1でHD DVDがBDに比べ1台のハードに対するタイトル販売数が多いと発表されたが、アタッチレートが4:1となる根拠であるそれぞれのハードウェア販売数とタイトル販売数のデータは示されていない。これは北米でのビデオタイトル販売数累計でBDがシェア7割を占める事が関係していると思われる。

不正コピー問題

2006年12月18日、Muslix64というハッカーが著作権保護機構であるAACSで用いられているキーを取り出すことに成功、これによりHD DVDの映画などが暗号解除されてBitTorrentなどのネットワークに流出するという事件がおきた。またHD DVDのバックアップツールであるBackupHDDVDが公開され、原理的に2007年1月までのコンテンツは全てコピーすることが可能となった。これに対しAACSのライセンス管理団体である米AACS LAでは想定済み問題であり必要手段を講じるとしたため、今後発売されるコンテンツに関してはこの方法でコピーすることはできなくなる。しかし限定的とはいえAACSが策定されて1年もかからずにコピーが可能となったことがハリウッドを代表とするコンテンツ供給側の方針などに影響を与えるとする懸念がある。また同じAACSを採用しているBlu-ray Discは著作権保護機構としてAACSの他にROM MarkBD+の実装があるのに対し、HD DVDはAACSのみであるために今回の問題による次世代光ディスク規格競争に与える影響が指摘されている(ただしBD+搭載コンテンツは2007年3月から出荷されるため、2007年1月までのBDコンテンツはHD DVD同様不正コピーされている)[6][7]

脚注

  1. 記録容量45GBの再生専用次世代光ディスクの開発について
  2. DVD Forum、HD記録DVD用ロゴ「HD Rec」を策定 −3層/ツインフォーマットなどを規定 AV Watch、9月13日
  3. ドリームワークス、パラマウントから離脱か・米メディア - NIKKEI NET 7月25日
  4. 東芝、HD-DVD支持見返りに170億円・米紙報道- NIKKEI NET 8月22日
  5. Consumers Drive Record Sales of HD DVD Players to Capture 60% of HD Set-Top Market、North American HD DVD Promotional Group プレスリリース、2007年6月11日(現地時間)
  6. Studios’ DVDs Face a Crack in Security, The New York Times, 2007年1月1日
  7. 「離陸の矢先に 次世代光ディスク不正複製,災い転じて福になるのか」, 日経エレクトロニクス, 2007年2月12日号, 30-31頁(日経BP, 2007年2月12日発行)

関連項目

外部リンク


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