黒崎一護

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黒崎一護(くろさき いちご)は、久保帯人作の漫画作品およびそれを原作としたアニメ『BLEACH』に登場する架空の人物で、同作の主人公である。アニメの声優森田成一(幼年時代は松岡由貴)。ミュージカルでの俳優は伊阪達也

プロフィール[編集]


注意以降に核心部分が記述されています。

人物[編集]

出身・家族・交友関係[編集]

実家は町医者で、家族は父親の黒崎一心。母親の真咲とは6年前に死別。

兄弟は、双子の妹の遊子夏梨

朽木ルキアとの出会いがきっかけで死神の力を得てからは、ぬいぐるみに入った改造魂魄のコンとも同居。

有沢竜貴とは4歳からの幼馴染。チャドとは中学の時からの親友。

石田雨竜井上織姫小島水色浅野啓吾らは高校からのクラスメイト。

外見・性格[編集]

髪はオレンジ、瞳はブラウン。名前は「越後」とイントネーションが同じ「い」にアクセントをおく(単行本第1巻)。名前は誰か1人の人を護れるようにの意味に由来する。

いつも眉間に皺を寄せた表情をしており派手な髪の色と、一見ぶっきらぼうで無愛想に見える態度から、常に教師や上級生から色眼鏡で見られ不良扱いを受けることも多い。しかし実際は義理堅く争いを好まない心優しい性格で、親からその名に託された思いを背負って兄として妹を護るという強い意志を持つ。その長男としての使命感を持つ故に、自分以外でも兄である者が弟・妹を虐げたり蔑ろにするのを絶対に許さない。その想いから幼い頃から強くなるために道場に通い空手を習っていた。今は道場通いをしていないが、かなりの腕前。しかし、時に気負いすぎる所もある。

恋愛面に関しては鈍く、織姫の一護に対する恋心に気づいていない。

優しい性格だが、それ故の甘さが見受けられ、闘いに於けるそれを破面ドルドーニから「聖女のようだ」と揶揄もされた。破面であろうと誰かを傷つけるか、攻撃してこない限り、無用な戦闘は好まないが、避けられない闘いは寧ろ自ら臨んでいく。

容姿への偏見から来る教師の無用の干渉を避けるため勉強はキチンとしているので学校の成績は良い方で、1学期の中間は18位、期末テストは一学年322名中23位だった(単行本第5巻)。店の人に髪の色のことを聞かれたくないためもあって、髪の毛は妹の遊子に切ってもらっている。学校ではイメージをコツコツと積み上げていたらしい。人の顔と名前を覚えるのは苦手で、石田雨竜のことも織姫から教えてもらうまで全く知らなかったり、出会って間もない弓親ドンドチャッカの顔やドルドーニの名前をドンパニーニといった。また、護廷十三隊の隊長や副隊長でも呼び捨てや「さん」付けで呼んでいる。

作中では、その存在が志波海燕の面影に重なることが白哉浮竹の感慨として描写されている。

自分に死神の能力を与え、自分の世界を変えてくれたルキアは織姫曰く「大切な人」。本人は腐れ縁と言っている。 ルキアがグリムジョーに重傷を負わされ、織姫に治療してもらったときは心配そうな顔でそれを見ていた(織姫はそのとき一護がルキアに対した表情を気にしている)。

才能・能力[編集]

元々「視える」「聴こえる」「触れる」「喋れる」超A級霊媒体質のハイスペック霊能力者で、虚(ホロウ)に襲われた際に朽木ルキアから死神の力を譲り受け、以降彼女の代わりに死神の仕事を代行する。死神化する前から潜在的に霊力は高く、後にこの体質は、父である黒崎一心が、成り立ち・出自は不明だが隊長格の能力を有すると思われる死神であった故の「真血」と呼ばれる存在であったためと判明する。死神化して霊圧が強大だったために井上織姫やチャドの秘められた力を覚醒させるきっかけとなっている。

なお、一護は第1話でルキアに蹴りを食らわしているが、ルキアの発言から推測すると、死神を見ることや蹴ることは本来できないようである(ルキアも自分が「視える」一護に驚いていた)。

死神として経験こそ浅いが数々の戦闘を経て死神の基本戦闘技術である「斬」「拳」「走」「鬼」の「鬼」以外は隊長格と渡り合うほど高い実力を身に付け、卍解まで至り、斬魄刀を解放した副隊長3人を素手で打ちのめした。ちなみに「鬼」に関しては才能が全くないと至る所で言われている。

死神代行編[編集]

少年時代に起こった母親・真咲が死に至った事故が起こったのは、自分のせいだと長年自分を責め続けていたが、実際の死の原因だったグランドフィッシャーとの戦いを通じ、葛藤した末に立ち直った。その際死神代行に対する意識も「ルキアの代わり」から「虚に狙われる人々を救うため」に変わった。

一時譲り受けた死神の力を朽木白哉の斬撃により失ってしまうが、浦原喜助との特訓で己自身の死神の力を発現させ再度死神となる。

尸魂界編[編集]

その後、死神能力譲渡の罪に問われ尸魂界へ連行されたルキアを救うためにチャド、石田、織姫ら仲間と共に夜一の先導で尸魂界へ乗り込み、兕丹坊一角阿散井恋次剣八、白哉などとの幾多もの戦闘を繰り広げる中、戦いの中で交流を深めた尸魂界での仲間の岩鷲や花太郎や恋次の助けも受けながら真の敵であった藍染には完敗するもののルキア救出には成功する。その後、正式に死神代行に認められる。

破面編[編集]

前述の浦原との特訓が元で、内なる虚の意志が生まれ、自身の魂魄に宿ってしまう。その内なる虚が徐々に強大になり、破面との戦闘時には虚の意志が表に出て戦いに支障をきたしたことを機に、内なる虚の力を抑えるために「仮面の軍勢」による特訓を受け、抑えることに成功する。

現世に襲来したグリムジョーとは 、その前後二回に渡って戦闘したが二回とも中断させられ勝負はつかなかった。

その後、織姫が破面に連れ去られたので救出をするために雨竜、チャドらとともに虚圏に突入。後から来たルキアと恋次と合流するも虚夜宮に侵入した後は個々に分散し、ネルを連れて破面と闘いつつ織姫救出に向かう。

虚夜宮にてウルキオラと遭遇し戦うことになり、圧倒的な力の差で敗北し死にかけるが、グリムジョーによって連れてこられた織姫によって救われる。その後グリムジョーとの戦闘で辛くも勝利したが、直後ノイトラによって追い詰められる。

斬魄刀[編集]

斬魄刀の名は 『斬月』(ざんげつ)

始解[編集]

数ある斬魄刀の中でも非常に珍しい「常時解放型」の斬魄刀で、初めて解放して以来常に始解の状態を保っている。解放の掛け声はないが、浦原との特訓の際に斬月の名を呼んで解放に成功した。白哉に力を奪われる前は柄頭の緒を除き柄も鍔も通常の刀を身の丈まで大きくした形で、これといった能力は無かった。

出刃包丁のような形をした巨大な刀身のみの刀で、鞘も柄も鍔もはばきもなく、茎(なかご。刀身の普段柄に入っている部分)に直接を巻いて柄としている。斬魄刀それ自体の攻撃力、耐久力が非常に高く、戦闘方法は刀自体の強力さを活かした白兵戦が主体となる。茎の晒はある程度自由に伸び縮みするため、それを活かした用法も可能(使わない時は晒しが伸びて刀身に巻き付き、鞘の代わりになる)。

卍解の修行後は刀そのものの攻撃力・耐久力に更なる磨きが掛かり、矛、磔架共に斬魄刀100万本分の強度を持つ双極の矛を受け止め、磔架を一撃で破壊した。

卍解[編集]

【卍解】の名は『天鎖斬月』(てんさざんげつ)

全てが漆黒のやや長い日本刀で、卍型の鍔と柄頭に途切れた鎖がついている。一護本人は具象体斬月のコートに似た独特の死覇装を纏う。他の死神の卍解や、始解状態の斬月と比べても小型であり、解放された霊力の全てをその小型に凝縮することで超スピードの斬撃と移動を可能にしている。朽木白哉との戦いにおいて驚異的な力を発揮したが、藍染惣右介には先の戦いで消耗していたとはいえ、恋次と共闘したにも関わらず指一本で防がれてしまっている。

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月牙天衝(げつがてんしょう)
自らの霊力を刀に食わせて、刃先から超高密度の霊圧による斬撃を放つ、斬月唯一にして最強の技。威力、射程距離の両面において通常の斬撃を遥かに上回る。また、対象との距離が近ければ近いほど、命中した時の威力は高くなる。
卍解時に放たれた月牙天衝は色が黒く、卍解によって斬月自体の攻撃力も向上しているために桁外れの破壊力を発揮する。尚、黒い月牙天衝は内なる虚が最初に使用した技であり、内なる虚を抑える前は一護自身が使えば内なる虚が出てくるのを早める恐れがあったため、連続での使用は不可能だった。

本体[編集]

漆黒のコートに身を包んだ長髪で髭面、半透明のサングラスをかけた男。一護の精神世界に存在する。浦原との特訓のなかで虚になりかけた一護の精神世界内に現れ、死神の力を取り戻した後は浦原との一騎打ちに挑んだ一護に恐怖心を捨てることを諭すことで斬魄刀解放に至らせる。

斬魄刀の名を知らない更木剣八との戦いで油断し倒された際には、精神世界内で虚一護と戦わせることで斬魄刀を理解し共に戦うことを教え、【卍解】の修行では転神体により具象化され、一護と戦う等、一護を導く存在として登場する。

白哉戦で一護の内なる虚が表にまで出てきた後は、一体の存在である虚の力が増大したためか、一護の内在世界に於いても姿を現してはいない。

一護からは斬月のおっさんと呼ばれている。また人の話を聞かずに勝手に話を進める節がある。

劇場版『The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸』では、一護が草冠宗次郎の攻撃を受けた際に一護の精神世界に現れ、日番谷冬獅郎を信じる理由を一護自身に確かめさせた。

内なる虚[編集]

精神世界に存在する虚(声:森田成一)。朽木白哉の前に現れた時は、誰でもないと名乗った。内なる虚もまた一護の霊力であるため同じ一護の霊力である斬月とは本来一体である存在である。そのため斬月と意識を共有しており、片方の力が増大すると支配権が移る。体格、顔つき、髪型は一護と瓜二つだが、肌や髪・死覇装・天鎖斬月は白色、眼球と爪が黒色、舌が緑色(アニメ版では唇も緑色)。

性格は一護とは正反対で非道・好戦的。作中(単行本)では「黒崎一護」の名前が逆さの鏡文字で、アニメでの字幕では『白一護』と表記されている。戦闘テクニックが高く、攻撃力が高い。始解状態の斬月の晒しをつかんで振り回すして飛び道具のように使うなど一護には考え及ばなかった戦い方も見せている。一対一でやれば一護よりもはるかに強いと思われ、アニメ中で「一護は俺の足元にも及ばない」と言っている。『良心』を持ち合わせておらず、本能に委ねて戦う節も見受けられる(一護には「理性だけで戦っており、本能が足りない」とも指摘している)。

虚化[編集]

内なる虚の発生と共に一護に芽生えた力。阿散井恋次更木剣八との戦いで端的な力を発揮し、朽木白哉との戦いで初めて発現した。以降は一時制御不可能な状態にあり内なる虚による精神的な障害も発生していたが、「仮面の軍勢」の協力で内なる虚を抑えることに成功し、自らの意志で自在に発現・抑制できるようになった。

「仮面の軍勢」と同様に、虚化をすることで爆発的に戦闘能力を向上させることができる。また、一護本人の霊力が飛躍的に向上することで斬魄刀の能力も上がり、月牙天衝も一層強力なものになる。ただし、一護の場合、修行がまだ半端なため、11秒という短時間しか保てず、霊力の消耗も激しかったが、虚夜宮でのグリムジョーとの3度目の戦闘では、闘いの中での無意識な成長か、地道な鍛錬によるものか、虚化保持時間が飛躍的に延びていて、仮面にひびや欠損ができても、すぐに直すことができるようになった。ちなみにアニメ版のアランカル大百科にて市丸ギンは一護の虚化を見て「死神というより破面」だと言われる。これに一護は強く否定した。

関連項目[編集]