電波時計

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ファイル:Radiocontrolledclock.jpg
デジタル電波時計
ファイル:Funkuhranalog.jpg
アナログ電波時計
ファイル:Inside radio clock.jpg
内部構造。電波受信用のアンテナが確認できる(右上の棒状のもの)

電波時計でんぱどけい)とは標準電波(日本ではJJY)を受信して誤差を自動修正する機能を持つ時計のことである。最近は様々な国々に送信局が設置されている。

動作原理

送信局には「セシウム原子時計」と呼ばれる時計が設置されている。この原子時計は誤差が10万年に1秒といわれ、ほとんど誤差がない。送信局は、このセシウム時計の日付・時刻情報のデジタル信号を電波の信号に変換して送信している。

日本では北は福島県大鷹鳥谷(おおたかどや)山(送信周波数40kHz)、南は福岡県佐賀県との県境に位置する羽金(はがね)山(送信周波数60kHz)の2つの送信所でほぼ日本全国をカバーしている(ただし先島諸島小笠原諸島などは範囲外)。

この送信局から送られてくる信号を電波時計に内蔵された受信機が一定時間ごとに読み取り(読取間隔は機種ごとにそれぞれ異なる)、自動的に時刻を合わせている。このため電波時計では電波が正常に受信できる環境に限り、時刻合わせなどの手間を省きつつ秒単位で正確な時刻を知ることができる。現在日本では実施されていないが夏時間にも対応することができ、この場合も年に2度の時刻合わせを行う必要がない。ただし、電波の受信が困難な場所では時刻合わせが行われない場合もある点に注意が必要である(ほとんどの製品は手動での時刻合わせも可能)。これについては後述する。

課題

電波を使用したシステムであることから、以下のような課題が存在している。

  • 窓から離れた建物の中やノイズの多い場所では信号を受信できないことがあり、その場合は電波時計も通常のクォーツ時計の精度に留まることになるが、時計としての機能が停止するわけではないので正確だと信じて使われ続けることもある。建物内の場合、木造家屋の窓際では受信しやすいもののマンションやビルなど鉄筋コンクリート構造や鉄骨構造の建物内部では電波の受信が難しいと言われている。表示時刻が電波により修正されたものかを確認できるように、受信状態を表示するインジケーターが設けられている製品もある(デジタル表示では送信アンテナ型のアイコン、アナログ表示ではLEDなど)。
  • 任意の時間で進めたり遅れさせたりすることができない。自分で時刻を設定したい場合でも電波の受信によって再設定されるため、状況によって時計に表示させる時刻を変えることができない(但し、これはメーカが機能設定していないだけであり、本質的な課題ではない)。また近隣の国に国内用の電波時計を持っていった場合、現地の標準時に時刻を合わせても時計が元の国の送信局の信号を拾って元の標準時に修正してしまう可能性もある。
    しかし現在では電波の受信を止めることができる電波時計や電波で受信した時刻を基に表示時刻をずらして使用可能な機能がついている時計もあり、この問題は回避可能な場合もある。
  • JJY電波の送出設備側要因によるサービス不能がある。メンテナンス(通常メンテナンスは事前に予告される)および機器故障や落雷事故等による停波など。日本標準時グループのサイトにはこれらの情報が公開されている。
  • 時間帯による電波の伝搬特性から、受信側が的確に同期できない場合がある(受信側装置の要因による性能差もある)。この場合、1分または2分遅れた表示に校正してしまうことがある。この場合でも正常に受信できた旨のインジケーターが表示されるため、表示時刻に注意しなければならない。ただし通常の時計としての一般的な使用状況では無視出来る程度の誤差である。

また、従来乾電池で動く時計にはマンガン乾電池が適しているとされてきたが、電波時計はその機構に供給しなければならない電力が大きい為、アルカリマンガン乾電池の方が望ましい。

製品

メンテナンスしにくい場所に設置される事が多い掛時計や据え置き型の目覚まし時計のような製品が多数のメーカーより販売されている。デジタル表示、アナログ表示、いずれの製品もあるが、アナログ表示の方が若干高価な傾向にある(内部計時と針位置の同期を計る必要があり、構造が複雑)。標準電波に含まれる日付情報を表示したり、アナログ表示でも内部では午前と午後を認識して昼間のみ時報を鳴らす製品などもある。

最近は複数の国の電波に対応している機種や腕時計型の機種も製品化されているが受信装置の小型化・低価格化が充分に進んでおらず、特に腕時計は高価になりがちである。女性用の製品ではクォーツ時計並みの小型でファッション性の高い、特にブレスウォッチと呼べるようなデザインの製品は発売されていない。

2007年2月現在で風防を除き本体ケース・裏ブタ部分に至るまで金属素材の部品で構成された、いわゆる「フルメタル」の電波腕時計を販売・展開しているのはカシオとシチズン時計のみである。

カシオ
男性用電波時計はカジュアルウォッチのG-SHOCKに電波受信機能を持たせた「TheG」シリーズやミドル層をターゲットにしたOCEANUS(オシアナス)を展開後順調に推移しており、現在では国内の電波腕時計のシェアの6割に迫る勢いである。
女性用電波時計はBaby-Gの他に大人の女性をターゲットにしたG-msシリーズやLILANA(リラーナ)を展開、サイズもデザインもクオーツ製品並みになってきており低価格化を積極的に進めている為、ある程度の国内シェアは獲得している模様。
アナログ表示ではウェーブセプターシリーズ。
シチズン時計
男性用電波時計は高級ラインのエクシードから廉価版のフォルマまで幅広い価格帯のモデルを展開しているが、比較的高価のクロノグラフ機能搭載モデルやディスク式の曜日・日付表機能を搭載したモデルを中心に売り上げを伸ばしている。
女性用電波時計は代表的なレディースブランド「xC(クロスシー)」を中心に小型化されたムーブメント搭載の女性用電波時計を定期的に開発・発売しているため製品としての完成度は国内トップクラスであるが、20代後半以上の女性をターゲットとしたデザインの商品が目立つため、20代以下の若い女性の認知度はさほど高くない。なお、昨年10月よりxCのイメージキャラクターとして篠原涼子を起用している。

その他、セイコーエルジンなど複数のメーカーより電波受信機能搭載の腕時計は多数発売されているが、2007年2月現在では裏ブタなど本体部分の一部にプラスチックやガラスといった比較的、電波を通しやすい素材を使わなければ電波受信が困難なものが殆どである。

中継機を使った製品

上述の電波が受信しにくい問題点を改善するために屋外や窓際等の電波状態の良い場所で受信した電波を一旦復調し、別の周波数で時間情報を再送信する中継機が市販されている。中継機からの電波は専用の電波時計で受信することになる。一般の電波時計は使えない。

その他の電波を使った時計

一般的には前記の「JJYを受信し時刻を合わせる時計」が狭義での「電波時計」ではあるが、「電波により時刻情報の伝達を行うもの」も広義での電波時計といえる。以下にその例を示す。

関連項目

外部リンク