「誤植」の版間の差分

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'''誤植'''(ごしょく)は、[[印刷|印刷物]]における[[文字]]や[[数字]]、[[記号]]などの[[誤謬|誤り]]のこと。'''ミスプリント'''、'''タイプミス'''とも言う。
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<nowiki>'''誤植'''(ごしょく)は、[[印刷|印刷物]]における[[文字]]や[[数字]]、[[記号]]などの[[誤謬|誤り]]のこと。'''ミスプリント'''、'''タイプミス'''とも言う。
  
 
活版印刷、写真植字で間違った活字を植字してしまうことを指す。近年では印刷物全般に対して用いられているが誤用であり、印刷物以外の字の間違いは単に「誤字」と言う。また、ウェブサイト等での誤字や脱字に対して用いることも誤用である。
 
活版印刷、写真植字で間違った活字を植字してしまうことを指す。近年では印刷物全般に対して用いられているが誤用であり、印刷物以外の字の間違いは単に「誤字」と言う。また、ウェブサイト等での誤字や脱字に対して用いることも誤用である。

2020年1月8日 (水) 04:28時点における版

'''誤植'''(ごしょく)は、[[印刷|印刷物]]における[[文字]]や[[数字]]、[[記号]]などの[[誤謬|誤り]]のこと。'''ミスプリント'''、'''タイプミス'''とも言う。 活版印刷、写真植字で間違った活字を植字してしまうことを指す。近年では印刷物全般に対して用いられているが誤用であり、印刷物以外の字の間違いは単に「誤字」と言う。また、ウェブサイト等での誤字や脱字に対して用いることも誤用である。 なお、タイプミスと言った場合は、[[ワードプロセッサ]]、[[タイプライター]]、[[キーボード (コンピュータ)|コンピュータのキーボード]]等の、[[タイピング]]上の間違いを広く指し、こちらは印刷物に限らず各種[[テキスト]]に用いられる。 == 概要 == 当初の誤植とは、「[[植字]]の誤り」つまり[[活版印刷]]での印刷過程である組み版時のミスであり、植字工がおこす[[活字]]の組み間違いだった。活字の欠落、酷い場合には単語そのものの欠落や、活字の配置間違い(例えばcatをact等)は目立つミスであるが、文字サイズが9ポイントで指定されているのに、8ポイントや10ポイントのものが紛れ込んでしまう、ポイント間違いも含まれる。ただし、電算植字や[[DTP]]の普及発達によって、「誤植」の起こる組み版そのものが行われなくなっている。 手書きの文書の誤りは「[[誤記]]」と言う。「誤植」は主に活版や写植などの大量印刷物の表記の誤りを指す言葉であり、文書処理ソフト上における綴り誤りはその誤り方によって「ミスタイプ」や「[[誤変換]]」という。しかし、インターネットの普及によって、ブログなど書いたものが直接公開されるものが一般化し、出版形態も印刷一辺倒でなくなった事もあって、誤記と誤植の差は、無くなりつつある。 また「誤植」はあくまでも表記の誤りのことを指す。例えば「日本はアメリカ合衆国より面積が広大である」という文は事実に反するが、[[誤謬]]であって誤植にはあたらない。そのような誤りを正す作業は「[[校閲]]」という。しかし今日では内容の間違いも、タイプミス、誤変換なども全て「誤植」と呼ばれる様になってきている<ref>例えば、『[[VOW]]』では手書きチラシの誤字(食品トレイを食品ドレイと誤る等)まで全て一括して誤植としており、「誤植にむしばまれて」「誤植は急に止まれない」というコーナーで扱っている。宝島編集部『VOW全書3』、宝島社1999</ref>が、言葉としては誤りであり、誤用の定着の一例と言える。 誤植とは、本来意図した表現の一部が別の字に置き換わってしまう誤りである。大抵は気付けば元の表現に復元できるが、場合によっては深刻な誤解を生むこともある。例えば[[薬学]]の本で薬の量の桁や単位を誤れば生命に直接関わる。百科事典や辞書などで間違いがあれば間違った知識が流布してしまう危険がある。同様に、小売店が商品の値段を書き間違えた場合には損を承知でその値段で売らざるを得なくなる事態も起きる。電子化された領域では、ヒューマンエラーやデータの破損などでこの様な事態が発生することが考えられる。実際、一時期オンライン販売業界の界隈では価格の登録ミスによるトラブルが度々表面化し、幾つかの業者が損害を発生させたことから、現在では大半のオンライン販売サイトで、価格の誤表示については遡って無効とできる旨あらかじめ断り書きを販売規約に入れておくなど何らかの対処がされている。 本来誤植は[[編集]]作業の過程で「[[校正]]」によって正されるべきものである。校正は軽んじられがちだが、誤植の有無は出版物や出版社の質を計る指針にもなりうる。校正が不十分だと刊行後にも誤植が残ることが多い。このため、[[論語]]子罕第九の「後生可畏」の句をもじって「校正畏るべし」の警句がしばしば言われる。逆に校正者の思い込みによって正しい表現に間違った修正がなされることも起こり得るが、表現に関して直接修正する事は、校正者権限の逸脱であり最も忌避される。表現修正に踏み込む場合は、正誤確認のお伺いを立てて、著者や編集者に確認を取るに止まる。ただし、近年に多い編集者が校正も兼ねている場合や、著者校に回す時間のない新聞などは別である。 刊行後に誤植が大量に判明した場合や緊急の場合には、修正箇所をまとめた[[正誤表]]が改版前に出されることもある。その正誤表にも更に誤植が発見される例もある。 == 原因 == === 言語上の原因 === * 原稿に「[[誤書]]」・「誤記」がある。厳密には誤書・誤記と誤植は異なるが、読者には区別がつかないことが多い。首都圏で2番目に開通した地下鉄の路線名は「丸ノ内線」の用字が正しいが、しばしば「丸の内線」の用字の表記を目にする。この場合、原稿段階ですでに誤っているのか、それとも編集工程の誤植なのかは、読者にはわからない。 * 原稿の読み間違い。その字や単語が他のものと似ていたり、手書きの字が汚かったりするために発生する。[[墓地]]と[[基地]]、あるいは「[[陛下]]」を「階下」「陸下」、「[[口腔]]」を「口膣」、「[[施条痕]]」を「旋条痕」などと誤植するのはこの例である。[[OCR]]でもこの種のミスが発生する。なお、このたぐいのミスの場合、そもそも「天皇陸下」や「口膣」という語はないので、校正者の力量しだいで発見されることも多いが、一方「アーリントンといえば墓地」という文が「アーリントンといえば基地」と誤植されていた場合、この誤植に気づけるかどうかは、校正者の守備範囲をこえている。 * [[誤変換]]。[[同音異義語]]によって起こる場合と区切りによって起こる場合の両方がある。手書き原稿の場合でも、現在では手書き原稿から直接[[文選 (出版)|文選]]はされず、最初に電子化されるため、誤変換による誤植は発生しうる<ref>[[大岡信]]「校正とは交差することと見つけたり」、高橋輝次 編著『増補版 誤植読本』[[筑摩書房]][[ちくま文庫]] 2013 pp.96–101(底本 『光のくだもの』[[小学館]] 1992年)</ref>。この例は無数にあるが、特に「自立型ロボット」と「自律型ロボット」、「偏在」と「遍在」、「競演」と「共演」、「対称」と「対照」と「対象」、「開放」と「解放」、「異議」と「意義」、「体制」と「体勢」と「態勢」など、熟語に同じ漢字が使われ、誤った方でも意味がつながる場合に特に見落とされがちになる。口にかかわるためか「人口呼吸」という誤植もしばしば目にする。 * 同種の語句が繰り返されていた中に、異なる語句が混ざっていた場合<ref name="togawa"/>。たとえば「Aである。Bである。C。Dである」のような文が「Aである。Bである。Cである。Dである」となる類。 * 編集者や校正者が誤字と思って訂正したが、誤字ではなく筆者の意図どおりだった場合。誤謬したわけではないので「誤」植とは言えないという意見もある<ref>[[森鷗外]]「鸚鵡石(序に代うる対話)」、高橋輝次 編著『増補版 誤植読本』[[筑摩書房]][[ちくま文庫]] 2013 pp.176–189(底本 『鷗外全集26巻』[[岩波書店]] 1973年)</ref>。元原稿が「[[ライ症候群]]」あるいは「[[コチニン]]」なのに、編集者や校正者がこれを「[[ハンセン病]]」あるいは「[[ニコチン]]」と改めて、誤植となる、といった場合である。 *同じ語句に対し複数の読み方やカナ表記が存在する場合。例えば英語"Carry"を元とする名称の場合、カバンの一種だと「'''キャリー'''バッグ」となるが、スズキの軽トラックは「'''キャリイ'''」となる。この例だと後者は固有名詞(商標)であり、誤表記が起こると特に問題となり得る。 === 工学上の原因 === * 活字の入れ間違い。使った活字をケースに戻すとき入れ間違ったため、次から使うときに誤植となる<ref>[[山口誓子]]「校正の話」、高橋輝次 編著『増補版 誤植読本』[[筑摩書房]][[ちくま文庫]] 2013 pp.122–129(底本 『海の庭』[[第一書房]] 1942年)</ref>。 * 文書データの[[文字化け]]。[[校了]]後にも起こりうる<ref>[[高橋輝次]]「冷や汗をかく編集者」、高橋輝次 編著『増補版 誤植読本』[[筑摩書房]][[ちくま文庫]] 2013 pp.86–89</ref>。 == 誤植の歴史 == 「誤書」は[[写本]]の時代からあったが、誤植の歴史は[[活版印刷]]の歴史と同時に始まった。[[ヨハネス・グーテンベルク]]の印刷した『[[グーテンベルク聖書]]』は西洋ではじめての本格的な活版印刷物とみなされ、出版史における不滅の金字塔であるが、その中にも多数の誤植がある。42行聖書はたびたび紙数の都合で行数を変更しており、組版の組み替えなどによる多数の混乱が生じていた。そのため、この[[聖書]]の研究では、誤植と訂正の状況を追う研究が一分野をなしている。 洋の東西を問わず、王室や政府、[[政教分離]]が成されていない国における宗教書にまつわる誤植では厳しい措置が取られることが多く、キリスト教の聖書絡みのものでも後述するようなものが知られているが、戦前の日本でも、[[皇室]]がらみの記事で誤植があると「[[不敬]]」として厳しく処罰された。[[1942年]]、[[富田常雄]]作『軍神[[杉本五郎|杉本中佐]]』で「天皇陛下」を「天皇'''階'''下」と誤植した[[童話春秋社]]はこのために出版停止の憂き目に遭った。その対策として、ある新聞社では「天皇陛下」の四字を一つにまとめた特注の活字も製作されたという。 誤植の形態も、時代や技術革新によって変化している。出版物が活版印刷中心の時代には、版の組立時の似た活字の取り違えが多かったが、20世紀後半に文章執筆が[[ワードプロセッサ]]もしくは[[ワープロソフト]]などによるものが主流になってからは、かな・漢字変換の際の[[誤変換]]や単漢字辞書検索での選択ミスなどによる、[[同音異義語]]や似た読みの取り違えが増加した。[[光学文字認識|OCR]]スキャナによる文書読み取りでは、しばしば形状が似た字の読み違えが生じる。またその他に、[[文字コード]]の外字領域などが僅かに異なる環境で文書の作成と[[DTP]]編集を別々に行って印刷に出したところ、それらの文字が別の文字に置き換わってしまう場合、また誤って1バイト文字と2バイト文字を混用した場合(例: 51個、appleなど)、同一でなければならない文書内のフォントサイズや種類を誤って混用した場合などにも、誤植が発生する原因になる。 また、海外で製造された日本向け製品では、[[日本語]]を母国語としない現地担当者が日本語の[[マニュアル]]やパッケージの説明書きを作成したことで、似たような形状の文字、たとえば「[[し]]」と「[[れ|レ]]」、「[[ん|ン]]」と「[[そ|ソ]]」、「[[に|ニ]]」(カタカナ)と「[[2|二]]」(漢数字)を混同したり、「[[ル]]」を「ノレ」と書くなどといった誤植が起きている。 == 誤植の例 == === 聖書の誤植 === [[グーテンベルク聖書]]から始まった近代出版史は、誤植の歴史でもある。[[聖書]]には誤植史上記念碑的なものが多々ある<ref>S. Freud, "Psychopathology of Everyday Life" 1901 (tr. A. A. Brill, 1914) pp.127f.</ref><ref>[http://homepage1.nifty.com/mole-uni/e_text/shimi_192701.html 小酒井不木 「誤謬の値段」]<!--馬鹿者聖書(2)についてはこれしか言及がなく確認要--></ref>。 ; 姦淫聖書 : [[1631年]]に[[イギリス|英国]]で印刷業者[[ロバート・バーカー]]([[w:Robert Barker (printer)|Robert Barker]])によって印刷された[[欽定訳聖書]]は、のちに ''The Wicked Bible'' 、すなわち「[[姦淫聖書]](邪悪聖書)」と呼ばれた。それは[[出エジプト記]]における[[モーセの十戒]]の第七条、"Thou shalt '''not''' commit adultery" (汝姦淫する'''なかれ''')から否定のnotが抜け落ちたために、「汝姦淫'''すべし'''」となり、神が人々に[[姦淫]]を勧める聖書となってしまったからである。このためバーカーは高額の罰金を科されるも、支払えずに投獄されて獄死し、聖書は回収された。しかし密かに隠して取っておいた者が何人もいて、現在も世界に11部残されているそうである。 ; 馬鹿者聖書 : [[1763年]]の欽定訳聖書では、詩編の"the fool hath said in his heart '''there is no God'''"(愚かな者は心のうちに'''神はない'''と言う)という一節を、noを落として"'''there is a God'''"('''神はある''')と誤植し、信仰のある者こそが悪である、という趣旨になった。印刷者には高額の罰金が科され、問題の聖書は回収された。 : [[1580年]]に[[ドイツ]]で刊行された聖書では、出版屋の妻がひそかに印刷所に忍び入り、創世記の"Und er soll dein '''Herr''' sein."(彼は爾の'''主'''たるべし)とあるところを、勝手に活字を組み替えて"Und er soll dein '''Narr''' sein."(「彼は爾の'''馬鹿者'''たるべし」)とした。この聖書は、[[ヴォルフェンビュッテル]]の[[アウグスト大公図書館]]に所蔵されている。 ; 酢の聖書 : [[1717年]]刊行の[[オックスフォード大学出版局|クラレンドン・プレス]]版の聖書は、[[ルカによる福音書|ルカ福音書]]第20章の表題を、"the Parable of the '''Vineyard'''"([[葡萄園|葡萄畑]]の[[たとえ話|寓話]])とすべきところを、"the Parable of the '''Vinegar'''"([[酢]]の寓話)と誤植したため、「酢の聖書」と呼ばれている。 === 日本の法令の誤植 === [[日本]]の[[法令]]の[[公布]]その他公示手続きは、[[判例]]上、「特に国家がこれに代わる他の適当な方法をもつて法令の公布を行うものであることが明らかな場合でない限りは、法令の公布は従前通り、官報をもつてせられるものと解するのが相当で」<ref>最高裁判所昭和30年(あ)第871号昭和33年10月15日大法廷判決、刑集第12巻14号3313頁</ref>あるとされているが、[[官報]]にも誤植が散見する。官報の誤植には、大別して「原稿誤り」及び「印刷誤り」の二種類存在する。原稿誤りとは、主に、国の機関から[[独立行政法人国立印刷局]]に対して官報への掲載を依頼する際に、国の機関から送付される原稿に誤りがある場合を指す。原稿誤りが発見された場合、掲載を依頼した国の機関が、独立行政法人国立印刷局に対して、職権により、正誤欄への掲載を依頼することとなる。対して、印刷誤りについては、原稿に誤りはなく、独立行政法人国立印刷局が官報を印刷する際に誤りが生じた場合を指す。印刷誤りの場合、独立行政法人国立印刷局又は掲載を依頼した国の機関が正誤の手続きを行うこととなる。 官報の誤植には、掲載されている法令の効力に重大な影響を及ぼす可能性がある。[[1948年]]に起きた[[食糧管理法]]違反事件では、[[1947年]][[12月30日]]に公示された[[農林省]]告示で、本来「[[インゲンマメ|いんげん]]」(改正前の告示におけるテボーに相当する)と記載するべきところが、農林省の原稿誤りにより、「[[ナタマメ]]」と誤記したことが問題となった。1948年[[4月7日]]に農林事務官(国の機関である農林省の事務系職員)名義で官報に正誤を掲載することとなった。日本の法令では、前述のとおり官報によって公布されることとなっており、また、法令の効力について、[[判例]]は、「成文の法令が一般的に国民に対し現実にその拘束力を発動する(施行せられる)ためには、その法令の内容が一般国民の知りうべき状態に置かれることが前提要件とせられる」<ref>最高裁判所昭和30年(れ)第3号昭和32年12月28日大法廷判決、[[刑集]]第11巻14号3461頁</ref>としていることから、本件では、官報正誤による法令の効力及び官報正誤以前の法令の効力について問題とされた。本件について[[最高裁判所]]は、「官報に公示するがごとき公示手続上の過誤は、農林事務官においてこれが正誤の手続を執ることは当然その権限内にあるものと解するを相当とするから、前示正誤は正当であつて、少くとも官報正誤の日以後における本件「テボー」の輸送委託をした行為にはその正誤された告示が適用されるものといわなければならない」」<ref>最高裁判所昭和25年(あ)第739号昭和25年9月28日第一小法廷判決、刑集第4巻9号1848頁</ref>とし、官報正誤による法令の効力について、少なくとも官報正誤の日以後については正誤された告示が適用されると判示している。さらに最高裁判所より差し戻された本件における[[札幌高等裁判所]]判決では、「公布せられた告示に誤があつて、その誤であることが外部から容易に認識し得るときは、その誤を正して解釈すべきであるから、正誤の有無に拘らず、その告示ははじめから正しく解釈せられたところに従つて効力を有するといはねばならないが、その誤が外部から容易に認識し得るものでないときは、後に正誤せられるまではその誤つている部分は国民を拘束する力がなく、正誤せられた後にその時からはじめて正誤せられたところに待つて効力を生下ると解するのが相当である」<ref>札幌高等裁判所昭和26年(う)第10号、高等裁判所判例集第4巻7号798頁</ref>とし、本件について官報正誤以前に行われた公訴事実については無罪としている。 ; 年金改革法案 : [[2004年|2004年(平成16年)]]7月、[[厚生労働省]]から提出された[[年金]]改革法案の中に、条項を追加したにも関わらず、その後で「'''前条の規定により…'''」と引用する他の条文が修正から漏れていたために、別の関係ない条文を引用してしまうことになるなどの条文ミスが多数発見された。 : なお、[[2005年|2005年(平成17年)]]5月には、[[社会保険庁]]から発行している国民年金保険料の納付免除・猶予申請の却下通知書に、本来「全額免除」とあるべきところを印刷業者のミスにより「'''金'''額免除」と誤植されて、刷り直しを余儀なくされた。54万枚印刷され、印刷費用は250万円である。 === 辞書の誤植 === ; 『岩波国語辞典』第3版 : [[岩波書店]]の[[国語辞典]]、『岩波国語辞典』第3版の第1刷では、「ごびゅう」(本来は「誤謬」)を引くと、「【'''説'''謬】あやまり。「―を犯す」」という誤植があった。刊行当時「自らが率先して誤謬を実践してくれるとは親切な辞書だ」と皮肉られた。 ; 『生物学語彙』 : [[ゴキブリ]]は、かつては「御器齧り(ゴキカブリ)」等と呼ばれていた。しかし、[[1884年|1884年(明治17年)]]に[[岩川友太郎]]が書いた日本初の[[生物学]]用語集『生物學語彙』では、最初の記述には「ゴキカブリ」と[[ルビ]]が振られていたものの、2か所目には「'''ゴキブリ'''」と書かれ、一文字抜けていた。この本は初版しか発行されず、間違いを訂正することができなかった。その後[[1889年|1889年(明治22年)]]に作られた『中等教育動物学教科書』にも「ゴキブリ」と記述されてしまい、この間違いは、以降の教科書や図鑑にも引き継がれてほとんど全ての文献に「ゴキブリ」と書かれ、[[和名]]として定着した(→[[#定着した誤植]])。これはのちに[[フジネットワーク|フジテレビ系]]『[[トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜|トリビアの泉]]』でも視聴者投稿により紹介された。 === 教科書の誤植 === ; 雪国はつらいよ条例 : [[1988年|1988年(昭和63年)]]に[[新潟県]][[中魚沼郡]][[中里村 (新潟県)|中里村]] (現・新潟県[[十日町市]])が制定した「[[中里村雪国はつらつ条例|雪国はつらつ条例]]」(現在は失効)が、[[2002年|2002年(平成14年)]]2月に発行された中学[[公民]]教科書『新しい社会 公民』([[東京書籍]]刊)で「'''雪国はつらいよ'''条例」と誤って紹介され、報道などで取り上げられ一時話題となった。自治体名の「中里村」も「中里'''町'''」と同時に誤植されていた。 === 漫画・漫画界の誤植 === ; 『ねじ式』 : 1968年『[[月刊漫画ガロ]]』([[青林堂]])に掲載された[[つげ義春]]の漫画『[[ねじ式]]』では、主人公の少年が海で'''メメ[[クラゲ]]'''に腕を噛まれ、[[血管]]が露出するシーンがある。この「メメクラゲ」は、本来は「'''××クラゲ'''」という[[伏字]]表現になっていた。写植屋が×をメと間違って植字したために「メメクラゲ」と印刷された、と言い伝えられてきたが、実際は少し違っている。青林堂の編集者[[高野慎三]]がこの奇怪な作品に「メメクラゲ」という生物はごく自然だと思い込み、作者の目前で読むと作者に××かどうか確かめもせずに写植へ回した。翌日打ち上がった写植もメメクラゲとなっていた。このとき同僚の一人も「メメクラゲとは実に異様ですね。」と言い、高野も「さすがつげさんだね」と応じたという。しばらくの後、高野がつげに会った際に、つげは「メメクラゲのほうが作品に合っているような気がするね。」といった。以降、メメクラゲが定着し[[流行語]]にすらなった<ref>[http://www.mugendo-web.com/y_tsuge/nejiyawa.htm 写植を行った編集者、権藤晋の回想から 「『ねじ式』夜話―つげ義春とその周辺」喇嘛舎、1992年]</ref>。 ; 『おまけの海藤家』 : [[白泉社]]の少女漫画雑誌『[[花とゆめ]] プラチナ増刊』[[1998年|1998年(平成10年)]][[5月15日]]号に掲載された[[加藤知子 (漫画家)|加藤知子]]の漫画『おまけの海藤家』で、登場人物が「なんとまあ、俺様ときたらおちこんでるらしいんだぜ」という内容の科白を言うシーンで、「'''こ'''」と「'''ん'''」が置き換わってしまった。 :コミカルではない雰囲気で[[男性器]]の話題が飛び出すこの誤植は、『[[本の雑誌]]』や『[[VOW]]』にも紹介され表紙に使われたこともある。 ; 『ジョジョの奇妙な冒険』 : [[荒木飛呂彦]]の漫画『[[ジョジョの奇妙な冒険]]』の単行本第1巻初版で、主人公[[ジョナサン・ジョースター]]が愛犬を蹴り上げる[[ディオ・ブランドー|ディオ]]の行為に対して「'''何をするだァーッ'''」と叫んでいた<ref>[http://rocketnews24.com/2012/07/28/235233/ 【ドコモ】ジョジョスマホの予測変換が超スゴイ! 「な」の入力で「何をするだァーッ!」] - ロケットニュース24、2012年7月28日</ref>。 ; 『トリコロ』 : [[海藍]]の『[[トリコロ]]』の『[[まんがタイムきらら]]』[[2005年]]5月号掲載の話で、登場人物が花粉症に関連した話の流れで「[[免疫グロブリンE|IgE]][[抗体]]」をローマ字読みで誤読するシーンがあるが、そのセリフでは「'''[[ハゲ]]'''抗体」となっていた。単行本(メディアワークス版1巻特装版付録「稀刊ツエルブ」)では本来の「イゲ抗体」に修正されている(「イ」の各字画が離れて「ハ」と誤読された)が、雑誌掲載当時は語感の奇抜さとあいまって話題となった。ちなみに、このセリフは当該掲載分の第1ページ・最終ページの離れた2箇所に出現するが、いずれも「ハゲ抗体」となっていた。 ; 『RYU FINAL』 : [[中平正彦]]の『[[RYU FINAL]]』の連載開始告知で「中平正彦'''宣誓'''執筆!」(本来は「先生」)、中盤ダッドリーが「体勢を大きく崩す蹴り技など'''不様'''!」(本来は「不要」)、最終話の最終ページのリュウのセリフで「確か'''み'''てみろ」(本来は「確かめてみろ」)と誤植される。単行本では修正された。 === その他書籍の誤植 === ; いい親を演じなさい : [[三重県]]が2004年から毎年11月の[[児童虐待|子ども虐待]]防止啓発月間に合わせ発行している、県の「子どもを虐待から守る条例」を紹介するパンフレットの「子育てのヒント」の欄で「いい親を演じない」とすべきところを「いい親を'''演じなさい'''」としてしまい、三重県は急遽パンフレットの回収を行った。2007年11月になって誤植に気付いたという。 ; スタソド、ヶーブル、カ夕カナ :[[パソコン]]メーカーの[[デル|DELL]]の[[モニター]]接続解説書には「[[スタンド|スタ'''ソ'''ド]]に取り付ける」(「ソ」が「ん」ではなく「そ」)や「[[ケーブル|'''ヶ'''ーブル]]」などの誤植が見られる。また、キートップ上の「[[カタカナ]]」が「カ'''夕'''カナ」(カタカナの「タ」ではなく漢字の「夕(ゆう)」)となっていたり、カタカナの「ソ」と「ン」が混同されて使われるなどの事例もある。なお、このような誤植はDELL以外のメーカーでも、[[マニュアル#取扱説明書|説明書]]の印刷を[[中華人民共和国|中国]]など海外の業者に委託した際に少なからず見られる。これは日本人以外にはカタカナの細かい差異を区別することが難しいことと、「漢字カナ(かな)交じり文」のように複数の系統の言語を混在させて使用する文章は日本語固有のものであるためである。 :*後述の「ドラゴンモデルズ」の項も参照 ; 川本三郎=誤訳 :[[サンリオ文庫]]から出ていた[[ロザリンド・アッシュ]]『蛾』([[工藤政司]]訳、[[1979年]]、初版)の巻末の既刊書目録には[[レイ・ブラッドベリ]]『[[刺青の男 (小説)#万華鏡|万華鏡]]』が記載されているが、訳者名を「[[川本三郎]]=翻訳」とすべきところが「川本三郎='''誤訳'''」となっている。 ; 真田信仍 : 戦国武将の[[真田信繁]](真田幸村)の名前は、しばしば'''真田信仍(さなだのぶより)'''と誤植された。[[徳川光圀]]『[[西山遺事]]』・[[湯浅常山]]『[[常山紀談]]』など複数の資料で誤記され、明治時代に資料を翻刻(活字化)された際にもこの誤植が踏襲されている(光圀はわざわざ「幸村というのは誤りで信仍が正しい」とさえ発言している)。これは信繁の自筆署名のくずし字の判読を誤った誤植であるという。[[菊池寛]]は著書『真田幸村』で「信繁の兄の[[真田信之]]が「私の弟の名前は[[武田信繁]]と同じで、字も同じだ」といっているのだから信繁が正しい。江戸時代は信仍で通っていた」と述べている<ref>[http://www.aozora.gr.jp/cards/000083/files/1367_36746.html 菊池寛『真田幸村』]([[青空文庫]])</ref>。 ; 罪の巨塊 / 巨魂 : [[曽野綾子]]には著書『ある神話の背景』で[[大江健三郎]]『沖縄ノート』を引用する際に「罪の巨塊」とある部分を「罪の巨'''魂'''」と誤読し、出版社も気づかなかったテキストがある(読売新聞社 1984、PHP研究所 1992、ワック 2006)。厳密には「誤植」というより、曽野綾子の誤解・誤読であり、1984年刊行の『曽野綾子選集. II 第2巻』を元テキストとし、それ以前の著作および大江健三郎の元引用テキストを確認しなかった編集者のミス(広義の誤植)である。さらに曽野綾子は「[[SAPIO]]」2007年11月28日号、「沖縄集団自決と従軍慰安婦=なぜ日本人はデマに平伏してしまうのか」([[池田信夫]]×曽野綾子)では「罪の巨魁」という語を使っている。 ; [[二銭銅貨]] : [[江戸川乱歩]]の推理小説『[[二銭銅貨]]』は、文字を[[点字]]の表現に置き換えるスタイルの暗号が用いられている。この点字の表現において誤植があり、発表後、数十年間、誤ったまま増刷され続けていた。現在は改版されているという。 === 雑誌の誤植 === ; 『中央公論』幸田露伴「佐佐木氏の如き歌」 : 『[[中央公論]]』1905年(明治38年)1月1日号に掲載された[[幸田露伴]]の評論「文芸の批評家と一般士女との関係」(のち「批評」と改題)内で、「歌人にして歌学者たる佐佐木氏の解する能はずといふが如き歌」が「歌人にして歌学者たる佐佐木氏の'''如き歌は今猶行はるゝにあらずや。'''」と誤植された。ここは流行に阿った芸術の悪い例が列挙された部分だが、数字の脱字により「佐佐木氏でもわからないような歌」とするつもりが、「佐佐木氏のような歌」となり、また、この直前の4項目が「~にあらずや」で連続しているため、この文もそのような形に誤植された。これにより、露伴の親友でもあった[[佐佐木信綱]](佐佐木氏)を非難する文となっている<ref name="togawa">[[十川信介]]「誤植の憾み 露伴の信綱宛書簡をめぐって」、高橋輝次 編著『増補版 誤植読本』[[筑摩書房]][[ちくま文庫]] 2013 pp.212–219(底本 『[[図書 (雑誌)|図書]]』[[岩波書店]] 2009年11月号)</ref>。 : この件で、露伴は信綱に謝罪の書簡を送り(信綱からの書簡と共に内容は伝わっていない)、その一方で、内容確認のために編集部に原稿の返却を求めたが、原稿は紛失されていた。露伴は再度、信綱に書簡を送り(岩波書店『露伴全集』書簡集に186として収載)、編集部に訂正方を申し入れ、2月1日号の「前号正誤」に訂正と謝罪とが掲載された。いっぽう信綱は、露伴からの書簡に添えたメモで「つまらぬ事」と評しており、気にはしていなかったようである<ref name="togawa"/>。 ; 『週刊SPA!』大正洗脳事件 : [[1989年]](平成元年)[[2月2日]]発売の週刊誌「[[週刊SPA!]]」2月9日号の記事中、「[[大正天皇]]」を「大正'''[[洗脳]]'''」と誤植した箇所があると判明。発行元の[[扶桑社]]は同号を発売中止とし、併せて既に発送した分を回収した。 ; 『女性セブン』幻の皇大子 : 『[[女性セブン]]』(2004年12月23日号)は[[2004年]](平成16年)[[12月9日]]発売予定だったが、[[皇室]]記事の見出しで「[[皇太子]]」が「皇'''大'''子」となっていたことに印刷作業の途中で気付き、急遽刷り直すことになったため、発売が[[12月13日]]に延期された。 ; 『ゲーメスト』インド人を右に : [[ゲーム雑誌]]の「[[ゲーメスト]]」も誤植が多かった。同誌の誤植として、レーシングゲーム『[[スカッドレース]]』の攻略記事中の「くお~!! ぶつかる~!! ここで[[アクセルペダル|アクセル]]全開、'''[[インド]]人を右に!'''」がある。本来は「[[ハンドル]]を右に!」だが、[[鉛筆]]書きの原稿の文字が汚く、写植オペレータには「インド人」にしか見えなかったという。 : 同誌は他にも「'''[[ザンギエフ|ザンギュラ]]'''のスーパー'''[[ラリアット|ウリアッ上]]'''」「レバー入れ大'''[[修羅場|ピンチ]]'''」「しゃがみ大'''[[パンツ]]'''」「[[ストリートファイターZERO3|'''Z'''ストリートファイター'''ERO'''3]]」「確か'''み'''て見ろ」など多数の誤植を出している。詳しくは[[ゲーメスト]]の項を参照。 ; 『[[RPGマガジン]]』兒 :誤植の多かった同誌で特に話題になったのが『[[フォーチューンの海砦]]』第1話で「蟲」が「'''兒'''」となったもの。入稿したデータが印刷されるまでの間に[[文字化け]]したことが原因。 「ゲーメスト」の例は原稿が手書きだった時代のもので、このような誤植は[[ワードプロセッサ]]の普及とともに減少した。その反面、「週刊SPA!」のように些細なタイプミス、[[誤変換|変換ミス]]が誤植につながる事例が多く見られる様になってきている。 === 新聞の誤植 === [[新聞]]は、日刊という形態と時事を扱うスタイルから、入稿から印刷までが非常に短く、校正する時間も限られるために漫画、雑誌より誤植が出やすい。後日に訂正欄もしくは訂正記事によって訂正されることが多い。[[誤報#単純なミス]]も参照。 ; 「無能無智ロシア皇帝」事件 : [[1899年|1899年(明治32年)]][[5月24日]]、[[読売新聞]]が[[ツァーリ|ロシア皇帝]]について書いた社説の中に「全能全智と称せられる露国皇帝」とすべきところを「'''無能無智'''」としてしまった。「全」と「無」は楷書では似ていないが、崩し字が[[文選 (出版)|文選]]で読み間違えられた<ref>[[外山滋比古]]「校正畏るべし」、高橋輝次 編著『増補版 誤植読本』[[筑摩書房]][[ちくま文庫]] 2013 pp.12–15(底本 『ことばの四季』[[中公文庫]] 1989)</ref>。同新聞社は、即日「謹んで天下に謝す」と題した訂正の[[号外]]を配布し、[[ロシア]]公使館に単なる誤植である旨を説明して事なきを得た。 ; 広告の誤植 :[[1960年|1960年(昭和35年)]][[11月13日]]の[[朝日新聞]]の広告で、一部印刷ミスがあった。本来[[第一三共ヘルスケア|三共(現・第一三共ヘルスケア)]]から発売された「強力[[ルル (風邪薬)|ルル]]エース」のロゴを間違って、[[サントリー|洋酒の寿屋(現・サントリー)]]の「[[サントリー角瓶|サントリーウィスキー(現・サントリー角瓶)]]」の広告に掲載してしまった<ref>[http://livedoor.blogimg.jp/konmiifu/imgs/d/4/d43115ba.jpg 寿屋の広告に載ってしまった「ルル」のロゴ]、[http://livedoor.blogimg.jp/konmiifu/imgs/1/3/1375d77f.jpg 本来ルルのロゴが掲載されるべきだった広告。「強力ルルエース」のロゴの箇所が空欄になっている]</ref>。 ; 「ペネルクイズ」 : [[1975年|1975(昭和50)年]][[4月6日]]に放送が開始された[[ABCテレビ]]の「[[パネルクイズ アタック25]]」初回放送日の[[朝日新聞東京本社]]版の[[番組表|テレビ番組表]]に「'''ペネルクイズ''' アタック25」と誤植されていた。 ; 「老人死ね」事件 : 1989年頃の[[上毛新聞]]の見出しが「殴られ重体の老人死ぬ [[松井田町|松井田]]」と出そうとしたところ、「老人死'''ね''' 松井田」となってしまったことで問い合わせや抗議が殺到した。この誤植は『[[VOW|VOW2]]』(1989年7月発行)にも収録され、バラエティ番組の誤植特集で取り上げられるなどした。 ;「木戸ビグザム」事件 : [[北海道新聞]]のラジオ・テレビ欄で「[[機動戦士ガンダム]]」の「機動[[ビグ・ザム|ビグザム]]」の回が「'''木戸'''ビグザム」となっていたことがある。 ; 「観光客を拉致せよ」事件 : [[2005年|2005年(平成17年)]][[11月2日]][[宮崎日日新聞]]の朝刊の[[番組表|テレビ欄]]で[[MRTイブニング・ニュース]]の内容を「観光客誘致を!![[大韓民国|韓国]]でトップセールス」としようとしたところ、「観光客'''[[拉致]]'''を!!~」となってしまい、後日訂正がなされた。 ; 自粛されたはずの「[[赤福餅]]の[[天気予報]]」 : [[伊勢新聞]]では長年、[[赤福餅]]提供による「漫画天気予報」(赤福のキャラクター・赤太郎が登場して[[三重県]]の天気を伝える)を1面題字下に掲載していたが、[[2007年|2007年(平成19年)]][[10月]]の製造日不正表示事件の発覚を受けて、その協賛広告付天気予報は自粛することとなり、一般的な天気のイラストのみを使って掲載している。 :ところが、その自粛期間中にもかかわらず誤って[[2008年|2008年(平成20年)]][[1月5日]]の新聞で赤福を登場させてしまった<ref>[http://blog.livedoor.jp/mieken1876418/archives/51043414.html 該当記事]</ref>。そのため、翌[[1月6日]]の紙面で「1面の天気予報は赤福提供ではありませんでした」とお詫びを掲載した。 ; 「岡田首相退任」事件 : [[2010年|2010年(平成22年)]][[7月1日]][[デーリー東北]]の朝刊で「[[岡田武史|岡田監督]] 退任の意向」とすべき内容を、「岡田'''[[内閣総理大臣|首相]]'''」と誤って記者が入力し印刷され、40分後に印刷部員の指摘によって「岡田監督」に修正し、印刷し直すことになったが、すでに新聞販売店への発送が始まっていたので、発行部数10万5000部のうち、およそ半分の5万部は誤った紙面のまま配布された。翌日訂正がなされた。ちなみに同姓の[[岡田克也]]は最大野党時代([[自公連立政権]])で[[民主党代表|党代表]]を務めたことがあるが、民主党が与党だった時期(2009年~2012年)に代表者そのものを務めたことは一度もない。「岡田首相」自体は過去に[[岡田啓介]]が首相を経験した事があるが、在任したのはデーリー東北創刊(1945年)以前の1934年~1936年である。 ;「温家室」事件 : [[2010年]][[12月30日]]付の[[人民日報]]で中国の[[温家宝]]首相を「温家'''室'''」と誤植。担当者は解雇も含め厳しい処分が予想されているが<ref>[http://www.asahi.com/international/update/1231/TKY201012310251.html 人民日報、温家「室」首相と誤植 関係者に厳しい処分か]</ref>、その後、人民日報編集部の関係者が口頭反省で済んだと報道された<ref>[http://www.nownews.com/2012/03/12/91-2793636.htm 溫家寶變溫家「室」 人民日報誤植未遭懲處]</ref>。 ;「大塚製薬のリポビタンD」 : [[2011年]][[10月9日]]付けの[[伊勢新聞]]朝刊で、前日[[10月8日]]に行われた「津まつり」のステージイベント出演者に対して栄養ドリンク・「[[リポビタンD]]」を[[大正製薬]]の協賛で配布するという記事が掲載されたが、その見出しを「演者らにファイト!! '''[[大塚製薬]]'''、『リポD』配る」と誤って掲載してしまった(ただし本文は「大正製薬」のままであった)<ref>[http://livedoor.blogimg.jp/mieken1876418/imgs/f/0/f0fc2122.jpg 当該記事の写真]・[http://livedoor.blogimg.jp/mieken1876418/imgs/2/e/2e3ad300.jpg お詫びの紙面]</ref>。なお大塚製薬が製造・販売する似た商品は「[[オロナミンCドリンク]]」(医薬品ではない)である。 ;著名人の名前の誤植 : 「[[サンプラザ中野]]」は[[爆風スランプ]]がブレイクした頃に「サンポール中野」と間違えられた事があり、後日お詫びが掲載された。また、「[[渡辺美奈代]]」が「渡辺尾奈代」とされたり、「[[バブルガム・ブラザーズ]]」が「ブバルガム・ブラザーズ」とされたこともある他、その他、「[[風吹ジュン]]」が「藤吹ジュン」とされたこともあった。 === その他メディアの誤植 === ; [[天気予報]] : [[大阪]]・[[ABCテレビ|朝日放送]]の気象情報で、[[京都府|京都]]・[[舞鶴市|舞鶴]]の予想最高[[気温]]を9℃にすべきところ、'''90℃'''と放送してしまったことがある。また、[[東京]]・[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の天気予報で、[[群馬県|群馬]]の最高気温が'''56℃'''になっていたことがある。これは36℃の誤植である。 ; 『お山のお猿』 「戸倉千代子」 : 歌手[[島倉千代子]]の[[プロ]][[デビュー]]曲は『[[この世の花]]』であるが、その5年前にも[[テイチクエンタテインメント|テイチクレコード]]から童謡『お山のお[[猿]]』を発売していた。しかし、このレコードは歌手名が「'''戸'''倉千代子」と誤植されていたため(レコード会社の社員によるミスとされている)、「島倉千代子」としてのデビュー曲にはならなかった<ref>島倉千代子『島倉家―これが私の遺言』[[文芸社]]、2005年、118-121ページ。ISBN 4835591259</ref>。 ; 『ウルトラマン』「M78星雲」 : テレビ番組『[[ウルトラマン]]』で、主人公の出身地は当初、極めて特異な特徴を持つ[[星雲]](正確には[[銀河]])である[[M87 (天体)|M87]]にちなんで、「M87星雲」とするはずだった。しかし企画書に「'''[[M78星雲]]'''」と誤植された。「万一本当のM78星雲からクレームが来るとしても、我々はとっくに死んでいるずっと未来のことだろうから」として、そのまま劇中でも使用され、定着した。なお、これによって没とされてしまった「M87」の名称は、後に[[ウルトラ兄弟]]の長兄となった[[ゾフィー (ウルトラシリーズ)|ゾフィー]]の必殺技「M87光線」の名前で使用されている。ちなみに、実際の[[M78 (天体)|M78]]は、地球から見て比較的明るいということ以外、特にこれといった特徴のない[[反射星雲]]である。 ; 『魔境伝説アクロバンチ』「猪にひとり」 : テレビアニメ『[[魔境伝説アクロバンチ]]』のテレビ本放送時には、[[オープニングアニメ]](OP)・[[エンディングアニメ]](ED)の映像が未完成の状態から放送が開始されたが(放送回を重ねるごとに完成度が上がっていった)、その第1話OPのクレジットで、ED曲名の「渚にひとり」が「'''[[猪]]'''にひとり」になっているという誤植があった。後にパイオニアLDC(現[[NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン]])より発売・販売されたDVDでは、全話完成OPに差し替えられて収録されたので、「猪にひとり」を見る事はできない。 ; 『ロング・グッバイ』「俺は[[帽子]]をなくした」 : [[レイモンド・チャンドラー]]原作の[[フィリップ・マーロウ]]ものの映画化作品で、[[スーパーインポーズ (映像編集)|字幕スーパー]]作成のために取り寄せた脚本に誤植があり、cat が '''hat''' になっていた。本来は、主人公が事件に関わったせいで飼い[[猫]]に逃げられたと吐き捨てる台詞である。さすがにいぶかしく思った字幕作者が配給会社に問い合わせて、未然に防がれた。 ; 『月姫』「お部屋をお連れします。」 : 2000年の[[同人ゲーム]]『[[月姫 (ゲーム)|月姫]]』にて、登場キャラクター翡翠(ひすい)のセリフにあった誤字で、体験版である通称『半月版』にて発覚、製品版では修正されている。その後、[[TYPE-MOON]]公式HPの企画画像で、セルフ[[パロディ]]として「'''あなたを、犯人です'''」というセリフが登場した。[[格闘ゲーム]]の『[[MELTY BLOOD]]』シリーズでは[[松来未祐|声優]]に「'''あなたを、[[リベンジ]]です'''」としゃべらせたり、背景に誤字が乱舞したり、とネタとして使われている。 ; 『Kanon』「もろちん」 : 1999年のPCゲーム『[[Kanon (ゲーム)|Kanon]]』にて、ラスト近くの[[テキスト]]にて、「も'''ちろ'''ん」の「ち」と「ろ」が入れ替わっている。 ; 『ファイナルファンタジーII』「てったいしなければならかった」 : 1988年のFCゲーム『[[ファイナルファンタジーII]]』で、電源を入れる度に必ず表示されるオープニングデモのテキストにて、「てったいしなければならなかった」が「てったいしなければ'''ならかった'''」となっている。リメイク版(ファミコン版I・II以降)では修正されており、[[ゲームボーイアドバンス]]版以降では「[[撤退]]をよぎなくされた」になっている。 ; 『ギターフリークス・ドラムマニア』「KONMAI」 : 1999年の[[コナミ]]のゲーム『[[ギターフリークス]]』と『[[ドラムマニア]]』で、[[e-AMUSEMENT]]用の「KONAMI ID」を登録する部分で「A」と「M」が入れ替わって「KON'''MA'''I ID」と表記された。また、コナミが発売したゲームの[[バグ]]や誤字、ユーザーの希望や要望から大きく外れた仕様を揶揄する「コンマイクオリティ」という用語が生み出され、以後定着した。「コンマイクオリティ」は[[自由国民社]]刊の『[[現代用語の基礎知識]]2008』にも収録されている。 : なお、コナミはこれ以降にも「KO'''M'''A'''N'''I」「KO'''M'''AMI」「KO'''M'''NAMI」「KO'''AN'''MI」など、自社名の誤植を何度もしている。 ; 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』「歴史保存教会」 : SF映画『[[バック・トゥ・ザ・フューチャー]]』が[[DVD]]化されたときの誤植。本来なら「[[歴史]]保存[[協会]]」だが、「歴史保存'''[[教会]]'''」となっていた。マーティが[[デロリアン]]を見た時の「ヘビーなデザインだ」も「[[ベビー]]なデザインだ」となっていた。[[Blu-ray Disc]]では後者のみ修正されている。 ; 『ドラゴンモデルズ』「フや消し」シリーズ : [[香港]]に本社を持つ[[プラモデル]]メーカー『[[ドラゴンモデルズ]]』の模型の組み立て説明書の誤植。 : ドラゴンモデルズから発売されている模型の組み立て説明書やパッケージは世界展開を考慮して多国籍の言語で表記されているが、その中でも日本語表記は「つや消し」が「'''フや消し'''」や「'''フセ消レ'''」、「'''つや消レ'''」とされている。また、これ以外に同様ないし類似の誤植ケースが多数あるといわれる。 : 2014年2月の[[ワンダーフェスティバル]]では、パロディ商品として、これらの誤植を色名に反映させた塗料用ボトルが[[GSIクレオス]]ホビー部からイベント会場限定で販売された<ref>[https://twitter.com/creoshobby_info/status/431197575807377408 GSIクレオスホビー部] - twitter・2014年2月6日</ref>。 ; 『おジャ魔女ドールNEW』「おかぷを立たせて」 : [[2002年|2002年(平成14年)]]に[[バンダイ]]から発売された[[ガシャポン]]の[[フィギュア]]、「[[おジャ魔女どれみ|おジャ魔女]]ドールNEW」の「4 [[瀬川おんぷ|おんぷ]]&ロロ」で、取扱説明書で「おんぷを立たせて」とすべきところが「お'''か'''ぷを立たせて」となっていた。 ; 尾崎豊『COOKIE』 「クッキーを燃いてくれ」 : [[1990年|1990年(平成2年)]]に発売された[[尾崎豊]]のアルバム『[[誕生 (尾崎豊のアルバム)|誕生]]』の歌詞カードで、収録曲『COOKIE』のサビ「[[クッキー]]を焼いてくれ」が「クッキーを'''燃'''いてくれ」と誤植されていた。上記の「老人死ね」「宮尾すすむ」同様、これも『VOW』に掲載された。なお、この誤植は1箇所のみで、他の部分については「焼いてくれ」となっている。 <!--意図的なもの(ナツミの覚え間違い)という説もあるためコメントアウト。 ; 『逆転裁判2』 「チョラモンマ級」 : [[2002年|2002年(平成14年)]]に発売されたゲーム「[[逆転裁判|逆転裁判2]]」 のGBA版は前述した「もろちん」や「'''わたしくには'''」「'''とりえあえず'''」などシリーズ中でも誤植が多かった。移植した[[ニンテンドーDS|DS]]版ではほとんどが訂正されているが、第2話でナツミと会ったときの選択肢で「だれでしたっけ?」を選ぶと「'''アンタはその中でもチョラモンマ級や!'''」と言われる部分だけは修正されていない。直後の主人公の台詞は「[[エベレスト|ちょもらんま]]…」となっており、こちらは間違っていない。 --> ; 『トランスフォーマー』 「無念お砲塔」 : [[2007年|2007年(平成19年)]]公開された[[映画]]『[[トランスフォーマー (2007年の映画)|トランスフォーマー]]』の玩具のホームページで登場キャラクターの1人(実際に本編には登場していない)「スィンドル」の紹介文で「胸の砲塔」と表記すべきところが、[[ローマ字]]の誤入力が元で「'''無念お砲塔'''」に誤植された。 ; フジテレビの天気予報 「はえ」 : [[1988年|1988年(昭和63年)]][[10月17日]]に放送された[[フジテレビジョン|フジテレビ]]の[[報道番組|全国ニュース]]([[FNNスーパータイム]])内の天気予報で、「[[名古屋市|名古屋]] はれ」とするべき所を、「名古屋 '''[[ハエ|はえ]]'''」と誤植されて表示された。これは後に同局の『[[FNS番組対抗NG大賞|NG大賞]]』(現『[[FNSがんばった大賞|がんばった大賞]]』)で何度も取り上げられた。 ; 『ドリフ大爆笑』 「スポーツでいい汁かこう!」 : [[1990年代]]前半頃、[[フジテレビジョン|フジテレビ]]系[[バラエティ番組]]「[[ドリフ大爆笑]]」にて、字幕で「[[いかりや長介|長介]]のスポーツでいい[[汗]]かこう!」と表記すべき所を、間違えて「長介のスポーツでいい'''[[汁]]'''かこう!」と誤植した。このことは『VOW7』([[1995年]])でも採り上げられた。 ; 『[[リラックマ]]』 「はみちつパン」 : [[2008年]]ごろ、[[ローソン]]で販売されたリラックマパンで「はちみつ&マーガリン」と表記するものを間違えて「は'''みち'''つ&マーガリン」と誤植したものがネットで話題となった。 ; [[気象庁]][[地震速報]]「震度8」 : [[2011年]][[11月17日]]19時11分頃、[[福井県]]嶺北地域で発生した[[地震]]の[[震度]]が誤って「震度'''8'''」とした速報テロップが表示された。実際の震度は震度3であった。 ; 『あたしンち』「未納加茂市」 : [[2004年]][[5月]]、[[テレビ朝日]]系のテレビアニメ『[[あたしンち]]』のお母さん川柳のコーナーにて、投稿者の字幕テロップの住所を「[[岐阜県]][[美濃加茂市]]」と表記すべき所を、「岐阜県'''未納'''加茂市」と表記していた。3年後のBSでの再放送でも修正せず放送。当時は[[政治家の年金未納問題]]が話題になっていた。 ; 自動車の車種名に関する誤植 : 由来となる単語に二つ以上の仮名表記がある場合や[[ヴ|V音が使用]]されていた場合、どちらで表記するのかがあやふやになるなどして誤表記を招く可能性はあり得る。 :: [[スズキ・キャリイ]]:「キャリ'''ー'''」「キャリ'''ィ'''(最後のイが小文字)<ref>「キャリィ」と書かれた例:[[痛車グラフィックス]] Vol.15 22ページ</ref>」などと表記される。 :: [[スバル・レガシィ]]:「レガシ'''ー'''」。キャリイのケース同様、Legacyの仮名表記として「レガシー」が使われるケースはある。<ref>例:[[遊☆戯☆王ゼアル オフィシャルカードゲーム]]のLEGACY OF THE VALIANT [レガシー・オブ・ザ・ヴァリアント]</ref> :: [[トヨタ・コロナEXiV]]:「エクシ'''ブ'''」(正しくは「エクシ'''ヴ'''」)。V音を使用している上に公式でかな表記されることが少なかった為誤表記<ref>例:[[Goo (雑誌)|Goo-net.com]] 2012年12月29日現在</ref>されることがある。 :: [[トヨタ・ヴィッツ]]:「'''ビ'''ッツ」 : また、時代などにより呼び方が異なる例([[フォード・マスタング]](ムスタングと呼ばれていた時代がある)や[[現代自動車]](会社側はヒュンダイを正式呼称としているが、本来ヒョンデと発音するためこちらで呼称する場合がある)など)もあり、その場合非公式な呼び方がメディアや口語などで後年まで残ることがある。 ; 出川哲朗氏お別れの会 : 2013年12月2日付の「[[ザテレビジョン|webザ・テレビジョン]]」の[[NHK総合テレビジョン]]の[[情報番組]]・「[[ニュースウオッチ9]]」の紹介で、「'''[[川上哲治]]'''氏お別れ会」と表示すべきを、誤って「'''[[出川哲朗]]'''氏お別れ会」と表記し、ネット上で話題となった<ref>[http://www.j-cast.com/2013/12/03190676.html webザテレビジョン、「川上哲治氏お別れ会」を「出川哲朗氏お別れ会」と誤表記]([[J-CASTニュース]])、[http://livedoor.blogimg.jp/nannj/imgs/e/3/e3d7122f.png 問題の番組紹介ページ] 川上は2013年10月に93歳で病没。出川は2014年4月現在も存命中である。</ref>。 ; 千倍の性感 : 2014年発売の[[ヤングコミック]]7月号25ページで「4倍の性感がある」を誤って「'''千倍'''の性感がある」と表記し、[[Twitter]]などで訂正した<ref>[https://twitter.com/young_comic/status/476278199987367936 2014年6月10日 1:22のツイート]</ref>。 == 定着した誤植 == 誤植が正規表現に替わって定着する場合もある。上記の「ゴキブリ」、「メメクラゲ」、「M78星雲」はその好例である。 === 作品 === * 『[[ルパン三世]]』の[[銭形幸一|銭形警部]]の本名として設定された名前は4種類有るが「平一」という最初の設定が誤植されて生まれた「'''幸一'''」という名前がアニメ版の公式設定になってしまった。 * 『[[ひょっこりひょうたん島]]』の[[ドン・ガバチョ]]の笑い声が「ハ'''タ'''ハッハ」なのは、本来「ハ'''ッ'''ハッハ」とすべきところを台本が誤植されており、[[藤村有弘|声優]]がそのまま読んでしまったためだが、定着した。 * 『[[魔人探偵脳噛ネウロ]]』で、登場人物の1人「石垣筍」の本来の名前の読みは「いしがき しゅん」だったが、誤植によって「'''じゅん'''」が正式な名前になったことが単行本2巻で明かされた。また、「魔界777ツ能力(どうぐ)」の一つ「生まない女王様(イビルバジャー)」は、本来は「'''産'''まない女王'''蟻'''」であることが、単行本第5巻で明かされた。 * [[長野県]]歌「[[信濃の国]]」の5番で、[[仁科盛信|仁科五郎盛信]]が仁科五郎'''信盛'''と歌われているが、歌詞を訂正しないまま長野県の歌としてそのまま歌い継がれている。ただし、仁科盛信は晩年に「信盛」と改名していた可能性が指摘されている<ref>丸島和洋「武田勝頼と一門」『武田勝頼のすべて』新人物往来社、2007年。</ref>。 * [[寺田寅彦]]の俳句「粟一粒秋三界を蔵しけり」は、岩波書店の寺田寅彦全集で「'''栗'''一粒秋三界を蔵しけり」([[アワ]]→[[クリ]])と誤植されたが、こちらの誤植バージョンが有名で、「栗の句」の代表作として知られている<ref>[[坪内稔典]]「粟か栗か」、高橋輝次 編著『増補版 誤植読本』[[筑摩書房]][[ちくま文庫]] 2013 pp.145–147(底本 『[[産経新聞]]』朝刊 2012年11月9日号)</ref>。 === 名称 === * [[ホンソメワケベラ]](ホン・ソメワケ・ベラ、漢字では“本染分倍良”)は当初“ホ'''ソ'''ソメワケベラ”(ホソ・ソメワケ・ベラ:細染分倍良)と命名されて発表される予定だったが、論文に“ホ'''ン'''ソメワケベラ”と誤植されて直されることなく発表され、漢字表記も誤植された側に合わせて“ホンソメワケベラ”が正式な[[標準和名]]となった。 * [[富山県]][[高岡市]]の「高岡開町400年記念事業」に際して発行された記念商品は、[[立山連峰]]を「立山連'''邦'''」と誤植してしまった。これを逆手にとって記念事業を推進していた高岡次世代経営塾は[[立山連邦王国]]なる架空の[[ミニ独立国]]を建国した。 * 戦国武将の[[林秀貞]]は、最近まで本名を林'''通勝'''と誤って伝えられていた。同時期に「林若狭守通勝」という人物がいたためとされる。これに限らず戦国武将には似た名前が多いため事績の混乱しているケースは多く、[[徳川実記]]を編んだ江戸時代の学者[[林述斎]]は、史料の混乱により、氏名が誤記されて、事績が混乱しているケースが多いと嘆いている。ただし、秀貞の子が[[林一吉|勝吉]]、孫が[[林勝久|勝久]]と「勝」の字を使った名前であることから、「通勝」を名乗った後に「秀貞」に改名した可能性も指摘されている。 * [[小説家]][[吉川英治]]は、本名の「英次」(ひでつぐ)で作品を書いていたが、[[出版社]]が誤って「英'''治'''」としたのを本人が気に入り、筆名とした。 * [[コラムニスト]]の[[押切伸一]]はある雑誌で「'''伸切伸一'''」と表記された(『VOW』ネタにもなった)ことで「のびきりのびいち」を一時期名乗っていた。親族や友人等からは「そりゃお前らしい」と言われたという。 * [[四方田犬彦]]は本来の筆名の「丈彦」を「'''[[犬]]'''彦」と表記され、それをそのまま筆名として使うようになった。 * [[漫画家]]の[[矢野健太郎 (漫画家)|矢野健太郎]]は、[[数学者]]の[[矢野健太郎 (数学者)|矢野健太郎]]をもじって「矢野建太郎」という筆名を名乗ったが、処女作の掲載時に「矢野'''健'''太郎」と誤植されてしまい、そのまま現在の筆名として使い続けている。 * [[漫画家]]の[[うすた京介]]は、読み切りを投稿する際に、近くにあった[[ウスターソース]]をもじって「うすた宗介」と名乗ったが、作品の入賞が発表された際に「うすた'''京'''介」と誤植されてしまい、そのまま現在も筆名として使い続けている。 * [[小説家]]の[[時雨沢恵一]]は、編集者の誤植である「'''雨沢'''恵一」を、複数の著書のあとがきに登場させた。 * [[もじら組]]はイベント「関西オープンソース+フリーウェア2003」のパンフレットで「'''[[もぐら]]組'''」と誤記されたことで一時期自ら「もぐら組」を名乗っていたことがある<ref>[http://journal.mycom.co.jp/column/hitech/092/index.html 【コラム】ハイテクウォーカー・オープンソース業界の尽きない悩み] - マイコミジャーナル・2003年11月4日</ref>。 * [[新日本プロレス]]所属レスラーの[[高橋裕二郎]]は、デビュー当時あらゆる書類で「裕'''次'''郎」と誤植されたため、「[[石原裕次郎]]にあやかる」意味も合わせて2010年まで「裕次郎」をリングネームにした。 * 大相撲力士(元[[関脇]])の[[海乃山勇|海'''乃'''山]]は、「海力山」と改名届を出した1957年1月場所に番付表の誤植に遭い、そのまま番付どおりの四股名を名乗った。 * [[競走馬]]の[[ダイユウサク]]([[1991年]]の第36回[[有馬記念]]優勝馬)は、本来馬主は「ダイコウサク」という馬名にするつもりだったが、競走馬登録の際に「コ」と「ユ」の文字を取り違えられて「ダイユウサク」の名前で登録されてしまい、以後その名前で現役を通した。 * 同じく[[スウヰイスー]]([[1952年]]・[[桜花賞]]馬)も、はじめは「スゥィートスー」(ないしは「スウヰートスー」)で馬名登録をしようとしたが、馬主から調教師に馬名を説明した際に「スウィースー」と聞き違いをしたことから結果的に上記馬名で通したとする説がある。 * [[サッカーガーナ代表]]の[[リチャード・キングソン]]の本名はリチャード・キングストン (Richard Kingston) だが、[[2006 FIFAワールドカップ]]に出場した際、ユニフォームの背中ネームを「'''KINGSON'''」と誤植され、以来、代表でも所属クラブでも「キングソン」の登録名でプレーし続けている。 * [[ラグビーニュージーランド代表]](通称オールブラックス)は[[1905年]]-[[1906年]]にイギリス遠征で34勝1敗という好成績を収め、試合を見た地元記者が「全員が[[バックス]]のようだ(All Backs)」と称えるつもりがタイプミスで「All B'''l'''acks」となってしまったという逸話がある<ref>『世界のサッカー 相性の秘密』p129</ref> == 誤植を題材とした小説 == [[佐野洋]]の推理小説「一本の鉛」ISBN 4-04-131201-9 は、誤植が題材の推理小説。「一本の鉛」は活字の意味である。 == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} {{Reflist}} == 関連項目 == * [[校正]] * [[正誤表]] * [[誤変換]] * [[幽霊字]] * [[VOW]] == 外部リンク == * [http://www5a.biglobe.ne.jp/~sunomono/biblemisprint.html すのものの「聖書の誤植」] * [http://www.geocities.jp/jinysd02/gosyoku/ 誤植の話] ** [http://www.geocities.jp/jinysd02/gosyoku/sub5.html 誤植名言集] {{DEFAULTSORT:こしよく}} [[Category:編集]] [[Category:校正]] [[Category:文書作成]] [[Category:誤り]] [[en:Typographical error]]