虹彩

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虹彩(こうさい、Iris)は、脊椎動物及び軟体動物頭足類において、角膜水晶体の間にある薄い膜。瞳孔の大きさを調節して網膜に入る光の量を調節する役割を持つ。瞳孔がカメラ絞りの開口部に相当する。

特徴

虹彩は、目で色のついた部分である。中央には穴(瞳孔)があり、虹彩の中の平滑筋の働きにより、穴を大きくしたり小さくしたりして、網膜に入る光の量を調節する。ヒトの場合、虹彩の模様が個体によって違うことが知られており、このことを利用して個人認証を行なう場合がある(虹彩認証)。

また、上記とは逆に虹彩の模様から健康状態を分析する手法(虹彩分析)もある。

虹彩の色

詳細は ヒトの虹彩の色 を参照

虹彩の色は、メラニン色素の量で決まる。通常、「目の色」といった場合は虹彩の色を指す。ここでは、ヒトの虹彩の色について述べる。

濃褐色(ブラウン)
最もメラニン色素が多い色でもある。最も多い色であり、どんな人種にも見られる色である。個体差もあるが、アフリカ系、アジア系のヒトのほとんどは濃いブラウンで、「黒」と見られる場合も多い。日本で、「目が黒いうちに」と言われるのは、日本人のほとんどは濃いブラウンの虹彩であることに由来する。明るいブラウンのヒトも多いが、濃いブラウンほど多くはない。
青(ブルー)
世界でブラウンの次に最もありふれた色である。北部ヨーロッパなど、日照量の少ない地域に多く、特にフィンランドリトアニアでは80%以上がこの色である。アイルランドイギリスでも多い。その他、中東中央アジアの高地でも見られる。アメリカ合衆国の非ヒスパニック白人にも、高い割合で見られるが、これは移民の子孫と見るのが妥当であろう。
白人の場合、生まれた当初はブルーで、その後成長するにつれ違う色になる場合が多い。これは、生まれた当初はメラニン色素の沈着が進んでいないためである。
淡褐色(ヘーゼル)
ブラウンとグリーンが混ざった色であるが、おおむね「明るいブラウン」と見なされる色である。ブラウンに次いでメラニン色素の量が多い。中部ヨーロッパ及びスラブ系の人種に多い。少数ながら日本でも確認される。日本では西日本の特に九州地方に偏在している。
灰色(グレー)
ブルーのバリエーションと考えられる色で、ブルーよりややメラニン色素の量が多い。やはり白人に多い。
緑(グリーン)
ケルト系、ゲルマン系、スラブ系、ハンガリー系に見られるが、数はあまり多くない。中東、中央アジアの白人にも見られる。メラニン色素の量は、ヘーゼルより少なく、ブルーより多い。
青紫(バイオレット)
極めて稀な色で、ブルーのバリエーションと見られる。メラニン色素の量が少ないため、元々のブルーと血の色が混ざってバイオレットになると考えられている。アルビノを除けば、メラニン色素が最も少ない色である。エリザベス・テイラーがこの色であることが知られている。
赤(レッド)
極めて稀な色で、非常に少なく、その数は人類の人口の0.001%である。大量の色素の欠如による血液の色であり、先天性白皮症(アルビノ)がこれに相当する。
虹彩異色症(オッドアイ)
詳細は 虹彩異色症 を参照
極めて稀であるが、左右の虹彩の色が違う、もしくは虹彩の一部の色が異なる場合がある。これを虹彩異色症(いわゆるオッドアイ)という。

参考文献

関連項目

外部リンク