浅田彰

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浅田 彰(あさだ あきら、1957年3月23日 - )は、京都大学准教授。専攻は経済学社会思想史兵庫県神戸市出身。

来歴[編集]

概要[編集]

  • 京都大学人文科学研究所の助手時代の26歳のときに『構造と力』を出版。構造主義ポスト構造主義を一貫したパースペクティブのもとに解説するという硬派な哲学書であったにもかかわらず、10万部を超すベストセラーとなった。翌年に出版した『逃走論』とともに、「浅田彰現象」を巻き起こし、現代思想ブーム、ニューアカデミズムの旗手となった。「スキゾ/パラノ」が流行語大賞新語賞を獲得した。
  • 浅田彰現象の絶頂期には、『構造と力』を片手にナンパするのが流行し、浅田も旧世代からは軽薄な新人類の代表とされたが、ドゥルーズガタリデリダなどフランスポストモダニズムを日本に紹介した功績は大きい。その後も80年代、90年代を通して、『批評空間』などの雑誌の編集委員をつとめ、柄谷行人蓮實重彦らとともに現代思想をリードし、現在まで大きな影響力を保っている。
  • 彼は『逃走論』『ヘルメスの音楽』以来対談集を除いて全く著作や学術的業績を遺しておらず、「執筆活動をせず、対談などで放言をする」という姿勢は、一部の批評家・思想家からは「美学的ニヒリスト」との批判もある(ニヒリストであるということは自らも認める発言をしている。)。
  • フランス現代思想の日本への紹介者として名実ともに大きな存在であり、自身もその一翼であると目されている。しかし、ソーカル事件などで示されたフランス現代思想潮流の衒学性の問題について、批判反批判ともにはっきりとしたその評価はいまだあらわしていない。
  • 芸術、学問の交通整理役が、自分に課せられている役割だとも考えている。ピアニストになることが若い頃からの夢であったらしく、高校生の頃は、数学少年であり、音楽少年であった。大学進学の際に、経済学部を選んだのは、それがちょうどその中間にあると感じたからだという。
  • 語学の才能にも長けており、英語、ドイツ語、フランス語は堪能で、イタリア語、(古代)ギリシア語、ラテン語も解す(イタリア語は日常会話程度は可能である模様)。
  • 一方で、中国および北朝鮮の人権問題についての言及は希薄であり、特に北朝鮮拉致問題北朝鮮核問題が明らかになって以降、特にそうである。
  • 昭和天皇が入院し日本中が自粛ムードとなっているときに、皇居に集まり記帳する人々を指して「自分はなんという土人の国にいるのだろう」(『文學界』)と発言し話題を呼ぶ。これは北一輝が、『国体論及び純正社会主義』で、万世一系論を唱える穂積八束を「土人部落の酋長」と呼んだのに倣ったものである。
  • 村上春樹のノーベル賞受賞を予想しつつもまったく評価していない一方、世紀末を代表する世界的日本人アーティストとしてエイズで死亡した古橋悌二の名を挙げている。
  • 数学者グロタンディークを20世紀の最重要人物の一人と考えている。彼の創始した数論幾何("トポスを扱う幾何学")を高く評価。同時にその量子力学との関係性をも指摘。21世紀は量子力学の時代になると予想している。(坂本龍一との会話の中 )
  • 雑誌『批評空間』の編集委員を柄谷行人とともに長年つとめた。東浩紀を論壇にデビューさせた。しかし、東は博士号取得後、編集委員を繰り返し批判するようになり、浅田からのシンポジウム等の誘いも断り続けている。
  • 新潮社より世紀末三部作が刊行予告されたが、『映画の世紀末』のみ発売されて『音楽の世紀末』、『アートの世紀末』が21世紀になっても未だ刊行されず、読者をやきもきさせている。

著作[編集]

単著[編集]

  • 『構造と力――記号論を超えて』(勁草書房, 1983年)
  • 『逃走論――スキゾ・キッズの冒険』(筑摩書房, 1984年)
  • 『ヘルメスの音楽』(筑摩書房, 1985年)
  • 『ダブル・バインドを超えて』(南想社, 1985年)
  • (対談集)『「歴史の終わり」と世紀末の世界』(小学館, 1994年)
  • 『フォーサイス1999』(NTT出版, 1999年)
  • (対談集)『「歴史の終わり」を超えて』(中央公論新社・中公文庫, 1999年)
  • 『映画の世紀末』(新潮社, 2000年)
  • (対談集)『20世紀文化の臨界』(青土社, 2000年)

共著[編集]

共編著[編集]

訳書[編集]

  • メアリー・ダグラス, バロン・イシャウッド『儀礼としての消費――財と消費の経済人類学』(新曜社, 1984年)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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