東日本旅客鉄道

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東日本旅客鉄道株式会社[1](ひがしにほんりょかくてつどう、英称East Japan Railway Company)は、1987年4月1日に、日本国有鉄道から鉄道事業を引き継いだ旅客鉄道会社の一つ。東北地方全域、関東地方山梨県の大半の地域、信越地方静岡県の一部地域を営業区域とし、JRグループの中で最も企業規模が大きい。本社は東京都渋谷区東証一部上場。略称はJR東日本(ジェイアールひがしにほん)。英語略称はJR Eastコーポレートカラー色。取締役会長大塚陸毅、代表取締役社長清野智

概況

2006年現在の路線の営業キロは計7526.8kmで、JRグループ各社の中で営業路線が一番長い。従業員数は約7万3千人。日本人口の3割強が住む大都市圏東京圏に多くの路線を持ち、東京圏の通勤輸送を主力とする。1日の輸送人員は約1,600万人(2003年度実績)、年間の売り上げは2兆7000億円近く(連結)にも上り、そのうち1兆1153億円が関東圏[2]の通勤・通学路線の運輸収入、4909億円が新幹線の運輸収入である(2007年度)。世界最大の鉄道事業者であるとともに、世界有数の運輸企業でもある。経営基盤が非常に莫大で安定しているため、社員の給与水準は、日本の鉄道業界では、同じく莫大で安定した東海道新幹線という基盤を持つ東海旅客鉄道(JR東海)に並んで高い。

2000年代後半における事業の柱は以下の3つ[3]

  • 鉄道事業
  • 生活サービス事業 - エキュートDilaといった駅ナカの商業施設や、不動産業など。
  • Suica事業 - ICカード 乗車券Suica」を電子マネー化し、これを媒介とした他業種との連携など。これによって手数料の徴収や、クレジットカードとの提携によるSuicaの使用機会の拡大が見込め、Suicaの利用機会が駅(定期券として利用)という限られた範囲から小売店などへ広がることになる[3]

クレジットカードについては、自社で直接、クレジットカードビューカード」を発行している。このため、JR東日本自体が貸金業登録をしている(関東財務局長(5)第00945号)。

本社・支社等

ファイル:JR East main office.jpg
JR東日本 本社ビル

本社

支社

付属機関

なお、海外事務所は日本国有鉄道の海外事務所を承継したものである。

自社発電設備

ファイル:ShinanoGawaArroundOjiya.jpg
小千谷市付近を蛇行する信濃川。この蛇行部近くに東日本旅客鉄道発電所があり、写真中央に調整池が見える(新潟県小千谷市)

国鉄時代、首都圏の路線へ電力供給をするため川崎市川崎区に建設した火力発電所および小千谷市周辺にある水力発電所信濃川の水力を利用)を所有し利用しているため、東京電力からの電力供給が停止したとしても他の鉄道事業者のように運行停止などの影響を受けない。実際に、2006年8月14日に発生した首都圏大規模停電の際にも、京葉線の一部区間などを除いてほとんど影響はなかった。ただし、2004年10月23日に発生した新潟県中越地震では小千谷市の水力発電所が破損し、自社発電の供給能力では電力を賄いきれなくなった。そのため東京電力から電力を購入したり、他発電所の発電量を増やしたりして対応していたが、2006年春には復旧工事が終了し全面的に稼動を再開した。

歴史

今後の予定

トピックは公式発表があったもの、時期が明らかなもの、行われることが確実なものにして下さい。(時期が不明なものや確実かどうか不明なものは控えてください)

  • 2015年(平成27年)東京湾北部地震が発生。首都圏は焼け野原となる。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の全ての路線が3年にわたって運転を見合わせる。
  • 2016年(平成28年)北朝鮮の核ミサイルが東京駅、横浜駅、千葉駅、大宮駅、立川駅、柏駅、船橋駅、川崎駅、八王子駅、浦和駅、武蔵小杉駅など首都圏の50駅に着弾。これにより首都圏の95%の人が死ぬ。
  • 2018年(平成30年)首都圏の路線のうち、山手線、京浜東北線(赤羽~蒲田)、中央線(東京~三鷹)、総武線(東京・御茶ノ水~新小岩)、常磐線(上野~北千住)が運転を再開、しかしこれら全ての路線で営業係数(100円の利益を出すためにかかる費用)が1000を超える。
  • 2020年(平成32年)常磐線、総武線が廃線に。また、2018年に復旧した路線以外の復旧を断念。
  • 2021年(平成33年)首都圏の利益が無くなったために、東北・甲信越各線の赤字を補填できなくなり、仙台・新潟近郊各線を除く全路線を廃線。
  • 2023年(平成35年)赤字のため倒産。なお、山手線、京浜東北線、中央線は国が引き取り、細々と運営するも、2026年には中央線が、2030年には京浜東北線が、2034年には山手線が廃線となる。

運転事故と輸送障害

国土交通省の調査によると、在来線部分における平成18年度(2006年度)の走行距離百万kmあたりの運転事故、輸送障害の発生件数は、それぞれ0.40件、5.30件(うち部内原因によるもの1.93件)であった。一方同年度の鉄道事業者の平均値はそれぞれ0.63件、3.29件(うち部内原因によるもの1.19件)であった。平成14~17年度についても同様の傾向が見られることから、JR東日本では運転事故の発生頻度は高くないものの、輸送障害の発生頻度が高いといえる。また強風により発生したJR羽越本線脱線事故、工事に関連して発生した首都圏での大規模な輸送障害などに際しては、JR東日本は、国土交通省や同省鉄道局長などによる業務改善命令や警告を受けている。

このうちJR羽越本線脱線事故に対しては、JR東日本は「羽越本線事故原因究明・対策検討委員会」の設置・「防災研究所」の設立・風速計の増設・規制値の見直しを表明している。また輸送障害の多さに対しては平成18年度(2006年度)首都圏輸送障害低減に向けた対策の強化に関する公式発表において設備・車両の改良や新車の導入などに総額3,000億円の投資を行い輸送障害の低減を目指すことを表明し、平成19年度(2007年度)も「安全報告書2007」において、安全性向上への取り組みにて同等の投資を行うと発表している。

平成18年度(2006年度)においては、車両が原因となった輸送障害が対前年度比99件減少した事が大きく、部内原因による輸送障害が2.41件から1.93件へ減少した一方、その後も数度にわたり輸送障害や事故による警告を度々受けている。

また、JR東日本は各テレビ局スポンサー企業であるため不祥事が報道されることが少ない。「報道におけるタブー」も参照。

業務改善命令・警告

対策に関する公式発表

路線

青森県津軽海峡線を除く)以南、神奈川県御殿場線を除く)、山梨県身延線を除く)、長野県飯田線中央本線塩尻以西と大糸線南小谷以北を除く)、新潟県北陸本線大糸線を除く)以北、静岡県東海道本線熱海以東と伊東線のみ)の本州旧国鉄在来線の大部分と、東北新幹線上越新幹線長野新幹線北陸新幹線の現行開通区間の通称)の新幹線、および山形新幹線秋田新幹線の通称を持つ新幹線直行特急が運営基盤である。

JR東日本が運営している路線を以下に示す。括弧書きは正式な線路名称ではない運転上の通称である。

新幹線

東北新幹線山形新幹線秋田新幹線) - 上越新幹線 - 北陸新幹線長野新幹線

在来線

関東地方

山手線 - (京浜東北線) - 横浜線 - 根岸線 - 南武線 - 武蔵野線 - 赤羽線埼京線) - 川越線 - 中央本線中央快速線中央・総武緩行線) - 青梅線 - 五日市線 - 総武本線総武快速線中央・総武緩行線) - 京葉線 - 東海道本線 - 横須賀線 - (湘南新宿ライン) - 鶴見線 - 相模線- 八高線 - 高崎線 - 上越線 - 吾妻線 - 両毛線 - 日光線 - 烏山線 - 東北本線宇都宮線) - 水戸線 - 常磐線常磐快速線常磐緩行線) - 水郡線 - 内房線 - 外房線 - 成田線 - 鹿島線 - 久留里線 - 東金線

東海・甲信越地方

中央本線 - 信越本線 - 小海線 - 飯山線 - 篠ノ井線 - 大糸線 - 上越線 - 羽越本線 - 越後線 - 弥彦線 - 白新線 - 磐越西線 - 米坂線 - 只見線 - 東海道本線 - 伊東線

東北地方

東北本線 - 磐越西線 - 只見線 - 磐越東線 - 常磐線 - 水郡線 - 仙山線 - 仙石線 - 石巻線 - 気仙沼線 - 大船渡線 - 陸羽東線 - 陸羽西線 - 北上線 - 釜石線 - 山田線 - 岩泉線 - 花輪線 - 八戸線 - 大湊線 - 津軽線津軽海峡線) - 奥羽本線 - 米坂線 - 左沢線 - 田沢湖線 - 羽越本線 - 男鹿線 - 五能線

廃止路線

JR線の他会社分界駅

JR北海道

JR東海

JR西日本

列車

JR東日本発足以降に同社の路線で運行されている(されていた)列車を挙げる。種別が変更された列車は変更後のもので記載し、全列車が他社の車両で運行されているものはその会社名も記載する(廃止列車は廃止時点)。

現行列車

新幹線

在来線

廃止列車

新幹線

在来線


車両

JR東日本の車両形式 も参照

自社で車両製作部門を保有し、旧国鉄から承継し経年の進んだ車両の大規模な置き換えを進めている。大量に引き継いだ103系は2006年3月に一般の運用を終了し、他の旧国鉄型車両も順次E231系などを導入して淘汰を進めている。

同社が「一般形」と呼称する都市圏内輸送用の車両は、従来の車両から設計や製作手法を大幅に見直し、製造コストの低減を図った経済車をベースにしたものである。これは時代の趨勢をサービス提供に即座に反映する目的から、車両置き換えサイクルを短く設定するための手法で、1992年(平成4年)の京浜東北線209系を嚆矢とする。この設計指向は同社のみならず一部の関東地区他社局車両にも取り入れられ、複数の車両に採用例があるE231系の基本設計などは他社局の車両製作コストの削減にも寄与している。

通勤圏の拡大に伴い、近郊路線においてもロングシート車を投入し、1列車あたりの収容力向上を図った。この方針は地方路線にも波及し、収容力向上とあわせ車両所要数の適正化を図っている。

特急用車両は、使用路線ごとに仕様を特化した車両を導入する当初の方針から、設計を共通化し汎用的な使用を可能する方針に転換しつつある。これは新幹線車両についても同様で、1990年代後半以降はフル規格のE2系、ミニ新幹線のE3系を中心に導入する。

これら新型の車両群はコンピュータによる集中管理・制御装置 (TIMS) などを装備し、動作状況や運行管理の常時集中監視を可能としている。

車両基地

詳細は 日本の車両基地一覧#東日本旅客鉄道 を参照

車両工場

社内乗車人員上位10位

数字は2007年度。一日平均[4]

基本的に数年間1位~8位までは変動がない(一部年度で新橋駅と大宮駅が入れ替わっている)。

秋葉原駅は2005年度は第12位だったが、つくばエクスプレスの開業もあり2006年度は上野駅を抜きベスト10入り、2007年度に高田馬場駅を追い抜いた。

上野駅は2005年度は10位にランクインしていたが、ターミナル機能の低下に伴い、2007年度は北千住駅川崎駅についで第13位に甘んじている。

取扱収入上位3位

数字は2006年度。[5]

関係会社

グループ会社としては、清掃会社や整備会社といった鉄道に直接関連する部門だけではなく、以下のように多岐にわたる。

運送業

ホテル業・駅ビル関係

旅行・レジャー産業

飲食・販売業

広告代理業

スポーツ

その他

持分法適用関連会社

関連団体

  • 財団法人交通文化振興財団

その他出資会社

関連項目

脚注

  1. 東日本旅客鉄道の社名の「鉄」の字は“金を失う”と言う意味を避けるため、ロゴ文字では「金矢」(金偏に弓矢の矢、鉃)という字を採用しているが、正式商号は「」である(四国旅客鉄道以外のJR他社も同様)。
  2. 関東圏とは、東京・八王子・横浜・大宮・千葉・高崎・水戸各支社の在来線を指す。[1]参照。
  3. 3.0 3.1 『JR東日本 成長性が味つけされたディフェンシブ銘柄』2008年1月18日付配信 日経ビジネスオンライン
  4. http://www.jreast.co.jp/passenger/index.html
  5. http://www.jreast.co.jp/youran/pdf/jre_youran_p86_87.pdfPDF 

外部リンク

テンプレート:Suica テンプレート:JRcs:Východojaponská železniční společnost de:East Japan Railway Companyeo:Orienta-Japania Fervoja Kompanio fr:JR Est id:East Japan Railway Company ko:동일본 여객철도 nl:East Japan Railway Company pl:Japońska Kolej Wschodnia pt:East Japan Railway Company zh:東日本旅客鐵道