「携帯電話依存症」の版間の差分

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2014年6月29日 (日) 10:33時点における最新版

携帯電話依存症(けいたいでんわいぞんしょう)は、携帯電話PHSといった個人向けの通信機器が提供するサービスに没頭、日常生活に支障をきたすほどになっている状態を示す俗語である。携帯中毒(けいたいちゅうどく)とも。

関連語には携帯電話(メール機能を含む)で四六時中誰かしかとコミュニケーションを取りたがる女子学生を指した言葉としてツナガール(「繋がる」と少女を意味する「ガール」のかばん語)があるが、同名でハブ(接続機器)の商品名や携帯電話会社のキャッチフレーズも存在する。

概要[編集]

同語に関しては依存症とはいっても精神医学分野で明確な研究は特に行われていない模様で、日本国内では主に俗語と認識されているが、一方で2007年2月14日付の「YONHAP NEWS(日本語版)」によれば韓国では2006年に行われたインターネット依存症調査にて、青少年の10人に1人が携帯電話の利用に自ら依存状態にあると回答しているという。同国情報通信部が全国3500人を対象としたアンケート調査によるものだが、成人で4.1%が「依存症だ」と答えたのに比べると、青少年層の依存率が高いという(同報道)。

韓国や中国などではオンラインゲームの長時間利用により健康を害したり急死したりというケースも報じられ社会問題となっている関係でこういった調査も見られるが、その一方で日本でもパケ死などに代表されるサービスの利用し過ぎに伴う経済的な痛手を被ったり、あるいは携帯電話を利用しながらの運転で交通事故を起こすケースが社会問題化、パケ死に関してはクローン携帯の可能性も示唆されたが、交通事故では自動車の運転時における携帯電話の利用制限が道路交通法改正で盛り込まれ、また交通事故の自覚に欠け暗数となりやすい自転車事故に於いても相当数の携帯電話利用に関係する事故が報じられており、やはり携帯電話使用マナーにも絡められて過剰な携帯電話の利用に警告を発する声も多方面から挙がっている。

こういった携帯電話に絡む社会問題において、携帯電話の利用をマナーやルールを度外視して行う者が依存症(当人の意思では止めることが出来ない)的だと揶揄する傾向も見られる。

携帯電話サービスと依存状態[編集]

日本に於いて携帯電話は多機能化にも伴い、2000年代に急速に個人的コミュニケーションツールとしての地位を獲得している。これは様々なサービスが携帯電話端末に集約された結果であるが、これが通話から映像メモとしても利用されるデジタルカメラ電子メール、或いは電子掲示板を含むインターネット上のサービスを利用でき、また電子マネー端末としての機能も追加されつつある。

こういった利便性向上の一方で、この「一つの装置」が生活の中に占める地位も拡大、これが忘れたり落としたり壊したりといった事態に際して「携帯電話がないと生活が不便で仕方が無い」といった状況を発生させる。またJavaアプリ再生端末としての利用や、デジタルオーディオプレーヤーワンセグ地上デジタルテレビジョン放送受信機など、娯楽家電的な機能に特化した機種もあり、こういった機能を楽しんでいる者にとってはやはり「無いと困る」ものとなっている。

例えば2007年に提唱されたシャットダウン・デーにおいて、これら機器を「敢えて使わないこと」という実験的な試みもあるが、これを実行しようとした場合に、どれほどの心理的負担が発生するかがスラッシュドットジャパンで論じられたケースもある(参考)。技術関係筋の議論は兎も角としても、近年の青少年どうしのコミュニティでは携帯電話の機能に依存した交流の形態や固有の若者文化も多々見られ、これが「電話代かさみ過ぎて親に携帯電話取り上げられた」や「トイレに落として壊した」などでパニック的な反応を示す者も見られないことではない。

その点では、病的な状態を示す「依存症」では無くとも、様々な側面にて携帯電話に依存した生活を送る現代人は少なくない。

携帯電話マナーと依存状態[編集]

携帯電話では日本では1990年代に急速に普及したこともあり、当初は既存の類似サービスが存在しなかったことから、この利用マナーに関する議論も発生、2000年に前後して携帯電話会社各社が利用マナーに関する消費者教育に動き、販売店店頭のほかテレビ広告やウェブサイト上、あるいは公共の場でのポスターの掲示といった形で利用者マナーの普及に努めおり、また公共交通機関を含め公共の場でも携帯電話利用に関するアナウンスを行っている。

ただこういった時流にも関わらず、相変わらず携帯電話の利用マナーに難があるユーザーもおり、ことアルコール依存症薬物依存症喫煙依存・ギャンブル依存症など依存症全般に関する社会的な拒否感(→廃人)にも絡めて、これらマナーの悪い利用者を「携帯電話依存症」とする傾向が見られる。

依存“病”か否か[編集]

実際問題としては、インターネット依存症(病状)ないしネット中毒(俗語)にしても定義は確定しきっておらず、これを「病気」とすべきかどうかについては諸説存在し、中にはインターネット依存に関してもインターネット上のサービス利用以前よりうつ病など顕著な精神疾患の傾向が見られ、インターネットの利用はそれら精神疾患の副次的な症状の一つに過ぎないと言う説も見られる(→ネット中毒)。

ただ俗語の常として医学的な裏付けの有無は重要視されず、またその定義についても実に曖昧かつ個人的な感覚や主観に負う所が大きい。とはいえ依存症という症状の定義に於いて無視することの出来ない要素として「当人が止めたいと思っても、当人の意思だけでは止めることが出来ない」や「それを利用することで当人ないし周囲の者が精神的・肉体的苦痛を被っている」などが見られるならば、それは依存症とすることもあながち誤りとは言い難い(→依存症#心理学的な特徴)。

中国ではインターネット依存に関連して投薬とリハビリを併用したクリニックも2005年に登場しており、携帯電話も機能・サービスの一つにウェブブラウザがある以上、今後同種のクリニックで「携帯電話依存の治療」も行われる可能性があるのかもしれない。

関連項目[編集]

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