大富豪

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この項目ではトランプを使ったゲームについて説明しています。

  • 大金持ちについては長者をご覧ください。
  • 関東を中心に活動する劇団については劇団大富豪をご覧ください。
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大富豪(だいふごう、muiti millionaire)とはトランプを使ったゲームの一つである。

概要[編集]

大富豪はカードをプレイヤーにすべて配り、手持ちのカードを順番に場に出して早く手札をなくすことを競うゲームである。

一般的に4~6人程度でプレイするのに適しているが、7人以上や3人でもプレイ自体は可能である。2人では後述の2人用ルールを用いる。1人ではゲームが成立しない。

1ゲームでの順位が次ゲーム開始時の有利不利に影響する点が特徴で、勝者をより有利にするゲーム性から「大富豪」という名称がついた。

地方ルール・独自ルールが数多く存在することも大きな特徴である。そちらのルールでは一旦負け出すとなかなか逆転できないという欠点を補正する方向に働くものが多い。

様々な呼称[編集]

「大富豪」は他に「大貧民」、希に「階級闘争」や「人生ゲーム」などとも呼ばれている。

地方ルール(後述)が様々あるようにゲーム自体にも様々な呼称がある。関東は「大貧民」、関西では「大富豪」と呼ぶ傾向および地方ルールの採用が少ない(無い)ものを「大貧民」、地方ルールの採用が多いものを「大富豪」と呼ぶ傾向が見られる。地方により様々な呼称が付いているということは国民的ゲームである証拠といえる。

基本ルール[編集]

以下に記述するのはあくまで基本ルールであり、公式ルールなどというわけではない。8切り革命など、かなり一般化しているルールも有るが、ここでは単純にゲームの進め方のみ記述する。

  1. プレイヤー全員に均等にカードを配る。
  2. ゲームは親から始める。最初の親が最初のカードを出し、以降順番に次の人がカードを出していく。
  3. カードには強さがあり、弱い順に3、4~10、J、Q、K、A、2とされる。
  4. 次の人は場にある現在のカードよりも強いカードしか出すことができない(例:9→J→A)。
  5. カードが出せないもしくは戦略上出したくないときにはパスが許される。
  6. 他のプレイヤー全員がパスし、再び場にあるカードを出した人まで順番が回ってきたらその人は親になれる。場にあるカードは流され、親は手札から好きなカードが出せる。
  7. 親は複数枚のカードを合わせて出すことができる(例:5・5・5)。また、ルールによっては階段で出すことも出来る(例:ハートの3・4・5)。複数枚カードが出ている場合、その数字より強いカードを場と同数枚組みにして出さなければならない(例:5・5→7・7→Q・Q)。
  8. 3~7のようなことを繰り返し、一番早く手札が無くなった人が大富豪となり、以降順に富豪、平民、貧民、大貧民などと階級がつく。参加人数に応じて階級の種類は増減する。
  9. 第2ゲーム以降はゲーム開始前に低い階級の人と高い階級の人が手持ちのカードの中で最も強いカードと最も弱いカードを交換する。カード交換に関するルールを参照。
  10. 最も低い階級の人を親としてゲームが始まる。

地方ルール[編集]

このゲームは比較的歴史が浅いためか、地方によってさまざまな異なるルールが存在する。一般にこれを地方ルール(ローカルルール)と呼ぶ。このため、出身地方が違う人が集まってこのゲームを行う場合やルールの好き嫌いがあれば、最初にルールの確認をしておくとよい(というより、しないと後々ややこしい)。

地方ルールの多くはカード交換などといったゲームの性格上、どうしても同一人物が大富豪になり続けることを抑制する意味を持ったものである。

地方ルールとは言っても、かなり広い地域に広まり一般化してきているルールもある。

以下、各項のタイトルによっては便宜上代表的な1つの呼称で載せているものもあるが、決してそれが正式名称というわけでは無く、本文中に複数記載しているので参照のこと。

配るカードの枚数[編集]

  • ジョーカーを含まず52枚配るルール。
  • ジョーカーを1枚含み53枚配るルール。
  • ジョーカーを2枚含み54枚配るルール。
  • ジョーカーをさらに多く含めて配るルール。このときはジョーカー同士も区別されることがある。
    • プレイヤーが多い場合、一人当たりのカード枚数が少なくなるため2~16組のトランプを混ぜる場合がある。
    • プレイヤーが多い場合、最初に配るカードを大富豪~大貧民にかけて階段状に少なくして配る「差別配り」を採用する場合がある。
ジョーカーを含む場合、ジョーカーに特定の意味を持たせるルールが一般的。ジョーカーに関するルールを参照。

配っている時の端数[編集]

  • 配っている時の順番のまま、配り続けるルール。
  • 端数が出た場合、任意の人に1枚ずつ渡すルール。
  • (第2ゲーム以降)階級の上の人から1枚ずつ渡すルール。

最初の親[編集]

  • ディーラー(カードを配る人)の左隣の人を親とするルール
  • 第1ゲームの最初はダイヤの3を持っている人を親とするルール。この時、
    • 親が最初に出す1枚はダイヤの3でなければいけないルール。
    • 親はダイヤの3を持っている事を申告すれば、何のカードから出してもよいルール。
  • ダイヤの3ではなく、他のスートの3を持っている人を親とするルール(スペードの場合が多い)。
  • プレイヤー全員でじゃんけんし、勝った人を親とするルール。
  • 第2ゲーム以降の開始時も、大貧民からではなくダイヤの3を持っている人を親とするルール。

ジョーカーに関するルール[編集]

  • ジョーカーは無条件に最強のカードとするルール、ただし他のカードの代わりにはならない。
  • ジョーカーを他の数字と組み合わせて2枚以上で使用(つまりワイルドカードとして使用)できるルール、ただし無条件に最強なカードとしては扱えない。
  • ジョーカーは無条件に最強であり、かつワイルドカードとしても使用できるルール(このルールがかなり一般的になっており、ルールを確認しなくとも採用されている事が多い)。
  • ジョーカーを2枚同時に出すことで革命を起こすことが出来るルール。
  • ジョーカーを出して上がるのを禁止するルール。あがり禁止札の項を参照。

また、ジョーカーを最強のカードとして扱っていても、それを特別に上回ることが出来るスペ3というルールがある。

あがり禁止札[編集]

ルールによっては最後に出して上がってはいけないカード(またはカードの組み合わせ)が規定されることがある(このカードについての呼称は全国的に統一されていないが、本記事では説明の便宜上「あがり禁止札」と呼ぶことにする)。口頭でルールを確認しあう場合は例えば、「2上がり禁止」、「ジョーカー上がり禁止」、「2と8上がり禁止」などと言う場合が多い。

プレイヤーが場にあと一回カードを出せば手札がなくなり勝ち抜けとなる状況であがり禁止札を出した場合にはルール違反となる。この場合、多くのルールでは対象プレイヤーは一番下の階級となる。

あがり禁止札の例
  • その時のゲームの状況において最も強い数字のカード(通常時の2、革命時の3など)およびそのカードを含む組み合わせ。
  • ジョーカー。ただし、ジョーカーをワイルドカードとして他のカードと同時に出した場合、あがり禁止札とは見なさないルールもある。
  • スペ3ルール適用時の3や3枚の3。
  • 8切りルール適用時の8など、場を強制的に流すカードおよびそのカードを含む組み合わせ。
  • 革命ルール適用時の4枚以上同時出し。
  • イレブンバックルール適用時のJおよびそのカードを含む組み合わせ。
  • その時のゲームの状況において最も弱い数字のカード(通常時の3、革命時の2など)およびそのカードを含む組み合わせ。
  • その他、採用ルールに応じた特殊効果を持つカードおよびそのカードを含む組み合わせ。

これらは採用ルールに応じて取捨選択される。その時々の参加者や地方によっては自分の思わぬカードがあがり禁止札とされている事も有るため、ゲーム開始前に確認しあうのが望ましい。もちろん、上がる時に出すカードに関して全く規制の無いルールで遊ぶ事も可能である。

プレイヤーが上がった時[編集]

  • あるプレイヤーが上がったときに出したカードを、
    • そのまま場のカードとして、次の順番の人から通常通りプレイし続けるルール。
    • 無条件に流し、次の順番の人が親となるルール。

スペ3[編集]

スペ3返しとも呼ばれる。

  • 最強であるジョーカーが単独で出された時、
    • スペードの3がジョーカーより強いとするルール。これがスペ3の基本的要素である。
    • スペードではなく他のスートの3がジョーカーより強いとするルール。
    • 3を3枚同時に出すことが単独のジョーカーより強いとするルール。これは33返し、砂嵐とも呼ばれる。
    • 革命時は3ではなく2がジョーカーより強いとするルール。
  • (トランプを2束以上使う場合)複数枚のジョーカーより、ジョーカーと同数枚のスペードの3が強いとするルール。
  • このルールの適用時、上記のカードを出して上がるのを禁止するルール。あがり禁止札の項を参照。
  • ジョーカーを上回り、上記のカードが場に出された時、
    • 無条件で場が流れ、そのカードを出した人が親になるルール。
    • 次の順番の人に移り、現在の場より強いカードを通常通り出していくルール。

革命[編集]

  • 同じ数字のカードを4枚同時に出すと「革命」が起き、カードの強さが逆になるルール。すなわち2が一番弱く3が一番強いカードになる。効果はゲーム終了まで続く。
  • ほかに右隣の人と手札を交換したりもする(別ルール)。
  • 革命中に、同じ数字のカードを4枚同時に出すと「革命返し」となり、カードの強さが平常に戻るルール。
上記2種が革命の基本的要素である。様々な応用がある。
  • このルールの適用時、同じ数字のカードを4枚同時に出して上がるのを禁止するルール。あがり禁止札の項を参照。
  • ジョーカーが含まれていると4枚同時に出しても革命としないルール。
  • 3は3枚で革命できるルール。
  • 4または5枚以上の階段でも革命を起こせるルール。階段革命と呼ばれる。
  • Jが場に出る事で場が流れるまで一時的に革命となるルール。イレブンバックの項を参照。
  • 同じ数字のカード5枚(同じ数字のカード4枚とジョーカー1枚、または同じ数字のカード3枚とジョーカー2枚)が場に出された場合、同様に5枚が場に出されない限り、革命の効果が持続するルール。大革命と呼ばれる。
  • 同じ数字のカード6枚(同じ数字のカード4枚とジョーカー2枚)が場に出されると、そのゲームが終わるまで革命の効果が持続するルール。核爆弾と呼ばれる。
  • 同じ数字のカードを4枚以上同時に出したとき、必ず革命が起こるルールと、出した人が革命するかしないかを選べるルール。
  • 革命を起こすカードが、
    • 出された時点でカードの強さが逆になるルール。
    • 流れてからカードの強さが逆になるルール。
  • 革命が起きたら、
    • 無条件で場が流れ、革命を起こした人が親になるルール。
    • 次の順番の人に移り、現在の場より強いカード4枚を出し革命返しが起こせるルール。
      • この時、最初に革命をした人が無条件で一番下の階級になる「仕返し」というルール。
出された時点でカードの強さが逆になるか流れてからカードの強さが逆になるかで出せるカードは変わってくるので注意。
  • 革命中、強さが逆転してもジョーカーは最強のままであるとするルール。
一般的に採用されている。
  • 革命は1ゲーム限り有効なルールと次ゲーム以降に革命返しが起きるまで有効とするルール。
  • 大富豪は、
    • 革命を起こしてはいけない(4枚同時に出してはいけない)ルール。
    • 4枚同時に出しても革命や革命返しが行えないルール。
    • 革命返しだけは行えるとするルール。
  • 5枚以上では革命とみなされないルール(単なる同時出しとして扱われる)。

階段[編集]

シークエンス、シーケンスとも呼ばれる。

  • 同じスートの続きの数字のカードは、
    • 3枚以上で同時に出すことができるルール(例:4・5・6や、9・10・J)。
    • 2枚以上、4枚以上で同時に出すことができるルール。

階段を出し始めることが出来るのは親のみである(例:3→4→5・6・7とは出せない)。

  • 場に階段が出たら、以降は場が流れるまで階段しか出せない。この時、
    • 一番弱い数字の1つでも上の数字なら重複可能なルール(例:3・4・5→「4・5・6」「5・6・7」以降のいずれの階段も出せる)。
    • 一番強い数字より強いカードしか出せない重複禁止ルール(例:3・4・5→「6・7・8」以降の階段しか出せない)。
    • その数字に連続するカードしか出せないルール(数縛りが適用されていなくとも、階段時のみ限定的に適用されるようなもの)。
  • 4枚(5枚)以上の階段を出すことで革命を起こせるルール。階段革命と呼ばれる。
  • 8・9・10やJ・Q・Kというように、階段の中に特殊効果を持つカード(8切り効果の8、イレブンバック効果のJなど)が含まれている場合、
    • その効果を有効とするルール。
    • その効果を無効とするルール。
  • 無効とするルールの適用時には、これらは「あがり禁止札」にはならないルール。
  • 同じ数字が2枚ずつで階段になっている場合(4・4・5・5など)それ以降も2枚ずつで階段になっていなければならないルール。二列階段、ダブル階段、一盃口などと呼ばれる。
  • 2・4・6のように数字が1つとびで連続している場合でも適用できるルール。とび階段と呼ばれる。
  • 4つの連続した数字を、全て違うスートで組み合わせる(順番は問わない)ことで場に出すことが出来るルール。これは、これより強い数字で組まれた同役でのみ返せる。この役が出ると革命が起こるルールや、無条件に場が流れるルールもある。エンペラー、レインボーなどと呼ばれる。

また、単に数縛りのことを階段と呼ぶ場合もある。

8切り[編集]

8流し(はちながし)、8切り(やぎり、はちぎり、はちきり、やつぎり)、8切り刃(やぎりば)などとも呼ばれる。

  • 8を単独で、または8を含むカードを出すことで、無条件で場を流せるルール。つまり、8を出した人が親になれるルール。
これが8切りの基本的要素である。一般的に採用されることが多いルールである。
  • このルールの適用時、8を出して上がるのを禁止するルール。「あがり禁止札」の項を参照。
  • 場に8が出され8切りとなった場合、以降の順番の人の手札に8があれば、場に出された8の枚数、或いは役(階段など)にあわせて出すことで、無条件に場を流し、親になれるルール。8切り返しと呼ばれる。但しこのルールは8切りのルールの有効性をなくしてしまうため、一般的ではない。
  • 革命中はこの機能を6で行う「6流し・6切り」というルール。
  • 無条件で場を流せ、さらに任意のあがっていないプレイヤーに、任意のカードを渡せるという「8切りの渡し」というルール。『矢切の渡し』にかけたものである。
  • 8の1枚による8切りに対し、4(5のこともある)を2枚出すことによって流れるのを止めるルールがある。この時、
    • 4を2枚出した人が親になるルール。
    • 場に4が2枚出されたものとして、通常通り続けるルール。
  • このルール亜種として8切りの効果を、
    • 代わりに9に持たせるルール。9切り(くぎり)と呼ばれる。
    • 代わりにQに持たせるルール。Q切りと呼ばれる。
    • 代わりに4に持たせるルール。4切り(よぎり)と呼ばれる。
    • ハートのKにも持たせるルール。キングオブハートと呼ばれる。
      • この時、8自体にも8切りの効果を持たせるルールもある。

イレブンバック[編集]

イレバ、11革命、小革命、ジャックリバース、ジャックダウン、ジャックリターン、ジャックリ、ジャック返し、Jバック、11下がり、11バック、バックJ、ジャッカル革命(革命時はイレブンアップ)などとも呼ばれる。

  • J(11)が単独で場に出る事で次に場が流れるまで一時的に革命となるルール。つまり、出せるのは10以下(すでに革命中だった場合はQ以上)となる。
  • Jが単独で場に出た時に限らずJを含むカードが場に出た時(9・10・JやJ・Jなど)はすべてイレブンバックとするルール。
  • Jが偶数枚出たときは互いに効果を相殺しあい、一時的な革命にならないとするルール。
  • このルールの適用時、Jを出して上がるのを禁止するルール。「あがり禁止札」の項を参照。
  • Jが出たとき、必ずイレブンバックが起こるルールと、出した人がイレブンバックするかしないかを選べるルール。
  • すでに革命が起きている時はイレブンバックの効果を4、6、または7に持たせるルールもある。この効果はその場が流れるまで続く。これはシックスアップやセブンアップと呼ばれる。
  • Jが出たとき、「スペア」と宣言して無条件で場を流せるルール。

しばり[編集]

ロックスート、ロック、カギ、二枚縛りなどとも呼ばれる。

  • 同じスートが続けて出る事で、その後に出せるカードをそのスートに限定するルール(例:ハートの3→ハートの5→次の人はハートしか出せない)。この効果は場が流れるまで続く。
  • 途中で同じスートが続けて出た場合もしばりとするルール。途中しばりと呼ばれる(例:スペードの4→ダイヤの6→ダイヤの9→次の人はダイヤしか出せない)。
    • 途中しばりを適用する際のみ、3枚続けて出ることがしばりの条件とするルールもある。
  • 同じ色が連続して出たとき、同じ色しか出せなくするルール(色縛り、色しばなどと呼ばれる。例:スペードの3→クラブの5→次の人はスペードかクラブしか出せない)。
    • 派生形として、赤のスート(ハートかダイヤ)が3枚もしくは黒のスート(スペードかクローバー)が5枚連続で続くと、それ以降は同一色のスートでなければ出せないというルールもある。「赤3・黒5」と呼ばれる。
  • スートに関係なく、カードのランクが1ずつ増加している場合に次の数のカードしか出せなくするルール(数縛り、数字ロック)。
    • ランクの増加数が1以外のときでも、その増加数でのカードしか出せないルールもある(例:ダイヤの3→スペードの6→次の人はいずれかのスートの9しか出せない)。
  • 2枚以上のカードがセットで出されている場合、
    • ひとつのスートのしばりを有効にするルール。片しばと呼ばれる。
    • 全スート同時のしばりのみを有効にするルールがある。完しばと呼ばれる。 
  • 場が「しばり」になっていることに気付かずに、その他のスートのカードを出した場合、その時点で無条件で一番下の階級となるルール。この場合、待った(出し直し)は認められない。
  • 同一スートで1つ数字の小さいカード(革命時は1つ数字の大きいカード)を出せる、「逆しば」というルール。
    • この用語の通り「しばり」がかけられるとするルール(例:ハートの7→ハートの6が出せる→次の人はハートの5しか出せない)。
    • またこの時、スートしばりではなく場が流れる(下切り)とするルールもある。
    • この時はスートのみの縛り(数については制約を受けず、このルール自身によってすぐ下のカードは出せる)とするルールもある。
  • 3・4・5と同じスートが続いた場合、以降欠番が出るか2に到るまで任意で流すことができなくなるというルール。激しば、ゼロしば、鎖、芋づる、連しばなどと呼ばれる(例: 同一スートの3→4→5→6→7→以降で8を持っている人が居ないと7を出した人が親になる)。
    • このルールは上記の二列階段にも適用できる。
  • 親がカードを出すといきなりスートしばりになるルール(スートフォロー)もあるが、このルールだとかなり違ったゲームとなってしまうため一般的ではない。

都落ち[編集]

  • 先のゲームで大富豪となったプレーヤーが次のゲームで再び大富豪になれなかった場合、無条件で大貧民となるルール。
これが都落ちの基本的要素である。
  • 大富豪がその座を防衛すると、大貧民と交換できるカードが2枚から3枚、4枚と増えていくルール。
  • 都落ちが決定した瞬間に、
    • そのプレーヤーがその回のゲームから抜けるルール。
    • その手札を
      • 全て捨て札と混ぜてしまうルール。
      • 全て切り、他のプレーヤーにランダムに配るルール。
      • 全て他のプレーヤーに任意に配るルール。
      • 全て公開するルール。
    • 気付かれる前にあがってしまえばその順位となるルール。
    • 一応あがるまで続けられるルール。
  • 大貧民が最初に上がると「下克上」や「大革命」といい、その時点でゲームが終了しプレイヤーの地位が逆転、次のゲームとなるルール。つまり大貧民が大富豪に、貧民が富豪に、富豪が貧民に、大富豪が大貧民になる。
  • 革命が起こった時点で大富豪の都落ちが決定するルールがある。ただし、大富豪が革命返しを起こし勝利すれば都落ちを免れるとするルールもある。
  • 大富豪の座についたプレーヤーの名にちなんでその場を「××政権」や「××王朝」と呼び、都落ちを防ぎ続けたプレーヤーの「政権」の防衛回数で最終的なゲームの勝敗を決めることもある。

その他カードの持つ特殊効果[編集]

あまり一般的ではないが、一部では採用される地方ルールである。ある特定のカードや組み合わせに効果を持たせるものである。これらはあがり禁止札とされる事が多い。

  • クーデター - 9を3枚出すことで革命を起こせるとするルール。また、クーデターは6を3枚出すことで鎮圧できるというルールもある。同じ数字のカード4枚で起こされた革命をクーデターで返す事が出来るなどの、派生ルールも存在する。
  • スキップ - 5、あるいは9、10、Q、Kが単独、またはそれを含むカードが出されると次の人の順番が飛ばされるルール。複数枚出したときはその分多くの人数が飛ばされる。ウノスキップとほぼ同意。このとき、スキップだけで一周以上した場合、場が流れるルールもある。「5/9/10/Kとばし(とび)」や「Qバーン」と呼ばれる。
  • リバース - 9やQを含むカードを出すとプレイヤーの順番が逆回りになるが、
    • それがずっと継続するルール。
    • そのターンが終わるまでしか継続しないルール。
  • 7渡し - 7を含むカードを出すと、7の枚数と同数の任意のカードをまだあがっていない人に渡せるルール。次の人のみ、または前の人のみに渡せるルールと、任意のプレイヤーに渡せるルールがある。
  • 7ニョッキ - 7を含むカードを出すと、出した人以外がニョッキと叫ばなくてはならない。もっとも遅いもの(判定者は出した人)は次の自分の出す回に無条件にパスとなる。7の枚数分パスしなければいけない。該当者は起立する必要あり。
  • 10捨て、10つけ - 10を含むカードを出すと、10の枚数と同数の任意のカードを捨てることができるルール。
  • 10フリ - 10を出した後はどんなカード(たとえば3、革命中の2)でも出せるというルール。
  • しばり解除 - しばり状態で10(ルールによっては9)を出すとしばりが解除されるルール。ただし、10で初めてしばりが成立したものはしばり状態になる。
  • スペ3返し - 2の1枚をスペードの3で返せるルール。このルール適用時は、通常の「JOKERを返せるスペ3」ルールは採用しない。
  • 5ピック - 5を含むカードを出すことで任意のプレイヤーの手札を見ることが出来るルール。
  • 終末 - 3枚の6を出すことで捨て山を全員に配るルール。
  • 11回し - ハートの11を含む階段を出すと、プレーヤーの手札を時計回りに交換するルール。
  • モノポリー - 3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K、A、2の階段をJOKERを使わずに出せば無条件で大富豪になれるルール。これであがっても反則は適用されない。
  • オークション - 10を3枚出すと、オークションが始まるルール。ジョーカーを持っているプレイヤーが売り手、他のプレイヤーが買い手となり、オークション形式でジョーカーを売買する。
  • バナナアイス - 同じ色(スートは違っても良い)の6枚で、数字の並びを作ると、「バナナアイス」と宣言して場に捨てられるルール。
  • 砂嵐 - 3枚の3はジョーカーの後に限らず、どんな時にも出せて場を流すことが出来るルール。革命時はこの効力を3枚の2に持たせるとするルールもある。
  • 世(夜)露死苦革命 - 2枚の4と1枚の6,9(つまり4・6・4・9)を同時に出す(スートは問わない)ことで革命が起こせるルール。
  • 場に2が出た場合ハートの3で切れる(場がハート以外で縛られている場合は出せない。また革命時は3に対してハートの2で切れる)ルール。
  • 救急車(99車) - 9を2枚出すことで8切りと同じようにその場を流すことが出来る。
  • サントリージョッキ生 - 3を3枚出すことで、プレイヤー全員が手札を3枚捨てることができるルール。
  • 7捨て(5捨て) - 7(5とするルールもある)を出した枚数だけ手札を捨てることができるというルール。この場合、捨てたカードであがること(7捨て上がり)は反則となっている場合もある。
  • 死になさい革命 - スペードの4、2、7、3、1を一枚ずつ出すことで革命が起こせる。また、この方法で革命した場合、出したプレイヤーは一人指名することができ、その指定したプレイヤーは無条件で大貧民になる。
  • サイクロン - 3、1、9、6(スートは問わない)を一枚ずつを出すと全てのプレイヤーの手札を混ぜて配りなおすルール。
  • サザンクロス - 3、3、9、6を出すことによって革命が起こせるルール。
  • ダブルキング - 2枚のKをいっしょに出すとK以下の強さのカード(3-Q)のいずれかのカードとして扱うことができる。
  • 落とし - 同じマークならば1つ下の数字を出せるルール。この場合しばりは起こらない。
  • 産業革命 - 3を4枚でできる革命。通常の革命をしない代わりに、他のプレイヤーから一枚ずつカードを取ることができる。
  • 名誉革命 - 4を4枚でできる革命。通常の革命をしない代わりに、大富豪を大貧民にし、他のプレイヤーの階級を1つずつ上げることができる。
  • 粉々(5757)革命 - 同色の5を2枚、7を2枚(例えばスペード、クラブの5と7、ハートとダイヤの5と7)を出しだ時点でゲームが終了するルール。出したその人は無条件で大富豪になれ、他のプレイヤーの地位を自由に決めることができる。

階級[編集]

4人、または5人[編集]

  • 大富豪、JTなど
  • 富豪
  • 平民
  • 貧民
  • 大貧民(ど貧民)
  • 争上遊、打娘娘

6人以上[編集]

  • 超富豪、殿上人、神、教皇、皇帝、王様、ゲイツなど
  • 超貧民、乞食、奴隷、騎士、家畜、ホームレスなど
  • 特殊称号を使わず、6人以上増えた人数の分だけ平民を増やす場合もある。

9人の場合の例として[編集]

  • 教皇
  • 皇帝
  • 大富豪
  • 富豪
  • 平民
  • 貧民
  • 大貧民
  • 奴隷
  • 家畜

などを使用する。

パロディ版の階級[編集]

(会社)

  • 会長
  • 社長
  • 重役
  • 専務
  • 常務
  • 部長
  • 課長
  • 係長
  • 主任
  • 平社員
  • ダメ社員
  • バイト
  • トイレ掃除

「税金」を「接待」や「お中元(お歳暮)」などと言う事がある。

ヤクザ

  • 組長
  • 若頭
  • 舎弟
  • 若い衆
  • 鉄砲玉

「税金」を「上納金」などと言う事がある。

他にも警察の階級(警視総監…巡査、おまわりさん)や軍隊の階級(将軍、大佐…一般兵、捕虜)などを扱うこともある。最下位の者(通常の大貧民にあたる)は他の下位に比べ、かなり屈辱的な称号にされることが多い。

階級に関する地方ルール[編集]

  • 「乞食」階級を用いたルール
    • 単に大貧民のことを乞食と呼ぶことがある。
    • 5人以上でゲームをする場合、一番下の階級として「乞食」を置くルール。乞食には手札は配られず、ゲーム開始時(大富豪、富豪の手札交換後)に他のプレイヤーから任意のカードを数枚分け与えてもらい、他のプレイヤーと同じ枚数になるようにする(例:5人の場合、大富豪・富豪から3枚ずつ、貧民・大貧民から2枚ずつ計10枚を分け与えてもらう)。
    • 大貧民に2回続けてなった場合、「乞食」になり、カードを献上する枚数をさらに増やす、というルールがある。
  • 8人以上でゲームを行う場合、「二軍制」を敷く場合がある。この時、1ゲーム終了毎に2人(まれに1人)入れ替え、1軍の貧民・大貧民が2軍の大富豪・富豪に、2軍の大富豪・富豪が1軍の貧民・大貧民になる。
    • 都落ちルールが適用されている場合、1軍で都落ちとなった場合は結果的に2軍の大貧民まで落ちることとなる。
    • 12人以上で行う場合には「三軍制」となる場合もある。
  • 相続税 - 連続して大富豪を続けると、大貧民との交換枚数が3枚、4枚、5枚と増えていくルール。

カード交換に関するルール[編集]

第2ゲーム以降のカード交換で低い階級のプレイヤーが高い階級のプレイヤーとカードを交換することを「税金」または「献上」・「搾取」などという。

  • カード交換の枚数を、大富豪・大貧民間が2枚、富豪・貧民間が1枚とするルール。
  • カード交換の枚数を、大富豪・大貧民間が5枚、富豪・貧民間が3枚とするルール。
  • カード交換の枚数を、n人でk位・(n+1-k)位間が(4k-2n-2)枚とするルール。
  • カード交換を、一般の場合と逆に行うルール(本来の税金のあり方にあたる)。
  • 献上する側の手札にジョーカーが含まれていた場合、
    • ジョーカーを優先的に献上するルール。
    • ジョーカーを除く最強カードを献上するルール。
  • 献上をした後、大富豪は大貧民に2枚、富豪は貧民に1枚、それぞれ最も弱いカードを渡す。この時、
    • 大富豪・富豪が渡すカードは手札の中で最も弱い数字のカード(スペードの3などに関わらず)とするルール。
    • 大富豪・富豪が渡すカードはそのカードの強さに関わらず任意のカードで良いとするルール。
  • 大貧民・貧民が渡すカードを大富豪・富豪が任意に指定できる(当該のカードを大貧民・貧民が持っている時のみ)とするルール。大貧民や貧民の手札は見ない。
  • ゲームの初めに大富豪や富豪は大貧民や貧民の手札を見て、もらうカードを選べるルール。
  • ゲームの初めに大貧民が10以上のカードを一枚も持っていない場合、大富豪と大貧民の手札を全て入れ替えるルール。天変地異と呼ばれる。
  • 大富豪が一定数連続で勝った場合、大富豪が好きなルールを一つ追加または規制することができる、「構造改革」というルールもある(例:革命スタート、8切り無し、2枚出し無し、階段無し、最強札変更など)この状態の大富豪を「ブルジョワ」と呼ぶ。
    • 常に大富豪がルールを追加するルール、常に大貧民がルールを追加するルールもある。

その他[編集]

  • カードを出す順番は、階級の低いプレーヤから順にカードを出すルールと、最初に座った席順の時計回りにカードを出していくルールがある。
  • 一度パスをしたら、次に場が流れて新しいカードから始まるまではカードを出すことができないというルール。戦略的パスではなく、それより強いカードを持っていないと見なされる。
  • カード交換時に大貧民などが最強の札を大富豪に渡していないことが判明した場合(例えばジョーカーを持っているのに渡さなかった等)、これを「脱税」と言い、その人は大貧民になり、次回は3枚納税しなければならないルール。ただし、脱税が気付かれなければセーフというルールもある。
  • 「しばり」違反の時も同様で、気付かれなければそのまま進むこともある。
  • 反則上がりと都落ちが重複した場合、先に反則上がりをした人がいても、都落ちが優先されるルールがある。
  • ダウト - ダウ富豪とも呼ばれる。親が出したカード以外は全て裏向きに出すルール。別ゲームのダウトと同様に、ダウトの声がかかったら裏にしているカードを開けて確認し、今まで出たカードを嘘をついたもしくはダウト宣言に失敗したものが引き取る。縛りは全てなし、またスートがほぼ関係ないなど、一般の大富豪とは非常に異なったゲームとなり、またプレイ時間も長くなる。オプションとして「親が出すカードも裏向きに出す」「クラブ全部抜き」「表カードは回収しない」「128の宣言は無敵」(当然そのようなカードは存在せず、要するにダウト要求ができる)「出すカードの表裏は任意」などがある。
  • ドボン - 自分の持っている手札と誰かが場に出したカードの合計が一致した場合に、ドボンといって手札全てを場に出すことができる。ドボンされたひと(場に出した人)が強制的に上がりになり大貧民に、ドボンした人が大富豪に無条件になることができる。またドボンされた場合、された人又はその他の人もドボン出来る状態だとドボン返しといってドボンした人を大貧民にすることができる。またドボンは新しいのが常に優先される。

2人用ルール[編集]

通常ルールでは2人でゲームをやっても他のプレーヤのカードが読めるためゲームがつまらない。そのため2人用ルールがある。2人用ルールでは最初に配るカードが異なる。

  • カードは、3・4・5、J・Q・K・A・2とジョーカーを使用する。
  • カードを切り、最初の7枚を伏せて場に置き、残りを配る。
  • あとは基本ルールや地方ルールでゲームをする。

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