「四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件」の版間の差分

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2007年6月5日 (火) 03:54時点における版

四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件(よっかいち じゃすこ ごにんたいほしぼうじけん)は、2004年2月17日三重県四日市市ジャスコ四日市尾平店のATMコーナーで、子供連れの若い女に泥棒扱いされた、実際には無実の68歳の男性が、店員や買い物客ら3人に取り押さえられた後に死亡した事件。死因は「高度のストレスによる高血圧性心不全と不整脈」と発表されたが、この「ストレス」は逮捕・制圧の際のストレスであるとされている。

店員や買い物客が男性を制圧している隙に、女は逃走しており、2006年8月現在も警察は捜査を続けており、三重県警は2005年2月17日に現場の監視カメラに映っている画像を公開した。容疑者を特定できないままに画像を公開するのはグリコ・森永事件以来の異例の措置([1] 関連記事)。しかし、事件の端緒となる「泥棒」発言をした女は未だ自ら名乗り出ていない。

ATMに設置された監視カメラの映像

  • 男性の両手は買い物袋を持ってふさがっていた。
  • 男性がATMを操作していると、女がATMコーナーに入る。
  • 女は突然、男性の肩にぶつかっていき、体を触る様な仕草をしたかと思うと男性の胸ぐらをつかみ、もみ合いとなる。
  • 女の「泥棒」と叫ぶ声の後、客3名がATMコーナーに入る。
  • この間、監視カメラの映像から、男性は一切窃盗行為をしていないことがわかる。

事実経過

  • 店員や買い物客が取り押さえ、女が立ち去った後、別の万引き事件の処理で居合わせた警察官2名も現場に到着し、男性を後ろ手に手錠をかけ20分間うつぶせで押さえつけた。この20分間の間に、男性は意識を失い、嘔吐もしていたが、警察官は拘束を続けた。
  • 通報を受け応援の警察官が事件現場に到着すると、男性は意識を失い、嘔吐した形跡があったため、男性の拘束を解き、救急車で病院に搬送する。しかし、男性は翌日帰らぬ人となった。
  • 警察官のこの逮捕拘束について、四日市南警察署は「一般的な制圧行動だった」と発表している。
  • その後の調べで、四日市南警察署は、「誤認逮捕だった」と認めている。
  • 事件を知った有志により、 公文書開示請求を三重県警に行ったが棄却されている。

警察の対応の問題点

本件では、当初の逮捕は叫んだ女の告知しか証拠がなく、またこれによって逮捕の要件は具備されているため、誤認逮捕ではあるが適法である。しかしその後の、複数の警察官が一般的に抵抗力が強いとはいい難い老齢の男性を後ろ手に手錠をかけ20分間うつぶせで押さえつけ、しかもその間に、男性は意識を失い、嘔吐もしていたが、警察官は拘束を続けたという拘束行為は著しく相当性を欠く行為である。

民事訴訟

2007年、誤認逮捕された遺族が警察官の対応は度を超した対応により男性が死亡したとして、三重県を相手取り、約5,700万円の損害賠償訴訟を起こした。この訴訟に対し三重県側は対応は適切だったとして争う姿勢である。

関連項目

外部リンク