たかの友梨
たかの友梨(たかの ゆり、本名:髙野 友梨、1948年1月22日 - )は、エステティシャン、アンチエイジング美容研究家。日本のエステティックサロン「たかの友梨ビューティクリニック」を展開する株式会社不二ビューティの創業者。同社についても暫定的に併載する。
目次
略歴・人物
新潟県南魚沼郡湯沢町出身。群馬県立前橋女子高等学校卒業。医師の父と看護師の母との間の不義の子として生まれ、3歳のとき鉄道員の家へ養子に出される。
中学卒業後、昼は理容師の学校へ、夜は高校の定時制に通いながら、住み込みのインターン(1998年に廃止)を経て20歳で上京。東京では理容師として働きながら夜は皿洗いのアルバイト、帰宅後も美容学校の通信教育の勉強をこなすが、やがて過労による目の隈やニキビだらけの顔に悩まされるようになる。
美容師免許取得に協力的でない理容所を辞め免許を取得。外資系化粧品会社の美容部員になる。1972年、エステティックを学ぶため単身渡仏。8ヶ月間の修行を経て帰国後、たかの友梨ビューティクリニックを設立。エステ業界の草分け的存在として世界中からエステティック技術を取り入れ、紹介を続けており、次世代セラピストの育成にも力を注いでいる。また、オリジナル化粧品の開発なども行う。
一般社団法人エステティックセラピスト協会会長、一般社団法人日本エステティック業協会常務理事、日本肥満学会員、ミス・ユニバース審査員。フジテレビ系列「ビューティー・コロシアム」などのメディアに美容家として多数出演中。
NPO法人地球こどもクラブ副会長、児童養護施設「鐘の鳴る丘少年の家」および社会福祉法人「鐘の鳴る丘 愛誠会」後援会長。ボランティア・寄付などの社会貢献活動も積極的に行っている。
矢沢永吉の「成り上がり」と藤田田の「ユダヤの商法」が愛読書。矢沢の大ファンで、矢沢のポスターやグッズを集めた専用の矢沢部屋がある。矢沢にCMのオファーを出したことがあるが「イメージと違う」と断られたという。
通報者に精神的圧迫。女性社員が保護申告(2014年8月)
エステサロン大手「たかの友梨ビューティクリニック」を経営している「不二ビューティ」(本社・東京都渋谷区)が給料から違法な天引きをしているなどと労働基準監督署に内部通報したところ、長時間の詰問など精神的な圧迫を受けたとして、仙台市内の店に勤務していた宮城県の女性社員が28日、厚生労働省に公益通報者保護の申告をした。
加入する「エステ・ユニオン」も宮城県労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てた。
申告書などによると、女性は5月に同社に労組の結成を通知、給与からの制服代の天引きや未払い残業代の支払いなどを求めて団交を重ねたが解決せず、労基署に違法な状況を申告した。仙台労基署は8月5日に違法な給与の減額分の支払いなどを命ずる是正勧告を行った。
労組がこの経緯を公表しようとすると、店を訪れた高野友梨社長が全従業員を集めて食事会を開き、女性を名指しして「(労基法通りにやれば)潰れるよ、うち。潰してもいいの」などと述べたと。
女性は職場に行けない状況が続いているといい「幹部に囲まれ名指しで非難され、恐怖以外のなにものでもなかった。公益通報者にこうした攻撃は許されない」と話している。
同社は「詳細は承知していないが、当社としては不当労働行為とされるような行為はしていないと認識している」としている。
公益通報者保護法は、事業者の法令違反を通報した人に対する解雇や降格などの不利益な取り扱いを禁止している。
著書
「アーユルヴェーダ美人道」「大成功できる人のちいさな心づかい」「レッドビューティ」「運が悪くってよかった」「なぜか、人とお金がついてくる50の習慣」他多数。
その他、DVD「言葉があなたの人生を変える たかの友梨」「アーユルヴェータ美人道」等。
不二ビューティ
株式会社不二ビューティは、東京都渋谷区代々木三丁目37-5に本社を置き、エステティックサロン「たかの友梨ビューティクリニック」を展開する日本のサービス業者である。1978年(昭和53年)9月に東京・大久保にて創業した。120店(2013年9月現在)を運営。
沿革
- 1973年(昭和48年) - 株式会社東京美機設立。美顔器「ヴィッキー」を考案・発売。
- 1978年(昭和53年) - たかの友梨ビューティクリニックを設立。第一号店を大久保にオープン。入店研修用に「日本エステティック学院」を開校。
- 1979年(昭和54年) - 青山にトータルエステサロンをオープン。施術内容が美顔・ボディ・電気脱毛3部門になる。
- 1986年(昭和61年) - 1978年に開設した「日本エステティック学院」を「たかの友梨 エステティックアカデミー」に改称
- 1992年(平成4年) - テレビ東京でたかの友梨、リゾートエステ紹介のテレビ番組「ビューティ紀行」スタート
- 1995年(平成7年) - 本格的にインド伝承医療「アーユルヴェーダ理論」を学び、エステティックに取り入れる。また、「鐘の鳴る丘少年の家」へ資金援助し、全面改装をおこなった。
- 1996年(平成8年) - 東京・代々木八幡に滞在型エステティックサロン「あゆるば館」をオープン。
- 2000年(平成12年) - 「エステdeミロード」を展開する「アール・ビー・エム」社が倒産した際、同社会員への無償サービスを行った。
- 2002年(平成14年) - 群馬県前橋市の児童養護施設「鐘の鳴る丘少年の家」に屋内体育館施設「たかの友梨レインボーホール」を寄贈
- 2003年(平成15年) - たかの友梨エステティックアカデミーが、日本エステティック協会の認定校となる。
- 2004年(平成16年) - 一般向けエステティシャン養成校として、たかの友梨エステティックアカデミーインターナショナルを開校。
- 2006年(平成18年) - ボランティア活動として、群馬県の養護老人ホームで定期的にエステティックサービスの提供をスタート。9月には、スイスセラップ社と新しいコスメを共同開発。「たかの友梨セルコスメ」シリーズ発表。
- 2007年(平成19年)7月 - 創業30周年を記念して本社移転。
- 10月 - たかの友梨プロデュースダイヤモンドジュエリーブランド「エカテリーナ」がスタート。
- 11月 - 群馬県前橋市の養護施設「鐘の鳴る丘少年の家」に、食育のためのケアハウス「たかの友梨レインボーハウス」を寄贈。
- 2008年(平成20年)4月 - 特定非営利活動法人「School Aid Japan(スクール・エイド・ジャパン)」の世界中の子どもたちを対象とした教育支援活動に賛同し、カンボジアの小学校に校舎を寄付。
- 2009年(平成21年)6月 - たかの友梨自身の長年の夢であった美と健康の本格エステ&スパ施設「桜庵」を河口湖にオープンする。社会福祉法人「鐘の鳴る丘 愛誠会」の後援会長に就任。養護施設「鐘の鳴る丘少年の家」に屋内体育館施設「レインボーガーデン」「レインボーフィールド」を寄贈。
- 2010年(平成22年)2月 - 増資で引き受けたラ・パルレの株式14万株のうち13万株を、消費者金融業(のちのクロスシード。2013年倒産)の親会社(のちのJTインベストメント。2012年解散)に売却。ラ・パルレは2010年中に倒産、上場廃止。商標権を含めた事業は別会社(ビューティーパートナーズ。2014年7月からは、ニューアート・ラ・パルレがエステティック事業を承継)に移された。
- 3月 - 渦中の沢尻エリカをCMで起用。ワイドショーを騒がせその放送時間が300時間を超える。
- 2011年(平成23年)3月 - 「School Aid Japan(スクール・エイド・ジャパン)」を通じ、2校目となるカンボジア・ポーサット州カッフワット村に中学校校舎を寄贈。東日本大震災発生後、歌手GACKTが発起人の「SHOW YOUR HAERT」の街頭募金活動に賛同し、目黒駅で自ら募金活動に参加。
- 4月 - 初頭に福島県いわき市の2ヶ所の避難所を訪れ、エステボランティアを実施。中旬には第2陣のエステボランティア隊を宮城県の避難所へ。長い避難生活をおくる女性や子供たちの生活に笑顔と潤いを届けたいという想いから、支援物資としてコスメセットやショーツ、マスク、ドライシャンプー、ヘアブラシ、子供用のTシャツやおもちゃ、チョコレートなどを届ける。
- 2012年(平成24年)1月 - 「Tシャツ募金」として、全社員がチャリティーTシャツを購入。集まった代金は、日本赤十字社を通じて東日本大震災の義援金として寄付。
- 2013年(平成25年)4月 - フランスに本部のあるISO認証機関ビューローベリタスにおいて、品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001の認証を取得。日本のエステティックサロンとして初めての認証。
- 8月 - 桜庵にホテルを新設。「桜庵 河口湖ホテル」オープン。
- 10月 - 「たかの友梨CUP平尾昌晃チャリティゴルフ」開催。集まった募金を様々な団体へ寄付。
- 2014年(平成26年)4月 - 東京都の認可を受け「学校法人たかの友梨学園 たかの友梨美容専門学校」開校。
法抵触・不祥事
2013年3月18日、東京都から不二ビューティに対し、誇大な美容効果をうたった広告を出したとして景品表示法に基づく改善指示が出された。
2014年8月22日、仙台店に勤務する従業員の女性が有給休暇を取った際に残業代を減額されたことについて、不二ビューティが仙台労働基準監督署から是正勧告を受けたことを、従業員らの代理人弁護士が明らかにした。また是正勧告が出た後、髙野友梨代表自らが仙台店に出向いて同店に勤務する全従業員を集め、「会社をつぶしてもいいのか」「職場にいながら会社に矢を向けた」などと約2時間半に亘って女性を難詰した。告発した従業員が精神的にショックを被ったとして、同8月28日厚労省に公益通報者保護の申し立てを行い、従業員が加入する労働組合「ブラック企業対策ユニオン」が不当労働行為の救済を宮城県労働委員会に申し立てた。なお「弁護団が公開した録音データ」では、「労働基準法にぴったりそろったら、(会社は)絶対成り立たない」「つぶれるよ、うち。それで困らない?」などの発言が髙野によるものとされている。
同9月6日、ブラック企業大賞実行委員会は業界賞に不二ビューティ(たかの友梨ビューティクリニック)を選出し、同9月11日には、不二ビューティが、エステ・ユニオンから提出された公開要望書に対し、深くおわびすると共に、労働基準法の順守に全力を尽くすとする旨の文書を公表した。
同9月18日、日本エステティック機構は、労働基準法違反に基づく行政指導や、企業コンプライアンスを無視した髙野友梨代表取締役の発言、および東京都による景品表示法に基づく行政処分等を総合的に検討した結果、不二ビューティの運営する認証サロン3店の認証を取り消すと発表した。
同10月29日、都内の店舗で働いていた女性社員が、「お腹の張りと腰痛がひどかったのに、出産の3カ月前まで朝9時から夜10時まで働き、切迫流産になった」などのマタニティハラスメントがあったとして、不二ビューティを相手取り、損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。女性社員はさらに弁護団などを通じて「客に必要のないパックを勧めた」「忙しくておにぎり1つ食べられない職場だった」「売上達成のため、三重のローンを組んで自社製品やサービスを買わされた」など、厳しいノルマに追い立てられていたことも告白した。この訴えで女性社員は、未払い残業代の支払いも求めている。また同日、仙台店の女性社員と女性元社員も、未払い残業代の支払いを求めて仙台地裁に提訴した。女性元社員は会見で、「身も心もボロボロで、死に物狂いだった。この提訴が、声を上げられない人が声を上げるきっかけになればいい」と話した。
謝罪と組合側からの反論
2014年10月4日、不二ビューティは、労働基準法違反を内部通報した従業員に対し、髙野が圧力をかけたとされる問題で、プレスリリースにおいて「本日、仙台店において髙野社長が組合員・従業員に向けて謝罪いたしました」などと報告、公表した。これに対して10月5日、従業員が加入する労働組合側は、「組合員・従業員に向けてと書かれてはいるが、問題の従業員や組合員に直接語りかけたものではなかった」などと、弁護士ドットコムからの取材を通して反論している。労働組合側はさらに、10月6日の記者会見で「本人が出席していない」「代理人の出席も認めず、一方的な謝罪だ」 などと批判している、と報じられた。