朱 -Aka-
朱 -Aka- (あか)はねこねこソフトによるアダルトゲーム。 2003年6月13日発売。ちなみにこれは一度延期された発売日で、当初は5月24日が予定日だった。
キャッチフレーズは「眩しかった日のこと、そんな日のこと…」
概要
銀色、みずいろの連続ヒットで名を知られたねこねこソフトの第4作目。発売直前、直後に片岡ともが『(そのストーリー展開ゆえに)人を選ぶかもしれない』と公言したとおり、クオリティ等は極めて高いにもかかわらず、プレイヤーの感想・意見は賛否両論に分かれてしまい、中古ゲーム屋では捨て値で置かれるに至る。
ストーリー
物語の舞台は、数百年前の砂漠。“ルタ”と呼ばれるものとその眷属が主軸となる。
ストーリー構成(基本的に4部構成で、それぞれ違う主人公とヒロインを描いている)や描写(地の文や、キャラクターのせりふが画面下部に一行表示され映画の字幕風になるなど全体的に映画を意識した作り)などが銀色より受け継がれている。
しかし、銀色は各章ごとに時代がまったく違っていたが、朱は、登場人物こそ違うものの、大まかな時代や場所は共通しており、別章の人物、事件、物品が関わってくることもままある。
“ルタ”とその眷属、関連事項
- ルタ
そう呼ばれる者。もしくはその一族。時代を超えて各地に力を授けた眷属を持つ。不死者とも言われているが定かではない。それを示すため、朱色の何かを身につけている。
- 還す者
ルタの眷属で最強の眷族と呼ばれている者。その義務もひときわ強く、そのため守護者が就いている。『還す』とは所謂記憶を消すことを指す。『還る』⇒『何も知らないころに戻る』ことから、こう謂われたと思われる。
- 守護者
『還す者』に就くボディガード。武力に優れ、数人がかりをものともしない。朱色で細身の長剣を持つ。また還す者同様、記憶を消す力も持つ。ただ、どの程度の記憶を消すか、まではコントロールできない。
- 水鏡の者
還す者に任務を教えに来る伝令係の眷属。守護者が就くことはない。額に目的地の場所を、水鏡のように映し出す。
- 癒しの者
致命傷や難病、果ては老衰まで、どんな症状だろうと、対象者の命を救う力を有している者。
- レイラン(場所)
ルタの指令をまっとうする一族が住む小落。隠れ里であり、社会の目の届かないようにしている。
- 朱
眷属の証として朱色の何かを身につけている。
構成
- 第1章 アラミス【Arrems】
主人公 カダン【Cadn】
“ルタ”の眷属、『還す者』のアラミス。その守護者、カダン。2人は兄妹のようにともに生きてきた。彼らは幼いころ、ルタを名乗る少女と出会い、力と眷属であることを示す朱色の宝石を与えられ、そのときから眷属としての人生が始まる。同時に“ルタ”の眷属としての義務を果たすため、砂漠を旅し、その先で『還す者』としての義務を果たし続ける。しかしその日々の積み重ねは、眷属としての存在や意義に疑問を生じさせるには十分なものだった。
- 第2章 チュチュ【Chu-Chu】
主人公 ターサ【Tlths】
2人は幼馴染み。ターサは幼いころ、死亡していた女性に抱かれていたチュチュを助け、そのときから一緒に生きてきた、盗賊として。砂漠を転々としながら、少々の盗みで日々の糧をつなぐ。しかし、だんだん安住の地を見つけ、そこで静かに暮らしたいという思いが強くなっていく。そんな矢先、忍び込んだ屋敷で、2人は別の押し入りと遭遇する。その押し入りの首には、朱色の宝石があった。それはチュチュの身元の唯一の手がかりと同じものだった。
- 第3章 ファウ【Fou】
主人公 ウェズ【Wazsub】
熟練の旅人ウェズは、不覚にも砂漠で行き倒れる。が近隣の町で薬師を営むファウにより助けられた。恩を返すため、しばしファウのそばに身を置くことにしたウェズは、ある日町で不思議な女性を目撃する。彼女の胸には朱色の宝石。それはファウも身につけていた朱色のペンダントと同じ輝きだった。
- 第4章 ルタ【Rutent】
主人公 ルタ【Rutent】
大富豪の息女として、辺境の屋敷にメイドと2人で住む少女、ラッテ。彼女はある嵐の翌朝、屋敷の近くの海岸で行き倒れの青年を見付け、介抱する。彼の名はルタといった。外から来て、ある目的のためにまた旅立つ青年に、抑えきれぬ興味から、ラッテは髪を切ってルタに同行する。
サイドストーリー
ねこねこファンディスク2にはルタが最初の頃に眷属にした還す者と守護者のストーリーが、おかえしCD5には還す者と癒しの者に関するストーリーが収録されている。
銀色との関連性
本作は、宣伝こそされなかったが、銀色の正統な続編として創られている。銀色の中核をなす物が、朱の物語の全ての始まりの物と同じであり、それに絡む銀色 完全版の登場人物が、朱にも登場している。それを裏付けるように、後日談では銀色 完全版のエピソードが語られ、お返しCD5では、銀色 完全版が音声なしでそのまま収録されるに至った。(差分パッチのみのCD5も存在する)