騎士ガンダム
'''騎士ガンダム'''(ナイトガンダム)は、アニメ『[[機動戦士ガンダム]]』のキャラクターを二等身で表現した[[SDガンダム]]の一つで、西洋の[[甲冑]]を纏った[[騎士]]の姿のガンダムのことである。 == 概要 == 当時人気であった[[ドラゴンクエストシリーズ]]などの[[コンピュータRPG|ロールプレイングゲーム]]の要素をSDガンダムに取り入れたもの。SDガンダムのデザインを行っていた[[横井孝二]]による騎士風のSDガンダムのイラストが始まりとなり、そこから[[武者ガンダム]]同様独立したシリーズとして展開していった。 [[カードダス]]による展開を主体としており、作品の舞台も「スダドアカ・ワールド」(カードダスの逆さ読み)となっている。この他、[[ガシャポン]]や[[プラモデル]]、漫画・アニメ・ゲームなど幅広い展開が行われた。 騎士ガンダムシリーズに登場するガンダムなどの[[モビルスーツ]](ロボット)がモデルとなっているキャラクターは、武者ガンダム同様に機械(ロボット)ではなくあくまで一個の生物として描かれている。しかし、シリーズ途中から「機兵」と呼ばれる巨大ロボットが登場するようになり、これにより「ガンダムがガンダムに乗る」という奇妙な構図が描かれた。 また、武者ガンダムと違い騎士アムロやフラウ姫などガンダムシリーズの登場人物をモデルとしたキャラクターが登場するのも特徴である。ちなみに騎士ガンダムと宿敵のサタンガンダムは、SD戦国伝に登場する武者ガンダム真悪参(マークスリー)が時空を越えて飛ばされ善と悪に分裂したという設定になっていたが、後にスペリオルドラゴンが善と悪に分離したという設定が登場した。この矛盾については、神が地上に光臨する際に、仮の姿として選んだ存在という見方が強い(サタンガンダム(ブラックドラゴン)の場合は、ガンダムではなく竜に宿ったとカードダスハーフの小説内で書かれている)。 [[横井孝二]]の漫画版においては、スペリオルドラゴンは、「スダドアカ・ワールド」で得た力でパワーアップした武者ガンダム真悪参であるという解釈であった。 == シリーズ一覧 == === SDガンダム外伝 === * [[SDガンダム外伝 ジークジオン編]](1989年 - 1990年) * [[SDガンダム外伝 円卓の騎士編]](1991年) * [[SDガンダム外伝 聖機兵物語]](1992年) * [[SDガンダム外伝 機甲神伝説]](1993年) === 新SDガンダム外伝 === * [[新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語]](1994年) * [[新SDガンダム外伝 黄金神話]](ゴールドサーガ)(1995年) * [[新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記]](1996年) === その他 === * [[SDガンダム聖伝]](1997年) * [[SDガンダム列伝 ガンダム騎士団]](パワーズ)(1998年) * [[SDガンダム英雄伝]](2001年) == 世界設定 == 登場する国家軍は皆、スダ・ドアカワールドと呼ばれる地域に所属している。西洋ファンタジー風の剣と魔法と精霊の世界観で、人間とMS族が暮らしている。 大まかに「ユニオン族」と「ジオン族」に分類されているが、これはあくまで対ジオン戦で自身が所属する勢力範囲での名称であり<ref>同じ兄弟や肉親でも別れているパターンが多々ある。</ref>、厳密な意味で所属する国家(軍)の、人間はユニオン族、MSはMS族の何々族(ガンダムはMS族に数ある種族の一つのガンダム族として分類されている)と呼称するのが正しい。ユニオン族、と分類される国家の紋章には総じて十字の模様(原作における[[連邦軍]]のエンブレム)がデザインされている。 [[武者ガンダム]]と[[SDコマンド戦記]]は同一世界として設定されており、時期的に同時期である武者ガンダムに登場する[[SD戦国伝 武者七人衆編|義夜雲]]、[[新SD戦国伝 地上最強編|赤龍願駄無]]、[[新SD戦国伝 超機動大将軍|鷺主]]はスダ・ドアカワールドの住民が移住した者で、騎士ガンダムシリーズに登場する騎士ガンダムと魔王サタンガンダムの仮の肉体である[[SD戦国伝 武者七人衆編|頑駄無真悪参]]、聖機兵物語の[[SDガンダム外伝 聖機兵物語|ダークキュベレイや下級の忍ガザ・D]]は天宮(武者ガンダムの舞台)から移住した異国騎士(異国武者に対する意味)である。 [[SDコマンド戦記]]は騎士ガンダムよりもはるか彼方の未来で、登場人物の中には特定の人物の子孫である事が判明している。 人名・地名については武者及びコマンド戦記内で似たような名前・同じ名前の者がいるが、これらについては'''同族'''や'''同姓同名の赤の他人'''<ref>遠縁の戦士リック・ディアスと闘士シュツルムディアス、子孫と祖先である海賊騎士キャプテンレッドと麗騎士レッドウォーリア。読みが同じ駄舞留精太とダブルゼータ。アルビオン国と赤流火穏の国など。</ref>である。 なお、この世界設定は'''ジークジオン編~鎧闘神戦記'''の物であり、'''聖伝・列伝・英雄伝'''は基礎設定は同じながら世界設定が異なる為に別記する。 === 十二神 === 世界は十二神と呼ぶ十二の神々<ref>状況証拠として同一世界である武者願駄無の神である水晶鳳凰(クリスタルフェニックス)と暗黒水晶鳳凰(ダーククリスタルフェニックス)も十二神として数える場合もある。</ref>によって作られたとされ、それぞれが信仰の対象であり、神々の力を宿した神器が各地に伝わっている。神々はそれぞれ相反する性質を持ち、敵対する事で力のバランスを整えている為、時折戦争が起きているという。 肉体を持たない精神体である為、地上世界へ光臨する時は地上の生命体の体を[[依り代]]にしている。 ;スペリオルドラゴン([[Sガンダム]]) :スダ・ドアカワールドを守る黄金の竜神。正義と信仰の対象としてユニオン族の間で広くあがめられている。ガンダム族に酷似した外見を持ち(この為ガンダム族は神の騎士として各地で崇められている)、神の世界から地上を見守っている。 :[[新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記|天使族]]と同じく12神の臣下である竜神の一族の出<ref>カードダスハーフ・第2弾第6話<竜の首飾り-その3>より</ref>であり、スペリオルドラゴン自身は世界創世からの神ではない<ref>マスターガンダムと神の座をかけて戦った事から、スペリオルドラゴンが敗北すれば神として扱われておらず、同族である竜の首飾りに力を残した竜によればそのエネルギーは無限ではなく有限であるとの事。</ref>。 :ラクロア王国に自身の肉体の一部を神器として<ref>三種の神器。「炎の剣」「力の盾」「霞の鎧」</ref>置いてあり、スダ・ドアカワールドに異変が起きた時は地上のガンダム族の肉体を用いて「伝説の勇者ガンダム」として降臨する。 ;マスターガンダム([[マスターガンダム]]) :スペリオルドラゴンと対を成す竜神の一族。太古の昔スペリオルドラゴンと「12神」の座を賭けて戦った。敗北した為封印されるが後に復活。 ;古代神バロックガン :世界を創世した12神の1柱。太古の昔にスペリオルドラゴンによって封印された。[[新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記|鎧闘神戦記]]の事情により詳しい事柄は不明。 === 主要舞台国 === ;[[SDガンダム外伝 ジークジオン編|ラクロア王国]](ジークジオン編ⅠⅡⅣ・黄金神話編・鎧闘神戦記編) : スダ・ドアカワールドでは「伝説の地」としてあがめられている地方。レビル王の治世においてジオン族の脅威に晒されたが、伝説の勇者[[騎士ガンダム]]らの活躍により難を逃れた(ジークジオン編)。その後再興したジオン族であるネオジオン族との戦いにおいては、かつて騎士ガンダムと共に戦った騎士アムロが騎士団長として参戦した(聖機兵物語・機甲神伝説)。 : その後、レビル13世の治世において太陽の異常爆発に続きデスペリオル族の侵攻を受け、騎士団長ネロスガンダムの離反もあって危機的状況に陥るが、騎士シャインガンダム・騎士ドモンら選ばれし者たちの奮戦により救われた(黄金神話)。 ;[[SDガンダム外伝 ジークジオン編|アルガス王国]](ジークジオン編Ⅲ・鎧闘神戦記編) : ノア地方に存在する森林に囲まれた国家。世界各地に存在するガンダム族発祥の地で、国内には世界最古のガンダム族が4家<ref>ゼータ家・ダブルゼータ家・ニュー家・アレックス家。このうちゼータガンダムとニューガンダムは従兄弟</ref>存在する。人間族のブレックス王が統治している時代、少なからずとも敵対していた隣国のムンゾ帝国とはジオン族介入により一触即発の状態となっていたが、王子カミーユがムンゾ帝国のユイリイ姫と恋仲であった事と、偶然訪れたラクロア王国の騎士アムロによって和平を結ぶことが出来た(ジークジオン編第三部)。 : その後、四人のガンダム族が騎士アムロと共に旅立ち帰ってこなかったが、後に彼らの力の宿った神器が国内へと持ち込まれる(鎧闘神戦記編) ;[[SDガンダム外伝 円卓の騎士編|ブリティス王国]](円卓の騎士編・鎧闘神戦記編) : 世界でも数少ない(あるいはスダ・ドアカワールド唯一の)MS族による統治国家。国王はガンダム族が勤める。'''「円卓の騎士」'''と呼ばれる王国騎士団員の選別があり、場内深くにある「円卓の間」にある円卓には神秘の力が宿っており、その座にふさわしいものが座ることで人知を超えた力を得る。その為ブリティスは神々の守る国と言われるようなり、国王はMS王という二つ名を持つ。 : 国内には聖山ロンデニオンがあり、そこにはある神器が安置され、ブリティス王家と円卓の騎士はこの神器の監視を兼ねている。神器を狙った隣国の軍事国家ザビロニア帝国によって、一時期征服された経緯があったが王位継承者である皇騎士ガンダム(後のキングガンダム二世)によって再び平和な統治を迎えている(円卓の騎士編)。 ;[[SDガンダム外伝 聖機兵物語|ダバード王国]](聖機兵物語・機甲神伝説) : スダ・ドアカワールドの地理で辺境に位置しているラゴル地方の国。国王は女王ニナ。当時としては画期的な「機兵」と呼ばれる人型の巨大人造人間を製作しており、それを軍の主力としている。これは国内に聖機兵と呼ばれる謎の巨人がおり、それを模倣し発展した為。王国には聖機兵物語という神話が伝わっており、それを事実として裏付ける聖機兵が二体国内で隠されていた(聖機兵物語)。 ;[[新SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語|グラナダ王国]](新SDガンダム外伝) : 上記国家とは遠くはなれた場所にある。機兵による軍備を整えてあり、白金のハルバードと呼ばれる機兵用の斧を国宝としている。 ==== その他の国家 ==== ;[[SDガンダム外伝 聖機兵物語|アルマータ地方レガシム領]](聖機兵物語Ⅲ) : ラゴル地方ダバード王国と隣国又はそれに近い国家の地方領。対ネオジオン戦に加わった吟遊騎士レッドウォーリアRが領主を務めている。王国を追われたダバード軍はここに一時陣を張っていた(聖機兵物語Ⅲ)。 ;[[SDガンダム外伝 機甲神伝説|月の国セレネス]](機甲神伝説) : スダ・ドアカワールド上空(宇宙空間)を移動する天体・月にかつて存在した国家。そのテクノロジーは鎧闘神戦記時代の最先端テクノロジーを遥かに上回り、機甲神と呼ぶ聖機兵に酷使した機兵を製造していた。スダ・ドアカワールドに知的生命体が現れる前、デラーズ王国(ジークジオン)によって壊滅。双子の王子が機甲神8体と共に脱出に成功する。 ;[[SDガンダム外伝 機甲神伝説|アルビオン国]](機甲神伝説) : ダバード王国と国交がある国家。実際に国が舞台となった件はない。王子コウは女王ニナの婚約者である。同じ読みの[[新SD戦国伝 地上最強編|赤流火穏の国]]については国名を天宮語読みにした時に'''偶然'''同じ読み方になっている。 ;[[新SDガンダム外伝 黄金神話|ジョンウ国・メビウス共和国・カービィ王国・ミリティア国]](黄金神話) ;[[新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記|ウィナー王国]](鎧闘神戦記) : それぞれ主要人物の故郷として登場する国家。名称のみで実際に移動はしない。ミリティア国の王は少年王ウッソ、ウィナー王国の王はカトル王。 === 敵対国家・敵対勢力 === ;[[SDガンダム外伝 ジークジオン編|ジオン]](ジークジオン編) ;[[SDガンダム外伝 聖機兵物語|ネオジオン]](聖機兵物語編) ;[[SDガンダム外伝 機甲神伝説|デラーズ王国]](機甲神伝説) :: 闇の皇帝ジークジオンによって操られたといって過言ではない一族と国家。 *ジオンはスダ・ドアカワールド制圧を目論む悪しき一族。というのが通説。元々は騎士ジオングなどMS族・ユニオン族がある程度纏まった総称だったが、ジークジオンがスペリオルドラゴンの片割れを当主として操った為に、悪名高い一族として後の世まで浸透することとなった。ムーア界と呼ぶ異世界に本拠地を構え、世界制覇手前まで行ったが、ラクロア王国のバーサルナイトガンダム(スペリオルドラゴンの半身)と騎士アレックス・アルガス騎士団の特攻とサタンガンダム(ジークジオンが操ったスペリオルドラゴンの半身)によって敗退する。 *ネオジオンは悪しき魔道の力を手にしたダバード王国のロナ家(聖機兵復活の鍵を守り続けていた一族)当主カロッゾを頂点とした集団。ダバード王国の機兵と魔道技術を融合し、世界制覇のため聖機兵を手に入れんと侵攻した。パンゲア界という異次元を本拠地としており、色々と謎の多い組織編制だったがその実態はジークジオンによって操られていた。聖機兵の一つルーンレックスを獲得するも、真聖機兵によって敗退する。 *デラーズ王国は時系列から行って最初にジークジオンによって操られた国家。国王はユギーユ王。元々は宇宙空間に存在する国家のひとつ又はセレネス王国を占拠した集団と思われる。スダ・ドアカワールドにユニオン族とMS族が誕生する以前に月の王国セレネスを侵攻。王国を壊滅するも王子と機甲神を逃した為にスダ・ドアカワールドへ侵攻する。セレネス滅亡からスダ・ドアカワールド侵攻までの期間が果てしなく長い事についての説明は無い。 ;[[SDガンダム外伝 ジークジオン編|ムンゾ帝国]](ジークジオン編) : ノア地方に存在する森林に囲まれた国家。国内には後にアルガス騎士団の力を宿すことになる神器<ref>竜の盾・獅子の斧・梟の杖</ref>があり、これを利用してかコンスコン王統治の時期にジオン族による乗っ取りが行われ、隣国のアルガス王国と敵対する事になる。コンスコン王の娘ユイリイ姫がアルガス王国のカミーユ王子と恋仲であり、偶然ノア地方を訪れたラクロア王国の騎士アムロによって和平を結ぶことが出来た(ジークジオン編第三部)。 ;[[SDガンダム外伝 円卓の騎士編|ザビロニア帝国]](円卓の騎士編) : ブリティス王国の隣に位置する軍事国家。実力主義であり、能力が在る者ならばどのような出自(滅ぼした国の者)でも幅広く軍に加えている。その他、複数の生命体を融合させる事で誕生する人造モンスターの魔道技術を所有している。 : 帝王グレートデギン統治の時にブリティス王国へ侵攻を開始。目的はブリティス王国に隠されたある物で、またたく間に王国を征服、7年の間支配していた。 : 物語開始当時から何故目的の物を取りに行くのに7年もかかったのかと言われているが、その答えは小説内にて書かれている(円卓の騎士編)。 === 神々の勢力 === 12神直接の勢力。神々の間の決め事により、直接地上世界に干渉してはいけない。 ;天界 : スペリオルドラゴンが所属する正側の神々の世界。魔界についての存在は不明。同一世界観である天宮主観の天界と魔界についての関連性は不明だが、恐らくは天宮とスダ・ドアカワールドを担当する神々の個人世界(領地)の事を意味しているらしく、スダ・ドアカワールドの天界はスペリオルドラゴンの世界の事。 ;[[新SDガンダム外伝 鎧闘神戦記|天使族]](鎧闘神戦記) : スペリオルドラゴンの加護を受ける天界の一族。天界の地ピースクラフトに故郷を構えている。頭上にディバイリング(エンジェルハイロウ)を、背中には天使の属性を現す様々な色の翼を持つ。古代神バロックガン封印の役目を担っており、代々巫女が封印の力を受け継いでいる。創世軍オズワルドの奇襲によって壊滅状態になる。以降、鎧闘神戦記の諸事情によって詳細は不明。 ;竜神 : スペリオルドラゴンの出身である天界の一族。ドラゴンに似た容姿を持っている。スダ・ドアカワールドを守る一族はすでに滅亡寸前の様であり、黄金の騎士が最後の一人と予測されている。 == 脚注 == {{Reflist}} == 関連項目 == * [[SDガンダム]] * [[武者ガンダム]] * [[SDコマンド戦記]] * [[ガンドランダー]] {{SDガンダム}} [[Category:騎士ガンダム|*]] [[en:Knight_Gundam]]