グランドスラム (WWE)
グランドスラムとはWWEの主要王座すべてを戴冠経験がある選手に贈られる栄誉である。でも誰も気にしない。現在までに15人のレスラーがこの栄誉を手に入れている。でもWWEではヘビー級、タッグ、ICの三冠を経験したトリプルクラウンのほうが有名。
目次
概要
1997年、当時WWEのトップレスラーだったショーン・マイケルズがブリティッシュ・ブルドッグに勝利し、WWE・ヨーロピアン王座を獲得した際、既に三冠を戴冠経験したマイケルズが「俺こそがWWEが誇るグランドスラマーだぜ!!」と言い出したことが発端。でも当時はあんまり誰も気にしないのか誰も話題にしなかった。
ちなみにこの栄誉を得るためにはWWE王座、WWE・世界タッグチーム王座、WWE・インターコンチネンタル王座、WWE・ヨーロピアン王座を獲得する必要がある。
ちなみにこの栄誉を得るのは何気に難易度が高かったりする。ストーリー上ジョバーになってるレスラーはタイトル獲得に縁がないし、かといってトップレスラーや強キャラレスラーはなまじ実力があるため下位のタイトルに絡む機会がない。一匹狼キャラはタッグ王座に絡みにくいし、タッグ屋がシングルタイトルを得るにはいろいろリスクがある(解散したことでジョバーになったり、解散しなくてもチーム中がギクシャクしたり)。そういう意味で年がたってメジャー化された何気にすごい栄誉なのである。でもそれはもっとメジャーなトリプルクラウンにも言える。
各タイトル
ここではグランドスラムを達成するために必要なタイトルの説明を記す。詳しいことはWikipediaを見ればいいと思うよ。
WWE・世界ヘビー級王座
WWE、いやさ世界一価値のある王座ベルト。でもオールドファンにはNWA世界ヘビー級王座こそが至高。WWEのストーリーラインの中心である。初代王者はバディ・ロジャーズ。実は彼はNWA王座を獲得したことがあるが誰も気にしない。獲得した面々もなかなかのものでハルク・ホーガン、ストーン・コールド、ザ・ロック、ジョン・シナといったWWEを代表するものばかり。2005年までデザインは地球儀をあしらったいかにもチャンピオンベルトしてる感じだったのにシナ戴冠以降くるくるベルトになってしまった。10年近くそのデザインのまんまである。2013年にデザインが一新されたがこれまたダサいのなんのって。なんでこーなった。
WWE世界タッグ王座
WWEのタッグ部門の頂点。獲得者の面々はタッグ屋が多いのはもちろん、強キャラ同士が軽はずみに取ってしまったり、ジョバー同士が奇跡的に獲得するなどWWE王座より獲得者のキャラの幅は広い。
WWE・IC王座
WWEの登竜門的な王座、もしくは三役クラス御用達の王座。この王座を獲得した面々は団体のトップに立った者が多い。かつては北米ヘビー級王座と南米ヘビー級王座を統一させたのがこのタイトルらしい。名前の由来も「大陸間の」である。だから直訳すると大陸王座となるわけだ。え?そんなことどーでもいい?あ…そーか…。
WWE・ヨーロピアン王座
WWE第3の王座。ヨーロピアンなのに戴冠者のほとんどがアメリカ人という特に特筆すべきものがない王座。この王座の陰の薄さは尋常じゃなくゲームのエキプロシリーズでは4を最後に長らく姿を消していたが、WWE'12でおよそ10年ぶりに復活。以降のシリーズでもレギュラーとして復活もほかの王座も復活しているため影の薄さは変わらない。2002年にハードコア王座と統一されたため消滅。
世界ヘビー級王座
2002年にWWEにもう一つの最高王座として登場。NWA王座、WCW王座が前身なのは周知の事実。デザインがWWE王座よりかっこいいのは禁句なっ!!!初代王者はトリプルH。以降多くのレスラーが戴冠したが、2013年WWE王座に統一したため消滅。
WWEタッグ王座
2002年スマックダウンで新設された。2009年に前述の世界タッグ王座に統一される。
問題点
前述の通りこの栄誉を得るのは難易度が高いが、ほかに問題点がある。そう。ヨーロピアン王座のことである。2002年に消滅したため、これからグランドスラムを達成するためには既にヨーロピアン王座戴冠経験者がヘビー、タッグ、ICを獲得しない限り達成できないのだ。2002年以降デビューしたものは達成できない。やっぱり難易度は高い。
そんな選手たちに朗報
しかし!!WWEもそんな問題点をどうにかしようとしたのかどうか定かではないが、2006年にはWWE・ハードコア王座、2015年にはWWE・ユナイテッドステイツ王座を獲得しても達成できるようにしたのだ。これでヨーロピアン王座を獲得してなくてもこれらの王座を獲得していればこの栄誉を獲得できるチャンスができる。現にこのルール改正でグランドスラムを達成したものも少なくない。ほんの僅かではあるものの難易度は低くなった。ほんのちょっとだけねっ。
ルール改正後の各タイトル
ハードコア王座
初代王者はミック・フォーリー。その名の通り反則なしのデスマッチ形式の試合で行われる。クラッシュ・ホーリーによっていつでもどこでもタイトルに挑める24時間ルールが誕生。1日でめまぐるしく王者が誕生した。ちなみに日本のプロレス団体DDTのアイアンマン・ヘビーメタル級王座はこの王座をモデルとしている。アティテュード時代はECW出身のレスラーたち御用達の王座になった。2002年ヨーロピアン王座と統合され消滅。しかしあまりにユニークな王座のためエキサイティングプロレスシリーズでは6を除いてすべてレギュラー王座として登場している。2006年のルール改正によりヨーロピアン王座と同格扱いとなったが、ぶっちゃけヨーロピアン王座よりも、いやある意味WWE王座よりもインパクトがある王座かもしれない。
WWE・US王座
NWA・US王座の流れを汲むWCW唯一の遺産。2001年WWEがWCWを買収した際、WCWの主要王座が一時的にWWEのタイトルとなりその後IC王座と統合。2002年に復活。以降WWEの王座の1つとして存在している。長らくグランドスラムと縁がなかったが、2015年の改正によりついにグランドスラム達成条件に組み込まれている。
達成者
- いいだしっぺ。1988年ミッドナイト・ロッカーズとしてタッグ屋として登場。しかし予想を裏切り1992年IC王座を最初に手に入れる。その後1994年に用心棒のケビン・ナッシュを相棒にタッグ王座を獲得。1996年レッスルマニアのメイン戦にてブレット・ハートに勝利、WWE王座を手に入れる。1997年に前述の通りヨーロピアン王座を手に入れる。実は彼、WWEに於いてパイオニアである。ラダーマッチを始めたのも彼だし、ヘル・イン・ア・セルも彼だし、いろんな試合形式を始めて戦ったのは彼であることを忘れてはならない。1998年に一度引退している。2002年復帰し、世界ヘビー級王座、2010年にはWWE統一タッグ王座を獲得している。2010年にふたたび引退。2011年殿堂入りを果たす。
- 第2号。WCW時代リーガル卿とタッグを組んでいたものの、WWEに移籍。当初は貴族キャラをやっており、今では考えられない汚れ役をやっていた。1996年にIC王座を獲得。その後マイケルズ率いるDジェネレーションXに加入。1997年にヨーロピアン王座を獲得。1998年にWWE王座を獲得し以降WWE王座の常連となる。2001年ストンコとのタッグでタッグ王座獲得。2002年に初代世界王者、2010年に統一タッグ戴冠。現在WWEの執行役員となっており、ビンス・マクマホンの婿養子となっている。グランドスラマーの中で一番出世した男。
- 1998年、アンダーテイカーの弟として強烈なデビューを果たす。同年WWE王座獲得。王座陥落後、ミック・フォーリー、Xパックとのタッグでタッグ王座を戴冠。2001年にハードコア王座を手に入れる。そして同年5月IC王座を手に入れたことで達成。怪奇派レスラーとしては初の快挙。
- 1999年デビュー。IC王座獲得を皮切りにヨーロピアン王座、ハードコア王座、タッグ王座を獲得し頭角を現す。そして2001年ストンコを破り初代統一王者となる。歴代達成者で最速でグランドスラムを達成した。
- 1999年デビュー。デビューから一年の間にIC、EU、ハードコア、ヘビー級王座を手に入れる。2002年にSD版タッグ王座を獲得したことにより達成。ちなみにギミックでも何でもなくマジで元オリンピック金メダリスト。また、2001年にWCW・US王座(WWE管轄時)獲得しており、改正後の条件でも達成。
- 2000年にWWEデビュー。クリス・ジェリコからヨーロピアン王座を奪う。同年9月に恋人だったチャイナからIC王座を盗る。薬物がもとで交通事故を起こし一度解雇されるも2002年にカムバック。甥っ子のチャボ・ゲレロとのタッグでSD版タッグ王座をズルして騙して頂く。そして2004年、あのブロック・レスナーからWWE王座を手に入れたことにより達成。ちなみに2003年にUS王者にもなっており、ルール改正後の条件でも達成している。2005年急死。おそらく歴代のグランドスラマーの中で一番愛された男であろう。
- 1996年WWEデビュー。1999年IC王座を、2000年タッグ王座、2001年US王座、そして2006年WWE王座を獲得した。その際レッスルマニア21で手に入れたマネー・イン・ザ・バンクの権利を行使しての獲得であった。2007年にはバンクを行使して世界ヘビー級王座を手に入れる。2010年にはジェリコとのタッグで統一タッグを手にする。2011年引退。2012年には殿堂入りを果たす。ショーン・マイケルズに続いて2人目。グランドスラマーの中では唯一、キング・オブ・ザ・リング、ロイヤルランブル、マネー・イン・ザ・バンクすべてを制覇している。