北陸新幹線
北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)は、上信越・北陸地方を経由して東京都と大阪市とを結ぶ計画の整備新幹線である。1997年(平成9年)に東京駅から長野駅まで部分開業しており、同区間は便宜的に「長野新幹線」と呼ばれている(開業区間の詳細は同項目を参照)。2015年(平成27年)3月14日には長野駅 - 金沢駅間が開業する予定で[1][2][3]、長野新幹線として営業中の区間の呼称も「北陸新幹線」に統一される[4]。
と書かれてるが高崎〜上越妙高は北陸新幹線ではないJR信越新幹線である。
目次
概要
長野駅 - 上越妙高駅 - 富山駅 - 金沢駅 - 白山総合車両所間がフル規格で建設中であり[注 1]、2015年3月14日の開業が予定されている。開業すれば、首都圏 - 北陸間の所要時間短縮が見込まれる。
開業後の予想所要時間は従来、東京駅 - 上越妙高駅間が約1時間50分、東京駅 - 富山駅間が約2時間10分、東京駅 - 金沢駅間が約2時間30分(2010年9月現在東京駅 - 金沢駅間は在来線越後湯沢経由で3時間47分[5])とされていたが[6][7][5]、2014年8月27日の東日本旅客鉄道および西日本旅客鉄道のプレスリリースにおいて東京駅 - 富山駅間が2時間8分、東京駅 - 金沢駅間が2時間28分(いずれも最速達列車)になると発表された[1][2]。
2014年時点では、北陸新幹線(長野新幹線)は長野駅までしか開業しておらず、首都圏と北陸地方を結ぶ主たる交通手段とはなっていない。なお、JR各社は当該地域間の輸送について新幹線と在来線による乗り継ぎルートを構成しており、上越新幹線の越後湯沢駅で接続する特急「はくたか」や、東海道新幹線の米原駅・名古屋駅で接続する特急「しらさぎ」を高頻度で運行している。
整備新幹線としての北陸新幹線の起点は東京都だが、JR線路名称公告、『鉄道要覧』、国土交通省のいずれにおいても、北陸新幹線は高崎駅 - 長野駅間の117.4kmとなっており、高崎駅を起点としている(東京駅 - 大宮駅間は東北新幹線、大宮駅 - 高崎駅間は上越新幹線)。一般に「長野新幹線」と呼ばれているものは、正式には「北陸新幹線」の一部である。JR線路名称公告においてほかの多くの新幹線は、並行する在来線の増設線として扱われ、独立した路線とはみなされていないのに対して、北陸新幹線は独立した路線として扱われている。これは、長野駅まで開業した際、並行在来線である信越本線の横川駅 - 軽井沢駅間が廃止され、軽井沢駅 - 篠ノ井駅間はJRからしなの鉄道に移管・経営分離されたためである。同様の例として九州新幹線新八代駅 - 川内駅間(並行在来線は肥薩おれんじ鉄道に移管)がある。JR線路名称公告に記載されている新幹線はこの2つだけであり、ほかの新幹線は記載されていない[注 2]。
JR東日本では並行在来線同様に地方支社が新幹線も管理する体制を取っているため、既設区間のうち、高崎駅 - 安中榛名駅間は高崎支社、軽井沢駅 - 長野駅間は長野支社の管轄である。
路線データ
- 営業主体
- 建設主体:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
- 軌間:1,435mm(標準軌)
- 複線区間:全線
- 電化方式[注 3][8]
- 保安装置:ATC(DS-ATC)
- 運転指令所:JR東日本新幹線運行本部 総合指令室、JR西日本金沢支社 金沢新幹線総合指令所
- 列車運行管理システム:新幹線総合システム (COSMOS)
- 最高速度:260km/h(予定)
- 構造種別延長割合[9]
- 高崎駅 - 長野駅間:路盤 15%、橋梁 9%、高架橋 25%、トンネル 51%
- 長野駅 - 金沢駅間:路盤 2%、橋梁 10%、高架橋 44%、トンネル 44%
- 架線吊架方式
- 高崎駅 - 長野駅:CSシンプルカテナリ式(耐荷速度300km/h)
- 長野駅 - 金沢駅:PHCシンプルカテナリ式(耐荷速度350km/h)
主要構造物
各構造物の距離は、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(旧・日本鉄道建設公団)が国土交通省に提出し認可された「整備新幹線の工事実施計画」、各県が公表している資料、市役所や町役場で情報公開(住民以外には非開示の自治体や住民以外は情報公開請求自体ができない自治体もある。)している「ルート平面図」・「中心線測量図」・「環境影響評価報告書環境図」など、情報源によって数値がまちまちであるが、以下は鉄道建設・運輸施設整備支援機構の工事実施計画によった。着工後、構造物の距離は変更される場合がある。また未開業区間の名称は仮称である。
トンネル
- 長野新幹線車両センター - 白山総合車両所間
- 長野県内
- 高丘トンネル 長さ:6.9km
- 高杜山トンネル 長さ:4.2km
- 飯山トンネル 長さ:22.2km
- 新潟県内
- 飯山トンネル 長さ:22.2km
- 高田トンネル 長さ:2.7km
- 松ノ木トンネル 長さ:6.7km
- 桑取トンネル 長さ:1.8km
- 峰山トンネル 長さ:7.0km
- 新木浦トンネル 長さ:2.6km
- 高峰トンネル 長さ:3.9km
- 中浜トンネル 長さ:1.4km
- 青海トンネル 長さ:4.3km
- 歌トンネル 長さ:1.7km
- 新親不知トンネル 長さ:7.3km
- 富山県内
- 朝日トンネル 長さ:7.5km
- 第2黒部トンネル 長さ:1.2km
- 第2魚津トンネル 長さ:3.0km
- 新倶利伽羅トンネル 長さ:6.9km
- 2010年公表の富山県の資料では6.6km
- 石川県内
- 新倶利伽羅トンネル 長さ:6.9km
- 明神トンネル2.8km
- 長野県内
- 白山総合車両所 - 敦賀間
橋梁
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- 長野新幹線車両センター - 白山総合車両所間
- 白山総合車両所 - 敦賀間
沿革
1965年(昭和40年)9月26日、金沢市の石川県体育館で『1日内閣』が開催された。これは後年に言うタウンミーティングのようなもので、現職閣僚が地方へ出向いて実情を聞く公聴会であった。当時内閣総理大臣を務めていた佐藤栄作も出席したこの公聴会において、富山県代表の公述人である岩川毅(中越パルプ工業創業者・当時の砺波商工会議所会頭)は、政府に対して東京を起点とし松本、立山連峰を貫通し富山、金沢を経由して大阪に至る「北陸新幹線」の建設を求めた。東海道新幹線の開業からわずか1年足らずの時点で、北陸新幹線の構想が発表されたのである。この提案に、鉄道官僚出身の佐藤も興味を示した。
『1日内閣』での新幹線構想の発表により、北陸地方では新幹線誘致の機運が高まっていった。1967年(昭和42年)7月には、北陸三県商工会議所会頭会議において、北陸新幹線の実現を目指すことが決議された。その後、同年12月8日に「北回り新幹線建設促進同盟会(1972年に北陸新幹線建設促進同盟会と改称)」が発足した[10]。これは、北陸地方の活性化と将来逼迫する東海道新幹線の代替交通機関を目的としていた[11]。
1970年(昭和45年)には全国新幹線鉄道整備法が制定され、1972年(昭和47年)6月29日、東京都 - 大阪市間を高崎・長野・富山・金沢経由で結ぶ「北陸新幹線」として基本計画が決定。翌年の1973年(昭和48年)には整備計画決定及び建設の指示がなされた。長野 - 富山間については途中の経由地が明示されず、日本国有鉄道(国鉄)は1975年(昭和50年)頃に北アルプス(飛騨山脈)の直下をトンネルで貫通する短距離ルートの建設も検討したが、火山地域のため高熱となる岩盤[注 4]や最大2000mに達する「土被り」(地表からトンネルまでの距離)で生じる大量の湧水や「山はね」(岩盤破壊)に耐えながら全長約70kmに及ぶ超長大トンネル[注 5]を建設するのは困難として、信越本線や北陸本線に沿って上越市などを経由する従来のルートでの建設が決定された[12][注 6]。
北陸新幹線の整備計画が発表される前に既に建設が決まっていた東北新幹線(東京駅 - 盛岡駅間)、上越新幹線(大宮駅 - 新潟駅間)、成田新幹線(その後建設中止)は工事が開始されたが、北陸新幹線他4本の整備新幹線は計画は継続されていたものの、巨額の赤字を計上した国鉄の緊縮財政やオイルショックによる建設費高騰の影響で建設は凍結され、計画は遅々として進まなかった。1987年(昭和62年)、国鉄分割民営化により特殊法人の新幹線鉄道保有機構[注 7]が新幹線設備を所有し、既存開業線のリース代を財源とした整備新幹線の建設が可能となると、同年に整備新幹線建設の凍結解除が閣議決定され、北陸新幹線の建設に道が開かれた。1985年(昭和60年)の工事実施計画認可申請および前述の閣議決定においては、高崎 - 小松間をフル規格で先行建設し、その後小松 - 大阪間を建設する計画であったが、1988年(昭和63年)に運輸省から建設費の削減を目的として発表された、いわゆる「運輸省案」では長野以南の建設を優先し、高崎 - 軽井沢間のみフル規格、軽井沢 - 長野間はミニ新幹線とする計画に変更となった。また、糸魚川 - 魚津間、高岡 - 金沢間については構造物を新幹線と同じ規格で建設し、線路を在来線と同じ軌間にするスーパー特急方式とする計画となった。
1989年(平成元年)にまず高崎駅 - 軽井沢駅間が着工されたが、1991年(平成3年)に長野市が1998年のオリンピック・パラリンピック開催地に決定したことから、軽井沢駅 - 長野駅間も当初の計画通りフル規格で着工されることになり、1997年(平成9年)10月1日に高崎駅 - 長野駅間が長野行新幹線(後に「長野新幹線」と短縮)の名で開業した。
また、スーパー特急方式で着工するとされた高岡 - 金沢間は、富山県内の沿線自治体が並行在来線となる北陸本線石動駅 - 高岡駅間の経営分離に反対したため、新高岡 - 金沢間の基本ルートを変更した上で、着工区間が石動 - 金沢間に変更された。その際、既に難工事区間として先行着工された加越トンネルはルート変更により不要となり、既に投入された建設費は富山県が負担することになった。
1998年(平成10年)3月には長野 - 上越間の工事実施計画が認可され、着工された。
2000年(平成12年)末の政府・与党申合せで富山までのフル規格での建設が決まり、当時の首相で自由民主党整備新幹線建設促進議員連盟会長でもあった森喜朗(石川県出身)は石動までの着工(既着工区間の石動 - 金沢間を合わせれば金沢まで直通可能)を主張していたが、道路族を代表する橋本派の有力者であった野中広務(自民党幹事長、当時)に「我田引鉄」と非難され、着工区間は富山までに短縮された。富山駅以西については、東北新幹線(盛岡駅 - 八戸駅間)、九州新幹線(新八代駅 - 鹿児島中央駅間)の開業後に金沢までのフル規格での整備を検討することとなった。
2004年(平成16年)末の政府・与党申合せに基づき、2005年(平成17年)4月27日には富山駅から石川県白山市の白山総合車両所間まで(ただし、旅客営業は途中の金沢駅まで)のフル規格での整備が認可され、同年6月4日に起工式が行われた。
2011年(平成23年)12月26日には、白山総合車両所 - 敦賀間の建設を認める方針が決定した[13]。
2012年(平成24年)6月29日、政府・国土交通省は、金沢 - 敦賀間 (113km) の認可着工を決めた[14]。また、同年9月4日にはJR東日本とJR西日本から共同開発車両の概要について発表された(後述)。
2013年(平成25年)6月7日、JR東日本とJR西日本は長野駅 - 金沢駅の駅名を発表。仮称となっていた上越駅は「上越妙高駅」、新黒部駅は「黒部宇奈月温泉駅」、新高岡駅はそのまま「新高岡駅」に決定した[15][16][17]。同年10月2日、全線とも北陸新幹線の名称で統一し[4]、JR東日本の区間では、「長野経由」と表示することを明らかにした[18]。同日、金沢開業後の運行形態も発表され[18]、10月10日には列車愛称も発表された(詳細後述)。
開業以来16年が経過して、自動列車制御装置 (ATC) の老朽化が進行していたことと、金沢への延伸区間が当初からデジタルATCで2014年度末に開業することから、2013年11月9日夜から10日早朝にかけての切り替え工事により、高崎から長野新幹線運転所までの区間が従来のアナログATCからデジタルATCに切り替えられた。これにより、JR東日本の新幹線の全区間がデジタルATC化された[19]。このATC更新により、2014年3月15日のダイヤ改正から東京 - 長野間で平均して下りで2分、上りで4分所要時間が短縮された[19][20]。
年表
開業前 国鉄時代
- 1964年(昭和39年)
- 1965年(昭和40年)9月26日:金沢市の石川県体育館で「1日内閣」が開催され、北陸新幹線構想が発表される。
- 1967年(昭和42年)
- 1969年(昭和44年)5月30日:新全国総合開発計画決定。
- 1970年(昭和45年)5月18日:全国新幹線鉄道整備法公布[24][21][22][23]。
- 1972年(昭和47年)
- 1973年(昭和48年)
- 1974年(昭和49年)
- 1978年(昭和53年)10月3日:新幹線整備関係閣僚会議において、北陸新幹線 東京都 - 大阪市間を含む整備新幹線5線の具体的実施計画決定。
- 1979年(昭和54年)
- 1981年(昭和56年)6月12日:全国新幹線鉄道整備法改正。建設費の地元負担が可能とされる。
- 1982年(昭和57年)
- 1983年(昭和58年)10月8日:北陸新幹線建設促進富山県民協議会設立。
- 1985年(昭和60年)
- 1986年(昭和61年)3月:長野駅・富山駅・金沢駅において、北陸新幹線駅周辺環境整備事業着手[22]。
- 1987年(昭和62年)
開業前 JR発足後
- 1987年(昭和62年)
- 1988年(昭和63年)
- 1989年(平成元年)
- 1990年(平成2年)
- 1991年(平成3年)
- 5月23日:御代田町議会が全員協議会で信越本線の第三セクター化の対応を町長に一任。同町長は受け入れを表明[21]。
- 6月2日:小諸市議会が、全員協議会でミニ新幹線要求の断念を決定。市長が第三セクター化受け入れを表明[21]。
- 6月20日:東北新幹線 東京 - 上野間延伸開業。
- 7月29日:長野県とJR東日本が、並行在来線である信越本線の経営分離区間を軽井沢 - 篠ノ井間とすることで合意[21]。
- 8月9日:軽井沢 - 長野間の工事実施計画(フル規格)認可申請[26]。
- 8月22日:軽井沢 - 長野間の工事実施計画(フル規格)認可および着手[26][22][23]。
- 9月4日:軽井沢 - 長野間の建設工事(フル規格)着工[24][22][27][23]。
- 9月17日:軽井沢 - 長野間の建設工事起工式[21]。
- 10月1日:新幹線鉄道保有機構が解散し、鉄道整備基金設立[24]。
- 1992年(平成4年)
- 1993年(平成5年)
- 1994年(平成6年)
- 1995年(平成7年)
- 1996年(平成8年)
- 1月11日:横川・軽井沢間代替輸送協議会が、信越本線 横川 - 軽井沢間の代替輸送機関をバスにすると決定[21]。
- 3月28日:南越(仮称) - 敦賀間の環境影響評価実施のための駅・ルート概要公表。また、小松 - 南越(仮称)間の環境影響評価および工事実施計画認可申請[26][22][23]。
- 6月4日:小諸市議会が佐久駅(仮称)に「小諸」の文字を入れるよう決議。佐久市議会は「佐久駅」を再確認[21]。
- 11月26日:吉村午良(長野県知事・当時)が駅名問題で「佐久平駅」とする調整案を提示し決着[21]。
- 12月1日:JR東日本長野新幹線運転所発足。
- 12月25日:政府・与党合意により、整備新幹線の新財源スキーム、新規着工区間など決定。上下分離方式により、JRは受益の範囲を限度とした貸付料を支払うこととされる。長野 - 上越(仮称)間をフル規格で新規着工することを決定[27]。北陸新幹線の富山駅・小松駅・福井駅整備事業を決定[28][22][21]。
- 1997年(平成9年)
- 3月8日:北陸新幹線建設促進北信越五県議会協議会設立。
- 3月14日:横川・軽井沢間代替輸送協議会が、信越本線 横川 - 軽井沢間の代替バスをジェイアールバス関東が運行すると決定[21]。
- 4月14日:JR東日本が北陸新幹線 高崎 - 長野間の開業日を同年10月1日と発表。列車愛称は「あさま」に決定[21]。
- 5月30日:全国新幹線鉄道整備法改正(財源スキームの見直し)[22][21]。
- 6月19日:運輸審議会が、信越本線 横川 - 軽井沢間の廃止を答申[21]。
- 7月25日:JR東日本が「あさま」の列車ダイヤを発表。東京 - 長野間は最速79分。乗客への案内名称は「長野行新幹線」に決定[21]。
- 7月31日:運輸省が北陸新幹線「あさま」の料金を認可。東京 - 長野間は片道7,970円(普通車指定席)と制定[21]。
長野開業後
- 1997年(平成9年)
- 1998年(平成10年)
- 1月21日:政府・与党整備新幹線検討委員会検討結果公表[22]。従来の整備計画として、北陸新幹線 高崎 - 大阪間の維持を確認。新規着工区間の優先順位を決定し、長野 - 上越(仮称)間のフル規格での認可・着工、富山駅、小松駅、福井駅の駅整備事業実施および着手を決定[28]。
- 2月19日:長野 - 上越(仮称)間の工事実施計画(フル規格)認可申請[26]。
- 3月12日:長野 - 上越(仮称)間の工事実施計画(フル規格)認可[26]。
- 3月13日:長野 - 上越(仮称)間の建設工事(フル規格)着手[26]。
- 3月28日:長野 - 上越(仮称)間の建設工事(フル規格)着工[24][22][29][27][25][23]。
- 8月:飯山トンネル建設工事着手[27]。
- 1999年(平成11年)12月:与党合意により、長野 - 南越(仮称)間を十数年でフル規格により整備することなどを決定[22]。
- 2000年(平成12年)
- 2001年(平成13年)
- 2002年(平成14年)
- 2003年(平成15年)
- 10月1日:運輸施設整備事業団と日本鉄道建設公団が統合し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構設立。
- 12月:整備新幹線の取扱いについて、政府・与党合意。
- 2004年(平成16年)
- 4月1日:長野新幹線運転所が長野新幹線車両センターに改称。
- 8月31日:整備新幹線の取扱いについての政府・与党中間申し合わせ[31]。
- 12月16日:政府・与党検討委員会の検討結果(政府・与党申し合わせ)により、新たな財源スキーム(既設新幹線譲渡収入の前倒し活用など)および着工区間が決定[22][28]。
- 長野 - 金沢車両基地(仮称)間はフル規格で整備し、富山 - 石動間、金沢 - 金沢車両基地(仮称)間を2005年(平成17年)度初に着工することとし、長野 - 金沢車両基地(仮称)間で一体的に2014年(平成26年)度末の完成を目指す[27]。
- 金沢車両基地(仮称) - 南越(仮称)間のうち、福井駅部を2005年(平成17年)度初に認可・着工し、2008年(平成20年)度末の完成を目指す。
- 南越(仮称) - 敦賀間は所要の手続き後、直ちに工事実施計画の認可申請を行う。
- 2005年(平成17年)
- 3月25日:全国新幹線鉄道整備法施行令の一部を改正する政令案を閣議決定[32]。
- 4月20日:富山 - 金沢 - 白山総合車両基地(仮称)間の工事実施計画(フル規格)認可申請[26]。
- 4月27日:富山 - 金沢 - 白山総合車両基地(仮称)間の工事実施計画(フル規格)認可および建設工事着手[26][22][23]。また、福井駅部認可[33][34]。
- 6月4日:富山 - 金沢 - 白山総合車両基地(仮称)間の建設工事(フル規格)着工、起工式を挙行[22][29][23]。また、福井駅部着工。
- 7月:上越(仮称) - 糸魚川間の峰山トンネル貫通[25]。
- 8月:上越(仮称) - 糸魚川間の高田トンネル貫通[25]。
- 12月12日:南越(仮称) - 敦賀間の工事実施計画認可申請[26][22][23]。
- 2006年(平成18年)
- 2007年(平成19年)
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)
- 2月19日:福井駅部完成[37]。
- 3月5日:福井駅部高架橋工事完成。
- 8月4日:長野 - 金沢間工事実施計画(その2:電気設備、建築工事等)の追加認可申請について、国土交通省が地方自治体への意見聴取を実施[38][39]。
- 10月9日:長野 - 金沢間工事実施計画(その2:電気設備、建築工事等)認可[27][25][40]。
- 10月10日:白山総合車両基地(仮称)の土木工事着工。
- 10月:国土交通大臣が前年12月の政府・与党合意の新規着工検討区間については、白紙とし、新しい政府・与党で整備のあり方を決めていくと発表。
- 11月:長野 - 飯山間の第5千曲川橋梁(菜の花大橋)工事安全祈願祭挙行[27]。
- 11月27日:国土交通省が鉄道局長整備新幹線整備事業について、入札・契約の透明性の確保を図り、更なるコスト縮減を進める旨を鉄道建設・運輸施設整備支援機構に通達[41]。
- 12月24日:整備新幹線問題検討会議等を設置。民間資金の活用、並行在来線維持のためのJRの協力・支援が必要とし、費用対効果、沿線自治体の取組等による着工の順位付けを検討するなどの「整備新幹線の整備に関する基本方針」および「当面の整備新幹線の整備方針」が決定[22][42]。
- 2010年(平成22年)
- 2011年(平成23年)
- 4月1日:金沢市三池町地内に金沢鉄道軌道建設所・金沢鉄道電気建設所を開設(同月11日に開所式を開催)[43]。
- 4月:長野 - 飯山間の第5千曲川橋梁(菜の花大橋)ボルト締結式[27]。
- 5月31日:長野 - 金沢間のレール敷設作業開始[44]。
- 7月1日:金沢市三池町地内に金沢鉄道建築建設所を開設[45]。
- 11月12日 - 14日・12月4日 - 5日:新高岡(仮称) - 金沢間の二日市橋梁(合成けた)の架設作業を実施[46]。
- 12月26日:整備新幹線問題検討会議が開催され、政府・与党確認事項公表。政府・与党合意により、未着工区間について「着工5条件」の残余の条件が満たしたこと等確認の後、認可・着工することを決定[22][25][42][47]。
- 2012年(平成24年)
- 3月1日:金沢市三池町地内に金沢鉄道機械建設所を開設[48]。長野 - 金沢間工事実施計画の変更を申請[49]。
- 3月26日:長野 - 金沢間工事実施計画の変更申請を認可[25][49]。
- 4月3日:未着工区間の収支採算性と投資効果を改めて確認するために、整備新幹線小委員会の報告書がまとめられたことを受け、整備新幹線問題検討会議が開催され、収支採算性と投資効果について確認がなされた[50][51][52][53]。
- 4月11日:飯山駅新築工事の安全祈願および立柱式を挙行[54]。
- 5月13日:新黒部駅(仮称)駅舎建築工事着工および安全祈願を挙行[55]。
- 5月17日:上越駅(仮称)駅舎建築工事の安全祈願および立柱式を挙行[25][56]。
- 6月12日:金沢 - 敦賀間の工事実施計画(フル規格、その1:用地、土木構造物関係分)認可申請[26]。
- 6月29日:金沢 - 敦賀間の工事実施計画(フル規格、その1:用地、土木構造物関係分)認可および建設工事着手[26][22][29][25][23][57]。
- 8月3日:糸魚川駅駅舎建築工事の安全祈願を挙行[58]。
- 8月18日:金沢 - 敦賀間、フル規格で着工[22][25][23]。
- 9月4日:JR東日本・JR西日本が共同開発車両「E7系・W7系」の概要を発表。
- 9月9日:新高岡駅(仮称)駅舎建築工事の安全祈願を挙行[59]。
- 9月20日:福井市大手地内に福井鉄道建設所を開設(同月25日に開所式を開催)[60]。
- 11月17日:富山駅駅舎建築工事の安全祈願を挙行[61]。
- 12月9日:金沢駅駅舎新築工事の安全祈願を予行[62]。
- 2013年(平成25年)
- 6月7日:JR東日本とJR西日本が長野 - 金沢間の駅名を発表。仮称となっていた上越駅は「上越妙高駅」、新黒部駅は「黒部宇奈月温泉駅」、新高岡駅はそのまま「新高岡駅」に決定。
- 6月16日:北陸新幹線における乗務員交代を長野駅で行い、JR東日本の営業区間を含む長野 - 金沢間をJR西日本の乗務員が担当することにJR東日本・JR西日本両社が合意したことが報道される[63]。
- 7月1日:敦賀市昭和町地内に敦賀鉄道建設所を開所(同月10日に開所式を開催)[64]。
- 10月2日:長野 - 金沢間開業後の運行形態が発表[18]。開業後は全線とも「北陸新幹線」の名称で統一し[4]、JR東日本の区間では「長野経由」と表示することが報道される[18]。
- 10月10日:長野 - 金沢間開業後の列車名を発表。東京 - 金沢間の速達タイプが「かがやき」、停車タイプが「はくたか」、金沢 - 富山間のシャトルタイプが「つるぎ」、東京 - 長野間の長野新幹線タイプが「あさま」にそれぞれ決定。
- 10月:白山総合車両基地(仮称)完成。
- 11月9日 - 10日:高崎 - 長野 - 長野新幹線車両センター間の保安装置をアナログATC(ATC-2型)からデジタルATC(DS-ATC)へ切り替える工事を実施。
- 11月16日:第1回「北陸新幹線、中池見湿地付近環境事後調査検討委員会」を開催[65]。
- 12月1日:長野 - 黒部宇奈月温泉間で列車走行試験開始[66]。
- 2014年(平成26年)
- 3月15日:E7系が東京 - 長野間の「あさま」で営業運転開始。また、高崎 - 長野間でデジタルATC(DS-ATC)を使用開始。
- 3月28日:長野 - 黒部宇奈月温泉間での列車走行試験終了[66]。
- 4月1日:白山総合車両基地(仮称)がJR西日本白山総合車両所として開所。
- 4月12日:白山総合車両所へW7系を搬入開始。
- 5月24日:長野 - 金沢間の軌道敷設が完了し、富山駅でレール締結式を開催[67]。
- 5月31日:福井県南条郡南越前町奥野々地内において、新北陸トンネル(奥野々)工事の安全祈願を開催[68]。
- 7月13日:第2回「北陸新幹線、中池見湿地付近環境事後調査検討委員会」を開催[69]。
- 8月1日:長野 - 金沢 - 白山総合車両所間で列車走行試験開始[70][71]。
- 8月27日:JR東日本・JR西日本が長野 - 金沢間の開業時期と運行概要について発表[1][2]。
- 8月29日:整備新幹線に係る政府・与党申し合わせ[72]。
- 9月24日:第1回「整備新幹線に係る政府・与党ワーキンググループ」を開催[73]。
- 10月3日:長野 - 金沢間の開業後の運賃・料金を認可申請[74][75]。
- 10月6日:敦賀駅構内に軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の軌間変換装置(GCE)実験線を新設[76][77]。
- 10月9日:敦賀駅構内の軌間変換装置(GCE)実験線にて、模擬台車による軌間変換試験を開始[76][78]。
- 10月19日:JR東日本信越本線の脇野田駅を西側に約120m移転し、新駅舎供用開始[注 8][79][80]。
- 10月21日:第2回「整備新幹線に係る政府・与党ワーキンググループ」を開催[81]。
- 10月31日:長野 - 金沢 - 白山総合車両所間の列車走行試験を終了[70][71]。
- 11月1日:完成した駅・線路などの管理が鉄道建設・運輸施設整備支援機構からJR西日本へ引き継がれる[82]。
- 11月9日:JR東日本飯山線の飯山駅を、長野側に約300m移転し、新駅舎供用開始[83][84][85]。
- 11月15日:白山総合車両所へのW7系搬入作業を完了[82]。
- 11月19日:同日までに、除雪作業車23両、確認車8両、レール削正車2両の配備を完了[86]。第3回「整備新幹線に係る政府・与党ワーキンググループ」を開催[87]。
- 11月21日:福井県南条郡南越前町大桐地内にて、南越(仮称) - 敦賀間の新北陸トンネル(大桐)工事の安全祈願を挙行[88]。
- 12月7日:第3回「北陸新幹線、中池見湿地付近環境事後調査検討委員会」を開催[89]。
- 12月8日:長野 - 上越妙高 - 金沢 - 白山総合車両所間にて、2015年(平成27年)3月13日(開業前日)にかけて、E7系・W7系を使用した各種試運転(車両走行試験、乗務員訓練、各種設備確認等)を開始。長野 - 上越妙高間は1日あたり最大25往復、上越妙高 - 金沢 - 白山総合車両所間は1日あたり最大14往復[90][91]。
今後の予定
- 2014年(平成26年)
- 2014年(平成26年)度:北陸ルート仕様の軌間可変電車(フリーゲージトレイン)試験車両の設計・製作に着手[76]。
- 2015年(平成27年)3月14日:長野 - 上越妙高 - 金沢間開業[1][2]。JR東日本の管轄区間が全通。脇野田駅は上越妙高駅に改称(予定)。
- 2016年(平成28年)度:北陸新幹線および在来線(湖西線・北陸本線)にて、軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の走行試験を開始[76]。
- 2025年(平成37年)度:金沢 - 敦賀間開業(予定)。
駅と接続路線
開業区間
長野新幹線#駅一覧 も参照
- JRの路線名は、その駅に接続している正式路線名のみを記す。
- 乗車人員は東日本旅客鉄道の駅のもの。在来線併設駅は在来線分を含む。は前年度に比較した増()減()を表す。
会社 | 正式路線名 | 架線周波数 | 駅名 | 高崎からの | 東京からの | 停車駅 | 2013年度 乗車人員 (1日平均) |
接続路線 | 所在地 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
営業 キロ |
実 キロ |
営業 キロ |
実 キロ | |||||||||
東日本旅客鉄道 | 東北新幹線 | 50 Hz |
東京駅 | 105.0 | 108.6 | 0.0 | 0.0 | 全 | 415,908 | 東海旅客鉄道:東海道新幹線 東日本旅客鉄道:東海道本線・東北本線・総武本線・京葉線 東京地下鉄: 丸ノ内線 |
東京都 | 千代田区 |
上野駅 | 101.4 | 105.0 | 3.6 | 3.6 | 181,880 | 東日本旅客鉄道:東北本線 東京地下鉄: 銀座線・ 日比谷線 京成電鉄:本線(京成上野駅) |
台東区 | |||||
大宮駅 | 74.7 | 77.3 | 30.3 | 31.3 | 全 | 245,479 | 東日本旅客鉄道:東北新幹線・東北本線・高崎線・川越線 東武鉄道:野田線 埼玉新都市交通:伊奈線 |
埼玉県 | さいたま市 大宮区 | |||
上越新幹線 | ||||||||||||
熊谷駅 | 40.3 | 40.7 | 64.7 | 67.9 | 31,290 | 東日本旅客鉄道:高崎線 秩父鉄道:秩父本線 |
熊谷市 | |||||
本庄早稲田駅 | 19.0 | 19.6 | 86.0 | 89.0 | 2,152 | 本庄市 | ||||||
高崎駅 | 0.0 | 0.0 | 105.0 | 108.6 | 29,468 | 東日本旅客鉄道:上越新幹線・高崎線・上越線・信越本線 上信電鉄:上信線 |
群馬県 | 高崎市 | ||||
北陸新幹線 | ||||||||||||
安中榛名駅 | 18.5 | 18.5 | 123.5 | 127.1 | 267 | 安中市 | ||||||
軽井沢駅 | 41.8 | 41.8 | 146.8 | 150.4 | 3,063 | しなの鉄道:しなの鉄道線 | 長野県 | 北佐久郡 軽井沢町 | ||||
60 Hz |
佐久平駅 | 59.4 | 59.4 | 164.4 | 168.0 | 2,843 | 東日本旅客鉄道:小海線 | 佐久市 | ||||
上田駅 | 84.2 | 84.2 | 189.2 | 192.8 | 2,826 | しなの鉄道:しなの鉄道線 上田電鉄:別所線 |
上田市 | |||||
長野駅 | 117.4 | 117.4 | 222.4 | 226.0 | 全 | 21,409 | 東日本旅客鉄道:信越本線 長野電鉄:長野線 |
長野市 | ||||
|
未開業区間
- 長野駅 - 金沢駅間は2015年(平成27年)3月14日開業予定。
- 金沢駅 - 敦賀駅間は2025年度開業予定。うち、金沢駅 - 白山総合車両所間は長野駅 - 金沢駅間開業と同時に非営業線として供用開始予定、福井駅部も既に完成している。
- 敦賀駅以西はルート未決定(後述)。
- ※:北陸新幹線の延伸開業後、経営分離が予定されている並行在来線。事業者名・路線名は経営分離前時点のもの。
会社 | 架線周波数 | 駅名 | 高崎からの | 東京からの | 停車駅 | 接続路線 | 所在地 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
営業 キロ |
実 キロ [94][95][96] |
営業 キロ [74][75] |
実 キロ | |||||||
東日本旅客鉄道 | 60 Hz |
長野駅 | 117.4 | 117.4 | 222.4 | 226.0 | 全 | 東日本旅客鉄道:信越本線 長野電鉄:長野線 |
長野県 | 長野市 |
飯山駅 | 147.3 | 147.3 | 252.3 | 255.9 | 東日本旅客鉄道:飯山線 | 飯山市 | ||||
上越妙高駅 | 176.9 | 176.9 | 281.9 | 285.5 | 東日本旅客鉄道:※信越本線(現・脇野田駅) | 新潟県 | 上越市 | |||
西日本旅客鉄道 | ||||||||||
50 Hz |
糸魚川駅 | 213.9 | 213.9 | 318.9 | 322.5 | 西日本旅客鉄道:大糸線・※北陸本線 | 糸魚川市 | |||
60 Hz |
黒部宇奈月温泉駅 | 253.1 | 253.1 | 358.1 | 361.7 | 富山地方鉄道(鉄道線):本線(新黒部駅(建設中)) | 富山県 | 黒部市 | ||
富山駅 | 286.9 | 286.9 | 391.9 | 395.5 | 全 | 西日本旅客鉄道:高山本線・※北陸本線 富山地方鉄道(鉄道線):本線(電鉄富山駅) 富山地方鉄道(軌道線):本線・支線(富山駅前停留場・富山駅停留場(建設中)) 富山ライトレール:富山港線(富山駅北停留場) |
富山市 | |||
新高岡駅 | 305.8 | 305.8 | 410.8 | 414.4 | 西日本旅客鉄道:城端線(新駅設置予定) | 高岡市 | ||||
金沢駅 | 345.5 | 345.4 | 450.5 | 454.0 | 全 | 西日本旅客鉄道:※北陸本線 北陸鉄道:浅野川線(北鉄金沢駅) |
石川県 | 金沢市 | ||
小松駅 | 372.6 | 481.2 | 西日本旅客鉄道:※北陸本線 | 小松市 | ||||||
加賀温泉駅 | 387.2 | 495.8 | 西日本旅客鉄道:※北陸本線 | 加賀市 | ||||||
芦原温泉駅 | 403.4 | 512.0 | 西日本旅客鉄道:※北陸本線 | 福井県 | あわら市 | |||||
福井駅 | 421.4 | 530.0 | 西日本旅客鉄道:※北陸本線 えちぜん鉄道:勝山永平寺線 福井鉄道:福武線(福井駅前駅) |
福井市 | ||||||
南越駅(仮称) | 440.4 | 549.0 | (接続路線なし、予定地は北陸自動車道武生IC付近) | 越前市 | ||||||
敦賀駅 | 470.6 | 579.2 | 西日本旅客鉄道:北陸本線・小浜線 | 敦賀市 |
このほか、白山市内に駅を設置する構想がある。候補地は加賀笠間駅周辺が最も有力で、当初検討されていた白山総合車両所に「白山駅」(仮称)を設置する案の代替案となっている[97]。
駅構内配線図
配線分類 | 2面4線 | 2面2線+通過線 | 2面3線+通過線 | 2面2線 | 2面4線+通過線 |
---|---|---|---|---|---|
構内図 | |||||
該当駅 | 上野駅・軽井沢駅 長野駅・上越妙高駅 富山駅・金沢駅 |
本庄早稲田駅 | 熊谷駅 | 安中榛名駅・佐久平駅 上田駅・飯山駅 糸魚川駅 黒部宇奈月温泉駅 新高岡駅 |
高崎駅 |
配線分類 | 3面6線 | 2面4線(終着駅) |
---|---|---|
構内図 | ||
該当駅 | 大宮駅 | 東京駅 |
今後の見通し
長野 - 金沢間
長野(長野新幹線車両センター) - 金沢間は、金沢駅から福井方面へ約10kmに位置する白山総合車両所までの回送線とあわせて2015年(平成27年)3月14日に一括開業する予定である。白山総合車両所までの回送線は、金沢駅以西の開業時には営業線として供用される。
2012年度時点で高架橋、橋梁、トンネルなどは長野駅から金沢駅まで切れ目なく完成しており、残すところはレールや架線などの運行系統および駅舎や車両基地の工事が主なものとなっている。区間最長である飯山トンネル(全長22,225m)は地質がもろく2003年(平成15年)に発生した土砂流出事故の影響などもあり、予定からは遅れたが2007年(平成19年)に貫通した。
国土交通省の試算では、富山駅 - 金沢駅の開業30年後の収支改善効果は約80億円と、北陸・北海道(新青森 - 新函館北斗間)・九州(長崎)(武雄温泉 - 諫早間)の新規着工3区間の中でトップで、経済効果は開業50年後には北海道に次ぐ約6500億円(富山駅 - 金沢駅間のみ)となっている。
この区間全体の収支改善効果は、JR西日本が営業主体となる上越妙高駅 - 金沢駅間では年間325億円、JR東日本が営業主体となる長野駅 - 上越妙高駅間は同80億円と試算されているが、他社区間である上越妙高駅 - 金沢駅間に乗り入れることによるJR東日本の収益増加(いわゆる「根元受益」)が年間390億円にも達することから、当時の政府・与党(自民・公明)ではこの分についても負担を求めるとしていたが、JR東日本は難色を示していた。
なお、整備新幹線としての北陸新幹線の起点は東京駅であるが、東京駅 - 大宮駅間は東北新幹線、大宮駅 - 高崎駅間は上越新幹線と共用している。
新潟県の費用負担問題
2009年(平成21年)2月12日、新潟県知事泉田裕彦は、国土交通省から資材価格高騰などを理由に220億円の建設費追加負担を求められたことに対して、「突然増額を求められても対応は難しい」として、算出根拠について納得できる説明があるまでは増額分の負担に応じない姿勢を表明した。
同年12月25日、泉田は国土交通大臣の前原誠司と話し合い、「県と国の信頼関係が再構築された」として2009年度分負担金残額計104億円を支払うと表明した[98][99][100]。また新潟県が2009年(平成21年)11月6日国地方係争処理委員会に計画の認可に審査を要求し、委員会は同年12月25日却下[101]。新潟県は却下に対して規定の30日内の2010年(平成22年)1月27日までに東京高裁に提訴せず、国との協議は続行されることとなった[102][103]。
しかし、新潟県は協議が進展しないことを理由に2011年度当初予算案に建設負担金を盛り込まなかった[104]。
2010年9月13日、JRが国側へ支払う貸付料には、並行在来線の赤字解消分が含まれるとして新潟県が行った北陸新幹線貸付料に関する情報開示請求に対して一部開示の決定がなされた。これを受けて同県は、同県区間の並行在来線の赤字解消相当額は、30年で780億円を超えるとの試算を発表した[105]。
なお、新潟県および泉田の対応には、大阪府知事の橋下徹(当時)は北陸新幹線自体には賛成ではあるが、直轄事業負担金の観点からこの対応に強い支持を表明している[106]一方、新幹線未開業の富山・石川両県を人質にとるような手法であることから石川県知事の谷本正憲からは強い不快感が表明された[107]。
しかし2012年2月17日、新潟県知事の泉田は国土交通大臣前田武志と会談し、新幹線開業に伴う在来平行線の第三セクター運営において、国内有数の豪雪地域である信越及び越中・越後国境での鉄道運営に関する赤字相当額として県が試算していた「30年間で780億円」という金額を国が追加支援をする事等を条件に、これまで県として支払いを拒否していた地方負担分を支出することに合意した。これにより、北陸新幹線の建設は予定通り2014年度末までの開業計画に遅れることがなくなる見込みとなった[108]。
金沢 - 敦賀間
2011年(平成23年)12月26日に政府・民主党は、金沢(白山総合車両所) - 敦賀間の建設を認める方針を決定し[13][109]、翌2012年(平成24年)6月29日に、政府・国土交通省は金沢 - 敦賀間113kmの着工認可を発表した。当区間は2025年度中の開業を目指している。
当区間の着工認可については、紆余曲折を経ている。2007年(平成19年)5月に政府・与党プロジェクトチームによる整備新幹線計画の見直しが始まり、北陸3県の正・副知事はヒアリングでこの区間の着工認可を求める発言をしている。同年7月参院選前には内閣総理大臣(当時)の安倍晋三が遊説で北陸新幹線の敦賀までの延伸について議論していくと力説、これに勢い付いた敦賀市とJR西日本は、30億円で予定していた(北陸新幹線通過・停車を想定していない)敦賀駅全面建替え計画を部分改修に規模縮小変更し対応準備。2008年11月13日には沿線各市長らが上京して自民党や諸官庁に改めて一括認可と早期整備を要望した。
2008年(平成20年)12月9日に、自民党の鉄道調査会と整備新幹線建設促進議員連盟により2009年(平成21年)度の認可、着工が決議された。しかし政府は、敦賀以西の「あり方」が決着していないことを理由として、金沢(白山総合車両所) - 敦賀間の認可を先送りしていたが[110][111]、2012年6月29日に認可された[14]。
敦賀市においては米原駅経由で東京まで現在は約3時間であるところ、北陸新幹線経由でも3時間前後になるとの見通しであり、並行在来線問題もあって市民の一部からは「新幹線は要らない」という声も存在する[112]。
民主党政権に交代後、高速増殖原型炉もんじゅ(敦賀市)の運転再開をめぐり、福井県知事の西川一誠と政府の間で交渉が行われ、政府が北陸新幹線延伸を示唆したことで、2010年4月26日知事は再開を了承する方針を伝えた[113]。
なお、福井駅については新幹線規格で路盤のみ整備して、2008年度末に完成した。これは2005年(平成17年)春に北陸本線福井駅周辺の高架化が完了し、まだ地上に残されているえちぜん鉄道を高架化するため暫定的に新幹線ホームに乗り入れる形にしたからである。以前の計画ではえちぜん鉄道が2階、新幹線が3階の二重高架となる予定であった。また、新幹線が福井まで延長された際には、えちぜん鉄道は現北陸本線上りホームの北半分を使用する予定である。県は九頭竜川に架かる県道と一体型の橋の先行整備を進めていて、周辺の区画整備で新幹線用の土地も確保してある。
敦賀市内のルートについて、予定ルート上にラムサール条約登録の湿地である中池見湿地が存在していることが明らかとなった。環境アセスメントの結果によって、民家を避けるようルート設定が行われたためであるとされ、専門家からは、中池見湿地に生息する多数のヘイケボタルへの影響をはじめとして、環境への悪影響が懸念されている[114]。
敦賀以西のルート
敦賀から大阪市(新大阪駅)へのルートについては、1973年(昭和48年)11月13日に決定された整備計画で小浜市付近が主要経由地に加えられたものの、整備5線の中でこの区間のみ公表されていない。政府・与党では整備計画通りのルート(若狭ルート、または小浜ルート)に加え、米原駅で東海道新幹線に接続する米原ルート、湖西線沿いを通り京都駅付近で東海道新幹線に接続する湖西ルート[注 9]を含めた3ルートが検討されている。
そのため、2014年現在、国土交通省は金沢 - 敦賀間開業時点で、新幹線と在来線を直通運転できるフリーゲージトレインの導入を取り入れる方針を固めており、これにより在来線で大阪駅、および北陸本線・東海道本線経由で米原・名古屋方面への直通も可能になる[116]。しかし、フリーゲージトレインは開発途上で技術的な課題があるとともに在来線の特急列車と同じ速度でしか運転できないといった懸念も残されているほか[117]、フリーゲージトレインは通常の新幹線より重くなることにより線路の保守費用が膨らみ、車両の製造費が高くなるが[118]、JR西日本もフリーゲージトレインの導入に前向きであり、同社は、2014年9月、敦賀市において模擬台車による軌間変換試験を同年10月から開始すること、また、北陸ルートに対応したフリーゲージトレイン試験車(6両編成)の設計・製作にも取りかかり、2016年度から試験車両による試験を始めることがそれぞれ表明されている[76]。なお、フリーゲージトレインの導入は、新幹線と在来線の乗り換えを解消する暫定措置としている[119]。
なお、2005年(平成17年)12月に鉄道建設・運輸施設整備支援機構が国土交通省に認可申請した南越 - 敦賀間の工事実施計画では、敦賀駅の新幹線ホームは、在来線ホームから南東に80mずれた地点に設置され、若狭ルートを前提とした配線となっているが、ほかの2ルートに決定した場合でも大きな手戻り工事が発生しないよう配慮されている。
ルート決定が難航する要因
ルートが整備計画通り小浜経由に決定できない要因としては、建設費が約1兆円と非常に高額なこともあるが、森喜朗が「角さん(田中角栄)が鉛筆をなめて地図に描いたルート」と評するように、必ずしも旅客流動に合ったルートとはいえないことが挙げられる。
そもそも、整備計画決定前には、琵琶湖東岸を通り米原駅で東海道新幹線に接続するルートが有力視されており、『鉄道ジャーナル』1988年12月号「『整備新幹線』の経緯を顧みる」(種村直樹)中に掲載された、全幹法制定前の国(新全国総合開発計画構想)・国鉄・自民党国鉄基本問題調査会・鉄道公団による新幹線建設計画の構想図はすべて琵琶湖東岸を通るルートで描かれている。整備計画で小浜経由が明記されたのち、琵琶湖東岸を通るルートは北陸・中京新幹線として同年11月15日に基本計画が公示された。
2000年の第3回全国旅客総流動調査を基にした北陸線(米原口)・湖西線特急利用者の利用動向をみると、京都駅で乗降(在来線乗り換えを含む)する利用者が全体の約2割に上るが、若狭ルートでは京都府内の駅は京都駅から約20km離れた亀岡市内に建設される予定であり、後述する関西広域連合による検討では、1日あたりの利用客数が京都駅を通る湖西ルートと比べて約5000人、米原ルートと比べると約7000人(乗り換えなしの場合)少ないという試算結果が出されている。
輸送人員(百人/日) | 比率 (%) | |
---|---|---|
山陽新幹線から新大阪・京都で乗換 | 26.1 | 9.9 |
大阪から直通列車利用 | 97.7 | 37.2 |
京都から直通列車利用 | 51.4 | 19.6 |
新幹線(西側)から米原乗換 | 0.8 | 0.3 |
米原周辺地域から直通列車 | 6.9 | 2.6 |
新幹線(東側)から米原乗換 | 38.5 | 14.7 |
名古屋から直通列車利用 | 41.0 | 15.6 |
そのため、若狭ルートでは主たる受益者と想定される福井県民ですら意見が分かれており、2009年8月に福井新聞社が福井県民に実施した世論調査[121]によると、嶺南では若狭ルート、嶺北では米原ルート支持が多かったものの、3ルートとも2割強で大差ないという結果であった。
ルート | 比率 (%) | 1位となった地域 |
---|---|---|
若狭ルート | 22.5 | 嶺南西部(小浜市など)、越前市、南越前町 |
湖西線利用 | 21.9 | 嶺南東部(敦賀市など)、あわら市、坂井市 |
米原乗り入れ | 20.8 | 福井市、奥越(大野市、勝山市)、鯖江市、旧今立郡 |
敦賀または福井止まり | 13.9 | |
その他 | 15.1 |
各ルートの特徴
関西広域連合は2013年3月8日に「北陸新幹線ルート提案に向けた検討結果」[122]を発表した。前年に京都府広域交通インフラ検討委員会もルート案別比較を作成したが、第5回委員会では関西広域連合の資料を用いた[123]。資料によると、各ルートの特徴は以下の通りである。
若狭ルート
- ルート:敦賀駅 - 小浜市 - 亀岡市 - 新大阪駅
- 建設費:約9500億円(車庫線・回送線整備費は不要)
- 建設延長:123km
- 所要時間 敦賀駅 - 新大阪駅:33分(42分短縮、「サンダーバード」比(以下同じ))
- 需要:約26000人/日
- 総便益:約1兆400億円
- 開業による波及効果(若狭ルートで開業した場合の関西広域連合地域に対する波及を100とした場合):全国 135、広域連合地域 100、関西(広域連合地域+福井県・奈良県) 106、中京 6
- メリット
- 東海道新幹線に乗り入れないため相互調整が不要。
- 東京 - 大阪間で二重系統が完全に構築できる。
- 日本海国土軸の構築に寄与する(敦賀 - 小浜間)。
- デメリット
- 建設費が最も高額であるにもかかわらず、需要は3ルート中最小であり、費用対効果や開業による波及効果も最も小さい。
- 都心部(新大阪駅付近)での大規模な建設工事が必要。
湖西ルート
- ルート:敦賀駅 - 高島市 - 大津市 - 京都駅
- 建設費:約7700億円(うち約1500億円の車庫線・回送線整備費は、東海道新幹線過密ダイヤ対策として必要となるもので、中央新幹線開業が先行時は不要)
- 建設延長:81km
- 所要時間 敦賀駅 - 新大阪駅:35分(40分短縮)
- 需要:約31000人/日
- 総便益:約1兆1200億円
- 開業による波及効果:全国 150、広域連合地域 108、関西 118、中京 6
- メリット
- 開業による波及効果は関西広域連合府県、および関西全体では全ルート中最大。
- デメリット
- 東海道新幹線乗り入れの可能性が不透明である(上記試算は乗り入れた場合のみ算出)。東海道新幹線のダイヤが過密であるため、中央新幹線開業まで乗り入れ本数が極めて制限される。
- 東京 - 大阪間の二重系統は完全に構築できない。
- 琵琶湖沿岸明かり区間での強風による運休
米原ルート
- ルート:敦賀駅 - 長浜市 - 米原駅
- 建設費:約5100億円(車庫に係る費用約1500億円を含む)、約3600億円(含まない)
- 建設延長:44km
- 所要時間 敦賀駅 - 新大阪駅:米原駅乗り換えなし 45分(30分短縮)、あり 50分(25分短縮)
- 需要:米原乗り換えなし 約33000人/日、あり 約28000人/日
- 総便益:米原乗り換えなし 約1兆1800億円、あり 約1兆1200億円
- 開業による波及効果(カッコ内は乗り換えあり):全国177(175)、広域連合地域 102(101)、関西 114(113)、中京 30(30)
- メリット
- 建設費がもっとも低廉で、需要は乗り換えなしでは3ルート中最大で、乗り換えありでも若狭ルートより大きく、費用対効果は乗り換えの有無にかかわらず3ルート中最大である。
- 建設費には乗り換えを想定して車庫に係る費用を含めているが、既に白山総合車両所があることからコスト削減の余地がある[注 9]。
- 開業による全国(特に中京圏)への波及効果は3ルート中最大。
- デメリット
近年の動き
沿線の福井県では、従来、小浜駅を通る若狭ルートが望ましいが、建設費が巨額なため、まず認可申請済みの南越までの着工認可を優先し、敦賀以西のルート決定はそれ以降の問題としていた。しかし、大阪までのルートが確定していないことが福井県内への延長の障害となっているとの指摘も出てきたことから、2005年(平成17年)になって、ようやくルート決定に向けて関係する滋賀・京都・大阪の各府県と協議を開始することになった。
2002年(平成14年)以降、森喜朗や自民党整備新幹線等鉄道基本問題調査会顧問の野沢太三(国鉄OB。2004年に国会議員は引退)、町村信孝など、政治家レベルで米原ルートが望ましいとする発言が相次いでいる。
北國新聞が森喜朗に行ったインタビュー[126]の中で、森は、北陸新幹線を米原で東海道新幹線に接続させ、場合によっては東海道新幹線とは別の線路を敷いたうえで大阪駅もしくは新大阪駅を経由し、関西国際空港へ直結させるという考えを語っている。米原ルートによる建設費の圧縮に加え、京都や滋賀からの関西国際空港へのアクセスが飛躍的に向上することが期待できるとしている。
沿線自治体でも、2006年(平成18年)には長浜市長選挙で米原ルート推進を公約に掲げた川島信也が当選、2007年(平成19年)には、敦賀市長が米原ルート支持を明確にした。2008年(平成20年)には、福滋県境交流促進協議会に属する9つの滋賀県の自治体が同総会の席上米原ルート支持を鮮明にし、若狭ルート沿線の小浜市長もこれに同調した[127]。2010年1月には滋賀県選出の民主党国会議員の奥村展三、徳永久志が北陸新幹線の滋賀県内への延伸受け入れを求める、あるいは検討課題とするよう滋賀県知事の嘉田由紀子に求めている[128]。
2010年11月、嘉田は滋賀県にメリットがないのに地元負担はできないとして、現状の地元負担(建設費の1/3。実際には交付税措置(整備新幹線#新スキームの項目参照)があるため、滋賀県の実質的負担額は2割弱)のままでは県内の延長に否定的な見解を示す一方、当時、大阪府知事であった橋下徹は、建設費が安く名古屋方面への利便性をも考慮すると米原ルートが現実的であるとし、受益者となる大阪として費用を負担する用意があると発言している[129]。
運営主体となるJR西日本は、1999年(平成11年)には南谷昌二郎社長(当時)、2004年(平成16年)には垣内剛社長(当時)が、米原ルートを支持する発言を行っている[130][131]が、2005年には、久間章生政府与党プロジェクトチーム座長(当時)が、「米原につなぐとJR東海の収益になってしまい、JR西日本が難色を示すなど課題は多いようだ」と発言している[132]。
2012年2月、国土交通省は、2025年に予定される敦賀延伸開業後の敦賀 - 大阪間について、財源面の問題から新幹線建設の目途が立たないことから、フリーゲージトレインによる在来線(湖西線・東海道本線)乗り入れによることを提案し[133]、2013年6月からフリーゲージトレインのプロジェクトチームを拡大して開発を本格化することになった[134]。2025年の敦賀延伸後、北陸新幹線が大阪まで延伸する暫定的措置として、大阪 - 敦賀間は在来線、敦賀 - 富山間は新幹線の線路を使って直通する「サンダーバード」を運行する予定となっている。その一方で、福井県の市民団体がフリーゲージトレインの導入を見送るように県に申し出ている[135]。
一方、2012年11月5日には京都、福井、兵庫3府県の日本海側5市長でつくる「若狭・丹後・但馬 中日本海交流会議」は若狭を通る「小浜ルート」を整備するよう求める共同アピールを採択した[136]。
2013年3月、関西広域連合は北陸新幹線敦賀以西のルートを費用対効果で、湖西ルートと小浜ルートに比べ米原ルート(延長44キロメートル)が建設費5100億円で最も安く工期も最短とする試算を出した。同年3月28日、関西広域連合は北陸新幹線敦賀以西ルートを米原ルートを政府に提案する方針を決め、4月末をめどに政府に提案、早期整備を働きかける[137]。
並行在来線の経営分離
2012年(平成24年)時点で新幹線が事業化された区間の並行在来線については、以下のような措置(予定事項を含む)がそれぞれ執られている。なお、着工認可されていない敦賀駅以西については、並行在来線の区間は確定しておらず決定事項も無い。
高崎駅 - 長野駅間
高崎駅 - 横川駅間と篠ノ井駅 - 長野駅間は新幹線開業後も信越本線としてJR東日本が運行している。横川駅 - 軽井沢駅間は鉄道路線としては廃止され、JRバス関東によるバス路線碓氷線として運行されている。軽井沢駅 - 篠ノ井駅間は第三セクター鉄道会社として設立されたしなの鉄道がしなの鉄道線として運行している。
長野駅 - 金沢駅間
長野駅 - 金沢駅間に関しては並行する在来線(信越本線の長野駅 - 直江津駅間、北陸本線の直江津駅 - 金沢駅間)をJRより経営分離することが決定している。運営については、県域ごとに既存または新設する第三セクター鉄道会社によって運営する予定である。
長野県内
信越本線の長野駅 - 直江津駅間に関しては、2007年(平成19年)1月4日に長野県知事(当時)の村井仁が、(軽井沢駅 - 篠ノ井駅間と同じく)しなの鉄道が一貫して経営を担わなくてはいけなくなるだろう、との認識を示している[138]。この場合、長野駅 - 篠ノ井駅間がJR東日本に残り、中抜き状態となる。これに関して、長野県は2009年(平成21年)6月4日に収支予測を試算した結果によれば、「しなの鉄道の負担するコストは、一体運営に切り替えるよりも現状の中抜き状態のままのほうが低廉である。」とのと見解を示した。これは、同区間の営業収入は多いものの、運営経費も多くかかるということや同区間へのJR東海による名古屋方面からの特急「しなの」などの広域乗り入れに対する、しなの鉄道の運行管理能力を問題視したためである。
2011年(平成23年)2月17日、長野県の長野以北並行在来線基本スキーム検討委員会は、長野駅 - 妙高高原駅(長野・新潟県境から0.4km新潟県寄り)間をしなの鉄道が現行区間と一体で運営することで新潟県と協議する方針を示した[139]。2012年(平成24年)4月17日には、しなの鉄道が臨時株主総会で長野駅 - 妙高高原駅間の運営を引き受けることを決議した[140]。
一方、飯山線の豊野駅 - 飯山駅間も北陸新幹線と並行するが、この区間は並行在来線とされなかったためJR東日本による経営が継続される。信越本線長野駅以南と飯山線を乗り継ぐ客は、逆に長野駅 - 豊野駅間がしなの鉄道による中抜き状態となる。しなの鉄道・篠ノ井駅以南と飯山線の相互間を乗車する場合は、実にJR東日本としなの鉄道の2社をそれぞれ2区間ずつ経由する、細切れ状態になる。
新潟県内
2001年(平成13年)12月25日、新潟県および沿線市町村(市町村合併後は上越市・糸魚川市・妙高市)により新潟県並行在来線対策協議会を設立、2008年(平成20年)8月27日には同会を解散し、新たに新潟県並行在来線開業準備協議会を設立した。
2010年(平成22年)11月25日に発表された「並行在来線経営計画(案)」[141]では、新潟県内の信越本線・北陸本線の両方を1社で、上下分離はせず一体で運営することで検討を進めることが盛り込まれた。車両は輸送量の小さい北陸本線(2007年の輸送密度は信越本線3250人/日に対して、北陸本線は1470人/日)について気動車の導入も検討するとしている。
これに先立ち、2010年(平成22年)11月22日には運営を担当する新潟県並行在来線株式会社を設立したのち、2012年(平成24年)7月1日に社名を「えちごトキめき鉄道株式会社」に改称した[142]。
富山県内
2005年(平成17年)7月11日、富山県並行在来線対策協議会を設立した。
2011年(平成23年)2月23日に開かれた同会の平成22年度第2回幹事会で示された「並行在来線の経営の基本方針(素案)」[143]では、普通列車の利用客の83%が県内利用であること、輸送量などが各県で大幅に異なり(2014年の輸送密度予測で石川県内13100人/日、富山県内7112人/日、新潟県内1420人/日)、一体的に運営することは難しいことが説明された。
2012年(平成24年)7月24日、富山県が中心となって富山県並行在来線準備株式会社を設立した。富山県と沿線自治体のほか、非沿線自治体や民間企業も出資している[144]。2013年(平成25年)5月29日の取締役会[145]、および6月28日の株主総会[146]を経て、7月1日から「あいの風とやま鉄道株式会社」と変更した。
北陸線で使用されている車両は老朽化が激しいことから、2両編成の新型車両を導入し、他県への乗り入れについては、石川県側は金沢駅、新潟県側は糸魚川駅までを基本とする予定である[147]。
石川県内
2005年(平成17年)6月30日、石川県並行在来線対策協議会を設立した。
2011年(平成23年)2月23日、石川県知事の谷本正憲は記者会見で、石川県内区間単独で運営企業を設立する方針を表明した[148]。
2012年(平成24年)8月28日、石川県が中心となって石川県並行在来線株式会社を設立した。石川県と沿線の金沢市・津幡町、民間企業、および財団法人が出資している[149]。
2013年(平成25年)6月27日、暫定であった社名を「IRいしかわ鉄道株式会社」へ改称する決定をした。
2013年(平成25年)11月26日、IRいしかわ鉄道利用促進協議会を設立した。
支線区
長野駅 - 金沢駅間には、大糸線(南小谷駅 - 糸魚川駅間)・高山本線(猪谷駅 - 富山駅間)・城端線・氷見線・七尾線などの枝線が存在する。2010年(平成22年)12月1日にはJR西日本社長の佐々木隆之が大糸線・城端線・氷見線の3線について、今後バス転換や列車本数の削減など地元自治体と話し合うと記者会見で発言していたが[150]、2011年(平成23年)7月1日、JR西日本金沢支社次長が富山県議会新幹線・総合交通対策特別委員会で枝線の分離は行わないと発言している。ただ、利用客が減少していることから対処方針について地元自治体と話し合いたいとしている[151]。
広域輸送
日本海縦貫線の一路線である北陸本線には寝台列車を含む多数の特急列車や貨物列車が運行されているが、2011年(平成23年)時点ではJR西日本は北陸新幹線の開業後、原則として金沢駅 - 直江津駅間では寝台特急を除く特急列車は運行しない方針としていた[152]。このため、大阪駅 - 富山駅・魚津駅間の特急「サンダーバード」と、名古屋駅 - 富山駅間の特急「しらさぎ」については金沢駅以東を廃止し、福井駅・金沢駅 - 越後湯沢駅間の特急「はくたか」と、金沢駅 - 新潟駅間の特急「北越」については福井駅・金沢駅 - 直江津駅間を廃止とする意向としていたが[152]、2015年(平成27年)3月14日に「はくたか」・「北越」ともに全区間で廃止されることが決定[1][2]、七尾線に乗り入れる特急については存続が決定した[153]。
なお、同区間を走る定期夜行列車は2015年(平成27年)3月14日の北陸新幹線金沢開業を待たずして、寝台特急「北陸」と急行「能登」が2010年(平成22年)3月に、寝台特急「日本海」と急行「きたぐに」が2012年(平成24年)3月に定期運行を終了しており、通常期は週に上り下り各4本の臨時寝台特急「トワイライトエクスプレス」が運行されるのみである。その「トワイライトエクスプレス」も廃止が取りざたされていたが[154]、2014年5月28日にJR西日本が2015年春を最後に運行を終了すると発表した[155][156]。
2014年8月27日、JR東日本とJR西日本は北陸新幹線金沢開業時の特急・快速列車の去就について発表した[1][2]。
- 特急「はくたか」(越後湯沢 - 金沢・福井・和倉温泉間):廃止
- 特急「北越」(新潟 - 金沢間):廃止
- 特急「サンダーバード」(金沢 - 富山・魚津・和倉温泉間):金沢 - 和倉温泉間1往復を除き廃止(大阪 - 金沢間はこれまで通り運行)
- 特急「しらさぎ」(金沢 - 富山・和倉温泉間):廃止(名古屋・米原 - 金沢間はこれまで通り運行)
- 特急「おはようエクスプレス」(金沢 - 富山・泊間):廃止
- 快速「くびき野」(新潟 - 新井間):廃止
- 快速「妙高」(直江津 - 長野間):廃止
なお、代替として以下の列車が設定される予定である[1][2][157]。
- 特急「しらゆき」:新潟 - 上越妙高間(5往復、一部新潟 - 新井間)
- 特急「能登かがり火」:金沢 - 和倉温泉間(5往復)
- 特急「ダイナスター」:福井 - 金沢間(3往復)
- 快速:新潟 - 新井間(2往復)
- 快速:新潟 - 糸魚川間(1往復)
新幹線開業後は、新幹線が直江津駅を通らないことから、直江津駅を介して日本海縦貫線の富山方面と長岡方面の間、および同駅を介して長野方面と長岡方面の間は、従来は鉄道での広域輸送のメインルートであったものが、新幹線開業後はJR線としては新幹線を含めてもつながらないこととなる。このような例は新幹線開業では初となる。従来の事例では、新幹線まで含めればJRとしては従来通り広域輸送のルートはつながりを保つ事例ばかりであった。
金沢駅 - 敦賀駅間
北陸新幹線白山総合車両所- 敦賀駅間の着工認可に向けて、認可条件の一つである並行在来線の経営分離に同意する地元手続きが沿線自治体によって進められた[158]。2012年(平成24年)に着工が認可されたことを受け、引き続き並行在来線や、枝線となる越美北線の扱いを協議していくことになる。
同区間のうち石川県内については金沢駅以東と同様、IRいしかわ鉄道が運営していく検討がなされている。
2013年(平成25年)3月29日、福井県並行在来線対策協議会を設立した。
車両・列車
車両
東京駅 - 長野駅間で使用されている車両参照
北陸新幹線に投入される車両については、2011年12月13日の毎日新聞がJR東日本が北陸新幹線の金沢駅延伸に合わせてE2系ベースの新型車両「E7系」を導入する方針であると報じ[159]、翌14日には北陸地方のいくつかのメディアが一斉に本件について報道した。翌2012年1月には、JR西日本区間を所管する予定である同社金沢支社の支社長が定例会見の席でJR東日本との共同開発の方針に言及[160]、雪害対策を立てる必要もあるため、開業1年前(2013年)の冬シーズンの実車試験を予定しているとの趣旨を述べた。
2012年9月4日、JR東日本とJR西日本の共同リリースの形で新型車両の概要が発表された[161][162]。JR東日本とJR西日本で共同開発される新幹線車両で、前者の所有分については1994年に登場したE1系以降の同社の新幹線車両の系列名付与方法に準じ「E7系」の系列名が与えられ、後者の分についてもこれに準じる形で新たに「W7系」の系列名が与えられる[163]。
このE7系・W7系は長野新幹線に充当されてきたE2系をベースにした車両で[164]、E2系の8両編成(6M2T)に対して12両編成(10M2T)を基本とする。最高速度はE2系と同じ260km/h[161][162]。E5系に引き続いてグリーン車より上級の高級座席「グランクラス」が導入され[164]、東京方より普通車10両+グリーン車1両+グランクラス1両により編成される[161][162]。編成定員はグランクラス18名・グリーン車63名・普通車853名の合計934名[161][162]となる。車両デザインは奥山清行の監修となる[165]。
車両製造は川崎重工業・日立製作所・総合車両製作所(E7系のみ)・近畿車輛(W7系のみ)が担当する[166]。2013年10月、E7系の第一編成が川崎重工業兵庫工場で船積みされ[167]、仙台港を経由して宮城県利府町のJR東日本新幹線総合車両センターに運び込まれ、2013年11月28日、新幹線総合車両センターにてE7系が報道公開された[168]。また、W7系も第一編成が2014年4月7日に川崎重工業兵庫工場で公開され[169]、金沢港を経由して石川県白山市のJR西日本白山総合車両所に運び込まれた。
2013年12月20日、E7系は北陸新幹線延伸開業に先立つ2014年3月15日より東京駅 - 長野駅間に3編成が営業用に投入されることが発表された[20]。最終的にE7系が17編成(金沢延伸前まで、上越新幹線老朽車取替分は未定)、W7系が10編成の計27編成が新製される予定である[170]。2014年11月15日、W7系の白山総合車両所への搬入が完了し、10編成(120両)すべてが出揃った[82]。
2013年12月より一部区間で行われている試運転にはE926形(East i)やE2系J編成が使われているが、開業後もこれらの形式が用いられるかについては現時点で未定となっている。また、2014年(平成26年)12月8日より2015年(平成27)年3月13日までE7系およびW7系での試運転が予定されている[90][91]。
列車
2013年10月2日、長野駅 - 金沢駅間開業時の運行形態についての発表があった。具体的には東京駅 - 金沢駅間を主要駅のみ停車する「速達タイプ」、東京駅 - 金沢駅間各駅停車の「停車タイプ」、富山駅 - 金沢駅間の「シャトルタイプ」、東京駅 - 長野駅間の「長野新幹線タイプ」の4種類が運行される予定である[18]。
2013年10月10日、JR東日本とJR西日本の両社は一般公募の結果を参考にして北陸新幹線の列車名を決定・発表した[171][172][173]。列車名の公募については、2013年5月28日にJR東日本とJR西日本が発表した[174][175][176]。募集は2013年5月31日から6月30日まで特設サイト[177]や郵便はがきで行われ、144,931件の11,672種類から選定された。
このうち「あさま」については現行列車名のまま変更せず、「はくたか」は国鉄時代に東京と北陸地方を上越線・信越本線経由で結び、後に北越急行ほくほく線経由の上越新幹線連絡特急に用いられた愛称として、「つるぎ」はかつて北陸地方と関西地方を結んだ夜行特急に用いられた愛称として、それぞれ親しまれているとして選定された[172][173]。「かがやき」については「輝く光がスピード感と明るく伸びていく未来をイメージさせるため」との選定理由で選ばれている[172][173]が、列車愛称としての「かがやき」は、かつて金沢 - 長岡間の上越新幹線連絡特急として用いられていた経緯がある[178]。
2014年8月27日、JR東日本とJR西日本は北陸新幹線金沢開業時の運行計画を発表した[1][2]。
- かがやき
- 東京 - 金沢間直通列車(速達タイプ):10往復
- はくたか
- 東京 - 金沢間直通列車(停車タイプ):14往復
- 長野 - 金沢間運転列車(停車タイプ):1往復
- つるぎ
- 富山 - 金沢間運転列車(シャトルタイプ):18往復 ※大阪 - 金沢間特急との接続が行われる。
- あさま
- 東京 - 長野間運転列車(現長野新幹線タイプ):16往復
種別 | 東京駅 | 上野駅 | 大宮駅 | 熊谷駅 | 本庄早稲田駅 | 高崎駅 | 安中榛名駅 | 軽井沢駅 | 佐久平駅 | 上田駅 | 長野駅 | 飯山駅 | 上越妙高駅 | 糸魚川駅 | 黒部宇奈月温泉駅 | 富山駅 | 新高岡駅 | 金沢駅 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
かがやき | ● | △ | ● | - | - | - | - | - | - | - | ● | - | - | - | - | ● | - | ● |
はくたか | ● | ● | ● | - | - | △ | △ | △ | △ | △ | ● | △ | ● | ● | ● | ● | ● | ● |
はくたか | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ● | ||||||||||
つるぎ | ● | ● | ● | |||||||||||||||
あさま | ● | ● | ● | △ | △ | ● | △ | ● | ● | ● | ● |
- ● : 停車、△ : 一部通過、- : 通過
運賃と特急料金
運賃は営業キロに基づいて算出する。東京駅 - 高崎駅間の営業キロは、並行する東北本線(東京駅 - 大宮駅間)・高崎線(大宮駅 - 高崎駅間)と同一となっている。高崎駅以西については並行するJRの路線が存在しないため、実キロ(新幹線での実際の距離)が用いられている。
特急料金は、「三角表」と称するものにより各駅間個別に定められる予定であり、2014年10月3日に国土交通省に認可申請されている[74][75]。一方、この各駅間の特急料金は当該区間の営業キロに基づいて算出されたものである。料金体系は基本的に従来の長野新幹線に準じている(東北新幹線・上越新幹線と同等)ものの、会社間をまたぐ(上越妙高駅を挟む)場合には割高な料金が設定されている。JR西日本が中日新聞の取材に答えたところによると、二社での共同運行になるため運賃システムの改修が必要になり、九州新幹線など既存の新幹線と比べ早い時期の認可申請になったという[179]。営業キロに対応する特急料金、およびその他の特定の区間の特急料金は以下のとおり。
営業キロ・区間 | 特急料金(円) | ||||
---|---|---|---|---|---|
自由席 | 通常期 指定席 |
閑散期 指定席 |
繁忙期 指定席 | ||
100キロ以下 | 隣接駅間[注 10] | 860 | 2,360 | 2,160 | 2,560 |
上記以外 | 1,840 | ||||
101 - 200キロ | 上野駅 - 高崎駅・安中榛名駅 | 2,260 | 2,780 | 2,580 | 2,980 |
上記以外 | 2,590 | 3,110 | 2,910 | 3,310 | |
201 - 300キロ | 3,470 | 3,990 | 3,790 | 4,190 |
営業キロ・区間 | 特急料金(円) | ||||
---|---|---|---|---|---|
自由席 | 通常期 指定席 |
閑散期 指定席 |
繁忙期 指定席 | ||
100キロ以下 | 2,490 | 3,010 | 2,810 | 3,210 | |
101 - 200キロ | 飯山駅・糸魚川駅発着 | 3,240 | 3,760 | 3,560 | 3,960 |
上記以外 | 3,560 | 4,080 | 3,880 | 4,280 | |
201 - 300キロ | 糸魚川駅発着 | 4,120 | 4,640 | 4,440 | 4,840 |
黒部宇奈月温泉駅発着 長野駅 - 金沢駅 |
4,440 | 4,960 | 4,760 | 5,160 | |
上記以外 | 4,770 | 5,290 | 5,090 | 5,490 | |
301 - 400キロ | 糸魚川駅発着 | 4,870 | 5,390 | 5,190 | 5,590 |
黒部宇奈月温泉駅発着 | 5,190 | 5,710 | 5,510 | 5,910 | |
上記以外 | 5,520 | 6,040 | 5,840 | 6,240 | |
401 - 500キロ | 6,050 | 6,570 | 6,370 | 6,770 |
- 東京駅と大宮駅以北の各駅との間の特急料金は、東京駅発着の営業キロは使用せず、上野駅発着の営業キロで算出した特急料金に210円を加算した額となっている。
発車メロディ
北陸新幹線では、長野駅 - 金沢駅間に発車メロディが導入される予定である。長野駅は2015年1月から先行して使用を開始し[180]、残りの駅については金沢延伸開業時より使用を開始する予定である[180][181]。
駅名 | 曲名 |
---|---|
長野駅 | 信濃の国[180] |
飯山駅 | ふるさと[180] |
上越妙高駅 | (未定)[注 9] |
糸魚川駅 | 春よ来い[181] |
黒部宇奈月温泉駅 | 煌〜水の都から〜(作曲:高原兄)[181] |
富山駅 | オリジナル曲(作曲:須藤晃)[181] |
新高岡駅 | オリジナル曲(作曲:太田豊)[181] |
金沢駅 | オリジナル曲(作曲:中田ヤスタカ)[181] |
脚注
注釈
- ↑ 長野駅 - 長野新幹線車両センター間は1997年の開業時に回送線としてすでに供用を開始しているため、実際の工事区間は長野新幹線車両センターの分岐点からとなっている。富山駅 - 西石動信号所間、金沢駅 - 白山総合車両所間は2005年度新規着工。
- ↑ 同様に並行在来線を分離した東北新幹線盛岡駅・新青森駅間の場合は、盛岡以南と同じ「東北本線の無名枝線」という扱いになっており、独立した線路名称を持たない。
- ↑ 周波数は軽井沢駅 - 佐久平駅間、上越妙高駅 - 糸魚川駅間、糸魚川駅 - 黒部宇奈月温泉駅間で切り換える。なお、新潟県内の50Hz送電を担う新上越変電所の異常時には、糸魚川駅前後の区間を60Hzの延長饋電に切り替えて対応する計画である。
- ↑ 新幹線トンネル計画地の南側の黒部峡谷で行われた仙人谷ダム(黒部川第三発電所)の建設を題材とした吉村昭の『高熱隧道』では、建設中の岩盤温度が165度に到達し、工事用ダイナマイトの自然発火・暴発事故が起こったとされている。
- ↑ 当時着工していた長大トンネルは、全長53.8kmの海底トンネルである青函トンネルを別にすると、全長22.2km(最大土被り1300m)の大清水トンネルが山岳トンネルでは最長だった。
- ↑ ただし、北アルプストンネルは最急勾配12パーミルの当時の新幹線規格で計画されたため、長野駅北方の長野盆地から富山駅東方の富山平野までの超長大トンネルが必要となったが、実際の北陸新幹線(長野新幹線)では碓氷峠で30パーミルの特例が認められた。もし長野 - 富山間でこれが採用されていれば、途中の白馬盆地(国道148号とJR大糸線)と黒部峡谷(黒部峡谷鉄道)で地上に現れる事が可能なため、各トンネルの延長距離や土被りは大きく減少していた。
- ↑ 同法人は1991年に解散され、同法人の業務は現在では独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が継承している。
- ↑ 現在の脇野田駅と移転前の旧駅との間には若干距離があるため、脇野田駅周辺の信越本線のルートを変更した。
- ↑ 9.0 9.1 9.2 9.3 従来、「湖西ルート」はフリーゲージトレイン等の直通による湖西線利用のことを指していたが、2009年7月に、同年9月より若狭・米原・湖西の3ルートについて航空写真による測量を開始する予定と報じられて以降[115]、他の2ルート同様、フル規格による整備と解釈されている。
- ↑ 特定特急券区間
出典
参考文献
- 川島令三編著『中部ライン - 全線・全駅・全配線』6 加賀温泉駅 - 富山エリア、講談社、2010年。ISBN 978-4-06-270066-5。
- 川島令三編著『中部ライン - 全線・全駅・全配線』7 富山・糸魚川・黒部エリア、講談社、2010年。ISBN 978-4-06-270067-2。
- 川島令三編著『中部ライン - 全線・全駅・全配線』10 上越・秩父エリア、講談社、2011年。ISBN 978-4-06-270070-2。
関連項目
- 日本の鉄道路線一覧
- 整備新幹線
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- 建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画
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- 2014年問題 - 北陸新幹線の長野駅 - 金沢駅間の延伸開業後に予想される、上越新幹線の枝線化の問題について。
- 上信越自動車道
- 北陸自動車道
外部リンク
- 北陸新幹線スペシャルサイト - 西日本旅客鉄道
- 北陸新幹線建設促進同盟会
- 新幹線「あさま」特集 - 信濃毎日新聞
- しなの鉄道株式会社
- えちごトキめき鉄道株式会社
- あいの風とやま鉄道株式会社
- IRいしかわ鉄道株式会社