109 (商業施設)
109(イチマルキュー)は、東京急行電鉄の完全子会社である東急モールズデベロップメント(TMD)が展開するファッションビルの名称。TOKYUポイント加盟店。
名称の由来
由来は「東急(とうきゅう)」の読みを数字の「10-9」 → 「いち・まる・きゅう」にあてた語呂合わせから。また、「営業時間が午前10時から午後9時まで」という意味も盛り込まれている。
概要と沿革
SHIBUYA109(渋谷)
テンプレート:商業施設 渋谷区宇田川町周辺で展開するセゾングループの渋谷公園通りの開発に対抗して、東急グループが東急百貨店本店に続く東急本店通り(現・文化村通り)に顧客を吸引するために、TMDの前身である旧「東急商業開発」が1979年(昭和54年)4月に東京都渋谷区道玄坂二丁目の道玄坂下交差点に面した鋭角の角地にオープンさせた「ファッションコミュニティ109」(現・SHIBUYA109)が初の店舗であり、今なお売上の多くを占める旗艦店である。
開業当初は20代後半から30代の女性向けテナントを集積させていたが、その後方針を転換。現在では店内のほとんどが10代後半から20代前半の女性向けのテナントで占められている。その購買層からは「マルキュー」の略称で呼ばれている。 鋭角の立地を活かした円柱形のエレベーター・タワー(シリンダーと呼ぶ)が特徴の設計は、ポストモダン建築で有名な竹山実による。アルミパネルで覆われたその壁面は、渋谷駅ハチ公口前の渋谷駅前交差点(スクランブル)などからも容易に見通せるため、化粧品、携帯電話や旬の歌手などの広告が掲げられ、その時々の商業戦略をうかがうことができる。
また、正面玄関前および道玄坂側の店舗前にある「109スクエア」は、シリンダー広告と連動、あるいは単独でのイベントスペースとなっている。新製品のプロモーション、サンプリング、タレントの出演など、店舗の顧客層をターゲットにすることはもちろん、地の利により多数の通行人の目に付きやすいため、週末を中心に宣伝媒体の一つとして利用されている。なお、シリンダー広告のスポンサーの決定後にイベントスペースのスポンサーが決定するため、広告が競合する場合は利用できないことがある。
渋谷のシンボルとして定着しているため、『ガメラ3 邪神覚醒』、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』、『ドラゴンヘッド』、『日本沈没』など多くの作品で破壊される描写が登場する。
かつてはBunkamuraなどとともに東急線の車両のつり革に広告を出しており、地方に譲渡されたこれらの車両には当時の広告がいまだに残っているものもある。
店舗
109本体
SHIBUYA 109
- 東京都渋谷区道玄坂、1979年(昭和54年)4月28日開業、地上8階地下2階、営業面積10,220m²、テナント数121店
- 元「恋文横丁」に丸國産業㈱が中心となり、地権者や商店主(人)が協同して、東急百貨店の計画のもとに「道玄坂共同ビル」を建設。旧TMD→東急商業開発(現在の東急モールズデベロップメント)がデベロッパーとして管理・運営にあたり、ビルオーナー関係の20店舗とテナント70店舗で、「ファッションコミュニティー109」として開業。1989年(平成元年)より現在の「SHIBUYA 109」に名称変更された。
109MEN'S
KOHRINBO 109
109 MACHIDA
- 東京都町田市原町田、2002年(平成14年)7月20日開業、地上8階地下1階、営業面積7,010m²、テナント数52店
- 町田市の再開発ビルに入居し、上階(6~8階)には町田市の「まちだ中央公民館」も同居する複合商業施設。
SHIZUOKA 109
- 静岡県静岡市葵区伝馬町、2007年(平成19年)10月6日開業、地上11階地下1階、営業面積11,786m²、テナント数71店
- 商業・事務所・住宅・ホテルの複合商業施設である「静岡伝馬町再開発ビル」の商業フロア全体(地下1階~5階)を賃借して運営。
MINATOMIRAI 109
- 神奈川県横浜市西区みなとみらい、2010年(平成22年)4月17日開業、地上4階地下2階、営業面積3,643m²、テナント数34店
- 複合施設クイーンズスクエア横浜内のアット!1stをリニューアルしてオープン[1]。
SHIBUYA 109 ABENO
- 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋(大阪阿部野橋駅付近)、2011年(平成23年)4月26日開業、営業面積4,300m²、テナント数35店。
- 阿倍野再開発事業地内に新たに開業するabeno CUES TOWNの「あべのマーケットパーク Q's MALL」内にオープン。
- 関西初の109出店にあたり、1店舗毎の面積はSHIBUYA 109より約5~10坪広い作りとしている。また、他地域の109業態と異なり、東急モールズデベロップメント109事業部が直接運営し、リーシングから販促、従業員教育まで一貫して行っている。
109関連事業
ONE-OH-NINE
109MEN'S
これまで109が不得手としていた男性向けテナントの専門店として、渋谷(109MEN'S)・町田・静岡・香林坊の109の一部のフロアを男性向けとした。
- 109MEN'S - 5階(2006年3月開業)、6階(2006年9月開業)、7階(2008年4月19日開業)
- 109 MACHIDA - 4階(2007年9月1日開業)
- SHIZUOKA 109 - 3階(2007年10月6日開業)
- KOHRINBO 109 - 3階(2004年3月15日開業)
SHIBUYA 109 DREAMS同様の進出方法を用いた109以外のビルへの出店および地方進出として、福岡市へ第1号店を出店した。
- 109MEN'S 天神コア(福岡県福岡市中央区天神) - 天神コア 6階(2007年9月15日開業)
- 109MEN'S 4丁目プラザ(北海道札幌市中央区) - 4丁目プラザ 5階(2008年10月4日開業)
ネットショッピング
ファッション雑誌やテレビ番組による全国的な知名度を生かし、2004年(平成16年)10月より「SHIBUYA 109 NET SHOP」のブランドでインターネットショッピングにも進出し、2006年(平成18年)11月には、新たに109MEN'Sの新鋭人気ブランドを集積した「109MEN'S NET SHOP」を開設した。
かつて存在した店舗及び関連事業
- かつて存在した店舗
ONE-OH-NINE 30's
- 東京都渋谷区宇田川町。ONE-OH-NINEの西隣にあったテナントビル。当初は109の想定購買層変更(ビル名称の変更も伴う)により、20代女性向けのファッションビルとしてONE-OH-NINEが造られ、同様に30代女性向けのファッションビルとして同所がオープンした。しかしその後の経済状況の変化などに伴い、業態を変更した。1998年6月から2007年10月までのキーテナントはブックファースト渋谷店であった。2007年10月、建物の耐震性を理由に閉鎖。建物は直ちに取り壊され、現在跡地はShibuya Flag(キーテナントはH&M渋谷店)になっている。
TOYAMA 109
- 富山県富山市中央通り、1986年3月開業。北陸地方の地場不動産会社、大洋不動産がフランチャイズ契約を結び開店したが、2000年(平成12年)9月にビル名称をセプラに改称しフランチャイズ契約を解消し、109は閉店となった。
109 UTSUNOMIYA
栃木県宇都宮市江野町、オリオン通り内、2001年10月開業、旧山崎百貨店 → 緑屋 → ams西武。21世紀最初に出店した109であったが、周辺の宇都宮パルコや郊外型大型ショッピングセンターとの競合もあって、売上げの不振が続き、2005年(平成17年)7月をもってわずか3年9ヶ月で閉鎖となった。建物は取り壊され、現在跡地はオリオンスクエアとして、ジャズコンサートなどのイベントに利用されている。
- かつて存在した関連事業
SHIBUYA 109 DREAMS
- 静岡県静岡市葵区伝馬町、2006年(平成18年)3月25日開業 - 現・SHIZUOKA 109の地下1階にてかつて営業していた。
- 「SHIBUYA 109」ブランドを活かし、地方主要都市のマーケティングに合わせた出店戦略。
提携クレジットカード
以下の提携クレジットカードが、2001年(平成13年)10月より発行されている。
- SHIBUYA109 MENBER`S CARD (三菱UFJニコス)
脚注
- ↑ みなとみらいに「マルキュー」-MINATOMIRAI 109が4月に誕生 ヨコハマ経済新聞 2010年2月5日閲覧
関連項目
柳原加奈子。店員真似得意