群馬教師岩井彰人

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岩井 彰人(いわい あきひと。旧姓は吉田 彰人)とは、群馬県の小中学校に勤務していた音楽教師。2006年に小学生1人、中学生4人、高校生1人の計6人の教え子と性交し、生徒の母親数人とも交際していた。

人物

岩井彰人(いわいあきひと)(旧姓吉田)

  • 住所:群馬県安中市原市(旧住所:群馬県太田市植木野町890)
  • 1998年4月~群馬県内小中学校で音楽教師。勤務した3校で複数の教え子の母親と交際。
  • 2006年3~5月、富岡市立小勤務時、卒業間際の小6女児教え子(12)と性行為。卒業後もホテルなどで繰り返した。
  • 2006年5月~10月までの間、異動先の群馬県東部の市立中の女子生徒4人と、同県や栃木県内のホテルなどでそれぞれ性行為。
  • 2006年10月、「生徒と交際を続けたいから」と百数十万円の退職金を受け取り依願退職。
  • 2006年11月、小学校勤務時の教え子だった女子高生(16)と性行為。
  • 2007年1月15日逮捕。

生徒4人とわいせつ行為、元中学教師逮捕

群馬県警は2006年11月15日、市立中学で音楽教師をしていた際、女子生徒4人ととみだらな行為をしたとして、群馬、栃木両県の青少年保護育成条例違反の疑いで、群馬県太田市の会社員吉田彰人容疑者(30)を逮捕した。

調べでは、吉田容疑者は昨年5月下旬から10月上旬までの間、勤めていた群馬県東部の市立中の女子生徒4人と、同県や栃木県内のホテルなどで、それぞれみだらな行為をした疑い。容疑を否認しているという。

市教委によると、吉田容疑者は昨年8月、女子生徒との交際が判明し、校長とともに注意していた。しかし、その後も交際していたことが分かり、再度指導したところ「交際を続けたい」と昨年10月、中学を依願退職した。

桐生市教育委員会(2007年1月)

昨年、この教諭が「複数の女子生徒と頻繁にメールやデートをしている」との情報を得て調査したが、みだらな行為までは確認できず、調査結果を県教育委員会に報告していなかったことが16日、分かった。

県教委は「結果として把握できなかった。調査不足と言われれば、その通り」と釈明。桐生市教委に再度、調査と報告を要請した。

県教委などによると、吉田彰人容疑者(30)が勤務していた桐生市の公立中学校に昨年7月、保護者から吉田容疑者が複数の生徒とメールをしたり、車でデートしたりしているとの情報が寄せられた。学校で調査したが本人や生徒はみだらな行為について否定。市教委には8、10月に報告したが、市教委も事実を把握できず、吉田容疑者に「誤解を招く行動がある」と、口頭指導したにとどまった。

市学校教育課は「事実確認に努めたつもりだが、結果として犯罪行為をつかみ切れなかったのは遺憾」としている。吉田容疑者は逮捕直後の否認から一転、容疑を認めているという。

強姦で再逮捕(2007年2月)

県警少年課などは2月21日、教え子の女子児童(12)にみだらな行為をしたとして、安中市原市、元中学教諭、岩井(旧姓吉田)彰人被告(30)=県青少年保護育成条例違反罪などで公判中=を強姦容疑で再逮捕した。

調べでは、岩井容疑者は2006年3月下旬~5月中旬、県内のホテルで、13歳未満だと知りながら女子児童に数回にわたって性的暴行を加えた疑い。

児童は岩井容疑者が音楽教諭として当時勤めていた小学校の教え子で、卒業後も関係を続けていた。「自分の好みの女の子だった」と供述しており、児童に「君だけが好きだよ」などと言って、交際しているかのように振る舞ったという。

岩井容疑者は1998年4月から県内の小中学校計4校に勤務。2006年10月末に体調不良を理由に依願退職した。退職直前の10月下旬までに小学生1人、中学生4人、高校生1人の計6人の教え子と性的関係を持った。

県教委は、岩井容疑者の再逮捕を受け、記者会見を開き、内山征洋教育長が「大変驚き、誠に遺憾」と述べた。だが、岩井容疑者が勤務した中学を管轄する桐生市教委が女子生徒との不適切な関係を把握しながら、これまで県教委に一切報告しなかった点については「落ち度があるとは判断できない」とした。

県教委は岩井容疑者が勤務した4校の校長に話を聞いたが、いずれも「問題は把握していない」と答えたという。だが、2006年8月、同市教委が生徒とデートしていたという保護者からの情報提供に基づき、岩井容疑者に聴取したところ交際を認め「今後は連絡を取らない」と約束したという。市教委は交際について「純愛と聞いていた。親も認めているらしく、みだらな行為をしたとまでは確認できなかった」として、問題視せず、同10月に再び情報提供があった時も県教委に報告をしなかった。

岩井容疑者は同月末に百数十万円の退職金を受け取り依願退職している。県青少年保護育成条例では婚約など特別な事情を除いて18歳未満の少年少女に対するみだらな行為を禁止している。

県教委は禁固刑以上の刑が確定すれば、岩井容疑者の教員免許取り消しと退職金返納を決定するという。県内では県立高校臨時教諭の男(27)が元教え子を買春したとして有罪判決を受け、小学校非常勤講師の男(25)が中学1年の女子生徒(13)にわいせつな行為をした疑いで逮捕されたばかり。続発する教員不祥事に、県教委は事件件数などの実態を把握していなかった。

初公判(2007年8月)

岩井彰人(旧姓・吉田彰人)被告(30)の初公判が8月7日、前橋地裁桐生支部(木太伸広裁判官)であり、岩井被告は「間違いありません」と起訴事実を認めた。

検察側は冒頭陳述で、岩井被告が複数の教え子の母親と交際し、うち一人から約700万円を借金して高級外車の購入資金にしたと明らかにした。この件で教育委員会から厳重注意を受けたが、異動先の中学校などの教え子の女子生徒5人に車中やホテルで10回以上、みだらな行為をした。

検察側は「性格や容姿が気に入った生徒を『好きだ』『愛してる』と言葉巧みに夢中にさせた」と述べた。

退職金返納の住民監査請求(2007年4月)

岩井(旧姓吉田)彰人被告(31)への退職金支出は不当として、返納を求めた県内住民による監査請求について、県監査委員は3日、手続きに違法性はないとして請求を棄却した。

ただ、県教委の対応や退職金返納制度への疑問を示す厳しい意見を付した。

請求は、岩井被告が教え子に対し県青少年保護育成条例違反となる行為をした事実を学校長が把握していたにもかかわらず、自己都合退職を認めて懲戒処分とせず、県が退職金を支払ったのは不当であると主張。

同委は棄却理由を(1)退職の申し立てがあった時点で県は懲戒処分とすべき事由を把握していなかった(2)退職金返納を求めることができるのは禁固刑以上が確定した場合に限られ、現時点では刑事裁判中で返納命令の時期に至っていない――などとした。

しかし、同委は、▽退職を認めた判断は甘かった▽教職員による生徒への犯罪行為を見過ごすことは許されない▽学校、市町村、県が一定のルールで情報を共有すべきだ▽禁固以上とならない限り返納を命じられない現在の退職金返納制度は見直すべきだ――などの意見を付け加えた。 岩井被告については、勤務した4小中学校のうち3校で不祥事を起こし、いずれも学校側が把握しながら、県教委に報告がなく、異動の際の引き継ぎも行われなかったことが県教委の調査で判明している。

追起訴(2007年5月)

岩井(旧姓吉田)彰人被告に対する追起訴公判が5月10日、前橋地裁(結城剛行裁判長)であった。岩井被告は起訴事実を認め、裁判は結審。検察側は懲役7年を求刑した。

冒頭陳述によると、岩井被告は富岡市立小勤務時、小6女児(12)にゲーム機などを与え「君だけが好きだよ」と誘惑。2006年4~8月までホテルなどでみだらな行為を繰り返した。

前回公判では、岩井被告が在籍した3校で複数の女子や母親と不適切な関係があったことが判明。

論告は同年3~11月までに12~16歳の教え子6人に再三みだらな行為をした悪質性を指摘。「教師の性欲のはけ口とされ、今後の成長に大きな悪影響を及ぼす」と非難した。

検察側によると、女児らは「自分だけが愛されている」と思い込み、発覚後のショックが大きいという。女子生徒に待ち伏せされ手紙を渡されたこともあったという。被告人質問では「(女児らとの)結婚を考えていた」と述べ、全員との純愛を強調した。


控訴審判決(2007年11月)

小学生を含む教え子6人と性的関係を持ったとして県青少年保護育成条例違反罪などに問われた元小中学校音楽教諭、岩井(旧姓吉田)彰人被告(31)の控訴審判決が11月7日、東京高裁であり、原田国男裁判長は懲役5年を言い渡した1審・前橋地裁判決を支持、岩井被告の控訴を棄却した。

弁護人によると、控訴審では

(1)被害女児(当時12歳)が岩井被告に好意を抱いて接近してきた

(2)児童ポルノを放置した社会にも問題がある

(3)失職して家族から縁を絶たれるなど社会的制裁を既に受けた--などとして減刑を求めた。

判決は、女児に交際について口止めしたことや、6人全員に「君とだけ真剣な交際をしている」とした態度などを非難。岩井被告の主張を退け、「性欲を満たすために未成熟な心理につけ込んだ身勝手な犯行。教師への社会的信頼を著しく損ねた」と指摘した。

上下黒のトレーナー姿で出廷した岩井被告は正面を見据え、静かに判決を聞いていた。

関連項目