ジャーナリスト
ジャーナリスト (Journalist) とは、新聞、雑誌など、あらゆるメディア(medium, media - 媒体)に記事や素材 (article) を提供する人。または職業。ジャーナリストという呼称自体が人物に対する社会的評価であるという見方もある。明治時代には「操觚者」と訳された。
概要
発祥
19世紀はじめごろはチャールズ・ディケンズのような、ジャーナル(journal - 雑誌)に記事を書く人を指した。
これが転じて新聞や雑誌の記事を書く人を指すようになった。
呼称対象
慣例として以下もジャーナリストと呼ぶ事がある。
職業ライターの社会的評価の結果、初めてジャーナリストと呼ばれることになるのが本来の姿であるが、 日本においてはジャーナリストを名乗る職業ライターの多くが「自称」である。また、「ジャーナリスト」と自称する者のなかには、国際ジャーナリスト、軍事ジャーナリスト、経済ジャーナリスト、教育ジャーナリスト、芸能ジャーナリスト、中東ジャーナリスト、戦場/環境ジャーナリストなどより専門的な分野を得意としていることを示す場合もある。しかし、同一人物が後援する内容によってある時は「中東に詳しい」と自称し、別なときには「環境問題に詳しい」と自称する場合もあるが、中東といえばアラビア語など中東のマニアックな言語の修得が必要であり、環境問題や原発や放射能に関する諸問題といえば理工系の素養を必要としているため、本当に同一人物が中東及び環境問題の双方に精通しているのか否かに関しては疑わしい。
また、「ジャーナリスト」と自称していなくても「ジャーナリスト」と自称している人物と同等以上の能力や資質を有する人物もいる。具体的には、藤本敏文はシリアへ渡航しシリア内戦に関する写真を撮影し、それを藤本のフェイスブック上に掲載しているが、シリアを含め日本国外では非常に高く評価されており、藤本はシリアでは非常に有名である。しかし、藤本は関西でトラックの運転手を本業としており、あくまでも「戦場観光旅行者」としてシリアへ渡航しており、「ジャーナリスト」とは自称していない。また、高遠菜穂子は10年以上にわたりイラクへ渡航し、現地でボランティア活動を精力的に行い、日本国内でも精力的に講演活動を行っている。ボランティア活動を通した高遠によるイラクに関する情報は非常に貴重ではあるが、高遠はあくまでも「イラク支援ボランティア」としてイラクへ渡航しており、「ジャーナリスト」と自称はしていない。その他、我が国における政治や社会問題などを扱っているブロガーなども、秀逸なホームページやブログは我が国の官公庁や米軍関係者と思われる者からもアクセスされ、2014年2月に山梨や秩父などにおいて大雪が発生した際には、マスコミよりもある特定の個人のブログを通して大雪に関する最新の情報収集が行われ、そのブログは一日で18万件以上のアクセスがあった。
また、週刊誌が主な発表の場である職業ライターがジャーナリストを名乗る場合は大概自称である。
いずれのメディアであれ、ジャーナリストの書いた記事や報道(ジャーナリズム)は影響が大きい。フリージャーナリストの草分けである故黒田清のように「ジャーナリズムの基本は伝えることではなく弱者の訴えを代弁する事」を信念とするものもいるように、日本独自に発展したジャーナリズム観も生まれている。 事実に対する現状や意義、展望を報道する専門家であるとされるが、本人の倫理観や見方に基づくため、まず個々のジャーナリスト自身を理解した上で記事などを理解することが重要である。
分業制
ジャーナリストの中でも、特に記事執筆のために必要なデータ収集を専門とする人間を「データマン」、そしてデータマンの集めてきたデータを元に記事を執筆する人間を「アンカーマン」と呼ぶ。
いわばデータマンはアンカーマンのアシスタント的な役割を果たしており、多くのジャーナリストはまずデータマンとして経歴をスタートし、経験を積んだ上でアンカーマンとなるのが一般的である。 ちなみにテレビのニュース番組の司会者のことを「アンカーマン」と呼ぶのは、この用法が転じたものである。
研究や評価
社会に広く情報を提供する役割を担っているため、ジャーナリスト自身がしばしば研究の対象ともなる。
その人の政治的な選好や出身階級、性別などにどのような偏りがあるか、それがどのようなバイアスに結びつくか、といった研究や、個々のジャーナリストの活動や判断についての評論などが存在する。
全国向けに行われた「国内ジャーナリスト人気ランキング」では筑紫哲也が1位をとっている。要出典
関連項目
関連著作
- 『メディアの海を漂流して』 筑紫哲也 朝日文庫 1985年 ISBN 4022603402
- 『時代を読むノート』 田原総一朗 講談社文庫 1986年 ISBN 4061838830
- 『職業としてのジャーナリスト』 本多勝一 朝日文庫 1984年 ISBN 4022608137
日本人のジャーナリスト(一例)
- 青木絵美
- 安藤優子
- 池上彰(日本ニュース時事能力検定協会理事)
- 石川真澄
- 魚住昭
- 内田忠男(国際ジャーナリスト)
- 江川紹子
- 大沼安史
- 小田切拓
- 落合信彦
- 角谷浩一
- 影山貴彦
- 梶山季之 - 日本においてデータマンとアンカーマンの分業体制を最初に確立したと言われている。
- 加藤千洋
- 鎌田慧
- 木下黄太
- 郡山総一郎
- 小林一喜
- 小松錬平
- 五味宏基
- 古森義久
- 斎藤貴男
- 櫻井よしこ
- 重信メイ
- 志葉玲
- 渋井哲也
- 嶌信彦(日本ニュース時事能力検定協会理事)
- 竹野内真理
- 田原総一朗
- 田村圭司
- 筑紫哲也
- 常岡浩介
- 千田善
- 土井敏邦
- 富永秀一(環境ジャーナリスト)
- 鳥井守幸
- 鳥越俊太郎
- 西村幸祐
- 広河隆一
- 辺真一
- 船橋洋一
- 古井みずえ
- 本多勝一
- 本田雅和
- 増山麗奈
- 宮武外骨
- 森健
- 安田純平
- 山岡俊介
- 山田厚史
- 山本美香
- 横山源之助 『日本之下層社会』執筆
- リチャード・コシミズ
- 若宮啓文
海外のジャーナリスト(一例)
- デイヴィッド・ハルバースタム
- ボブ・ウッドワード
- トーマス・フリードマン
- カレル・ヴァン・ウォルフレン
- ベンジャミン・フルフォード
- リチャード・ロイド・ペリー
- ゲプハルト・ヒールシャー
- デイビッド・マクニール
- ノリミツ・オオニシ
外部リンク
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