佐久川光弘と草川彩夏

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佐久川 光弘と草川 彩夏

佐久川 光弘と草川 彩夏(さくかわ みつひろ、くさかわ あやか)とは、2012年に草川の5歳の長男、明日(あした)ちゃんを殴り殺した無職の虐待殺人者である。

5歳長男を棒で殴り死なす、23歳母親と交際相手の男逮捕。全身に十数カ所のあざ

5歳の長男を暴行して意識不明にさせたなどとして、埼玉県警朝霞署は2012年7月10日、傷害の疑いで母親の無職、草川彩夏(23)=朝霞市三原=と、草川の交際相手で同居する無職、佐久川光弘(23)を逮捕した。

2人は「手や棒で殴った」と、いずれも容疑を認めている。長男の保育園児、明日(あした)ちゃん(5)は搬送先の病院で死亡。同署は司法解剖して詳しい死因を調べるとともに、傷害致死容疑も視野に捜査する。

朝霞署の調べでは、両容疑者は2012年6月20日ごろから7月8日までの間、朝霞市三原の自宅アパートで、明日ちゃんに棒や拳で殴るなどの暴行を加え、負傷させた。

明日ちゃんには顔など全身の十数カ所にあざがあり、継続的に虐待を受けていた。2011年2~3月と、2012年3~5月の2回、児童相談所が明日ちゃんを一時保護したこともあった。

9日夜、草川から119番通報があり、救急隊が駆けつけたところ、明日ちゃんはすでに心肺停止状態だった。消防からの連絡を受けた朝霞署が事情を聴いたところ、2人は暴行の事実を認めた。

2人は容疑を認め、「なつかないので殴った」と供述している。明日ちゃんの全身にはあざがあった。2人は数カ月前から同居し、3人で暮らしていた。

明日ちゃんには発達障害があった。2007年12月に朝霞市福祉事務所から「母親が拒否的」と通告があったが、その後の養育支援で改善が認められ、管轄の県所沢児童相談所は助言指導で終結した。

しかし、2008年7月には市福祉事務所から「あざをつくって保育所に登園した」と連絡があり、会議などで処遇を検討。昨年2~3月には最初の一時保護をした。今年3~5月には草川から養育困難との申し出があり2度目の一時保護をした。6月上旬には二度、児相職員が明日ちゃんにあざがないことを確認した。

明日ちゃんが通っていた朝霞市内の保育園によると、ゼロ歳児から入園。6月7日まで通っていたが、草川から欠席の連絡が入り、その後は通園していなかったという。

長男虐待死で逮捕の母親「いまも妊娠5か月・11月に次の子」の怖さ

虐待親のケア5歳の長男を虐待して死なせた若い男女が逮捕された。児童相談所が4年半前から母親の虐待を把握しながら、防げなかったことがわかった。逮捕されたのは埼玉県朝霞市の無職・草川彩夏(23)と交際相手の無職・佐久川光弘(23)だ。

事件が起きたのは9日(2012年7月)夜で、草川から「子どもが呼吸していない」と119番通報があった。救急隊員が駆け付けたところ、長男は心肺停止状態で、搬送先の病院で死亡が確認された。子どもの体には10数か所もアザがあった。

児童相談所が2度保護。帰宅直後から「壁ガンガン叩いて拷問」

調べに対し、草川と佐久は「なつかないので殴った」と話しているという。しかし、母親の虐待は生後6か月の時から始まっていて、児童相談所もその頃に把握し長男を2度保護していた。最近、草川は佐久と同棲生活を始めたため「養育困難」の申し出あり、児童相談所が長男を保護した。5月になって草川が「育児がしたい」と連絡してきて、児童相談所は「今後は子どもに暴言・暴力を振るわない」との約束を交わして長男を帰宅させた。

ところが、その後も虐待は繰り返されていた。同じアパートの住人によると、「母親が壁をガンガンと叩いて『立て座れ』『立て座れ』を何度もやらせて、終わると男に代わって同じことをやっていた」という。

子どもの保護だけでは間に合わない「壊れた親」

小倉智昭キャスター「こんなかわいい子を死ぬまで虐待しますかね。児童相談所も防げたと思うんですが」

虐待問題に詳しい山梨県立大人間福祉学部の西澤哲教授は、「十分防げたケースと思います。児童相談所は裏にあるものを理解していなかったのではないか」という。ただ、こうした疑問は、事件がある度に呟かれてきたことだが、女優の高木美保がこんなことを言った。

「子どもの保護も大事だが、子どもを保護している間に親のケアがどれだけできるか、日本では足りていないのではないかと感じる。親の精神状態や育児について客観的に相談できるところがないと、いくら児童相談所で頑張っても救われないと思う」

逮捕された草川は未婚のシングルマザーで、生活保護を受けていた。驚いたことに現在、妊娠5か月ぐらいで11月には出産予定という。子育てができないのに、また子どもを産むのか…。どういう裁きになるのか分からないが、いずれまた虐待を繰り返す可能性もないとはいえない。

裁判

わさび入りのかゆ、馬乗り殴打…5歳女児虐待死(2013年6月)

埼玉県朝霞市で昨年7月、草川明日(あした)ちゃん(当時5歳)を虐待して死亡させた傷害致死事件で、さいたま地裁(井口修裁判長)で11日に行われた無職・佐久川光弘(23)の裁判員裁判では、佐久川が携帯電話で撮影した虐待の様子が法廷で再生された。

裁判員のモニターには、佐久川が「テープでぐるぐる巻きにしてベルトで縛る」などと明日ちゃんを脅し、明日ちゃんが謝る様子が映し出された。

証拠調べの前に行われた冒頭陳述で、検察側は「馬乗りになり顔を殴ったり、わさび入りのかゆを食べさせたりして虐待した」と指摘。弁護側は、佐久川が父親から虐待を受けたことがあり、しつけと暴力を取り違えていたことや、薬物依存症で衝動を抑えきれなくなっていたことが虐待につながったとした。

虐待死の5歳児 「ママと一緒に寝たい」が最後の言葉に

無職佐久川光弘の裁判員裁判が開かれ、明日ちゃんの母親、無職草川彩夏(傷害致死罪で起訴)が証人として出廷した。

草川は「(暴行は)私が2割で佐久川が8割。私にも責任はあるが、(明日ちゃんを)死なせたわけではない」などと繰り返し、日常的に佐久川が中心となって暴行していたと主張した。佐久川が明日ちゃんをベルトで巻くのを手伝ったり、佐久川による虐待を動画撮影したことなどは認めた。

草川によると、佐久川は手や棒で殴ったり、500回以上もスクワットを強要するなどの虐待をしていた。火のついた線香を押しつけることもあったという。明日ちゃんは次第に衰弱し、亡くなる前日には佐久川に殴られて歯が抜けた。その日の夜は「ママと一緒に寝たい」と言って眠りにつき、それが最後の言葉になったという。

佐久川の暴力を止められなかったことについて、草川は「殴られるのが怖かった」などと繰り返したが、「一生懸命父親代わりをしてくれた。明日がなついていたから追い出そうとは思わなかった」と擁護するなど複雑な胸の内をうかがわせた。

関連項目