人智学音楽
人智学音楽とは主にオイリュトミー等の伴奏に使われ霊界への参入を容易に促すように作曲され使われる。
これには歴史があり、モーツァルトの「フリーメーソンの為の音楽」や「魔笛」、ワーグナーの「ローエングリン」や「パルシファル」が先駆と言われ主に秘儀的な音楽を指す。
近代の具体例としてはエリック・サティーが『バラ十字団のファンファーレ』や『天国の英雄的な門への前奏曲』などでバラ十字団のメンバーを宣言したが、現在の多くの音楽学会ではサテイーの音楽はひねくれやユーモアだけが強調され、真面目な芸術と受け取られていない為、この部分の研究は非常に遅れている。
次に来るアレクサンドル・スクリアービンは、神智学音楽の真髄でありその序だけでも五時間以上かかる『神秘劇』が源泉とされ、神智学から派生した人智学に思想のみならず音楽の分野でも多大の影響を与える。
現在は主にこの分野を専門に作曲している音楽家が存在している。 日本在住ではオイリュトミストの宇佐美陽一〔1953-〕が日本的な要素も組み込み活発な活動をしているが、藤井喬〔1959-〕の一部の音楽も人智学的と言われている。 ドイツではもう亡くなったカール=ロベルト・ウィルヘルム(Karl-Robert・Wilhelm)やクリストフ・ぺーター(Chiristph・Peter)がいたが、前者は優れたピアノの即興演奏のみで譜面と言う形では残っていないので現在CDだけで聴くことができるだけである。次のカールスル-エ音大教授のペーター=ミヒャエル・リーム(Perter-Michael・Riehm)、ジャン・クレープ(Jean・Kleeb)、フリードヴァルト・ブリューメ(Friedward・Blüme)などが本格的で、 エアハルト・カルコシュカや菅野茂の一部の音楽も人智学の為に作曲され、主にオイリュトミーの伴奏に使われている。しかし各作曲家たちはこの目的の為に作曲している意識がもっぱら低く、帰納法的にそうなってしまったと考えるのが妥当であるが、シュトットガルトのオイリュトミストのディアーナ・マリア・サグヴォスキーナが主催する『動くオブジェの為のスタジオ』では毎月これらの作曲家たちを集めた定期公演が行われており、大きな運動に発展する余地を残している。