ギルガメッシュ (ファイナルファンタジー)
ギルガメッシュ (Gilgamesh) は、コンピュータゲーム『ファイナルファンタジーV』に登場する架空の人物である。片手に槍を持つ鎧武者の怪物で、本気を出すと変身して腕の数が8本に増え、様々な武器を持った姿になる。また、以降のファイナルファンタジーシリーズにも脇役で登場していることがある。
設定
暗黒魔道士のエクスデスに忠臣として仕えるモンスター。敵ではあるが、人情に厚く、ドジを踏む事も多いためどこか憎めないキャラクターであり、最終的にはバッツ達との間に友情が芽生える。そのキャラクターからファンも多く、後述する自爆イベントはFFシリーズに残る名シーンの1つといわれている。また、ビックブリッジの戦いではHPが減ると、「口先で反省しながら自分に補助魔法→ジャンプ攻撃」といった笑えるシーンもある。
その姿や様々な武具を身につけていることもあいまって、名の由来となったギルガメシュよりは武蔵坊弁慶を連想させる。 「武器マニアで、勝った相手から武器を奪う事を至上の喜び」としている事も武蔵坊弁慶らしさに通じるところがある。この姿は仮の姿であり、「ギルガメッシュチェンジ」によって大柄な真の姿を現す。次元の狭間へ落とされた後、時空の旅人として他の様々なFFシリーズに登場し、FFシリーズの名物キャラクターとなっている。
武器として「エクスカリパー」という、聖剣エクスカリバーの偽物を所有している(本人はエクスカリバーだと信じている)。『ファイナルファンタジーV』では4戦目で使用。また防具は「源氏シリーズ」と呼ばれる、最強クラスのものを装備している。ちなみに源氏シリーズは戦いの間に盗むことができる。
なお、キャラクターデザインはチェンジ前は天野喜孝、チェンジ後は野村哲也によるものである。
元ネタとなっているギルガメシュ叙事詩と同様にエンキドゥという相棒がおり、『FFV』ではエンキドゥが次元の狭間に送り込まれるという描写はされていないものの、一部の作品ではギルガメッシュ共々登場している。
『FFV』での扱い
異世界に来たばかりの主人公・バッツ達がエクスデス城に捕えられた時、その牢を見張るべくエクスデスの命で呼び付けられた時に初めて登場し、この時はエクスデスにかなり期待されていた。しかし、バッツを助けるべく単身エクスデス城に乗り込んだガラフに敗れ逃走し任務失敗、ビッグブリッジやゼザの船の船上でもバッツ達と戦うが、いずれも決着は付かなかった。その後エクスデス城上層階でも戦い、この辺りからお互いに友情らしきものが芽生え始める。闘いの中、本気の形態に『ギルガメッシュチェンジ』するが、エクスデス城の宝箱に入っていたエクスカリパーをエクスカリバーと間違えて使用するという大ボケをかまし、業を煮やしたエクスデスにより役立たずとしてデジョンで次元の狭間へと送られてしまう。
次元の狭間を彷徨い、バッツたちと再会するまでの間に他作品の世界に顔を出していたものと解釈するファンが多いが、各作品に登場するギルガメッシュが同一人物であるとは各作品中で明示されておらず、エクスカリパーの扱いや言動にも矛盾が見られ、他作品への登場はスターシステム的なファンサービスとも考えられる。
送り込まれた次元の狭間で、襲い来る次元の狭間の魔物達と泣きそうになりながらも単身闘い続け生き延び、バッツ達と再会する。永い間独りで戦い続けたため最初はバッツ達を魔物と勘違いして攻撃してくるが途中でバッツ達だと気付き、帰還方法を聞いた後は、一緒に脱出しようとするが、バッツ達がエクスデスを倒す為に次元の狭間に来たため一緒には帰れない事を知り、再会の約束をして独りで先に帰還する事を選ぶ。しかし、バッツ達が次元の狭間の深部にいるネクロフォビアと戦っていると元の世界に返ったはずの彼が現れ(曰く「このまま帰ったんじゃ、格好悪いまま歴史に残っちまうからな!」)、バッツ達それぞれに言葉を遺した後、ネクロフォビアを道連れにして自爆する。
このイベントはネクロフォビアと戦わなければ発生しないイベントであり、またバッツたちの戦い方次第では彼が助けに来る前にネクロフォビアを倒すことが出来る。そもそも、エクスデス城上層階のバトルは回避が出来、回避すると次元の狭間に送られることもないため登場しない。なお、これとは逆に、ギルガメッシュが駆けつけた直後にバーサク状態にして時間を稼ぎ、その間に彼のMPを0にする事で、自爆の発動を阻止することも出来る。この場合は「MPがたりない」というメッセージが表示されるだけで、そのまま戦闘が終了してしまうため、結局ギルガメッシュ自身がどうなったのかは明らかになっていない(スタッフも想定していないと思われる)。また、ネクロフォビアのHPを回復して自爆のダメージに耐えられるようにしておいても、ギルガメッシュが自爆した時点で戦闘は強制終了する。さらに、ギルガメッシュが「じばく」をする時の会話直前に2フレーム(0.033秒)の間、ネクロフォビアの無敵が解除される瞬間があり、その瞬間にネクロフォビアを倒すとイベントが止まってしまい、プレイヤーの手でギルガメッシュを倒さないと戦闘が終了しなくなるという状況にすることも可能である。
またギルガメッシュ登場時の音楽は人気があり、ギターやピアノでカバーしその演奏の難しさからYouTubeに投稿する人も多い。
ビッグブリッヂの死闘
ギルガメッシュとの2戦目の舞台となる「ビッグブリッジ」のBGMである「ビッグブリッヂの死闘」は、『ファイナルファンタジーV』において彼のテーマミュージックのような扱いを受けている。この曲自体、ファイナルファンタジーシリーズの中でも特に人気が高い。 作曲は植松伸夫。
その他の出演作品
以下は登場順である。リメイク作にのみ登場するケースがあるので作品のナンバー順とは必ずしも一致しない。
- 『ファイナルファンタジーVIII』
- あるイベントを発生させる事で、以降同作登場のオーディーンと同様に戦闘時にランダムに出現するキャラクターとして登場する。
- 『FFVIII』では「エクスカリパー」の他に「エクスカリバー」「まさむね」「斬鉄剣」を所有し、いずれかをランダムで振るうことで主人公たちの戦闘を助けてくれる。また、初登場イベントの際には『ファイナルファンタジーV』を連想させるセリフを発する。
- 『ファイナルファンタジーIX』
- 4本腕の男として登場する。ただし、名前が判明するのは終盤になってからで、彼に本名を明かさせるには、条件が必要になる。また別の条件をクリアすると、『ファイナルファンタジーV』に登場した相棒のエンキドゥと共に、エクスカリバー2と間違えてエクスカリパーを持っていってしまう。
- 『ファイナルファンタジーXI』
- ノーグという街で海賊の頭として登場する。『ファイナルファンタジーV』でのデザインとは大きく異なる。
- また、『FFXI』のサーバー名の一つでもある。
- 『ファイナルファンタジー』
- 1作目(『FFI』)と『FFII』をリメイクし一つのソフトに同梱した『ファイナルファンタジーI・IIアドバンス』の『FF1』の部分、およびそれを再リメイクしたプレイステーション・ポータブル版の隠しダンジョンのボスとして登場する。伝説の武器を求めている。『FFV』のチェンジ前と同じ容姿をしている。行動パターンは『FFV』のビッグブリッジ戦に近いがエクスカリパーを使用する。セリフも『FFV』を連想させる。
- 『ファイナルファンタジーXII』
- 初期ドラゴンクエストシリーズに登場する王者の剣(ロトの剣)や歴代のファイナルファンタジーシリーズに登場した「ガンブレード」や「フラタニティ」等を所持するが、どの剣もどこか本物と違う所がある偽者の剣である。自称「イヴァリース一の強者」。
- 必殺技として「究極幻想」(英語にするとファイナルファンタジーになる)を使い、バトル時にはBGMとして崎元仁編曲による「ビックブリッジの死闘」(植松伸夫が作曲したのは「ビッグブリッヂの死闘」)が流れる。また、声を郷里大輔が担当している。
- 相棒としてエンキドウも現れるが、姿は『ファイナルファンタジーV』のような鳥のような姿をした人間ではなく犬のような姿であり、名前もエンキドゥではなくエンキドウである。
- 性格や口調といい『ファイナルファンタジーV』のギルガメッシュとは異なる様だ。
- 『ファイナルファンタジーVI アドバンス』
- リメイク版『ファイナルファンタジーVI アドバンス』に、幻獣として登場する。エクスカリパーを求めてコロシアムに現れ、戦闘に勝利すると魔石となる。容姿は『FFV』のチェンジ前だが描き直されている。戦闘中は『FFV』のようにプロテス・シェル・ヘイストの同時がけやジャンプ・青魔法を使い、さらに強力且つ貴重な武器を投げてくる。幻獣としては『FFVIII』のようにランダムで「エクスカリパー」「エクスカリバー」「まさむね」、さらに最強技の「最終幻想」のいずれかを繰り出す。『最終幻想』では相棒のエンキドゥが『FFV』での姿で出現する。魔石の説明では「伝説の剣豪」とされている。
- 『ファイナルファンタジーXII レヴァナント・ウイング』
- ファイナルファンタジーXIIの続編。ミッションで登場。ビッグブリッヂの死闘は流れない。
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