児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
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通称・略称 | 児童買春・児童ポルノ処罰法、児童ポルノ禁止法 |
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法令番号 | 平成11年法律第52号 |
効力 | 現行法 |
種類 | 刑法 |
主な内容 | 児童買春、児童ポルノの禁止など |
関連法令 | 売春防止法、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 |
条文リンク | 総務省・法令データ提供システム |
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(じどうかいしゅん じどうポルノにかかるこういとうのしょばつ および じどうのほごとうにかんするほうりつ、平成11年法律第52号)は、児童買春と児童ポルノを取り締まることなどを主眼とした日本の法律。
児童買春・児童ポルノ処罰法(じどうかいしゅん・じどうポルノしょばつほう)、児童ポルノ法(じどうポルノほう)、児ポ法(じポほう)などと略されて呼ばれることも多い。
概要
この法律の目的は、児童に対する性的搾取及び性的虐待が児童の権利を著しく侵害することの重大性に鑑み、あわせて児童の権利の擁護に関する国際的動向を踏まえ、児童買春、児童ポルノに係る行為等を処罰するとともに、これらの行為等により心身に有害な影響を受けた児童の保護のための措置等を定めることにより、児童の権利の擁護することである。(第1条)
この法律は、1999年(平成11年)5月26日に公布され、同年11月1日に施行された。なお、この法律の附則第6条に基づき、この法律の改定案が第159回国会に提出され、2004年(平成16年)3月12日に衆議院が受理し、同年6月11日に参議院本会議で可決され、成立している。
1996年にストックホルムで開催された「第1回児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」(ストックホルム会議、日本政府代表・清水澄子(参議院議員))で日本人によるアジアでの児童買春や日本製の児童ポルノが世界で大量に流通していることに対して厳しい批判があったことから作られた。当初、与党案では実写だけではなく「絵」も規制できる内容だったため漫画関係者などが反対し、最終的には「絵」に対する規制は見送られた。
しかしその後2005年、野田聖子、森山眞弓といった女性議員中心に「絵」を主とした実在しない児童に対する規制もなされるべきという議論が起こってきている。この「絵」に対する規制により、コミックマーケットを始めとした同人誌即売会の死活問題も発生している(コミックマーケットの項に詳しい)。
児童ポルノの単純所持規制をめぐって
この法律では、2006年(平成18年)の現時点では児童ポルノの単純所持を罰する規定が盛り込まれていないが、法律の見直し対象として単純所持の処罰を盛り込むことも児童の保護の観点から求める声が強くあがっている。が、同時に児童ポルノの範囲の広範さ(年齢について18歳未満であること、及びヨーロッパの一部の国では合法とされているような芸術的なソフトなヌードが対象となること)との兼ね合いで処罰範囲が広がりすぎることが懸念され[1]、2004年改定では見送られた。
処罰導入を求める理由として、すでに単純所持処罰を導入している多くの他の先進諸国との調和もあげられる。しかし、例えば欧州評議会サイバー犯罪条約では、単純所持については留保を認めており、実際にデンマークが15歳以上の児童を被写体とするものに関して、本人同意のもとでの単純所持について留保している[2]。
- 奈良県の条例
- なお、この法律と直接の関係はないが、奈良県が13歳未満の児童を被写体とする児童ポルノ(本法律との混同を避けるべく「子どもポルノ」と表記されている)の単純所持を禁止する「子どもを犯罪の被害から守る条例」が2005年(平成17年)6月に議会に諮られ自民・公明が強行し成立し、同年7月1日に公布された。
同条例は警察権限拡大につながるのではないか、などといった批判がある。また、日本国憲法第94条に定める法の範囲内の条例制定権を逸脱しているのではないかと言う指摘が有る。
脚注
- ↑ 第2回児童買春等禁止法改正に関するユニセフ公開セミナー セミナー全体は前者の論調であり、質疑のなかで後者の論点が述べられている
- ↑ サイバー犯罪条約に関する宣言一覧(英語)
関連項目
外部リンク