魔法のプリンセスミンキーモモ

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魔法のプリンセス ミンキーモモ
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ジャンル 魔法少女もの
テレビアニメ:魔法のプリンセス ミンキーモモ(空モモ)
原作
総監督
監督 湯山邦彦(総監督)
シリーズディレクター
チーフディレクター
企画 葦プロダクション(現:プロダクション リード)、読売広告社
シリーズ構成 首藤剛志
脚本 首藤剛志ほか
キャラクターデザイン みさきのあ服部あゆみ
メカニックデザイン
音楽
アニメーション制作
製作 葦プロダクション、読売広告社
放送局 テレビ東京系列ほか
放送期間 1982年3月18日 - 1983年5月26日
話数 63話
その他
コピーライト表記 ©
OVA:魔法のプリンセスミンキーモモ 夢の中の輪舞
原作
監督
シリーズ構成
キャラクターデザイン
メカニックデザイン
アニメーション制作
製作
発売日 1985年
発表期間 -
リリース日
話数
その他
コピーライト表記 ©
ミンキーモモ
小山茉美
テレビアニメ:魔法のプリンセス ミンキーモモ(海モモ)
原作
総監督
監督 湯山邦彦(総監督)
シリーズディレクター
チーフディレクター
企画 NTV
シリーズ構成 首藤剛志ほか
脚本 首藤剛志ほか
キャラクターデザイン とみながまりわたなべひろし
メカニックデザイン
音楽
アニメーション制作
製作 NTV
放送局 NTV系
放送期間 1991年10月2日 - 1992年12月23日
話数 65話(TV未放映3話含む)
その他 38話から「夢を抱きしめて」という副題がつく。
コピーライト表記 ©
ミンキーモモ
林原めぐみ
OVA:ミンキーモモ 夢にかける橋
原作
監督
シリーズ構成
キャラクターデザイン
メカニックデザイン
アニメーション制作
製作
発売日 1993年
発表期間 -
リリース日
話数
その他
コピーライト表記 ©
OVA:ミンキーモモ 旅だちの駅
原作
監督
シリーズ構成
キャラクターデザイン
メカニックデザイン
アニメーション制作
製作
発売日 1994年
発表期間 -
リリース日
話数
その他
コピーライト表記 ©
テンプレート使用方法 ノート

魔法のプリンセス ミンキーモモ』(まほう - )は葦プロダクション(現:プロダクション リード)製作の魔法少女アニメ作品。

基本設定

ミンキーモモ(通称モモ)は「夢と魔法の国」からやってきたプリンセス。ここでは皆のよく知っている御伽噺や夢物語の登場人物が暮らしている。しかし、今の地球では人々が夢を見ることを忘れかけていたため夢の国に消滅の危機が迫っていた。そこで王様と王妃様は、娘のモモに、人々に夢や希望を取り戻す使命を与え地球に送る。モモは、イヌ、トリ、サルの3匹のお供とともに、子供のいない若い夫婦のもとで魔法で彼らの子供になり住みつくことにする。魔法の力は夢の力が少ない地球では大人になる夢の魔法しかつかえない、モモは魔法の呪文で18歳のスーパーギャル(アダルトモモ)に変身して地球狭しと大活躍する。

2つの「モモ」

「魔法のプリンセスミンキーモモ」という作品は、全く同じタイトルで2本が存在する。1982年から放映された第一作と、1991年から放映された第二作である。

第一作の夢の国「フェナリナーサ」は空の上(と言うよりは既に地球から離れた宇宙空間のどこか)にあり、第二作の夢の国「マリンナーサ」は海の底深くに沈んでいる。主人公の名前はどちらとも「ミンキーモモ」であるため、両者を区別する場合に、第一作を「空モモ」、第二作を「海モモ」と呼ぶのがファンの間では通例となっている[1]

両者は髪飾りで見分けられ、星型が「空モモ」、ハート型が「海モモ」である。この他の違いとしては、「空モモ」では呪文が「ピピルマ ピピルマ プリリンパ パパレホ パパレホ ドリミンパ アダルトタッチで ~ になれ」[2]で、「海モモ」では「パラリル パラリル ドリリンパ ティアラン ティアナン マリリンパ ミンキータッチで ~ になれ」であることが挙げられる。

またマリンナーサの王様は、フェナリナーサの王様の親戚筋にあたるという設定で、モモの地上での親は、「空モモ」ではペットショップを経営する世界的な獣医師のパパとママ、「海モモ」ではナショナルトラストの旅館を管理する考古学者のパパと推理小説家志望のママである。


注意以降に核心部分が記述されています。

第一作(空モモ)

放映期間

登場キャラクター

ミンキーモモ
- 小山茉美
シンドブック
声 - 田の中勇
モチャー
声 - 木藤玲子
ピピル
声 - 三田ゆう子
カジラ
声 - 千葉繁
王様
声 - 増岡弘
王妃様
声 - 塚田恵美子
パパ
声 - 納谷六朗
ママ
声 - 土井美加

スタッフ

  • 企画:佐藤俊彦
  • プロデュサー:大野実(読売広告社)、加藤博、梅原勝
  • 原案/構成:首藤剛志
  • 総監督:湯山邦彦
  • 音楽:高田ひろし
  • 美術監督:新井寅雄
  • 音響監督:藤山房延
  • 録音制作:ザックプロモーション
  • 撮影監督:福田岳志
  • キャラクターデザイン:芦田豊雄、みさきのあ、服部あゆみ
  • 色彩設定:永江由利
  • 録音:成清量
  • 効果:加藤昭二(アニメサウンドプロダクション
  • 制作管理:佐藤訓史、古林明子
  • 制作担当:庄司清
  • オープニング作画:わたなべひろし
  • 脚本:首藤剛志、筒井ともみ戸田博史鷺山京子、渡辺由自、土屋斗紀雄、金春智子、佐藤茂、山崎昌三、谷本敬次
  • コンテ:湯山邦彦、小島正幸西村純二、野田作樹、吉田健次郎、野村和史、古沢日出夫、大庭寿太郎、日下部光雄、岡田宇敬、山田雄三、石田昌平、小暮輝夫、大関雅幸
  • 作画監督:田中保、柴崎計、上條修、神宮彗、兵頭敬、飯村一夫、高橋正宗、わたなべひろし
  • 仕上:マキプロダクション、スタジオワールド、スタジオ雲雀
  • 仕上検査:杉田泰子、浅田久恵、永江由利、鈴木敏明、堀江敬子、ひろかわゆり、中山久美子、高山洋美、塩野谷京子
  • 背景:プロダクション・アイ、にしこプロダクション、スタジオイースター、スタジオコスモス
  • 色指定:ひろかわゆり、杉田泰子、北村則子
  • 撮影:三晃プロダクション、旭プロダクション
  • 編集:辺見俊夫、山崎昌三
  • タイトルデザイン:安食光弘
  • 現像:東映化学
  • 演出:湯山邦彦、大庭寿太郎、西村純二、山田雄三、吉田健次郎、古沢日出夫、石田昌平、日下部光雄、岡田宇啓、川端蓮司、坂上睦、箕ノ口克己
  • 制作進行:馬場秀雄、本橋文雄、間島弘一郎、下地志直、井藤誠、高田薫、村竹保則、中林正道、保坂和彦、杉浦勉、須貝尚、高橋正宗、川村恒雄
  • 企画/製作:葦プロダクション、読売広告社

主題歌

『ラブ・ラブ・ミンキーモモ』
作詞 - 荒木とよひさ/作曲 - 佐々木勉/編曲 - 高田ひろし/歌 - 小山茉美
オープニングで使用された。
『ミンキーステッキドリミンパ』
作詞 - 荒木とよひさ/作曲 - 佐々木勉/編曲 - 高田ひろし/歌 - 小山茉美
エンディングで使用された。

ネット局

テレビ東京(キー局) - 北海道文化放送青森放送テレビ岩手仙台放送秋田テレビ山形テレビ福島中央テレビ新潟放送長野放送テレビ山梨富山テレビ放送石川テレビ放送テレビ静岡東海テレビ放送テレビ大阪サンテレビKBS京都日本海テレビ岡山放送テレビ新広島テレビ山口四国放送南海放送テレビ高知テレビ西日本長崎放送テレビ熊本大分放送宮崎放送南日本放送沖縄テレビ放送

ストーリー

夢の国「フェナリナーサ」[3]地球から離れていってしまう中、なんとか地球に戻そうと「フェナリナーサ」のプリンセス「ミンキーモモ」は地球にやってくる。モモが地球で人々にいいこと(夢を与えること)をしてそれが何回か続く(当初は4回。その後話の内容によって変化した)と、王冠にハッピーティアと呼ばれる宝石(モチーフは誕生石)が輝いて、これが12個そろえばフェナリナーサは地球に戻ってくることができるという。そんなこんなでモモは地上であれこれ奮闘活躍する。

解説

東映動画製作、もしくはそれに準じる(東映本社製作の『魔女っ子チックル』)系統以外では初の魔法少女アニメである。生活感の描写に大きなウエイトを置いていた東映動画系の魔法少女アニメに対し、舞台設定が無国籍に近い。原案・構成の首藤剛志は、舞台設定を「どこかの国のどこかの街ということにしましょう」と提案しそれを押し通したという。内容的にも、学校に通う場面がほとんどない反面、従来の少女アニメでは描かれなかったような題材が登場した。

「空モモ」の当時は、女性が社会で活躍するというのは、女の子にしてみればまだまだ大きな憧れであり、どんな職業の大人にでも変身できるという設定は、文字通り女の子に夢を与え、かなりの人気を博したと言える。「空モモ」は『魔法の天使クリィミーマミ』等とともに1980年代魔法少女ブームと変身魔法少女という独自のジャンルの先駆けとなった。

「空モモ」には1期目と2期目が存在し、その境目は突然の交通事故で主人公のモモが“死んでしまう”ことである。前話で魔法を失う展開がすでに衝撃的だったのだが、追い討ちをかける様に命を失うという1期目の衝撃のラストは、当時大きな反響を呼んだ。その後モモは、ペットショップの両親の本当の子供として人間に生まれ変わり、生まれ変わったモモが大きくなって夢をかなえたら、王冠に最後のハッピーティアが輝いて、フェナリナーサは地球に戻ってこられるという形になっている。

そして第1期目のシリーズが終了後、2話の総集編を挟み、2期目がスタートする。そもそもスポンサーであるおもちゃ会社の都合で第1期目で終了を予定していたのだが、最終話を製作した後に急遽延長が決まった。そこで2期目は、生まれ変わった赤ちゃんモモの夢の中で展開されるというストーリーで、人々から夢を失わせるため、執拗にモモを狙う「黒雲」とモモたちの戦いが中心となる。ただし、玩具展開のため、服装・ステッキなどのマイナーチェンジ)と新しいお供(ピンク色の竜の子:カジラ)が加わることになる。

首藤剛志は放映前の打ち合わせの席でスポンサーから「名作なんて(言われなくても)いいんです、30分のCMだと思ってください」と言われたことを書き記している。これは本作に限らず、当時の多くのテレビアニメの現場で聞かれた発言である。

しかし、本作はそれに反発するかのように、お題目だけで終わることの多い「少女が夢を与える」という設定に向き合った稀有な作品となった。冷戦時代であった当時「人間が滅びれば夢もなくなる」という次元にまで話の内容は引き上げられ、普通の魔法少女だったモモは、いつの間にか核攻撃の阻止をするまでになっていた。この話は実は元々、最終回として構想されたのだという。また、打ち切りの決定に対する反発から、地球が滅びるというブラックな結末にすることも企図されていた。

変身シーンは「序盤」「中盤」「第2期」でそれぞれ異なる。本稿では代表的な「中盤」のシーンについて解説する。 モモの変身は当時新しくオリンピック競技として採用されて間もなかった新体操をモチーフとして使用しており、新体操のリボンを変身に使用している。また変身の瞬間にはオールヌードになる。ただしシルエット処理およびリボンによりボディライン以上の部分は見えない演出である。 結局、この作品はメイン・ターゲットとなる女の子たちに純粋に人気を得て、同時にある程度の年齢の男性たちにも(俗に言うロリコンものとして)人気があった。それはモモが『魔法の天使クリィミーマミ』や『うる星やつら』のラムと共にかなり後年まで、その「グッズを身につけた人物像」=「典型的なアニメマニアの図」という記号にもなってしまうほどの負の影響力もあった。

モモは交通事故で死んだ時にフェナリナーサのパパとママに「戻っておいで、体くらいいくらでも作ってあげるから」と言われる。しかしモモは「私が見たいのは魔法の国の私の夢ではなく、人間としての私の夢」ということを伝える。この番組で一貫して流れていたのは「夢は努力をすればきっと叶えられる」というメッセージであったと言えよう。

ミンキーモモはまた単なる女の子向けアニメ、という枠にとらわれずいろいろなアイディアも満載していた。その最たるものが巨大ロボ・ミンキナーサの登場であったり、いろいろな映画のパロディ、同じ首藤剛志原案のゴーショーグンのアイディアの使用などであった。これは首藤剛志が従来アニメの脚本をほとんど手がけていなかった若手ライターを多く起用したこととも関連している。

中国『魔法小仙女』(モモの名は「明琪桃子」)、フランス『Gigi』、イタリア『Il magico mondo di Gigi(ジジの魔法の世界)』など、海外でも放映された。

第二作(海モモ)

放映期間

登場キャラクター

ミンキーモモ
声 - 林原めぐみ
クックブック
声 - 桜井敏治
チャーモ
声 - 真柴摩利
ルピピ
声 - 横山智佐
王様
声 - 緒方賢一
王妃様
声 - 横尾まり
パパ
声 - 江原正士
ママ
声 - 渡辺美佐
ブレンダ
声 - 小林優子鶴ひろみ
モモ[4]
声 - 小山茉美

スタッフ

  • 制作:佐藤俊彦
  • 企画:嶋村一夫(読売広告社
  • プロデューサー:堀越徹日本テレビ)、大野実(読売広告社)、加藤博、梅原勝
  • 原案/構成:首藤剛志
  • キャラクターデザイン:芦田豊雄渡辺浩
  • 美術監督:長島若菜
  • 録音監督:清水勝則
  • 撮影監督:橋本和典
  • 音楽:長谷川智樹
  • 音楽制作:日本テレビ音楽、キングレコード
  • 監督補:工藤柾輝
  • 文芸担当:赤堀義浩、佐藤徹
  • 色彩設計:ひろかわゆり
  • 監督:湯山邦彦
  • 脚本:首藤剛志、浜田金広、佐藤茂、滝沢一穂、花園由宇保、菊池有起、武上純希金春智子戸田博史、湯山邦彦、滝花幸代、西出明美、北条千夏、坂田俊二、志茂文彦金巻兼一桶谷顕、小西川博、土屋斗紀雄、遠野秋彦、石田昌久
  • コンテ:湯山邦彦、箕ノ口克己、加戸誉夫、上杉晋作、芝崎素子、工藤柾輝、野舘誠一、小林哲也、藤本義孝佐山聖子、泰泉寺博
  • 作画監督:渡辺浩、三島利佳、堀内修、橋本敬史とみながまり、佐藤敬一、梶浦紳一郎、下笠美穂、つるやまおさむ、林委千夫、堀澤聡志、松本勝次、石川健朝、山内則康
  • 原画:スタジオライブきのプロダクションジュニオスタジオ、スタジオサムタック、プロジェクトチーム・ムー、stフルハウス、東京キッズ、ムー・フィルム
  • サブキャラクターデザイン:とみながまり
  • ゲストキャラ:氏家章雄、渡辺ひろし、石川健朝
  • 設定担当:阿部雅司
  • 動画チェック:東出太、山岸昌裕、湊和良、岡辰也
  • 動画:葦プロダクション、プロジェクトチーム・ムー、新友動画、銀河プロ、きのプロダクション、ジュニオスタジオ、スタジオライブ、スタジオサムタック、ムー・フィルム、日昭動画、OH!プロダクション、新世代動画、孝仁動画
  • 色指定/検査:C.C.R、佐藤優佳、吉村深雪、真田祥子、藤田弘美、スタジオしゃどう、中野倫、森功子、国分優美子、小作由美子、佐藤和子、山崎一美、スタジオトイズ、森雅美、田村至子、
  • 仕上:G.P.Eスタジオ、新友動画、銀河プロ、スタジオOM青森、日昭動画、新世代動画、孝仁動画、スタジオトイズ、虹橋動画
  • 特殊効果:マリックス、千葉豊、山本公、真田祥子
  • タイトルリスワーク:マキ・プロ
  • 背景:プロダクション・アイ
  • 撮影:スタジオパートナー、ムー・フィルム
  • 現像:東京現像所
  • 編集:古橋宏、田熊純
  • 音響制作:ザックプロモーション
  • 調整:成清量
  • 効果:加藤昭二(アニメサウンドプロダクション
  • 整音スタジオ:整音スタジオ
  • 広報:鈴木康子→立柗典子
  • NTVデスク:財前祐子→奈良直子
  • 制作進行:小林毅、丸川直子、関谷雅仁、中野浩二、田中真一郎、山東学、千野孝敏、乙須克寛、倉田雅彦
  • 演出:加戸誉夫、泰泉寺博、野館誠一、阿部雅司、藤本義孝、三浦辰夫、渡辺ひろし、平野謙
  • 企画制作:NTV
  • 製作:葦プロダクション、読売広告社

主題歌

オープニング
『夢見るハート』
作詞 - 森野律/作曲 - あみ啓三/編曲 - 長谷川智樹/歌 - 小森まなみ
第1期のオープニング
夢を抱きしめて
作詞 - 渡辺なつみ/作曲 - 岡崎律子/編曲 - 西脇辰弥/歌 - 林原めぐみ
第2期「夢を抱きしめて」のオープニング
エンディング
『ダバダバFallin'Love』
作詞 - 渡辺なつみ/作曲 - 岡崎律子/編曲 - 長谷川智樹/歌 - 小森まなみ
第1期エンディング
好きより大好きミンキースマイル!
作詞 - 渡辺なつみ/作曲 - 岡崎律子/編曲 - 西脇辰弥/歌 - 林原めぐみ
第2期エンディング
『約束』
作詞・作曲・歌 - 岡崎律子/編曲 - 長谷川智樹
最終話で使用されたエンディング

ネット局

※印は時差ネット局。途中で打ち切りになった局も含む。

日本テレビ(キー局) - 札幌テレビ※、青森放送※、ミヤギテレビ山形放送※、福島中央テレビテレビ新潟テレビ信州テレビ金沢※、静岡第一テレビ※、中京テレビ※、よみうりテレビ※、西日本放送広島テレビ山口放送※、高知放送※、福岡放送長崎国際テレビくまもと県民テレビテレビ大分※、宮崎放送※、鹿児島テレビ※、沖縄テレビ

ストーリー

夢の国「フェナリナーサ」のプリンセス「ミンキーモモ」が地球で活躍した時代から十数年。そのフェナリナーサが地球からどんどん離れていってしまっている中で、海の底深く沈んでいたため地球上に最後まで残っていた夢の国「マリンナーサ」のプリンセスが、二代目「ミンキーモモ」として地球に夢や希望を取り戻すという使命を受け地上へと向かう。

解説

本作はある程度子供達の人気は高く、おもちゃの売れ行きもよかったようである。しかし、この時期には女性が社会で活躍するというのが普通になるなどといった社会の変化があり、「空モモ」の頃とは環境が変わってきていた。首藤剛志は放映終了後に「90年代初期の「海モモ」の時代には「大人になったからといって、何ができるというんだ」「むしろ何もできはしない」という雰囲気が子供たちの間に、漂ってきていたようだ。(中略)90年代には、大人になる事が「夢」へのきっかけとして機能しなくなっていた。「夢」がキーワードのミンキーモモは、90年代の「夢」がなんであるかを、探さなければならない作品になってきたのだ。」と回想している[5]

後半では「夢を抱きしめて」が副題となり、こうした時代における夢を語るため、当時の社会問題に基づいたエピソードが増えていくことになる。それに伴い、大人に変身する魔法は殆ど使われなくなる。「海モモ」ではを阻むものとして、核兵器冷戦環境破壊紛争システム社会等現実の社会問題を前作を更に進めた形で取り上げ、ひとくくりに魔法少女シリーズとは言えなくなってきている。「海モモ」のキャラクターがお気楽で明るく描かれているのに対し、ストーリーでは現実の社会問題を大きく取り上げることは作品にリアリティを与えていた。

物語上では、新しくできた国境により妖精がいなくなり、モモは魔法の力を失う。モモは、夢のカケラを拾い、世界に夢を取り戻そうとする。前作で人間として生き自分自身の夢を見る事を選んだ「空モモ」に出会うといった話もある。これは「空モモ」と「海モモ」のストーリーの継続性だけでなく、二人のモモの違いにより時代による夢の違いも表現されている。

「海モモ」の最終回は、とうとう現実世界での夢や希望を取り戻すということができず、地球に最後に残った夢の国も地球から離れていく。その一方、地球の両親は不治の病(裏設定ではAIDS)であり、その死とともに消滅するかもしれないという1990年代ならではの現実性を帯びた衝撃の展開を迎える。その末にモモは両親の夢を守り続けるために、自分が消えてしまうかもしれないことを覚悟で地球に残り、静かに暮らしていく。

「海モモ」の最終回はいわゆる「空モモ」「海モモ」の両作品を合わせ、「魔法のプリンセスミンキーモモ」という作品の一つの区切りとなった。

メカニック

グルメポッポ(両作とも)
小形自動車とそれに牽引されるキャンピングカーからなる。小型自動車は屋根からローターが出る機能があり、キャンピングカーの屋根の上にドッキングして、空を飛ぶことが可能。
当初「お菓子を乗せた蒸気機関車の列車」を出す予定があり、それに合わせて考案された名称である。メカは変わったが、名前だけが残った。
空モモではパート1では45話で魔法の力がなくなり消滅。夢の中の世界とされたパート2にも登場している。
放映当時、魔女っ子系の作品で変形メカが登場することはまれであった。
初代は玩具としてポピーから発売された。また、同機を模したポップコーン製造機も販売された。
ミンキナーサ(空モモのみ)
第31話「よみがえった伝説」の回にのみ登場。ピンクアロー、クィーンピピル、シンドジャック、キングモッチャーの4機のメカが変形・合体する巨大ロボット。葦プロ作品である「戦国魔神ゴーショーグン」などのパロディ。各メカの名前もゴーショーグンのメカ(キングアロー、ジャックナイト、クィーンローズ)から。また敵メカのゴッドスルメッチは同作の最後の敵のパロディ。

夢の少女

ミンキーモモシリーズは「魔法使いサリー」以来の魔法の国からやってきた少女が魔法を行使するという定番の設定であるが、反面それら作品群の少女達があくまで「魔法の国の先天的に魔法が使える人間」の域を出ないのと異なり、モモは夢の化身(首藤のモモの前身の芝居において妖精の青年として創造された存在でもある)としての一面を垣間見せている。

夢の世界と住人
夢の世界は地球の人々の夢によって維持される世界であり、人々が夢を失うと世界も住人も消滅するしかなく、それは海モモ後期においては特に切実に描かれており、人類が消え、自らも消滅する夢をモモが見ている。そもそも夢を人々が失った事から「フェナリナーサ」は天へ、「アサナリナーフ」(「それからのモモ」に登場)は地へ、「マリンナーサ」は海深く沈んだのである。またいずこに消えた夢の国の一つに、悪夢のプリンセス「シャドー」(モモ達の遠縁の親類に当たる)の故郷、悪夢の国も存在した模様。これらの世界の住人は妖精天使魔物UFOなど様々な存在であり、ウラヌスのような怪獣も棲息する。空モモの時には、アンドロイド人間のカップルもこの世界へ行った。ちなみにフェナリナーサの1年は地球の160年である。
モモとモモ
夢のエネルギーが尽きグルメポッポを失ったモモはピーターという人物に助けられるが、しゃべれるモチャー達を捕らえた悪人達によってペンダントを壊され、ピーターを射殺されたショックで暴走し、目を輝かせ、悪人の車を破壊、破滅へ追いやった後にピーターを復活させた。モモは地球で自分が大人になるのに千年かかる事実に途方にくれるが、そのしばらく後に自動車事故で天に召され、人間として転生した。十二年後モモはかつての自分と同じ、マリンナーサのモモと邂逅、後に一緒に映画出演をするものの、映画に映っていなかった(二人で撮影したが、フィルムに焼かれていたのは人間のモモだけだった)事実に絶望して魔法を捨てようとしたモモを支えたのは人間になったモモであった。

OVA

  • 『魔法のプリンセスミンキーモモ 夢の中の輪舞』(1985年:ビクター音楽産業(現ビクターエンタテインメント)、ネットワーク フロンティア事業部(現バンダイビジュアル))
    • メインキャラの声をあてた声優のうち、モチャーの声のみ声優がTVシリーズと異なる(星野桜子)。またゲストキャラにも一部、声優の変更がある。
    • 発売当時、『魔法の天使クリィミーマミ』のOVA「ロング・グッドバイ」と併映で松竹富士配給により劇場公開もされた。その際、『魔法のプリンセスミンキーモモVS魔法の天使クリィミーマミ 劇場の大決戦』というおまけの短編がつけられている。これは、両作品がともに読売広告社大野実をプロデューサーとしていたことから実現したもので、作画はモモ側はわたなべひろし、マミ側は後藤真砂子が担当し、演出はマミの望月智充である。
    • 主題歌は志賀真理子で、事実上彼女のデビュー作である(公式には異なる)。
  • 『魔法のプリンセスミンキーモモ 瞳の星座 ミンキーモモSONGスペシャル』(1987年:ビクター音楽産業(現ビクターエンタテインメント))
    • 歌に映像を載せたミュージックビデオで、各歌前のアイキャッチ及び新録の「瞳の星座」(小山茉美)の部分が新作であり、他はテレビシリーズの再編集である。
  • 『ミンキーモモ 夢にかける橋』(1993年スターチャイルド
  • 『ミンキーモモ 旅だちの駅』(1994年キングレコード

なお、「夢にかける橋」および「旅だちの駅」は正確には「ミンキーモモ」という冠タイトルが付き、「魔法のプリンセス」は意図的に削除されている点に注意が必要である。これは、モモが魔法の力を失った後に、いかに彼女(達)が地球で人々と関わり合って行ったかを描いたOVAだからであり、あくまでも人間としてのモモを描いたものだからと言える。だからというわけではないが、この2作は「海モモ」後期を凌駕するほどの哲学的な作品となっている。反面、本来の路線から乖離しているという意見もある。

「夢にかける橋」および関連商品購入の特典は、応募者全員名前コールCDというもので、8cmCDに15分強、ひたすらモモ(=林原めぐみ)が応募者の名前をコールするという、前代未聞のものであった。

書籍

  • 1982年 「魔法のプリンセスミンキーモモ 1 スチュワーデスにへんしん!」(ひかりのくに
  • 1982年 「魔法のプリンセスミンキーモモ 1 ひとりぼっちのユニコーン」(小学館
  • 1982年 「魔法のプリンセスミンキーモモ 2 ちていのくにのジャングル」(小学館)
  • 1982年 「魔法のプリンセスミンキーモモ 3 雪のせいのサラ」(小学館)
  • 1983年 「PEACH BOOK いつかきっと」 アニメージュ文庫徳間書店
  • 1983年 「ロマンアルバム 魔法のプリンセスミンキーモモ」 空モモ(徳間書店)
  • 1983年 「魔法のプリンセスミンキーモモ」 ファンロード別冊(ラポート
  • 1983年 「魔法のプリンセスミンキーモモNo.2」 ファンロード別冊(ラポート)
  • 1984年 「それからのモモ」 アニメージュ文庫(徳間書店) - 人間に生まれ変わり、ロンドンで12歳の誕生日を迎えたモモの物語。別の夢の国である「アサナリナーフ」の住人が登場したり、モモが魔法により再び変身する描写がある。これらの点は(やはりロンドンに移住したという設定の)海モモには登場しない。
  • 1985年 「魔法のプリンセスミンキーモモ 夢の中の輪舞」 アニメージュ文庫(徳間書店)
  • 1992年 「魔法のプリンセスミンキーモモ THIS IS ANIMATION SPECIAL」(小学館)
  • 1994年 「ロマンアルバム 魔法のプリンセスミンキーモモ」 海モモ(徳間書店)

都市伝説

  • 「空モモ」においては1期・2期ともに本放送時の最終話放映日に地震が発生しており、1期目の最終話では放映中に関東地方で弱い地震が起きて地震速報のテロップが表示された。2期目の最終話(「空モモ」としての最終話)の当日には日本海中部地震が発生している。このことから、ファンの間でミンキーモモと地震の因縁が都市伝説のように語られることもあるが、「海モモ」においては特に地震と関係のあるような出来事は起きなかった。

続編構想など

  • 首藤剛志は「WEBアニメスタイル」連載で、空モモ、海モモに続く『ミンキーモモ』第3期の企画があることを明らかにした。ただし、実現時期は未定である(ていうかこの情報は2006年頃にあったんだけど未だにその動きは見られない。もしかして白紙になったのか?)。
  • みらくる・ドリーム ミンキーモモ』(作者:山辺麻由)が小学館の学習雑誌「小学二年生」2004年度版(2004年4月号~2005年3月号)に連載された。主人公モモはリーフィナーサのプリンセス。一部では『三代目モモ』『陸モモ』と呼ばれる。当時あったアニメ版企画を元にしているとされるが、上記の「第3期の企画」との関連は不明。2008年現在、これをベースとしたアニメ化作品は制作されていない。

その他

作品設定にまつわる話題

  • モモという名前やお供の3匹の構成(犬・サル・鳥)は「桃太郎」をモチーフとして企画が生まれたことに由来する。当初「モモ」で企画したが、既に商標登録されており、「ミンキーモモ」となった。
  • タイトルが類似していることから、本作はミヒャエル・エンデの『モモ』からもってきたものと思われがちだが、真相は前述の通りで、首藤もWeb上ではっきりと否定している。
  • 首藤剛志は『ミンキーモモ』の前身は夢の国「フィナリナーサ」から来た妖精の青年が挫折する自作の芝居であるとコメントしている。
  • 空モモのキャラクターは最初に漫画家のみさきのあによってデザインされた後、芦田豊雄とアニメーターの服部あゆみがアレンジして完成した。3名が「キャラクターデザイン」としてクレジットされているのはこのためである。みさきのあの初期のキャラクターデザインでは少女漫画らしいフワフワした髪形であったが、芦田がアニメ向けにアレンジする際にその描き込まれた髪形をアニメで再現出来なかったため服部あゆみが描いた髪型を採用した。結果としてアニメキャラでは他に例を見ない独特なものになった。
    • みさきのあは、TV放送と同時期にコミック版を『週刊少女コミック』に連載(82年8号~17号、10回。ただし1話あたり4ページ程度)、その後も他の雑誌やムックなどに続編や番外編が散発的に発表されている。同作中の変身の呪文「プルル・オフ」は、企画初期段階の案である「ヤーチャイ・マーバットン・プルル・オフ」を省略したものだという。
  • 「空モモ」ではBGMの一部に流用曲が使われている。騒動の時に良く流れる曲は『まんがことわざ事典』の流用である。また、第42話「間違いだらけの大作戦」で爆撃機が滑走路に出てくるシーンの曲はオリジナルが不明だがやはり流用曲。これは『魔法の天使クリィミーマミ』にも流用されていた。このほか、第41話「お願いサンタクロース」のラストに使用されている歌は、本作の音楽を担当したビクター音楽産業が、色々なシチュエーションに使うために保持している、著作権が放棄された曲(特定の作品に付随しない)である。

関連商品

  • ヘアスタイルが災いし頭のバランスが取りづらいこと、また女児であり色気に欠けるため、モモのフィギュアモデルはその人気に対して意外に少なかった。それでも80年代、ガレージキットのフィギュアでモモのフィギュアが複数商品化され、当時バンダイから出ていた機動戦士ガンダムのフィギュアと共に今に連なる萌えフィギュアの原点となった。
    • 特に秋山徹郎の原型及び生産の10cm弱のフィギュアは人気があり、プラモデルフィギュア化が決定した。また、海洋堂からは50㎝もあるものも出ていたが、これは置き場に困る上、アニメ風ではないリアルな造型でファン受けは悪かった。
  • 黎明期の国産パソコンにおいて、画面にアニメキャラを表示させることがユーザー間で流行した。ミンキーモモはラムリン・ミンメイと並ぶ人気キャラクターであった。特に雑誌テクノポリスにおいては『ミンキーモモ速書きベンチ』と称して、多機種にわたりミンキーモモを表示するBASICプログラムの開発を行い、その描画処理時間をパソコンの性能評価基準の一つとしていた。
  • ファミリーコンピュータ専用カセット『魔法のプリンセス ミンキーモモ リメンバードリーム』が1992年にバンダイグループの1社、当時のユタカ(現・ポピー)より発売された。
  • パチンコ遊技機(タイアップ機)で、「CR魔法のプリンセス ミンキーモモ」が2004年、 タイヨーエレック社から確率変動デジパチで出ている。CVはすべて「空モモ」時の声優陣(モチャーのみOVA版の稀代桜子)。スペシャル演出にミンキナーサの出現あり。

他の作品への登場や類似するもの

  • アニメ『さすがの猿飛』において、小山茉美演じるゲストキャラが登場する、ほとんど本作の番外編とも言える作品が1つ作られている(第38話「モモちゃん忍法・変身の術」、1983年7月17日放映)。本作では大人バージョンから少女バージョンへの「変身」は、「忍術による催眠術」と説明されている。声優陣に加えて、首藤剛志をはじめとする脚本陣や演出家などのスタッフが共通したことの相乗効果とされる。
  • アニメ版『北斗の拳』でミンキーモモに似た風貌のキャラクターが出てきたことがある。このほかにもスタジオライブ葦プロダクションに関連する作品にはこの類の遊びは少なくない。また、それ以外にも「空モモ」の本放映当時には、当時流行していたモブキャラ遊びにしばしば顔を出した。
  • アニメ『機動戦士Ζガンダム』のハマーン・カーンはヘアスタイルおよび髪の色がミンキーモモに酷似しているとしばしば言われる。
  • アニメ『ポケットモンスター』で、ミンキーモモ似の魔女っ子がポケモンとしゃべれる魔法の薬を作るが失敗し、サトシをピカチュウに変身させてしまう話がある。同作の監督は湯山邦彦、メインライターは首藤剛志である。
  • 双葉社の雑誌『スーパーロボットマガジン』vol.9に読み切り漫画として「ミンキーモモ(空モモ)対ゴーショーグン」が掲載された。空モモ第31話のゲストメカである巨大ロボ・ミンキナーサがゴーショーグンと共闘してドクーガと戦う、というもの。どちらも葦プロ作品であることから、「葦プロマンガまつり」というキャッチフレーズもついている。元々ミンキナーサはゴーショーグンのパロディであるところから生まれた企画であろう。ただし、ミンキーモモ本編のファンにとっては「何かの間違いとしか思えないような、勘違いした内容」となっており、却って不評を買っている。
  • Playstation2用のゲームゼノサーガシリーズに登場する主要キャラクター、百式観測機モモは、外見的にもその境遇においても、ミンキーモモと類似している点が多い。いわゆるオマージュであるか、それとも完全に独立してデザインされたキャラクターであるかは不明。ただ、エンデから続く「『モモ』という名前のちっちゃい女の子」と彼女を取り巻く人々あるいは事象という構図において見ると、不思議な連環が垣間見える。

脚注

  1. この他、主人公については、声を演じた声優の名前を取って、「空モモ」を「小山モモ」、「海モモ」を「林原モモ」と呼ぶこともある。なお、小山と林原は、ともに「七色の声」の持ち主と言われている。
  2. 放送序盤(第4話まで)は「アダルトタッチで(~ になれ)」の部分がなかった。5話では「~ になれ」、6話では「アダルトタッチで ~」となり、「アダルトタッチで ~ になれ」で定着したのは7話からである。
  3. 第4話のみ「フィナリナーサ」。この言葉は首藤剛志がかつて執筆した戯曲に登場するものだが、『ミンキーモモ』に使用するに当たって「発音しづらい」等の理由で「フェナリナーサ」に変更されたものの、この話だけうっかり出てしまったという。なお、第1話ではフェナリナーサについての設定は明らかにされておらず、それが初めて語られたのがこの第4話である。
  4. エンディングでは「初代モモ」と表記されている。フェナリナーサのミンキーモモが人間として生まれ変わった姿である。
  5. WEBアニメスタイル 「シナリオえーだば創作術」 第96回(2007年4月25日)での記述[1]

外部リンク

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