田園調布駅
田園調布駅(でんえんちょうふえき)は、東京都大田区田園調布三丁目にある、東京急行電鉄の駅である。
目次
概要
東横線と目黒線が乗り入れている。線路名称上では、当駅が正式な目黒線の終点であるが、東横線の当駅から日吉駅までは複々線で、そのうち2線を使用し目黒線の列車は日吉駅まで運行しており、当駅 - 日吉駅間でも両系統を案内上別路線として扱っている。駅番号は東横線がTY08、目黒線がMG08である。
駅長所在駅。田園調布管内として、当駅と多摩川駅および東急多摩川線沼部駅を管理している。
歴史
- 1923年(大正12年)3月11日 - 目黒蒲田電鉄の目黒 - 丸子(現・沼部)間開通と同時に開業。開業当時の駅名は調布駅。
- 1926年(大正15年)1月1日 - 駅名を田園調布駅に改称[1]。
- 1994年(平成6年)11月27日 - 目蒲線のホームを地下化。
- 1995年(平成7年) - 東横線のホームを地下化(6月に下りを、12月に上りを地下化)。
- 2000年(平成12年)8月6日 - 目蒲線が目黒線と東急多摩川線に分割され、当駅は目黒線の駅となる。
- この年、関東の駅百選に選定されている。
駅構造
島式ホーム2面4線を有する地下駅。外側は東横線、内側は目黒線が使用する。横浜方面と日吉方面、渋谷方面と目黒方面は同一ホームで乗り換えが可能である。目黒線のホームにはホームドアが設置されている。
改札口は地上1か所のみで、有人通路は「シースルー改札」である。
トイレは改札内にあり、ユニバーサルデザインの一環として多機能トイレも設置されている。
改良工事前は3面4線の形態で、東側は目蒲線が、西側は東横線が使用し、駅舎も地上にあったが、改良工事中は橋上駅舎となり、同時に現行の形態に変更された。
のりば
番線 | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | ■東横線 | 下り | 武蔵小杉・横浜・■みなとみらい線 元町・中華街方面 |
2 | ■目黒線 | 下り | 武蔵小杉・日吉方面 |
3 | ■目黒線 | 上り | 目黒・南北線 赤羽岩淵・ ■埼玉高速鉄道線 浦和美園・三田線 西高島平方面 |
4 | ■東横線 | 上り | 渋谷・副都心線 池袋・■西武線 所沢・■東武東上線 川越市方面 |
特徴
東西方向に傾斜があるため、東側の街区は改札口と同じ高さだが、西側の街区はおよそ建物1階分高くなっている。
西側に面した洋館風の旧駅舎は東横線複々線化事業の一環としての田園調布 - 多摩川間改良工事に伴い1990年(平成2年)9月4日に使用停止となり解体されたが、改良工事が完成した2000年(平成12年)1月15日に復元された。復元後は駅舎としての機能は持っていないが、入口の裏側にエレベーター乗り場がある。
周辺が閑静な住宅街であることから夜間工事は不可能で、長期にわたる難工事となった。この改良工事では当初田園調布・多摩川両駅へのエレベーター設置の予定はなかったが、地元住民の運動により設置が決定され、その後の日本の鉄道駅の本格的なバリアフリー化の嚆矢となった。
埼玉高速鉄道線浦和美園駅および都営地下鉄三田線高島平駅を発着する臨時列車「みなとみらい号」は、2006年(平成18年)8月運転分まで武蔵小杉駅で目黒線から東横線への転線を行っていたが、同年12月運転分から当駅で転線を行っている。
2013年(平成25年)3月16日の東横線の東京メトロ副都心線乗り入れに伴う優等列車(急行・特急・通勤特急)の10両編成化に対応できるように、地下化当時から渋谷方に2両分ホームが延長された。
東横線・目黒線の多摩川駅寄りには、東急多摩川線への連絡線が設けられており、同線の多摩川駅(5・6番線ホーム)へ直通している。この連絡線は2000年(平成12年)8月5日以前に目蒲線が使用していた。
利用状況
2013年度の1日平均乗降人員は、東横線が24,321人、目黒線が11,983人である[2]。近年の1日平均乗車人員は下記の通り。
年度 | 東 横 線 | 目 蒲 線 | 出典 |
---|---|---|---|
1990年 | 42,058 | 32,586 | [3] |
1991年 | 41,139 | 31,770 | [4] |
1992年 | 39,381 | 30,230 | [5] |
1993年 | 38,833 | 28,564 | [6] |
1994年 | 13,488 | 3,745 | [7] |
1995年 | 13,123 | 3,557 | [8] |
1996年 | 13,178 | 3,444 | [9] |
1997年 | 13,090 | 3,468 | [10] |
1998年 | 12,611 | 3,701 | [11] |
1999年 | 12,433 | 3,724 | [12] |
年度 | 東 横 線 | 目 黒 線 | 出典 |
---|---|---|---|
2000年 | 12,614 | 3,888 | [13] |
2001年 | 12,019 | 4,381 | [14] |
2002年 | 12,170 | 4,189 | [15] |
2003年 | 12,238 | 4,336 | [16] |
2004年 | 12,151 | 4,315 | [17] |
2005年 | 12,164 | 4,413 | [18] |
2006年 | 12,332 | 4,608 | [19] |
2007年 | 12,869 | 5,005 | [20] |
2008年 | 12,926 | 5,241 | [21] |
2009年 | 12,868 | 5,304 | [22] |
駅周辺
噴水を中心とした西口ロータリー、そこから広がる放射状および同心円状の道路、街路樹の銀杏並木は旧駅舎と合わせて広く知られており、田園調布のランドマークである。商業施設は東側に存在する。特に西側は都内でも有数の高級住宅街である[23][24]。
- 大田区立田園調布小学校
- 大田区立宝来公園
- 大田区役所田園調布特別出張所
- 東京都立田園調布特別支援学校
- 東京都道311号環状八号線
- 田園調布中央病院
- 田園調布駅前郵便局
- 三井住友銀行田園調布支店
バス路線
改札口北側にバスターミナルがあり、東急バス4系統と無料シャトルバス1系統の計5系統を運行している。
- 渋11 渋谷駅行
- 園01 千歳船橋行
- 園02 世田谷区民会館行
- 蒲12 蒲田駅行
- 直行 IKEA港北行無料シャトルバス(東急バス新羽営業所による運行)
- 日曜日と祝日の午後は隣の自由が丘駅前周辺が歩行者天国で通行止めになるため、同駅を発着する東急コーチ自由が丘線(自01・02・11・12)は折り返し待機のため当駅まで回送される。
廃止路線
- 園03 成城学園前駅行
- 園05 駒沢大学駅行
- 園11 羽田空港行 - 京浜急行電鉄(現・京浜急行バス)との共同運行。東急側は園10として大森駅東口までに短縮され、廃止された。運行時は森05・大森線と重複し、洗足池では乗客を載せたままバス転回所で折り返していた。東急との共同運行解消後はそのまま京急により単独運行していた。1993年(平成5年)9月27日の国内線ターミナル移転後も同路線は国内線ターミナルに乗り入れず、国際線ビルまで運行していたが、利用客が少ないことを受け、1998年(平成10年)3月の国際線ビルの移転に合わせて廃止されている。
- 森10 大森駅(大森操車所)行 - 渋33・渋谷駅 - 大森駅間(現在の渋谷駅 - 多摩川駅間)のバスが分割され、当駅発着となった。桜坂を通っていた。
駅名の由来
駅設置当時、荏原郡調布村大字上沼部字旭野に立地していたが、村名を採って「調布駅」としたものである。間もなく「田園」を冠することになるが、東急では「田園都市づくりから」としている。
「調布」の由来は、古来この地で朝廷に調(「みつぎ」。租税の一種)として手作りの布を納めていたことによるもので、京王線沿線の調布市と同じである。地名はこの調布に対して「東調布」を名乗ったが、2009年現在は駅名に合わせて「田園調布」となっている。
隣の駅
- 東京急行電鉄
- ■東横線
- ■目黒線
脚注
- ↑ 「地方鉄道駅名改称」『官報』1925年12月16日(国立国会図書館デジタル化資料)
- ↑ 東急電鉄「各駅乗降人員」
- ↑ 東京都統計年鑑(平成2年)226ページ
- ↑ 東京都統計年鑑(平成3年)232ページ
- ↑ 東京都統計年鑑(平成4年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成5年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成6年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成7年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成8年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成9年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成10年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成11年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成12年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成13年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成14年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成15年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成16年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成17年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成18年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成19年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成20年)
- ↑ 東京都統計年鑑(平成21年)
- ↑ 『高級住宅街の真実 セオリー2008 vol.2』講談社 2008年3月25日
- ↑ 高級住宅街の代名詞である田園調布 - 東京の高級住宅街、住むならどこがベスト/日本一のブランド力を誇る「田園調布」