超時空世紀オーガス
『'''超時空世紀オーガス'''』(ちょうじくうせいきオーガス)は、[[1983年]][[7月3日]]から[[1984年]][[4月8日]]まで[[毎日放送]]を[[キー局]]に[[東京放送|TBS]]系にて全35話が放映された[[SFアニメ]]([[ロボットアニメ]])。放送時間は毎週日曜日14時から14時30分。 本稿では全6話構成の[[オリジナルビデオアニメ|OVA]]作品として[[1993年]]から販売された続編『[[#超時空世紀オーガス02|'''超時空世紀オーガス02''']]』(ちょうじくうせいきオーガスツー)についても記述する。 {| border="1" align="right" style="text-align:center; border-collapse:collapse; border:2px solid black; white-space:nowrap" |- |colspan="3" style="background-color:#99ffff; border:1px solid black; white-space:nowrap"|'''[[超時空シリーズ]]''' |- |style="border:1px solid black; background-color:#99ffff; white-space:nowrap"|'''通番''' |style="border:1px solid black; background-color:#99ffff; white-space:nowrap"|'''題名''' |style="border:1px solid black; background-color:#99ffff; white-space:nowrap"|'''放映期間''' |- |style="border:1px solid black; background-color:#99ffff; white-space:nowrap"|'''第1作''' |style="border:1px solid black; white-space:nowrap"|[[超時空要塞マクロス]] |style="border:1px solid black; white-space:nowrap"|1982年10月<br>~1983年6月 |- |style="border:1px solid black; background-color:#99ffff; white-space:nowrap"|'''第2作''' |style="border:1px solid black; white-space:nowrap"|[[超時空世紀オーガス]] |style="border:1px solid black; white-space:nowrap"|1983年7月<br>~1984年4月 |- |style="border:1px solid black; background-color:#99ffff; white-space:nowrap"|'''第3作''' |style="border:1px solid black; white-space:nowrap"|[[超時空騎団サザンクロス]] |style="border:1px solid black; white-space:nowrap"|1984年4月<br>~1984年9月 |} == 解説 == 大ヒット作『[[超時空要塞マクロス]]』の後番組として製作された[[超時空シリーズ]]第二作。[[スタジオぬえ]]、[[アートランド]]のスタッフが引き続き登板したが、制作は[[タツノコプロ]]から[[東京ムービー新社]]に交代。マクロスの作画難に業を煮やしたテレビ局側の判断とも云われ、アクションシーンの作画はマクロスに劣るものの全体的な作画レベルは改善されている。 放送当時はマクロスの近未来に関連する作品とも云われたが、マクロスの後継作([[マクロスシリーズ]])登場後、その解釈は希薄になっている。この事に関しては多少の矛盾点もあることなどから、賛否両論ふくめ、両作品のファンにとって永く関心のひとつとなっていたが、これまで公には否定も肯定もされないままだった。オーガスの世界では2050年代末より統合軍分裂戦争が勃発する設定であるが([[超時空世紀オーガス#登場メカニック|ブロンコII]]の項目も参照) 元々の企画がSFパロディーだったマクロスに比べ、スタジオぬえの本領である本格的なSFテイストの設定で、[[タイムトラベル]]、[[パラレルワールド|平行世界]]、[[軌道エレベータ]]などのSF要素が意欲的に盛り込まれている<!--(このSFテイストをふんだんに盛り込んだ幻想的な世界観の創出という手腕は、のちに[[アーテック]]のPCゲームソフト『[[ディガンの魔石]]』においても発揮され、その奥深く非の打ちどころがない設定は当時のゲームファンを魅了した。同作の原作者兼ゲームデザイナーでもある[[羅門祐人]]の小説『[[自航惑星ガデュリン]]』シリーズとスーパーファミコン用ソフト『[[ガデュリン]]』(こちらはOVAも製作されている)でもスタジオぬえの作った世界設定がそのまま使用されている)-->。 異世界風のメカニックコンセプトを[[宮武一貴]]が創出し、同時期の『[[聖戦士ダンバイン]]』と並んで宮武デザインの代表作となった。メカデザインは当初[[石津泰志]]が単独で手がける予定だったが、その作業が大幅に遅れたため宮武がメインとなったという裏話がある。当時宮武は『ダンバイン』に加えて『マクロス』劇場版で初監督を務める[[河森正治]]のサポートという形でメカデザインも手がけていたが、家庭の事情で自宅を離れられない状況となっており『オーガス』の作業が回ってきた事で完全なオーバーワークになっていたという。結果的にスタジオぬえの会社的な事情も考慮して宮武は『ダンバイン』をごく初期で降板し、『マクロス』の作業終了後は『オーガス』に全力投球する事となる。 宮武は本作のメカデザインにおいて、セオリーとは逆に「味方側メカを曲線的に、敵側メカを直線的に」デザインする試みを行っており、さらに番組後半には敵側にも主役メカと同クラスの変形機構や戦闘能力を持つメカ「ナイキック」を登場させている。しかしこうした試みは結果的に後述の玩具・プラモデルなどのスポンサー商品の売り上げ不振を招く結果となった。 作品テーマとしては佳作だったが、人気面では前作マクロスが集めた熱烈なファンを完全に引き継ぐことができず、商業面でも今ひとつの成果に留まった。ファンの期待はメカニックやキャラクターの描写にあり、その点で複雑なSF設定が「難解で取りつき辛い」と敬遠されてしまった。スタッフの意欲が理解されるほど、一般アニメファンのSFへの造詣は深まっておらず、その意味でテレビアニメとしてやや前衛的過ぎた作品だった。また、主人公を前作と正反対のプレイボーイに描いたことも、ファンの共感を得られず逆効果に働いた。ただし、[[美樹本晴彦]]がデザインした繊細な女性キャラクターは、作画の良さも相まって概ね好意的に迎えられた。 アニメ誌上で発表された仮題は『ネビュラードV-7』。当初はマクロスに続く「超時空シリーズ」とする気はなかった形跡がうかがえるものの、「時と空を超える」数奇なドラマは超時空の冠にふさわしい内容だった。 マクロスの海外翻案版である『[[ロボテック|ROBOTECH]]』において、マクロスの後に『[[超時空騎団サザンクロス]]』『[[機甲創世記モスピーダ]]』がリンクされ、本作は含まれて居ない。これは、製作元の違いが主な理由である。そのため、海外では他の超時空シリーズの作品に比べて知名度が低い。 {{ネタバレ}} == ストーリー == 西暦2062年、地球は[[軌道エレベータ]]の所有権を巡り、2つの陣営に分かれて争っていた。桂木桂(かつらぎ けい)の所属する自由宇宙軍(フリーダム・スペース・コー)は最新のD兵器・時空震動弾を用いて軌道エレベータのエネルギープラント破壊作戦を敢行する。だが、相手陣営の抵抗が激しく撤退せざるを得ない状況になり、憤慨した桂は未調整の時空震動弾を作動させてしまう。その結果、暴走した時空震動弾により時空は混乱し、世界はあらゆる多元世界の混じったパッチワークのような世界、「'''相剋界'''」と化した。そして桂自身も時空転移に巻き込まれ、時空振動弾破裂の20年後、混乱時空世紀20年(西暦でいえば2082年)の世界に飛ばされてしまった。 桂はエマーンの商隊に拾われ行動を共にするが、混乱時空修復の鍵となる「'''特異点'''」とみなされ、各勢力の争奪戦にさらされる身となる。さらに、もう一人の特異点、オルソンはチラムのエースパイロットとして桂の前に立ちはだかる。<!--ネタバレ→そしてもう一人のチラムのエースパイロットはなんと20年前に生まれた桂の娘、アテナだった。-->過去と現在が複雑に絡み合う中、時空再生に向かって桂木桂はオーガスを駆る。 == スタッフ == *企画:大西良昌 *原作:[[スタジオぬえ]] *原作協力:[[アートランド]] *連載:[[てれびくん]]、[[小学館の学習雑誌|一部の幼児向け雑誌]]、[[TVアニメマガジン|アニメマガジン]] *チーフディレクター:[[石黒昇]]、[[三家本泰美]] *シリーズ構成:[[松崎健一]] *シリーズ構成協力:[[宮武一貴]]、[[大野木寛]] *[[キャラクターデザイン]]:[[美樹本晴彦]] *[[メカニックデザイン]]:[[宮武一貴]] *メカニックデザイン協力:[[石津泰志]]、千葉昌宏 *音楽:[[羽田健太郎]] *音楽監督:[[鈴木清司]] *製作:[[毎日放送]]、東京ムービー新社 == 主題歌 == * オープニングテーマ:[http://www.pure-records.com/sounds/rm/Life_In_The_Sky/Augus.ram 『漂流~スカイハリケーン~』](作詞:[[三浦晃嗣]]、作曲・歌:[[ケーシー・ランキン]]) * エンディングテーマ:『心はジプシー』(作詞:三浦晃嗣、作曲・編曲・歌:ケーシー・ランキン) == キャスト == <!--ネタバレ注意--> ; 桂木桂(かつらぎ けい):[[速水奨]] : 主人公の地球人。フリーダム・スペース・コーの戦闘機パイロット(少尉)。時空振動弾を用いたため時空の歪みの元凶である「特異点」として各陣営から狙われることとなる。時空破壊の余波で20年後の世界に飛ばされ、エマーンの商隊に合流、オーガスのパイロットとなる。スケベで女性関係に節操のないマイペースな自由人だが、中盤以降は自ら招いた時空混乱の責任を負い行動する。 ; ミムジィ・ラース:[[佐々木るん]] : エマーン人の少女。17歳。ファクトリーの一員でスレイと婚約していたが、時空移動をしてきた桂と関わり強く惹かれていく。妊娠期限(後述)が迫っており、恋の板挟みに悩む。エマーン本国有数の名族実家・ラース家の次期後継者だった。ちなみにラース家はシャイアの実家・トーブ家と微妙な対立関係にあったという。 : {{SpoilerH}}物語が進む内に桂と結ばれ、妊娠。最終回の描写から後に彼の子を産んだとされる。最終回の結末部では様々な可能性の人生を送る彼女の様子が描かれていた。<br />続編の『オーガス02』では彼女がひとり別の世界に飛ばされたような描写があるが、これはTVシリーズ最終回の時空再構成の後に無数の存在に分裂した彼女の内のひとりが「02」の世界の過去(=再構成から取り残された世界におけるチラムに相当する場所の過去)に不幸にも飛ばされている様子を描いているらしい。そこで生まれた桂との子が後の触手を持つ少女ナタルマの祖先となる。{{SpoilerF}} ; シャイア・トーブ:[[滝沢久美子]] : エマーン人の女性。ファクトリーのリーダー。トーブ・インダストリアル・ファミリーというグループに属し、グローマの面々はシャイア・サブ・ファクトリーとも呼ばれる工業集団だった。そのため戦闘能力は低く、ドリファンドやオーガロイドの修理・改造等に能力を発揮した。妊娠期限をすでに終えている。信頼されるリーダーではあるが些か優柔不断かつ思慮に欠ける所があり、ファクトリーの面々には「ミムジィがいないとちょっと頼りない」と言われる事もある。 ; スレイ:[[橋本晃一|三橋洋一]] : ミムジィの婚約者だったが、大人しい性格が災いして桂の介入を許してしまう。彼女を振り向かせようとファクトリーの貴重な男手として戦闘に参加。努力の末彼女を振り向かせる事ができたものの、その直後戦死する。量産型オーガスに乗る。 ; マーイ:[[花咲きよみ]] : ファクトリーの一員のエマーン人の少女。おてんばで勝気。リーアとは双子である。赤いモラーバに乗る。 ; リーア:[[坂本千夏]] : 科学の発展した相剋界においてなぜか眼鏡をかけている。マーイとは双子。黄色いモラーバに乗る。 ; パプティ:[[高田由美]] : ファクトリーの一員。チラム軍との交戦で夫を亡くすが、気丈にヴィーとロームという双子の赤ん坊を育てる。常に両手に子供を抱いて行動している。 ; リーグ:[[大山高男]] : エマーン人の男性。ファクトリーの技術リーダーでオーガスの設計者。エマーン界屈指のエンジニア。終盤ではチラムの科学者と共に時空転移装置の開発に加わる。 ; ゴーヴ:[[北村弘一]] : エマーン人の男性。商魂たくましい老人。オーガス命名の際は「ギャモン」にすべきと主張。終盤にミムジィが妊娠した際も「名前は今度こそギャモン」とこだわりを見せる。 ; モーム:[[深雪さなえ|室井深雪]] : 人工生命による戦闘国家ムー製の人造人間。とはいえ少女型なので[[ガイノイド]]であり、今風に言うなら[[メイド]]ロボット。アンテナなどのロボット的記号を一切持たない人間の少女そのもののデザインは、当時としては新鮮だった。人間の同年齢の少女と比較するとバストが大きめで、胸元にメンテナンスハッチがある。アトランタ人の店で桂に「私を買ってください」と声をかけ、ファクトリーの一員となる。このとき、人身売買と間違えた桂木桂が店主につかみかかる一幕もあった。放送中はメインヒロインのミムジィよりも人気が高く、放送後初期に発売されたオリジナル編集版ビデオソフトは「モームの夢」というタイトルとなっていた。本来の用途は看護婦だが、掃除洗濯などの家事全般や、機械修理もこなす。飛行中のオーガスに取り付いて修理したり、機能停止していた大尉を再起動させたりした。かつてのムーでは同系機が大量生産されていたと考えられ、アニメのムックにはたくさんのモームが登場するイラストもあった。また、モームとほぼ同型の機体がムーで人間の代わりに狩られる様子もあった。 : {{SpoilerH}}バッテリーが充電及び交換が出来ないタイプのため寿命(稼働時間)が限られていた。軌道エレベータでの決戦の際、ムーのロボットから妊娠中のミムジィを守るためにビームガンのエネルギーに自分の残り少ないバッテリーを使用。最後は桂の腕の中で機能を停止した後、軌道エレベータ頂上の宇宙空間へ葬られた。{{SpoilerF}} ; ジャビー:[[銀河万丈]] : れっきとした平行世界上の地球人の一種だが、チラムやエマーンとは全く異なる進化を遂げた種族で、巨大なオオトカゲのような姿を持つ竜族の知的生命体である。グローマに同行し、生き別れになった恋人リップルを探している。穏やかで冷静な性格。超感覚を持ち、桂にアドバイスをする。オーガスの名付け親。何らかの特殊な器官が尾にあり、時空転移を予知したり、桂木桂が大特異点に到着したことを察知したりした。商売の客寄せとして働くため、嫌々ながら喉に火炎放射器を埋め込み、火を吐くことができる。 ; 大尉:[[屋良有作]] : ムーのロボット重兵。モームに拾われ修理を受けたあと行動を共にする。当初は役立たずかと思われていたが、大尉の階級にふさわしい戦闘力を持つ。一度ムーに帰還するが、現在のムーのあり方に疑問を持ち、「人間の足りないところをロボットが補うのだ」と結論する。終盤では軌道エレベータで桂とオルソンを上階へ向わせるために身を挺して入り口を守った。 : {{SpoilerH}}再度の時空振動弾爆発後は封印された「残された世界」に軌道エレベータと共に飛ばされてしまう。TVシリーズ本編と続編「オーガス02」の世界を繋ぐ存在。<br />ちなみに「02」登場時は[[堀之紀]]が声を担当。約200年の間に自らの身体を補修し、オーガス02を建造。自分と共に同じ世界に飛ばされた「分裂したミムジィのひとり」の子孫を捜し求める。{{SpoilerF}} ; オルソン・D・ヴェルヌ:[[鈴置洋孝]] : 桂の士官学校からの親友で、フリーダム・スペース・コーでもコンビを組んでいた。桂とともに時空混乱に巻き込まれ第二の特異点となったが、桂よりも5年早く15年後の世界に飛ばされた。相剋界となったこの世界に残った地球人勢力チラムの特務少将となる。桂が20年後へ時空転移してきたため、再会時は桂よりも5才年上となっていた。D兵器開発の進展に伴い大尉に降格された後に軍を脱走。桂とともに大特異点を目指し、時空の混乱を収拾しようと試みた。 ; アテナ・ヘンダーソン:[[勝生真沙子]] : チラム陣営の女性エースパイロット。愛国心が強く、軍の特異点奪取作戦のため桂を追う。実は桂の娘で、1話での時空変動の前の母ティナとの「逢瀬」の時に出来た子と分かり苦悩する。時空転移のタイムラグのせいで母の臨終を看取ってやれなかった上、同年齢のミムジィと付き合い、その上子供を身篭らせた事で母の事を忘れたと思い桂を恨んでいたが、後に桂と和解してグローマに乗る。母ティナの面倒を見てくれたオルソンを「おじ様」と慕い、やがて愛情を意識するようになる。 ; ティナ・ヘンダーソン:[[吉田理保子]] :時空混乱前、桂が交際していた女性の一人。<!--桂出撃直前の逢瀬で妊娠-->時空混乱後は娘アテナを育てていたが、桂と再会する前に亡くなった。余談だが、彼女と桂との「逢瀬」のシーンから本作は始まっている。 ; ロベルト:[[石森達幸]] : アトランタのトランの町近くに駐屯していたチラム軍イシュキック部隊の隊長で階級は大尉、後に大佐。野心的な人物で功績のためには味方すら犠牲にしようとする。特異点奪取のためグローマを執拗に追跡するが目的を果たせず、軍内部での立場が悪化したために無理な作戦を強行して戦死してしまう。 ; ヘンリー:[[林一夫]] : ロベルト隊の副官で階級は中尉。ロベルトの戦死後、復讐のために軍を隊ごと脱走。上層部の思惑を無視して特異点である桂とオルソンを殺害しようとする。 ; ジェフリー・ホワイト:[[村松康雄]] : チラム総裁。国家の存続のためには手段を選ばないが私心はない。生存のために民主主義を抑圧していることに心を痛めていた。 ; ナレーター:[[銀河万丈]] == 作品世界 == === 相剋界 === 桂が作動させた時空振動弾の影響で時空境界が損傷し、地球上に[[平行世界]]が複数混在するようになってしまった混乱世界。かつて(桂の所属する)地球の主だった人類(チラム人)を始め、人間そっくりなエマーン人・バラゴン人・アトランタ人など様々な多次元世界の種族が存在し、それぞれの勢力圏を築いている。大陸の陥没で地形は大きく変動し、空は海抜150メートルに時空の歪みの層が出来てしまい、それ以上に上昇出来ない。劇中ではもっぱらこの層のことを「相剋界」と呼んでおり、相剋界より高い空に抜けるにはただ一つ、軌道エレベータの内部を通るしかない。相剋界がレンズ現象を起こしているせいで[[温室効果]]により気温が上昇し、近い将来生命が途絶える可能性が高いといわれ、時空正常化が急務となっている。相剋界より高い上空に浮かぶ「'''大特異点'''」に特異点(桂とオルソン)が接触すれば時空の混乱が解消できると推測されており、各勢力はそれぞれの思惑で特異点奪取を目指す。一方で、チラムは特異点を必要とせず、再度の機械的な時空振動で修復を図る「D計画」を考案していた。 以下に各国家の特徴を記す。メカニックの特徴については「登場メカニック」参照のこと。 ; エマーン : 現在の[[タイ王国|タイ]]付近に本拠を構えると設定された国家。[[赤道]]近くに立地するため、混乱時空世紀の気候変動の影響をまともに食らっており、町全体が一年中空調のかかった巨大なドームに覆われ、ドームごとが[[パイプライン]]でつながっている。ムーを除けばこの話に出てくる国家の中で技術が一番発達しており、商品を他国家に交易することで莫大な利益を上げている。「グローマ」はそのための交易船の一つだった。政治体制としてはラース、トーブなどいくつかの[[貴族]]的名家による合議制を取っている。 : エマーン人は地球人(チラム人)によく似ているが、腰までの長さの触角(触手)が女性は2本、男性は1本、後頭部から生えている。この触角は、本人の意思で動かすこともできるが、大抵は感情に応じて勝手に動く。重量物を持ち上げたりするほどの力はなく、特に意味のない退化器官であり、チラムなどにスパイとして潜入している者は外科手術によって切除してしまっている。 : エマーン人女性の妊娠期間は17歳までしかない。エマーン人女性は17歳を越えると数度の高熱を発して生殖能力を失うとされ、それ以後の女性は恋愛対象にもならない上、性的羞恥心が完全になくなってしまう。シャイアが桂の前で平気で裸でうろうろしていたのはこのせいである。短い期間で大勢の子孫を残すため、子供はたいがい双子で誕生する。 : 完全な女系社会であり、代々の当主は女性と定められている。これはエマーン人は出生率が男子1に対し女性2という完全な「女余り状態」で女性の方が強いためである。しかし結婚となれば話は別で、妊娠期間の短さもあって、数少ない男性に大勢の女性が殺到し、男性側の完全な「売り手市場」である。シャイアが交易船に乗ってエマーン本国を離れているのは、この結婚バトルで双子の妹・マニーシャに敗北し、いたたまれなくなったからである。 ; チラム : D兵器が使用されるまでは、桂たちのいた「地球」だった文明圏。相剋界になってからチラムと呼ばれる(テラからの転訛とオルソンが明言している)。 : 現在の[[アメリカ合衆国]]付近に立地すると設定された国。かつては議会制を敷いていたようだが、混乱時空20年時においては議会は廃止されていたようで、完全[[軍事国家]]体制だった。これは後述する機械化国家「ムー」がチラムの隣国でその圧迫に苦しんでいたため、国家総動員態勢を敷かざるを得ない状況に追い込まれていたからである。国家トップは「総裁」と言われる。軍人は額に三角形の階級章をつける外見上の特徴がある。ドラマ中ではチラム軍の駐屯地はよく登場したものの、チラム本国の状況は作戦会議室とD兵器の他は過去のシーンしか登場したことがない。エマーン、ムーのものが放送で流れたのとは対照的に、現在の一般の町や国民の状況は不明である。ムーの総攻撃により大破荒廃していたと推測される。ちなみに国家総動員態勢を敷いている割りには、登場した女性軍人はアテナ・ヘンダーソンの他は28話での人質交換時の人員のみである。 : {{SpoilerH|オーガス02}}続編「オーガス02」の舞台は、TVシリーズ最終話の時空再構成の際に軌道エレベータやデバイスと共に取り残されたパラレルワールドのひとつで、ムーに相当する場所の過去らしい。“大尉”によれば、このまま時が進めばデバイスのような機械を生み出す未来に到達するらしいが、時空再構成時の影響から時間を飛び越えて過去の時代に存在し「アーマー」として発掘されてしまっている。そのなかには時空再構成前に破棄された物の姿もあった。{{SpoilerF}} ; ムー : 「謎の古代王国」とされる[[ムー大陸|ムー]]がネーミングの由来である。[[太平洋]]中心に巨大な大陸があり、そこに立地していると設定されている。モーム、戦闘ロボット“大尉”らを「生産」した本国でもある。 : 混乱時空になる以前は人手不足を高度な技術力を駆使して作った[[ロボット]]で補填していた高度な文明があったと推測されるが、その後、ロボットを生産していた中枢コンピューターが暴走し、ロボットにより人間は全員虐殺されて、現在は中枢コンピューターの作る戦闘ロボットだけが増産され周囲を攻撃しているという、完全な機械化軍事「国家」である。「国是」は「人類を全滅させること」。ムー本国はロボットを生産するピラミッド状の中枢コンピューター兼工場以外はがれきの山と化しており、殺す人間のなくなった戦闘ロボットはわずかに「生き残った」ヒューマノイドタイプのロボットを手慰みに「殺して」いた。 : 混乱時空20年時にはチラムを全滅すべく総攻撃をかけていた。ロボットであるため温暖化は他の勢力ほど切迫した問題ではなく、むしろ人間を全滅させる手段として他の勢力の時空修復計画を妨害する。チラムが「D計画」など時空修復計画に一番熱心だったのは時空を修復することでムーを全滅させる作戦を練っていたからである。 ; その他 :; アトランタ :: 中南米の[[メキシコ]]あたり(あるいは[[カリブ海]])にあると設定された地域。住んでいる人は[[アステカ文明]]に近い生活を送っている(エマーンから購入した文明の利器もあるにはある)。かつては大変高度な文明を築き上げていたらしい。語源は伝説の大陸[[アトランティス]]から。チラム軍に人質をとられ、事実上の支配下におかれていたが、桂の介入で解放される。ムーとの対比でその後絡むと思いきや、1~5話に登場したのみで、その後の動向は不明。 :; ファンシィ :: [[フランス]]あたりに設定された王国(後に共和国)。首都は「パラ」。「マリアン・トワネット」なる[[マリー・アントワネット]]がモデルとおぼしき女王が[[メアリー1世 (イングランド女王)|メアリ1世]]並の暴政を敷いていたが、桂をはじめとするグローマの介入で革命を成功させる。革命のリーダーの名前は「ジャンヌ・ダーク」で[[ジャンヌ・ダルク]]がネーミング元と見られる。その後ジャンヌが首相となり、彼女主導の元で政治の建て直しが行われたと見られる。エマーンとはまた異なった女系社会であり、作中男は殆ど登場しなかった。一時エマーンとチラム双方から追われるグローマをかくまい、中立を保っていた。 === 時空振動弾 === 物語の始め、桂木桂とオルソンの居た世界で開発された自由宇宙軍(フリーダム・スペース・コープス)の兵器「ディメンショナル・ウェポン」。[[規制が議論されている兵器|ABC兵器]]([[核兵器]]、[[生物兵器]]、[[化学兵器]])に次ぎ、通称「D兵器」と呼ばれる。正確には兵器ではなく、対象物を別の時空へと移動させる装置である。 当初敵国との軌道エレベータの所有権を巡り、時空震動弾を用いて軌道エレベータのエネルギープラント破壊作戦を敢行するが、元々空想上の理論でしか確立されていなかった。初の実践起動だったために桂木桂が未調整のまま時空震動弾を作動させてしまった結果、暴走した時空震動弾により時空は混乱し、世界はあらゆる多元世界の混じったパッチワークのような世界、「相剋界」と化した。 {{SpoilerH}} 発動時のあまりのエネルギーに、暴走時に間近にいた桂とオルソンからもう一人の自分「発動前の人格=[[ドッペルゲンガー]]」を発現させてしまい、共に軌道エレベータの頂上の宇宙空間へ飛ばされてしまい、本来「一人」であるはずの存在が「2人」になったため、時空が混乱した。最終回では桂とオルソンの発動前後の人格が遭遇し、銃を向け合うという場面が演じられる。 『オーガス02』の世界では、桂とオルソンが再稼動に何とか成功させたものの、完全ではなかったので、生き残って同じ時代に飛ばされた大尉が長い時をかけて時空振動弾を建造、再稼動させた。 {{SpoilerF}} === 軌道エレベーター === :桂とオルソンの居た世界で建造されていた宇宙空間へと繋がっている超巨大建造物で、エレベーター内を通ることにより、[[重力]]、[[引力]]、[[大気圏]]内での摩擦熱等に関係なく宇宙空間へと行く事が出来る。物語当初、敵国との軌道エレベータの所有権を巡り、桂とオルソンの所属する自由宇宙軍(フリーダム・スペース・コープス)が時空震動弾を用いて軌道エレベータのエネルギープラント破壊作戦を敢行するが、未調整のまま起動させてしまった為に頂上の宇宙空間に『大特異点』を作ってしまった。最終決戦時には度重なる時空転移と老朽化により中腹部分より崩壊する。 :『オーガス02』の世界では、ムーのロボットの残党の勢力地域「テリトリー」に点在しており、あまりの兵力に近づけないでいる。生き残って同じ時代に飛ばされた大尉が崩落した中腹部分の頂上にラボを建造、時空振動弾とオーガス02を200年かけて建造しており、オーガス02でしか侵入できない。 === 慣性制御システム === 物体の[[慣性]]を限りなく零に近づける(物理的に[[近似値]]であり「0」そのものにはならない)ことで、わずかな力(推力)を加えるだけで、移動機械は飛躍的な移動性を確保出来る。現実に大気圏内では空気抵抗があるため理想値とはならないが、これにより慣性制御を最大値にした場合オーガスを数人で移動させることも可能だった(5話)。また、上記技術の応用で機動時の重力加速度をかなりの程度まで軽減できる。 これらの技術は混乱世紀以降、チラムにも「商品」として提供され、イシュキックやイシュフォーンなどの第三世代ガウォーク以降の基本技術として組み込まれていく。また「ムウ」の反重力システムは上記慣性制御と異なり、周囲の物理法則を書き換えて移動する推進技術で、従来のジェットエンジンなどの推力装置を必要としない。また加速度低減も上記慣性制御より積極的に物理法則に干渉出来るため、エマーンの技術に較べて1日の長がある。 == 登場メカニック == === フリーダム・スペース・コープス === ; ブロンコII(IIはローマ数字の2、ツーと発音) : 西暦2062年当時の桂とオルソンの乗機。チラム側の技術的観点では「第二世代ガウォーク」に当たる。戦闘機形態から[[ガウォーク]]状(但し「腕」は無い)に変形する。桂はこれに乗り混乱時空世紀20年の世界に現れた。チラムのイシュキックとの空戦中、限界高度(結界のような壁)があるのを知らない桂は上昇し過ぎて衝突、墜落した。代わりに乗ったモラーバで腕で樹を掴んで制動をかけ急角度のターンを行う等、使い勝手を気に入った桂が、腕付きにして欲しいと言ったため、修理の際にモラーバの腕を付けられオーガスとなる。 : 前述の通り「腕」はないが、機体に乗ったままで細かな作業を行うためのマニピュレーターが胴体下部に内蔵されている。第1話では桂がこれを使って時空振動弾外部に設けられた制御コンソールを弄った末に“時空破壊”が起こった。 : 前番組『[[超時空要塞マクロス]]』で[[バルキリー (超時空要塞マクロス)|バルキリー]]VF-1Jの生産メーカーだった新中州重工製と設定されていた。マクロスシリーズの登場兵器の進化体系から見て、2062年当時では技術的な整合性に疑問が残るが、完全に否定はされていない。 <!--だが『マクロス』の続編で新中州は西暦2012年に他社と合併し新星インダストリーに再編されているため、同じ企業名が登場したからといって『マクロス』の先の未来と『オーガス』の世界が繋がっていると判断するのは早計である。ただし、プラモデル版の設定も加味するならば、西暦2047年の時点でも新中州重工の企業ロゴが確認されているので、何らかのかたちで新中州のブランドが残っていた可能性は十分にある。←ロゴは新中洲のエンジン部門。航空機部門が合併したので、ブロンコIIは新星インダストリー製のはず--> === エマーン === エマーンのメカはすべて[[慣性]]を制御する機能を持っており、それにより滑空、飛行、高機動戦闘を行なう。 共通する特徴として「腕」を持っている。多くの場合脚は無い。 これらの腕メカは'''ドリファンド'''(「ドリフト・ハンド」の略)と総称される。 なお、ドリファンドは専用のヘッドセットを操縦者が装着する事により、ある程度の思考制御が可能となっている。 ; オーガス : 半壊した桂のブロンコIIを修理する際に、モラーバの腕を付けた戦闘ドリファンド。あり合わせで作られたメカだが、人型メカの存在しない相剋界においては多大な戦力となり、その戦闘能力を高く評価したエマーンにより、後にオーガスIIとして量産されることになった。末端肥大的なプロポーションであり、格闘戦向きとなっている。 : フライヤー・ガウォーク・タンク・オーガロイドの4形態に変形可能。フライヤー形態は、限界高度の制限のため飛行高度がとれず、また衝撃波で地表に被害を与えるため、音速航行が事実上できない。そのため、代わりに地表付近を高速移動できる形態として、タンク形態が準備された。ただし、このタンク形態は放送中ほとんど登場せず、オープニングにも出てこない(作中ではオリジナルとオルソンスペシャル、量産型がそれぞれ一度ずつ披露したのみである)。 : 両腕上腕部にはそれぞれ2連装のランチャーが装備されている。腕に取り付けるタイプのミサイルガンを持ち、ガウォーク形態では右足にセットされる。加えて左右主翼に3x2の6発ずつミサイルを装備することが可能。 : グローマ内での命名会議で「ギャモン」と最後まで競り合った後、ジャビーの世界の言葉で「戦いの神」を意味する「オーガス」と名付けられた。なお、この命名会議の中で、番組の企画初期タイトルである「ネビュラード」が桂の思いついた名称案として登場していた。 ; オーガスII・一般兵士用 : エマーンがチラムとの決戦にあたって実戦配備した戦闘ドリファンド。オーガスの量産タイプで、オリジナルとは頭部デザインと脚部、および全体の配色が異なる。 : オリジナルオーガスに残っていた旧ブロンコIIの不要部分を排除することによる軽量化、及びエンジン出力のアップによってオリジナルより性能自体は向上したが、その分扱いにくくなってしまったため、エンジンにリミッタがかけられている。 : 劇中では主にスレイが搭乗した。 ; オーガスII・オルソンスペシャル : チラムを離れたオルソンが乗ったオーガス。頭部や配色、脚部のデザインが桂のオリジナルオーガスと異なる。個人用カスタム機であり、一般兵士用オーガスIIともデザインが異なっている。 : パイロットの技量が考慮された結果、一般兵士用機に装備されていたエンジンのリミッタが解除されているため、オーガスシリーズの機体中、最も高性能である。 ; モラーバー・マーイ : エマーンの標準的なドリファンド。一人乗りで腹ばいになって搭乗する。 : 可変式の「腕」を有しており、作業用および戦闘用に用いることができる。巡航時はおりたたむこともできる。ブーストジャックというブースターを装備可能。 : 名前が示す通り、ほぼマーイの専用機である。個人用のカスタム機らしくリーア機とは武装が異なり、背部に連装バルカン、腕に2連装キャノン砲が装備されている。 ; モラーバー・リーア : 同じく標準的なドリファンドで、こちらはリーアの専用機である。 : マニピュレーターが多少貧弱で、オーガスの手持ち武器ともなった大型ミサイルガンを装備、機首にバルカン砲を持つ。 : 武装と機体色以外はマーイ機とほぼ共通で、ブーストジャックも装備可能。 ; ディー : エマーンのドリファンド。並列二人乗りの作業用機体。腕上部にバルカンを装備。腕は折りたためず、旧式を思わせる。 ; ダル : エマーンの戦闘ドリファンド。慣性制御で飛行もするが、車輪で地上走行も可能な武装トラック。大型砲を3門装備し、3本腕に可変する。 ; グローマ : シャイアらファクトリーの面々が生活する母艦。彼らの家でもあり、外見はまさしく空飛ぶ「家」である。 : 艦体上部に三連装のロータリー・キャノンを武装として持ってはいるが、本来戦闘艦ではないため、その戦闘能力は低い。なお、9話以降、ファンシィ国革命時にマリアン・トワントから「破砕砲」(衝撃砲の一種)を協約違反の名目で回収、主武装として装着した。 ; ディモーラ : エマーンのドリファンド。偵察用的な位置付けの機体である。 ; マニーシャ艦 : ディモーラの母艦。 === チラム === 旧地球統合軍時代より発展してきた戦闘用ガウォークは、西暦2050年代末からの統合軍分裂戦争で急成長をとげた後、2062年の時空混乱により一時的に技術大系が崩壊し、約5年間の停滞期を経験した。その間にチラム新統合政府はムーのロボット社会との対立とエマーンとの通商和平条約締結に伴う反重力システム等の新技術の導入によって時空混乱世界に合わせた新しい兵器大系の開発に精力を注ぎ始めた。 地球兵器の発展型であるチラム軍兵器は、'''「戦闘デバイス」'''と総称され、ブロンコII系の「脚」付き戦闘機に慣性制御を応用したもので'''[[ガウォーク]]'''と呼ばれる形態を基本とし、ナイキックを除き、基本的に腕を持たない。イシュキック/イシュフォーン・シリーズは反重力システムを導入した第3世代の戦闘ガウォークで、第4世代の戦闘ガウォークはムーとの決戦兵器として、開発された「ナイキック」に始まる。 <!-- Table Start --> <table border="1" cellpadding="2" cellspacing="0" align="right" width="350px"> <caption>機体諸元</caption> <tr><td align="center" colspan=2 style="border-bottom:3px solid gray;">指揮官及び特務部隊用ナイキック(C型)</td></tr> <tr><td>型式番号</td><td>MBG-24C</td></tr> <tr><td>所属</td><td>新統合軍「チラム」</td></tr> <tr><td>乗員</td><td>1名</td></tr> <tr><td>開発者</td><td>新中州/ストンウェル/ベルコム社共同開発</td></tr> <tr><td>全長</td><td>フライトフォーム: . m<br />[[ガウォーク]]: . m<br>バトロイド:3.4m</td></tr> <tr><td>全幅</td><td>主翼展張時: . m<br />(バトロイド:6.0m)</td></tr> <tr><td>全高</td><td>フライトフォーム: . m<br>[[ガウォーク]]: . m<br>バトロイド:9.0m</td></tr> <tr><td>空虚重量</td><td>37,050kg</td></tr> <tr><td>全備重量</td><td>-</td></tr> <tr><td>機関</td><td>新中洲重工 / P&W / ロイス<br>新中州FF-2062W 熱核反応エンジンx 2(副機:慣性制御ユニット/エマーン商品番号MM4x1)</td></tr> <tr><td>推力</td><td>11,500kg×2<br />(副機慣性制御可能質量47,050kg)</td></tr> <tr><td>最高速度</td><td>426km(高度150m:フライトフォーム)<br />320km(ガゥオーク)</td></tr> <tr><td>標準武装</td><td>マウラー PBB-227 ビームガン x 1<br>PBB-196 ビーム・ガン x 2(両腕)<br> <tr><td>選択武装</td><td>アストラZ86C-71A三連ショットキャノン<br>マルコーニNM71Aナパームミサイルシステム(16発)<br>ライセオンDTE-07 ディテクター(無人偵察/軽攻撃機)x 2~8など</td></tr> </table> <!-- Table End --> ; ナイキック・コマンダー(MBG-24C) : チラムの最新鋭戦闘デバイス。第12話から登場。<!--慣性制御機構を持っているらしいがエマーンと違い、ドリファンドとは呼ばれない。←ドリファンドは腕メカのこと--> : オーガスに対抗してフライトフォーム、ガウォークフォーム、バトルフォームの3形態に可変するように設計された。 : 指揮官用に特化されたのがコマンダータイプであり、頭部と武装、塗装がスタンダードタイプとは異なる。 : 劇中ではアテナとオルソンが使用した。 : 模型ではナイキック・アテナ、ナイキック・オルソンという商品名で販売されたが配色が違うだけでどちらも同じコマンダータイプである。 : 武装は以下の通り。 :* 手持式火器(フライトフォームでは主翼上面、ガウォークフォームでは脚部外側に装着される) :*# レーザーピストル(オルソン/一般兵が使用。設定書に曰く「静かな武器」) :*# 三連装ショット・キャノン(アテナが使用。設定書に曰く「ハデな武器」) :* ミサイル(脚部(フライトフォームでは主翼)左右(同上下)パイロンに装着される) : ; ナイキック・スタンダードタイプ(MBG-24A) : 一般兵の使用するナイキック。3段階に可変する。 ; イシュキック(MBG-21) : チラムの量産型戦闘デバイス。赤い機体色で塗られており重武装である。変形はしない。 : 指揮官用の機体は黒色塗装で機体形状・武装が一部異なる。(MBG-21D-2) ; イシュフォーン(RSG-21-A-1) : 情報収集用戦闘デバイス。イシュキックと共通の脚を持ち、索敵能力に優れている。 ; シーキック(SBG-21) ; カルフォーン ; ログウッド : チラムのガウォーク。シーキックとカルホーンは軽戦用メカ、ログウッドは重砲撃用メカ。 ; チラム総裁艦 ; アール・ド・バンクラス攻撃空母 ; デストロイヤー === ムー === 機械生命体の戦闘国家であり相剋界では第三勢力的な立場にあった。 ; 一般兵士タイプ ; 士官クラス兵士タイプ ; ロボット重兵 : 機械生命体の戦闘ロボット。固定武装の少ない一般兵士タイプと通信・指揮能力に優れる士官タイプ、固定武装を持つ重兵タイプが確認されている。グローマに居候していた「大尉」は胸部分にミサイルランチャーを備えている ; 反重力輸送機 : エマーン、チラムとは異なり反重力で飛行する輸送機(慣性制御は反重力ではない、とされていた)。 == 放送リスト == # 時空破壊!! # ロンリー・ウルフ # プリティ・マシン # キャラバン # ラヴァーズ # バニシング・ポイント # アイ・ラブ・ユー # ランナウェイ # レボリューション # バーバリアン # ダミー # チラム・ガール # カスピ・クレーター # オペレーション・D # 特異点!! # マイ・ファクトリー # セブンティーン # シスターズ # タイム・スリップ # ブロークン・スルー # ファーザー # デイサイド # デストロイヤー # ムー # チラム・ソルジャー # ブレイクダウン # メッセージ # カムバック・ラヴァー # チョイス # アウトサイダー # チルドレン # ロスト・ワールド # ラスト・チャージ # 戦場 # 時空創造 == 関連商品 == === 玩具・模型 === 前番組のマクロスと同じく、メインスポンサーの[[タカトクトイス]]が玩具を、[[今井科学|イマイ]]と[[マイクロエース|有井製作所]]が共同でプラモデルを発売した。ただ、いずれも売れ行きは芳しくなく、特にタカトクトイスは今作で見込みが外れた事が原因となり経営が大きく傾いたと言われる<ref>同時期にはメインスポンサーだった「[[イタダキマン]]」も低視聴率のため打ち切られており、本作の不振はそれに追い討ちをかけた格好であった。</ref>。実際にタカトクトイスは、後番組の[[超時空騎団サザンクロス]]ではスポンサーを外れ、程なくして倒産している。メカニックデザイン担当の宮武一貴は「百貨店でオーガスの玩具の顔を見た子供が怖くて泣き出した」という噂を聞き、売れ行きの悪さを覚悟したという。 === ゲーム === *オーガス([[SG-1000]]) [[セガ]]より発売された[[SG-1000]]用ゲームソフト。横スクロールシューティング。自機オーガスはフライヤーとオーガロイドの2タイプに変形可能で、オーガロイドは攻撃力・防御力が高く、フライヤーは移動速度が速くスクロール速度も上がる。1ステージ3分以内にステージ終端の時空振動弾を破壊することが目的。しかし、ほとんどフライヤーで進まないと制限時間に間に合わず、オーガロイドになれる時間が非常に短い。 *超時空世紀オーガスMT6(メイルゲーム) 1997年8月から1998年5月までの期間でコスモエンジニアリングの運営で行なわれたアニメの世界を舞台にしたメイルトークRPG。 *『ORGUROID オーガロイド』戦術級、『FACTORY ファクトリー』戦略級(ボードゲーム) [[ツクダホビー]]から1980年代中頃にボード[[ウォー・シミュレーションゲーム]]が出ている。 == こぼれ話 == * いくつかの人名は、『[[鏡の国のアリス]]』の「[[ジャバウォックの詩]]」から取ったものである(原詩よりmimsy、raths、mome、tovesなど)。「不思議な世界に迷い込んだ主人公が、元の世界に戻るため行動する」という筋書きも、本作のモチーフになっている。 * サブキャラのマーイとリーアはスポンサーのプラモデルメーカー、イマイとアリイの[[アナグラム]]と言われている。 * 前番組『[[超時空要塞マクロス]]』第27話「愛は流れる」には、オーガスとVF-1Aバルキリーが混ざったような謎の機体が登場した。本作スタートに先駆けたスタッフのお遊び的な物と思われる。詳しい設定などは不明。通称「オーガスバルキリー」。 * 本作では、背景の群集の中に[[リン・ミンメイ]]や[[早瀬未沙]]に似たキャラクターが混じっている。 * 第1話で桂が覚醒する際に名前を呼んだ交際相手の一人は「ミンメイ」である。 == 超時空世紀オーガス02 == 『'''超時空世紀オーガス02'''』(ちょうじくうせいきオーガスツー)は『超時空世紀オーガス』の公式な続編となる[[オリジナルビデオアニメ|OVA]]作品。販売開始は[[1993年]]からで全6話。小説版全4巻([[山口宏 (脚本家)|山口宏]]、木村明彦作)も発売された。 === 解説 === この作品がリリースされたのは、前作の放送から約10年後だった。「02」の名を冠してはいるが、所謂シリーズ物のパート2的な位置づけとは趣を異にし、一見して前作とは全く違う「どこかの国のどこかの物語」として始まる。「オーガス」最終回以降の設定から派生したある種のスピンオフ的作品とも言え、異色作にして意欲作である。監督とストーリー原案は以前[[アートランド]]に所属していた[[高山文彦 (アニメ監督)|高山文彦]]が務めた。 本作以降こういった手法の続編が『[[∀ガンダム]]』、『[[破邪巨星Gダンガイオー]]』、『[[トップをねらえ2!]]』とシンクロニシティ的に増えつつある。初期OPテーマを[[ヒカシュー]]が務めた事も話題になった(ボーカルの[[巻上公一]]は『∀ガンダム』の主題歌『[[ターンAターン]]』でも[[ホーミー]]を披露している)。 === あらすじ === 中世を思わせる異世界を支配する二大大国、リヴリアとザーフレンは「アーマー」と呼ばれる古代兵器の発掘を巡り一触即発状態にあった。リヴリアの少年リーンは亡き親方の借金を払うため軍に入隊し、ザーフレン領内に潜入。素性の知れぬ美少女ナタルマと共に国境脱出を図る。そんな2人の前に謎のアーマー、オーガスIIに乗る老人が現われる。 === スタッフ === * 企画:大西良昌 * ストーリー原案:[[高山文彦]] * 監督:高山文彦 * 脚本:関山眞頼、[[山口宏 (脚本家)|山口宏]]、岸野裕司 * 演出:岡尾貴洋、玉田博 * デザインワークス:森木靖泰 * キャラクターデザイン:[[川元利浩]] (原案:[[美樹本晴彦]]) * メカニックデザイン:阿部邦博 * メカニックデザインコンセプト協力:[[スタジオぬえ]] * 音響:[[本田保則]] * 音楽:[[ヒカシュー]](1~4話)、Torsten Rasch(5~6話) * 制作:ヒーロー、[[J.C.STAFF]] * 製作:バンダイビジュアル、ビックウエスト、毎日放送、小学館 === 各話タイトル === # 愚か者の選択 # 危険を冒す者 # 逃亡者 # 捜索者 # 破壊する者 # 明日を望む者 === キャラクター === * リーン:[[太田真一郎]] * ナタルマ:[[中村尚子]] * トリア:[[山崎和佳奈]] * マニング:[[山寺宏一]] * ペリオン:[[塩屋浩三]] * ミラン:[[榊原良子]] * ケラチ:[[秋元羊介]] == 脚注 == {{脚注ヘルプ}}<references /> == 関連項目 == * [[軌道エレベータ]] * [[特異点]] == 外部リンク == * [http://www.tms-e.com/library/old/tv/data/t_orguss.html 東京ムービーによる作品紹介] * [http://www.bigwest-ad.co.jp/service/contents/orguss.html ビックウエスト・アドによるオーガスシリーズの紹介] {{前後番組| 放送局=[[東京放送|TBS]]系| 放送枠=日曜14時台前半| 前番組=[[超時空要塞マクロス]]| 次番組=[[超時空騎団サザンクロス]]}} {{DEFAULTSORT:ちようしくうせいきおおかす}} [[Category:超時空シリーズ]] [[Category:東京ムービー]] [[Category:スーパークエスト文庫]] [[Category:1983年のテレビアニメ]] [[en:The Super Dimension Century Orguss]] [[ru:Orguss-2]]