日本の財政問題
日本の財政問題とは、日本政府(地方自治体を排除するものではない)が抱える財政上の問題のことである。2014年現在、日本政府の予算は、歳出(支出)が大きく歳入の約半分を国債発行による収入で占めている[1]。2009年度すでに、国債の利払いだけでも税収の2割以上となっており、社会保障費の抑制など歳出削減が急務となっている[2]。公債残高は1994年度で200兆円、2004年度で500兆円であったが、2013年度で750兆円に達した。利払い費は、1990年代に10兆円以上で推移していたのが、長期金利の抑えこみに伴い2005-2006年度に7兆円という底を打った。しかし、世界金融危機を経て漸増し、2012年度に8兆円となり、2013年度には10兆円寸前まで反発した[3]。
目次
経緯
日本は明治維新後から戦後復興まで、第一次世界大戦の戦争特需の一時期を除き、一貫して債務国であった[4]。日清戦争後の軍拡、日露戦争によって外債などの借金が累積したが、第一次世界大戦に伴った輸出の増大(バブル)によって累積債務は一時的に解消した[5]。
1942(昭和17)年当時の増税問題として、社会保障費以上に戦費を取り上げて増税が進められたが、「平時の論理から云えば、現行租税が財界に適応するに至るまで増税を暫く見合はすのが常道であるかも知れない」点が指摘され、国家財政のみならず地方財政をも併せ考慮に入れて解決に当たらなければならない点も指摘されていた[6]。
第二次世界大戦当時の1944年度末において国の債務残高は国内所得の260%を超える水準であった[7]。経済学者の伊藤修は、戦後直後の債務の対GDP比は、250%を超えていたと推測している[8]。
日本銀行の調査によれば、1934-1936年の消費者物価指数を1とした場合、1954年は301.8と8年間で物価が約300倍となった[9]。このインフレーションの原因は、戦前から戦中にかけての戦時国債、終戦後の軍人への退職金支払いなどの費用を賄うために政府が発行した国債の日本銀行の直接引き受けとされている[9]。第二次世界大戦中に発行した戦時国債は、デフォルトはしなかったが、その後対戦前比で3倍ともなるハイパーインフレーション(4年間で東京の小売物価は終戦時の80倍)によってほとんど紙屑となった[10]。この反省から、1947年に財政法が誕生した。
戦後日本の財政の歴史は、経済成長によって財源が確保されてきた[11]。戦時国債以降で日本がはじめて国債を発行したのは、いわゆる「昭和40年不況」にあった1965年であった。以降毎年のように財政法4条に基づく建設国債が発行されるようになった。「赤字国債」と呼ばれる特例国債が初めて発行されたのは1975年で、第一次石油危機に端を発するオイルショックによる不況が最大の要因であった。以後日本政府は毎年のように赤字国債を発行するようになり、「赤字国債脱却」が財政問題として挙げられるようになった。
その後バブル景気により1990年までは歳出・税収とも上昇の一途を辿り、バブル経済の絶頂期と前後して1990年には一時的に赤字国債脱却を達成するも[12]、バブル期の終焉を境に税収が下降に転じ[13]、一方でバブル崩壊以降、景気対策として多額の財政支出や赤字国債の発行などが度々行われるようになり、歳出は依然として上昇を続けていった。また、景気対策として行われた大規模な所得税・法人税の減税が、税収の一段の落ち込みをもたらした[14]。
1995年の村山内閣で、武村正義元大蔵大臣は、「財政危機宣言」をしている[15][16]。
橋本龍太郎内閣は、1985年のアメリカのグラム・ラドマン法にならって財政構造改革法を制定し、期限を設けて消費税率2%引き上げ・所得税の特別減税の打ち切り・医療費の自己負担の引き上げを行い(総額9兆円程度の国民負担の増加)、財政赤字を縮小させようとした(不況の深刻化によって後に停止する)[17]。
1980年代には概ね対GDP比60%超の水準にあった政府の債務残高はバブル崩壊を機に急激に上昇し、1997年頃には対GDP比が100%を突破。度重なる資金注入でも日本経済は低迷を続けたため、2001年頃には150%を超える水準にまで到達した。
2000年代半ばにはいざなみ景気や骨太の方針により債務残高は微減したものの、2007年に起こった世界金融危機や2008年のリーマン・ショックなどの影響から巨額の財政出動を余儀なくされ、債務残高は再び上昇に転じた。その後政権交代が発生するも、民主党が公約実現目的で財政的裏付けの乏しい中で子ども手当、高速道路無料化をはじめとする政策が行われたため依然として債務は膨れ続け、2009年には新規国債が52兆円と、60年ぶりに新規国債の発行額が税収以上となった[18]。加えて2011年には東日本大震災が発生し、その復興のための復興債が発行され、この年は新規国債が過去最高の55.8兆円となった[13]。
2014年10月16日、麻生太郎財務相は参院財政金融委員会で「今(2014年)の日本で、ハイパーインフレになるはずがない」「財政破綻は考えられない」と述べた[19]。
2015年2月2日、NHKニュースにて「国の債務超過490兆余、10年間で倍に」と報道された。2015年2月16日、NHKの報道番組「ニュースウオッチ9」にて「『預金封鎖』もうひとつのねらい」が放送された[20]。
債務の推移
債務残高の対GDP比は、日露戦争時で70%、1920年頃までで約20%、第二次世界大戦時の1944年で200%以上、1965年頃までで約5%付近となっている[21]。
バブル崩壊後は、景気低迷による税収減や景気対策の減税、高齢社会による社会保障費の増大のため公債残高は爆発的に増加していった[22]。2012年度末時点の残高は税収17年分の709兆円になる見込みである[23]。日本国債を買い支えてきたのは主に日本国民による貯蓄であるが、日本の累積赤字国債は増え続けている[24]。日本の総債務は、中央政府の債務だけで、2000年9月末には511兆円余りであったが、2010年9月末時点では908兆円余りに増加している(財務省HPの統計による)。
2014年5月9日、財務省は、国債や借入金を合わせた「国の借金」が2013年度末で過去最大の1024兆9568億円となったと発表した[25]。「国の借金」のうち、国債は853兆7636億円、借入金は6454億円増の55兆5047億円、政府短期証券は4208億円増の115兆6884億円となった[25]。
内閣府の『国民経済計算確報(2010年2月)』による政府部門のバランスシート(国・地方・社会保障基金の合計)では、金融資産(現金・有価証券など)が約504.2兆円、非金融資産(道路・土地など)が約491.2兆円、負債が約983.6兆円、正味資産が約11.8兆円となっている(2008年末時点)[26]。
2012年3月末現在の国のバランスシートでは、負債総額は1088兆円、資産総額は626兆円となっている[27][28]。
ラインハート=ロゴフ仮説
ハーバード大学の経済学者のカーメン・ラインハートとケネス・ロゴフは共著『国家は破綻する-金融危機の800年』(原題:This Time Is Different)で、国家債務の対GDP比率が少なくとも90%に達すれば、GDP伸び率が減速し始めるとの研究を発表している[29]。この研究は、公的債務へ取り組みを正当化するため、アメリカや欧州連合(EU)などの当局者が頻繁に言及している[29]。
一方でマサチューセッツ大学アマースト校の研究者トーマス・ハーンドン、マイケル・アッシュ、ロバート・ポリンらは論文の中で、ラインハートとロゴフが発表した公的債務に関する研究について、集計表におけるコーディングに誤りなどがあった可能性があるとの研究結果を発表している[29]。
ノーベル経済学賞受賞者であるポール・クルーグマンは公的債務対GDP比が増えると経済成長が低下するのではなく、経済成長が低下したから公的債務対GDP比が増えたことや、イタリアと日本を除くとG7の国の公的債務残高対GDP比と成長率には相関関係がないと指摘している[30]。
国債の国内消化率と長期金利
長期金利 も参照
2002年時点で日本国債の95%は国内貯蓄でまかなわれており[31]、2012年現在長期金利も0.8%前後で安定している[32]。
2014年12月12日、国債市場で、長期金利の指標である新発10年債の終値利回りが0.039%と、終値として過去最低を更新した[33]。
2015年1月20日、東京債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが一時0.195%と、初めて0.1%台となった[34]。
国全体の正味資産・対外純資産の推移
日本政府と地方自治体を合わせた正味資産(資産-債務)は、2000年頃には150兆円を超えていたが、2009年末には債務が資産を約49兆円上回る、債務超過の状態に陥っていることが、内閣府の統計で2011年1月に判明した[35]。これは同種の統計を取り始めた1969年以来初めてのことである。
2014年1月31日、財務省が発表した2012年度末の「国の財務書類」によると、債務超過の金額は、これまで最悪だった2011年度からさらに17.7兆円増えて477.0兆円となった[36]。
民間と異なり、国の場合は簿外に課税権があるので[37]、その価値が債務超過額を上回っていれば破綻とはならない。
対外純資産
プラザ合意の1985年には日本は世界最大の債権国となっている[38]。
2012年末の日本の対外純資産は296兆3150億円となり、2009年に記録した過去最高を更新し、対外資産残高は661兆9020億円となった[39]。日本の対外純資産は、1991年以降、22年連続で世界一となり、2位の中国に比べて2倍近くに上っている[40][41]。
2014年5月27日、財務省が発表した2013年末の対外資産負債残高によると、日本の対外純資産は325兆70億円で、前年に続き過去最大となっており、1991年以来、23年連続で「世界一の債権国」となっている[42]。
2014年6月18日、日本銀行が発表した2014年1-3月期の資金循環統計(速報)によると、2014年3月末時点の家計部門が保有する金融資産残高は1630兆円となった[43]。
対外資産負債残高 も参照
資産 | 負債・純資産 | |
---|---|---|
政府 | 481.9 | 1,001.8 |
金融機関 | 2,755.0 | 2,744.4 |
非金融法人企業 | 847.6 | 1,183.7 |
家計 | 1,452.8 | 373.5 |
民間非営利団体 | 52.3 | 19.1 |
純資産 | 268.1 |
日本銀行「資産循環統計」2010年6月速報値より(単位:兆円)[44]。なお、「資産循環統計」は金融資産のみであり、不動産などの非金融資産は含まれていない[45]。
国債格付けの変化
日本政府発行の国債は、長年、高い信用度を背景に高位に格付けされてきた。財務省は、平成14年(2002年)4月30日に「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない」と発表した[46][47]。
ムーディーズが「日本の政府債務が『未踏の領域』に入る」と主張したことについて日本の財務省は、平成14年(2002年)7月25日付で巨額の日本国内の貯蓄の存在ならびに過去の米英両国に巨額の債務があったことを示唆して、抗議する旨のコメントを発表した[48]。ムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチ・レーティングスの格付け会社三社が日本国債の格付けを引き下げた際に、当時の財務省の黒田東彦財務官は、この三社に意見書を送っている[49]。
2011年1月27日、米国の投資情報会社で債権・証券類の信用格付けを行っているスタンダード&プアーズ社が日本の国債の格付けを2007年以来3年ぶりに「AA」から「AA-」へ格下げしたと公表した。発表直後、日本円は米ドルに対して約1円、下落した[50]。ムーディーズは2007年の「A2」から2009年の「Aa2」まで引き上げているが、再度国債格下げの可能性を警告している[51]。
増税問題と減税問題
税収の増加を図る際、直接税と間接税をどのように組み合わせるかという点については、経済学者・財政学者の間で意見が分かれており、その対立は効率性と公平性の組み合わせをどのように考えるかの問題にもかかわっている[52]。
法人税#法人税率に関する見解 も参照
累進課税に基づく所得税や企業収益に課税する法人税は、好景気の時には豊かな税収をもたらすもので[53]、ビルト・イン・スタビライザーとして富の再分配の観点に立って社会福祉の向上を実現させる機能をもつ。しかし、経済学者の井手英策は、日本では1990年代に景気対策の観点から所得税の累進性が弱められ、法人税も国際競争力強化を名目に税率は引き下げられた結果、景気回復局面では税収が伸びない租税構造となり、OECDの対日経済審査報告書でも指摘されたように課税を通じた所得格差の是正効果もきわめて乏しい税制となってしまったと述べている[54]。
経済学者の田中秀臣は「消費税を上げるより、高額所得者の所得税率を60-70%に戻したほうがよい」と指摘している[55]。
経済学者の栗林隆は「どの程度の所得再分配を行うべきかは累進税率構造によるため、価値判断の世界である。所得税そのものは公平な良税であるが、現行(2009年)の日本の所得税には多くの欠点がある。日本の所得税は非常に複雑な税制となっている」と指摘している[56]。
1993(平成5)年度当時の予算審議において、長期にわたった不況からの脱却の方途として、消費税の引き上げにより所得税減税を期待する向きが強くなった。社公民各党は共同修正案にて4兆円を超える所得税減税を赤字国債の発行によって行うことを主張し論戦が行われた。結果、住宅減税や設備投資減税が補正予算として計上された。この一連の動きが所得税減税問題といわれる[57]。
伝統的な経済学は、法人所得に課税するよりも、個人に対する所得・消費に課税する方が望ましいとされている[58]。
経済学者の竹中平蔵はかつては、累進税は不公平であるとして、人頭税の導入を主張していた[59]。竹中は「法人税は企業の国際競争力を削ぐため引き上げられず、所得税もフロンティアの時代であり引き上げられない、つまり消費税を上げるしかない」と指摘している[60]。
経済学者の松原聡は「国民負担率が4割を超えると労働者は労働意欲を失うと言われている。現在(2000年)の日本の国民負担率は4割であり、法人税率・個人所得税率をこれ以上引き上げることは現実的ではない」と指摘している[61]。
経済学者の原田泰は「所得の累進課税の強化は、労働意欲・起業意欲を衰えさせ、経済全体を委縮させるかもしれない。また、株式などの税を重くすれば、日本の富裕層は海外へ資産を移してしまう」と指摘している[55]。
経済学者の伊藤元重は「多くの場合、税を課すことが資源配分に追加的な歪みを生じさせる(例:過度な累進課税)。政府に必要な税収を確保する制約の下、できる限り税による資源配分の歪みを小さくすることが求められる」と指摘している[62]。
国際競争が厳しくなる中、日本の法人税の実効税率がアジア諸国に比較して高く国際競争力の上で不利だとの見方から、法人税率の引き下げを要望する声が経済界から強い。2007年11月の政府税制調査会答申において、法人課税の負担軽減と課税ベースの拡大、また法人の社会保障負担を検討すべきだとする一連の指摘等が法人税減税問題といわれる[63]。
明治大学国際総合研究所フェローの岡部直明は「税の増収のためには、法人税率の引き下げを中心とした企業税制の改革と、社会保障を目的とした消費税率の引き上げを目指すべきである」と指摘している[64]。
経済学者の大竹文雄は「法人税の減税と所得税・消費税の増税という組み合わせが、日本人の生活の豊かさにつながる条件として整備されることが急務である」と指摘している[58]。
その後、介護保険制度や支援費制度の開始もあって常に税収不足が指摘されていた中、2011年3月の東日本大震災を経て、2012年に当時の野田内閣が5%である消費税を増税させる法案を成立させた一連の動きが消費税増税問題といわれる[65]。2014年11月、安倍首相は消費税率の10%への引き上げ時期を1年半延期することを決め、社会保障関連の支出や連動する税制の見直しが必要となり大きな影響を与えている[66]。
経済学者のトマ・ピケティは「国民の労働所得は停滞している一方で、不動産・資産の高度な資本化が進んでいる。労働所得に対し減税し、資本に対して増税するのが自然な解決策である」と指摘している[67]。ピケティは「消費税率を上げても良い結果を生んでいない。日本の財政再建は、高所得層に重い税を課す、若者・中低所得層の所得税を減税したりする取り組みを優先するべきである」と指摘した[68]。
伊藤元重は「消費税と法人税の問題はまったく別のものであり、消費税か法人税かという二項対立的な議論をするのは建設的ではない。『消費税率の引き上げは消費者に多くの負担を求めることであり、法人税率の引き下げは企業の税負担を軽減するものである』」というような単純な議論はするべきではない。消費税や法人税だけでなく、地方所得税、配当課税、固定資産税など、幅広い税制のあるべき姿についての議論が必要である」と指摘している[69]。
経済学者の高橋洋一は「税制はあるべき社会像に対する価値判断が根底となる。あくまで個人の価値観による。どちらが優れているという結論は、理論・実証はない」と指摘している[70]。
日本の財政問題に関する議論
この節は学術上に論争のある記事を扱っています。 |
2011年現在国が進めている財政再建路線は毎年40兆円の公的債務が増大し、方針とは裏腹に財政は年々悪化している。
財政悪化の原因
経済学者の小塩隆士は「日本の財政赤字が増えたのは、バブル崩壊後の景気の長期低迷で税収が伸びなかったことと、政府が景気をよくするために公共投資を続けたからである」と指摘している[71]。
エコノミストの安達誠司は「日本の財政赤字は、経済停滞の原因ではなく、経済失政の結果として引き起こされている」と指摘している[72]。伊藤修は「財政・年金・医療の危機と、政府(橋本内閣)が先頭に立って危機を煽った結果、国民の消費を萎縮させてしまった」と指摘している[73]。
UFJ総合研究所調査部は「日本の財政赤字の拡大は、社会保障費の拡大という歳出側の要因もあるが、税収そのものが減少してきたことも影響している」と指摘している[74]。エコノミストの村上尚己は「財政赤字の増大の主たる要因は、デフレと低成長による税収の落ち込みである」と指摘している[75]。
三菱総合研究所は「税収が減少したのは、景気対策として各種の減税が実施された影響が大きい」と指摘している[76]。UFJ総合研究所調査部は「所得税では大規模の減税が何度も実施されており税収を押し下げている。また法人税では、バブル景気の後始末としての不良資産の処分が続き、特別損失・繰越欠損金の計上が増加した結果、国の課税所得が押し下げられた」と指摘している[77]。
経済学者の飯田泰之は「税収が減少した主な要因は、富裕層への減税(所得税)と不景気である」と指摘している[78]。
原田泰は「金融政策が効かないという思い込みが、日本経済を長期の停滞に追い込み、巨額の財政赤字を作り、財政規律を破壊している」と指摘している[79]。
景気対策のための財政出動
1970年代初頭から1980年代中頃にかけて、オイルショックによる設備投資などの削減を受けて政府部門の赤字幅が拡大した。その後、バブル崩壊後の一時期、不良債権の発生によるバランスシートの悪化により、企業部門が設備投資を大幅に削減したことを受けて、当時政権を担当していた自民党が積極的に推進した巨額の公共事業によって景気を下支えしようとした事情がある。日本の財政赤字の大半は、バブル崩壊後、税収が減少する中で累計100兆円を越える景気対策が実施されたことにより発生した[80]。
これはケインズ経済学に基づいた積極的な財政支出によって雇用や需要などを生み出すことで、企業部門が回復するまで景気を下支えしようとすることである。
宮沢内閣下での1992年の景気対策「総合経済対策」を皮切りに、毎年10兆円を上回る大規模な景気対策を講じ、公共投資などの支出を増やした[76]。こうした流れは2000年代初めの森内閣まで続いた[76]。事業規模は総額で100兆円を超え、財政支出を伴った真水の部分だけで50兆円を超えた[81]。度重なる国債発行の結果、日本政府の純負債は500兆円増えた[82]。
しかし、マンデルフレミング効果が働いたことや、巨額の政府支出が将来の増税を予想させたことによる消費の低迷、企業のバランスシート改善を目的とした設備投資の抑制が強かったこともあり、それらに相殺され大きな効果は得られなかった。一方、この積極的な財政支出によって国・地方とも財政は危機的状況に陥っている。
経済学者の岩田規久男は「1992年以降、財政支出が増えると景気が回復するが、その増加を止めたり減らすと、再び景気が悪化するといったことを繰り返してきた。結果、国債残高だけが増加するという状況となった。財政支出の増加自体では、民間消費・民間投資という民需を持続的に拡大させることができないからである」と指摘している[83]。
竹中平蔵は「不況だからと政府に頼ると結果、財政赤字は巨大化していく。日本をはじめとする先進諸国が当面している問題である」と指摘している[84]。竹中は「バブルが崩壊すればGDPが下がるのは当然であるが、日本は国民の無いものねだりに政府が安易に応じ、膨大な国債を発行して景気対策を行い、無理に経済成長させた。つまり、借金でGDPを上げたが、もうそれもできない」と指摘している[85]。
田中秀臣は「日本が1990年以降、急速に財政赤字が悪化していった原因は、度重なる財政出動よりも、デフレーションの影響や人口構造による社会保険料の増加の影響などの方が大きい」と指摘している[86]。
構造的要因
財政悪化の原因が、一時的ないし循環的なものかという問題がある。この点、日本の財政赤字の相当の部分が構造的なものであるとの見方をする論者がいる[87]。
大和総研は「日本の財政赤字は、景気悪化による循環的財政赤字は僅かであり、経済対策・社会保障費の増加による構造的財政赤字が大半となっていると推計されている」と指摘している[88]。
中島将隆は「赤字国債には発行限度がない。赤字国債償還方法の変更こそが、国債膨張の元凶である」と指摘している[89]。
社会保障費の増加
2011年現在の日本は、財源の手当てなしに社会保障支出を増大させており、社会保障支出は高齢化とともに増大していくため、一旦、高齢者1人当たりの支出を増大させてしまえば、将来の支出は等比級数的に増大していくとされている[90]。
松原聡は「社会の高齢化によって生産年齢人口が減少していること、高齢者向けの医療費・福祉施設建設に多くの費用がかかっていることなどが、財政赤字の大きな要因となっている」と指摘している[91]。
高橋洋一は「日本のように社会保障に税金が半分近く投入されている国は、世界ではあまり見当たらず、税の投入が多いと給付と負担が不明確となることになり、国民の要求レベルが高まり社会保障費が膨らむ」と指摘している[92]。
原田泰は、2013年の時点で「現役世代の平均給与が年409万円なのに対し、高齢者夫婦2人への社会保障給付費506万円を支払うことはできないのは当然である」と指摘している[93]。
2007年度の国民医療費は34兆円となり、2025年度にはその費用は70兆円に達するとされている[94]。
2012年度の社会保障給付費109.5兆円の内訳は、年金53.8兆円、医療35.1兆円、介護等その他20.6兆円となっている[95]。
2014年10月27日、財務省は財政制度等審議会で2015年度予算編成で生活保護費を引き下げる案を示した[96]。
地方財政
日本の財政が抱える問題の一つに、中央政府に依存し自立できない地方財政の問題、特に地方交付税制度の問題がある[97]。日本の地方財政は「受益者負担の原則」が成り立っていないため、歳出の増加を抑制できなくなっている[98]。
地方公共団体の財政は、少子高齢化や都市への人口流出と相まってきわめて深刻な情況を呈している。こうした地方公共団体の財政悪化の原因は、基本的にはその自治体の過去の首長や議会に帰属するべきものであるが、国が積極的な財政支出を奨励したことも事実であり、そのことから国にも一定の責任があるものとする見解もある。
財務省の見解
#国債格付けの変化も参照。
日本の財務省は日本の累積赤字国債額は巨額であるので、日本の財政は主要先進国中で最悪であるとみなしている[99]。各国の総債務残高と純債務残高を対GDP比で比較した場合(総債務残高219.1%、純債務残高134.8%)、日本の数値は両方とも米国の倍以上であるとしている(OECD「Economic Outlook 90」2011年12月における2012年の推定値)[100]。
2013年3月6日、財務省は国債の残高が10年後の2022年度末に1000兆円を超えるという試算を発表した[101]。
2014年2月10日、財務省は、国債や借入金などの残高を合計した「国の借金」が2013年末時点で1017兆9459億円となったと発表し、2014年1月1日時点の推計人口(1億2722万人)で割ると、国民1人当たりの借金は約800万円になるとしている[102]。
2014年4月28日、財務大臣の諮問機関である財政制度等審議会は、政府が2014年現在の財政健全化目標を達成できたとしても(実質GDP2%・名目GDP3%の経済成長率、名目長期金利3.7%、インフレ率1%などが続くとの前提[103])、その後に更なる収支改善策を実行しなければ、国と地方を合わせた債務残高は、2060年度には2014年現在の6倍を超える8157兆円余り(対GDP比で2014年現在の1.6倍の397%)にまで膨らむとの試算を初めて示した[104][105]。また、財政再建に取り組まず、基礎的財政収支の黒字化も達成できなかった場合、国の借金はGDP比約5.6倍の1京1422兆円に膨らむとの試算を示した[106][107]。
なお2012年時点では日本が財政破綻した場合でも国債は政府が責任を持って償還するとしている[108][109]。
アメリカ政府の見解
2014年10月10日、アメリカのジェイコブ・ルー財務長官は、IMFの諮問機関である国際通貨金融委員会(IMFC)が開かれるのを前に声明を発表し、日本経済について「財政再建のペースを慎重に調整し、成長を促す構造改革を実行する必要がある」と主張した[110]。
2014年10月15日、アメリカの財務省は為替報告書で、日本に対して「財政再建ペースは慎重に策定することが重要である」と指摘し、金融政策は「行き過ぎた財政再建を穴埋めできず、構造改革の代替にならない」と公表した[111]。
財政危機説に対する認識
いくつかの考えがあるが、大まかに2つの両極端の議論があり、第1の議論は、国債は債務なのでこれは増税であれ経費削減であれ、なんとしても解消しなければならないという議論である[90]。
第2の議論は、国債は政府の借金であるが、それを購入した国民にとっては資産である[90]。国債は将来の世代に対する借金だと言われるが、将来の世代は現在の世代から相続した国債という資産を持っている[90]。国債の元利返済は将来の世代の政府と国民の間でのやり取りに過ぎず、国債発行で得た資金は、現在世代が未来から得たものではない[90]。
人口が減少している日本では、2011年現在のペースで減少していくと、約950年後に最後の日本人が生まれる。この最後の日本人は1人で政府と国民の両方の役割を担うことになるが、政府としては国債という債務を背負わなければならない一方、国民としては国債という資産を相続する。とすると、負債としての国債と資産としての国債は相殺され、最後の日本人には負債も資産もないことになるという議論である[90]。
経済学者の小黒一正は「日本は超高齢化社会をすでに迎えており、財政は15年もてばいいほうである。20年以内にクラッシュが起きる可能性は高く、実務的には残された時間は少ないと思って政策を立案するべきである」と指摘している[112]。
井手英策は、「『何をどうすれば人々は幸せに、そして善く生きることができるのか。』という大事な問いが財政論議から消えて、望ましい社会の姿ではなく何をやってはいけないかという視点」[113]によって、財政収支の健全化を求める動きが政治問題化している様子に触れている。
伊藤修は「財政危機を国民に正確に伝えることは必要であるが、いたずらに危機を煽ると経済を萎縮させる。国民を操縦しようという考えは慎むべきである」と指摘している[114]。
トマ・ピケティは「日本政府のバランスシートは悪化したが、日本は公的資本の減少分よりも、民間資本の増加分が大きい」と指摘している[67]。
経済学者の浜田宏一は、日本が民間・政府が世界最大の対外資産を保有しているとしており、政府債務は累増を続けているが、「実現可能なネズミ講システムであり、普通のネズミ講はいつかは終わり破綻するが、どの国の政府でも次の納税者は必ずあらわれる」と述べている[115]。
高橋洋一は「長期で見れば、円・国債は他の国から見れば安全資産である。それはこれまでの日本の歴史で、デフォルトは実質的には戦争直後しかなかったからである。戦争さえなければ、日本は大丈夫である」と指摘している[116]。
累積赤字国債額
ケネス・ロゴフは「長期的に見れば、欧米諸国同様に債務危機に陥る可能性はある。少子高齢化や人口減少の速度を考えれば、この水準の債務をいつまでも抱えていられるものではない」と指摘している[117]。
経済学者の伊藤隆敏は「財政再建は喫緊の課題である。もはや日本の財政は危険水域に入っている。44兆円の財政赤字を、消費税に置き換えれば15-20%分である。現在(2010年)の5%の消費税率を20-25%に引き上げてようやく返せる莫大な額を、毎年将来世代から借りているわけである。借金は消費増税を遅らせれば遅らせるほど、雪だるま式にふくれ上がっていく[118]」「中長期的に国債の新規発行をゼロにするという意識が必要である[119]」と述べている。
高橋洋一は「(国の債務が)過去最高といつも言うが、それはストック経済であるから、ストックの数字はいつも過去最高になる。債務が過去最高というなら、資産もほぼ過去最高である」と指摘している[120]。
高橋洋一は「国債償還費を一般会計に繰り入れているのは日本だけである」と指摘している[121]。原田泰は「財務省の発表している財政赤字は、債務の返済も政府の歳出も含んでいる。こんな指標を用いている国は日本しかない。歳出から債務償還費を除外したた純歳出と歳入の差、純歳出歳入差を見るべきである」と指摘している[122]。
エコノミストの山崎元は、日本国債の安全性が金利に反映されている事実とともに、日本のような低リスク資産(国債など)が広く社会で共有されている社会構造の中で、本来日本経済が要求する日本政府の債務額は現在の債務よりも大きいのではないかと思案しつつ、国債発行残高はもっと大きい方が最適である可能性に言及している[123][124]。
貸借対照表
政府の保有する(流動性のある)資産を考慮する必要があることも指摘される場合もある。
エコノミストの熊谷亮丸は「国際通貨基金(IMF)の予測では、10年以内に国債発行残高が金融資産残高を超えると見られている。金融資産は多くても債務とのバランスで見ると、完全な債務超過状態である」と述べている[125]。
高橋洋一は「IMF、OECDなどの国際機関では、国の負債の大きさを見る時に、資産を引いたネット債務でみる。資産を無視して負債だけを見るのは適切でない」と指摘している[27][28][126]。高橋によれば、グロスの負債とネットの負債の区別が必要であり、包括的なバランスシートで財政状況を判断する方が良いとされる[37]。高橋は、イギリスがナポレオン戦争後、および第2次世界大戦後に、ネットの負債がGDP比で250%前後に達したが、その後イギリスは経済成長したため破綻しなかったことに着目し、日本も財政破たんを回避できると主張している[127][128]。
経済学者の植草一秀は「2010年末の国民経済計算による日本の一般政府貸借対照表で日本は1037兆円の負債以上に資産が多く、36兆円の資産超過になっている」と指摘している[129]。
浜田宏一は「日本円へのソブリンリスクについては、日本は世界最大の債権国であり、円に対する市場の信任は高く、リスクが高いとは到底いえない」と指摘している[130]。
対GDP比
財政の健全性については、国内総生産(GDP)に対する国債の発行残高の割合で見られる場合が多い。
熊谷亮丸は「カーメン・ラインハートとケネス・ロゴフによる分析では、政府債務残高がGDP比で90%を超えてくると、経済がガクンと悪くなり、成長率が平均3%くらい落ちるとされている。210%を越えている日本は、そろそろ限界に近づいていると言える」と述べている[125]。
ポール・クルーグマンはイギリスの歴史を見ると、債務残高がGDP比250%までいった時もあったが、何ら国内問題にはならなかった。日本がGDP比で197%の債務残高を抱えているとはいえ(2010年)、財政再建を急ぐ必要はないとしている[131]。
浜田宏一は「政府の信用状態を正確に把握するには、粗債務ではなく純債務を見るのが常識である。純債務であれば日本政府の負債はGDP比60%以下である」と指摘している(2010年8月時点)[132]。
2012年4月時点で単純に国債債務残高で判断するとGDP比で200%を超えるが、日本政府が650兆円の資産(金融資産は400兆円以上)を有していることから、日本の負債は実質的には総負債と総資産の差額から350兆円で、GDP比では70%である[133]。
経済学者の若田部昌澄は「心配しなければならないのはGDPが下がることである。GDPは返済能力を示す数字であり、このままデフレが続きGDPが減少すればデフォルトする可能性がでてくる」と指摘している[134]。
高橋洋一は「ラインハート=ロゴフの論文は、債務残高/GDPが90%を超えると破綻の可能性が高まるという説で水準に関するものだった。しかし、水準で判断するのは間違いだった。一部の国の財政政策にも影響を与えたが結果としては、他の研究者から計算の誤りを指摘された。いくつかの特定国を除いて計算すると、危険の水準が変わってくる。つまり、危険水準は国によって異なるということであり、各国共通の一律な水準はないということである」と指摘している[135]。
金利
日本の経済論争#成長率・金利論争 も参照
日本の長期金利が低位安定状態を保っている背景には、その水準が人々の予想(期待)によって大きく左右されている点にある[136]。名目値の長期市場金利は、期待成長率・期待インフレ率・リスクプレミアムの合計に等しくなる[136]。
小黒一正は「金利は2005年度からほぼ横這い状態にある。それにもかかわらず、利払費は2006年度を最後に上昇に転じ、2013度には一気に上昇し、10兆円に迫る勢いになっている」と指摘している[137]。小黒は「政府債務が増加しても長期金利が上昇しないのは、日銀による金融緩和が長期金利を抑制しているためである。しかし、インフレが顕在化し、その圧力で長期金利が上昇を始めれば、政府債務の利払い費は急増させてしまう。それを防ぐには、マネタリーベースを縮小する必要があり、日銀は国債などの資産を売却しバランスシートを縮小しなければならない。しかし、この措置も長期金利を上昇させてしまう。インフレリスクが顕在化する前に、財政再建を進める必要がある」と指摘している[138]。
ケネス・ロゴフは「日本の金利はかなりの期間、異常な低水準で安定したままであるが、今日の低金利のメカニズムはまったく安定したものというわけではなく逆方向に動く可能性がある」と指摘している[139]。
伊藤隆敏は財政悪化により「3-5年で日本に対する信頼が失われ円安に向かう」と指摘し、いずれ国内の資金余剰が枯渇し、日本銀行以外に国内の買い手がいなくなって国債を円滑に消化できなくなり、長期金利は「一気に3%まで跳ね上がる」との懸念を示している[140]。
伊藤元重は「GDPの8%以上の財政赤字を出し続ける社会は異常である。家計や企業の貯蓄資金が国債を購入してくれることで何とか持っている状況である。こうした財政状況をいつまでも続けられないことは明らかである。1000兆円を超える公的債務を抱える政府にとって、金利上昇は財政運営に非常に大きな打撃を与えるだろう」と指摘している[141]。
原田泰は「政府債務の対GDP比が200%以上であるが、日本の長期金利が上がらず、0.5%前後でしかない」と指摘している(2014年11月時点)[142]。
ポール・クルーグマンは「日本は過去十年以上に渡り、すぐにでも債務危機に直面すると言われてきた。でも危機はいつまで経っても来ないし、日本の十年国債金利は1パーセントほどである。日本の金利上昇に賭けた投資家達は大損ばかりしており日本国債を売るのは『死の取引』とまで言われるようになった。S&Pは日本国債の格付けを2002年に引き下げたけれど、その時も何も起きなかった」と指摘している[143]。
野口旭は「財政赤字の急拡大にもかかわらず、日本の長期金利が異常に低い水準にあるのは、単に日本の構造的な貯蓄過剰と民間投資低迷の結果に過ぎない。財政赤字にもかかわらず経常収支黒字が持続しているのは、その現れである」と指摘している[144]。
岩田規久男は「日本の長期国債金利が低位安定している理由は、人々が日本ではデフレーションが続くと予想していることにある。したがって、人々の予想インフレ率が急激に何十%も上昇しない限り、長期国債金利が急騰することはない。しかし、長期国債金利を低位に安定させておくために、いつまでもデフレのままでいればよいということを意味しない[145]」「国が、『デフレだから国債を安定的に消化できる』『低金利だから負担が少ない』などと喜んで、余った企業のお金を国債で吸い上げているだけでは景気がよくなるはずがない。これは国が亡びる道である[146]」と指摘している。
高橋洋一は「名目金利が1%上昇すると日本の債務残高は約1000兆円なので、利払い費が10兆円増加するという。しかし資産600兆円の大半は金融資産でその利回りアップのことは言わない。さらに金利が上昇する局面では名目成長率が高まっており、税収がアップしている。景気回復局面では税収弾性値が大きいので、プライマリー収支(基礎的財政収支)のみならず財政赤字も小さくなる[147][148]」「賃金の上昇率はインフレ率を上回るのが普通であれば、名目金利の上昇は賃金の上昇率を下回る[149]」と指摘している。
UFJ総合研究所調査部は「金利が上昇するということは、歴史的な低金利の時代が終わり、資金の需要と供給の関係が金利水準によってバランスされる通常の世界に戻ることを意味する」と指摘している[150]。またUFJ総合研究所調査部は 「財政再建の道筋が不透明なまま財政の改善が一向に見られない場合、投資家の期待が変わり長期金利が大幅に上昇する可能性も否定できない。長期金利が上昇すれば景気が悪化し、名目GDP成長率が低下する恐れもある」と指摘している[151]。
- 金融機関への影響
「金融緩和の行き過ぎで、金利が上昇し、国債価格は下落した結果そのせいで、これまで国債を購入していた金融機関が損をする。中には、バランスシートが傷む銀行も現れて、経済に混乱を起こす[152]」「長期金利が約2%上がり3%の水準になったら、経営が危うくなる金融機関が出かねない[153]」 という議論がある。
経済学者の小幡績は「インフレになれば、金利が上がって、国債が暴落する。そうなると、国債を大量に保有する金融機関が大打撃を受け、日本経済全体が壊滅的な被害を受ける」と述べている[154]。
田中秀臣は「公式統計によると、インフレ率が1%程度になっても、長期利回りは2%にもならなかった。仮に2%程度ののインフレになっても、利回りはせいぜい数%上がる程度であり、『金利リスク』と呼べるものではない。それで潰れる金融機関なら潰れたほうが日本のためである」と指摘している[155]。
原田泰は「大手都市銀行・上位地方銀行は、長期の国債を保有してなく、株・海外資産を保有しているため、国債の下落を相殺できる。ただし、下位の地方銀行で長期の国債を資産の相当部分で保有している銀行はあるだろう」と指摘している[156]。原田は「景気が回復すれば金利が上がり、金利が上がれば債券価格が下落するのはほとんど公理である。金融機関はプロなのだから公理を無視していては困る。金利が上がるのは良いことである[152]」「金融関係者が、日銀が大胆な金融緩和をすると困るというが、本当に困ったことであるのは、日銀が大胆な金融緩和をしたことではなくて、日本の金融機関がプロではないということである[152]」「貸出がなく国債ばかりを持っていて、国債の価格変動リスクに備えて株式や外国証券も持っていない銀行は、破綻するのもやむを得ない。貸出先がないのだから、急に融資を止められて困る企業もわずかということになる[157]」と指摘している。
山崎元は「現状の0.8%から0.9%くらいの水準(2013年6月3日は0.81%)は、リーマンショックの前の水準と比べても十分低く当時の長期金利は1.5%前後の水準だった。レベルで見ると現在の長期金利は十分低位に抑制されているといえる。長期金利はそもそも『相場物』なのであって、徹底的に安定していなければならないというものではない」「一般的に十分あり得る程度の金利上昇で金融機関が破綻するのだとすれば、悪いのは金利上昇ではなくて、彼らの経営内容の方だ。金融機関が当然行うべきレベルで金利リスクの管理が出来ていないということである。金融政策当局には、個々の金融機関の経営内容にまで踏み込んだ状況把握と指導が求められる。勿論、金融機関は営利を目的とする私企業なので、全てを管理する訳にはいかない。経営に失敗した金融機関を整然と退場させる仕組みこそが必要である」と指摘している[153]。
高橋洋一は「目先の金利の動きだけをみて、長期金利急騰という言い方で、財政破綻を唱える人がいる。このような主張をする人たちは、債券トレーダーや債券ストラテジストが中心である。日本経済にとっては問題ない。金融機関は株式や貸し出しの方が本業である[158]」「債券部門出身のエコノミストは、『銀行は大きな損失を余儀なくされる』と語るが、彼らはマクロ経済政策に直接関与しているわけではない[159]」「名目経済成長率が4-5%程度の場合、国債金利も4-5%になっている可能性が高い。ごく短期的に金利が1%程度変動することはあり得るが、相場とはそういうものであり、狼狽売りなどをやらない限り、金融機関の年間収益には大きな影響を与えない。また、そうした一時的な金利の変動は、国民経済に大混乱をもたらすものでもない[160]」「そもそも債券だけのリスクを取り上げるのも問題である。リスク管理をやっている者であれば、損失額は、保有額×金利上昇幅×平均償還期間になることを知っている。大手行の債券保有額は120兆円、平均償還期間は2.5年なので、金利上昇1%でだいたい3兆円の損失となる。また、調達(預金)の金利は低いままであるので、金利上昇はプラスになる。結局、資産面の平均残存期間と負債面の平均残存期間の差であるミスマッチの大きさで金融機関の金利リスク量は決まってくる[161]」「金利上昇に対して、金融庁では金融機関にALM(資産負債総合管理)を指導している。金利が上昇すると債券の価格が下がるので、国債などに評価損がでるが、株式などで逆に含み益がでる。つまり、国債の評価損を埋め合わせるように、ALMをしっかり行うのが金融機関の責務だ。金融庁でも金利上昇に対する備えが、金融機関にあるかどうかチェックしている[147][148]」と指摘している。
浜田宏一は「名目金利の上昇で銀行・証券会社の国債保有部門は損をするが、株式に投資をしている人は儲かっており、国民経済に与える資産効果もある。信用の流れもよくなり、雇用などにじわじわ働きつつある。インフレ期待の上昇は名目金利を高めるが、実質金利は下がるので国民経済には影響はない。実質金利がマイナスである限り、何の心配もない」と指摘している[162]。
- 実質金利
実質金利(real interest rate)とは、インフレを加味した実質的な金利を意味する[163]。例えば、名目金利が3%であってもインフレ率も3%なら実質的な資産は増えることはない[163]。一方、年3%のデフレが進行している状態なら金利がゼロでも実質的な金利は3%となる[163]。
高橋洋一は「実体経済に影響を与えるのは、名目金利ではなく実質金利(=名目金利-予想インフレ率)である。実質金利が下がれば実体経済に好影響が出て、名目GDP成長率が高くなるので、名目長期金利が高くなっても全く問題ない[164][165]」と指摘している。
経常収支の赤字
日本の経常収支が赤字に転落して、赤字国債を国内貯蓄で賄えなくなって、金利上昇が起こり国債が暴落するという議論がある[166]。
エコノミストの森田京平は「財政赤字が小さくても経常収支の赤字が増えると金利は上昇しやすい、ということを今日のイタリアから学ぶべきである。しばしば指摘されるように、イタリアの年間の財政赤字は日本よりも小さい。それでも市場がリスク・プレミアムを同国に求める背景は、経常収支の長期的な赤字にある」と指摘している[167]。
高橋洋一は「経常収支赤字は、国内貯蓄で国内投資が賄えない状態で、海外からの資金流入が必要になる。ここまでは正しいが、ここで財政赤字を海外にファイナンスしてもらうと、金利が上がったりして経済が大変になるというのは間違いである。世界全体を見ても経常収支赤字国は多いが、それらの国が成長率が低かったり、金利が高かったりということはない。経常収支赤字国といっても、経済成長や金利は経常収支国黒字国とほとんど変わらない。要するに、経常収支が赤字になっても、まともな経済運営さえすれば問題ない」と指摘している[166]。
国際収支統計#識者の見解 も参照
国債依存度
国債依存度とは、新規国債が予算歳入の何%を占めているかとする数字である[168]。国債依存度について、高橋洋一は「財務当局が用いる数字であるが、世界ではほとんど用いられない数字である」と指摘している[168]。
通貨建・国内消化
高橋洋一は元本支払いの遅延、20%以上のインフレも破綻の定義として含んだ場合において「93%の国債を国内で消化している日本は財政破綻しないという説は、データからは否定される。『国家は破綻する-金融危機の800年』によると、国債の破綻確立は、自国民の保有が多いか、外国人が多いかは関係ないとされている」「自国通貨建て債務も外貨建て債務も破綻確立においては差が無い」と指摘している[169]。
- 自国通貨建てと外貨通貨建て
ポール・クルーグマンは「ギリシャのように国債危機に陥るのではないかと不安視する向きもあるが、ギリシャは独自の通貨を持たない国であり、日本とはまったく違う[170]」「自国通貨で借りるか外貨建てで借りるかが凄まじい差をもたらす。自国建て通貨を持っていない国々はパニック攻撃にとても弱い[171]」と指摘している。
若田部昌澄は「日本は固定相場制をとっていない。このことがもたらす政策の自由度は大きい。また、日本の財政赤字・累積債務は巨額であるものの、日本の債務はほとんど日本人が保有しており、まだギリシャのようになるには遠い」と指摘している[172]。
- 国内消化
経済学者のアバ・ラナーは、公債が国内で消化されていれば国民の負債であると同時に資産でもあるため、発行・償還時点でもその国が利用できる資源に変わりなく、将来世代への負担が増える事も無いとしている[173]。
財務省の木下康司国際局長は日本国債の大部分が国内の金融機関に保有されていることについて、こうした関係は日本の金融システムが欧州に比べて、財政上のショックの影響を受けやすいことを示していると指摘している[174]。
三菱東京UFJ銀行は、日本国債の国内消化は、2020年頃には行き詰まってくると分析している[175]。
経済学者の原田泰は「日本国債は暴落すると言っているエコノミストが所属している銀行が、その日本国債を大量に購入している。日本国内の資金需要が大幅に後退し、自己資本比率規制が厳格化される中で、日本の銀行は日本国債を買わざるを得ない状況にある。海外の投機筋が日本国債を売り崩そうとしても、簡単に暴落させることはできない」「また日本の場合は、仮に日本国債の価格が暴落して金利が急上昇したとしても、日銀が緊急措置として日本国債を買い上げることができる。日銀は銀行を救うために何でもするだろう」と指摘している[176]。
野口旭は「政府の債務は民間にとっては資産であり、利払いが滞らない限り将来にわたって資産として保有される事が期待できる」と指摘している[177]。
ブルームバーグは「日本の公的債務残高はGDP比200%を超えているが国債の大半が国内で保有されているため資本逃避のリスクは低い」と指摘している[178]。
- 通貨発行とインフレーション
浜田宏一は「投機家は一般市民の財産を奪うことはできても、政府を破産させることはできない。なぜなら政府は紙幣を印刷できるからである」と指摘している[179]。
経済学者の深尾光洋は「日銀に頼んで国債を引き受けてもらって現金を発行してもらえばデフォルトにはならず、インフレになるだけである」と指摘している[180]。
飯田泰之は「日本で財政破綻が起きると言うが、まずそんなことは起きない。仮に本当に財政状況が悪くなったとしても起きるのは、デフォルトではなく大体7-8%、もしくはそれより少し高いインフレーションである」と述べている[181]。
ギリシャとの比較
伊藤隆敏は「ギリシャは債務がGDP比160%に達した時点で破綻したが、日本は既に約200%と最も高い水準にある(2013年)。日本が財政状況が危機に陥っていないのはある種の奇跡といえる。私の試算では、日本の財政危機は2023年に到来すると予想される[182]」と指摘している。
熊谷亮丸は「政府債務残高の対GDP比は210%以上となっており、第二次世界大戦末期の混乱期とほとんど変わらない状況。はっきり言って、欧州債務危機の発端となったギリシャのほうがずっとマシである」と述べている[125]。
財務省の木下康司は、日本の財政状況がギリシャより悪いと述べている[174]。
ケネス・ロゴフは「さらに高齢化が進み人口が減り始めれば、人々は保有してきた国債を売却し始める。そうなれば、市場は国債に高い金利を要求するようになり、日本はギリシャと同じ状況に直面することになる」と指摘している[183]。
小黒一正は「現状(2014年)の日本の財政問題を考えると、2020年には、アテネ五輪後のギリシャと同じ轍を踏む可能性が高い」と述べている[137]。
原田泰は「政府の債務から政府保有の金融資産を除いた純政府債務残高の対名目GDP比で見ても2012年で134.1%であり、日本より酷いのはギリシャだけである。しかも、これが低下する兆しが見えない。無理やり低下させる必要はないが、徐々に低下させることは必要だろう」と指摘している[184]。
高橋洋一は「日本のデフォルト確率はものすごく低い。日本の財政を語るのに、ギリシャをひきあいに出すのはおかしい[185]」と指摘している。
ケネス・ロゴフは「ギリシャは19世紀に独立して以降、ほぼ2年置きに債務不履行を繰り返している。過去の例を見ると、ギリシャでは財政赤字が続いた後、ある日突然、債務不履行が行われている」と指摘している[186]。
山崎元は日本の政府債務残高は、GDPに対してギリシャよりも大きいが、それだけで危ないと考えるのは短慮だと述べている[187]。
浜田宏一は「ギリシャは国も民もみんな借金しているが、日本の場合国の方は富んでいる。世界で見ても日本は今のところ世界の最大債権国である」と述べている[188]。
安達誠司は「『日本がギリシャ化している』というのは誤った表現で、不況下に増税策などの緊縮財政を行った結果、財政赤字を更に悪化させた日本の政策当局が行った経済失政を繰り返す形で、ユーロ圏が日本化していっている」と指摘している[72]。
CDS
熊谷亮丸は「2009年の秋、債務危機が起きる直前のギリシャの5年物CDS(クレジット・デフォルト・スワップ) スプレッドは1.2%くらいだったが、日本のそれは1.0-1.5%前後のレベルを中心に推移してきた。つまり、財政危機に陥る直前のギリシャと、現状の日本は大差がない状況である」と述べている[125]。
高橋洋一は「日本のCDSレートは1.0%程度でフランス2%、イタリア4.4%より低く、米国0.3%、英国0.6%より高いが、ドイツ0.9%と同程度で先進国の中では低いほうの部類になる。1.0%という水準は、アバウトにいえば100年で1回破綻するというレベルといえる」と指摘している[189]。
経済成長・デフレーション
経済学者の池尾和人は「財政赤字を出し続けて、国債の累増が発生する結果、そのことが成長率を下げる効果があるという実証結果が、多く報告されている(ケネス・ロゴフの研究など)。ただし、実証研究であって、メカニズムが理論的に解明されているわけではないので、因果関係が逆である可能性もある。つまり、経済成長率が低下している国だから、財政赤字が積み上がってしまうという可能性もある[190]」「冷静に考えれば、財政の破綻が避けられないと言うほど悲劇的な状況ではない[190]」「デフレから脱却して金利が上昇すると、財政の安定が崩れるというリスクがある。その際、成長率上昇による税収増と利払い費の比較になる。税収に比べて利払いが大きくなっているので、成長率が1%上がった場合、金利も1%上がると、税収増より利払い増が大きくなり、資金繰りが苦しくなる[191]」と述べている。
村上尚己は「デフレから抜け出し、名目GDPが増えれば、税収も増えるので財政赤字もかなり減る。そうした経済状況に戻してから、財政状況を長期的に安定させるために必要な税制・歳出の在り方を考えた方が適切な処方箋が描ける。経済が正常化するだけで必要と試算される『増税幅』がかなり小さくなる」と指摘している[75]。
原田泰は「デフレになったら財政問題は解決できない[192]」「名目成長率が実質成長率を下回るデフレの下では、長期の社会保障支出抑制を前提としても公債等残高GDP比が上昇し、財政は厳しい状況となっていく。デフレによって名目成長率が低迷し続けることが財政に与える悪影響は大きい。金利が成長率よりも高めに推移すれば、やはり財政は厳しい状況になる[193]」と述べている。
若田部昌澄は「経済がデフレから脱却して本格的に回復しないかぎり、日本の財政状態は好転しない[172]」「名目成長率が上がらないと、日本は財政が破綻するような方向にいかざるを得ない[194]」「成長なき増税路線には未来はない[195]」と指摘している。
岩田規久男は「デフレが続く限り、所得が実質で多少増加しても名目では増えない。所得税・法人税は名目所得にかかるため、名目所得が増えなければ税収は増えない。同様に消費税は名目の消費額にかかるため、名目消費が増えなければ税収は増えない。固定資産税も不動産価格が上がらなければ増えない。デフレを放置すれば、税収は減少していく」と指摘している[196]。岩田は「実質成長率がプラスでも名目成長率がマイナスであれば、政府の税収は減るため、財政再建は不可能である[197]」「1-3%程度のインフレを安定的に維持できなければ、財政は破綻する[198]」と指摘している。
家計との比喩について
財務省のホームページ「日本の財政を考える」は、国の借金を家計の借金に例え「公債発行による借金は、将来世代への負担の先送りにほかならない」と述べている[199]。
伊藤元重は「年収400万円なのに毎年500万円をどこかから借金してきて900万円使うような生活をする人がいたら、『あなたは破綻している』と警告される。収入の倍の生活費をいつまでも維持できるはずがない。現在(2012年)の日本の財政はこれに近い状況である。政府の税収は40兆円を少し上回る程度なのに、歳出である予算規模は90兆円を超えている。40兆円近い新規の国債発行、つまり借金の積み増しをしている」と述べている[200]。
経済学者の竹中平蔵は「庶民感覚では『借金は返済しなければならない』となるが、これは国家規模では当てはまらない。実際に歴史上、借金を返済した国などない」と指摘している[201]。
三橋貴明は「よく使われる喩えに、年収420万円のサラリーマンが4500万円の住宅ローンでマンションを買ったものの、生活費が足りず年間 360万の借金をして暮らしている窮状のようなものというのがあるが、この喩えは『日本国政府』に対する喩えであって、『日本国』に対するものではないことに注意する必要がある」と指摘している[202]。
若田部昌澄は「財務省はよく国の会計と企業・家計の会計とを同一視する比喩を用いる[203]。こうした類推・比喩はたいへん誤解を呼ぶものであり、論理的ではない」と指摘している[195]。若田部は「第一に、国は税金が取れる(徴税権)。また極端な話、日本の場合国債は国内で消化されているため日本銀行がカネを刷って返せる(通貨発行権)。もちろん1000兆円刷れということではない」と指摘している[204]。
岩田規久男は「国は家計と違い自分で稼いで借金を返済するわけではなく、あくまで国民がお金を稼ぐ。国債償還が行き詰れば国には家計と違い課税権があるため増税して歳出を賄えばよい」と指摘している[205]。
経済学者の竹森俊平は「国が『債務』を負う場合には、個人の『債務』と違い、『借金は金利を含めて全額、期限までに支払わなければならない』という規則を守らなくてもよい。公債の発行を通じて、国が債務を負う場合、満期の来た公債への支払いを新発公債からの収入でまかなう『ロール・オーバー(借り換えによる債務の実質的な先延ばし)』という選択肢があり、しかも、個人には『寿命』があっても、国には『寿命』がないので、実質上債務の返済期限はいくらでも先に延ばせる。要するに、新規公債が市場で消化され続ければ、国は短期に債務の全額を返済する必要はない。もちろん、それが無制限に膨張してよいということではない。しょせん、長期的にも政府の行動は何らかの予算制約を満たさなければならない」と指摘している[206]。
- 将来世代へのツケ
UFJ総合研究所調査部は「財政赤字が将来世代に対する負担の先送りではないかといわれるのは、無駄な歳出が多くて財政赤字が拡大していると懸念されているからである」と指摘している[207]。
竹中平蔵は「団塊の世代は、財政赤字の問題が顕在化する頃には生涯を終えており、実態的な影響を受けずに済む可能性が高い。この世代は『食い逃げ世代』である。後の問題はすべて若い世代に預けて死んでいく。日本の財政赤字の問題とは、今の世代が次の世代のことをどれだけ真剣に考えているかどうかという問題である」と指摘している[208]。
経済学者の円居総一は「国債の増発は、それを現在世代の国民が買うため、子孫にツケを回すことにはならない」と指摘している[209]。
岩田規久男は「将来世代は、国債利払い・国債償還のため納税するが、一方で国債利払い・国債償還を受けるため、納めた税は再び将来世代の元に返ってくる。これは、外国人が日本国債を保有している場合でも対外純債権国の日本でなら成り立つ」と指摘している[199]。
財政再建に関する提言・議論
国際通貨基金(IMF)は、消費税の軽減税率の導入は効率性を阻害し、事務コストや行政管理のコストを増大させ、恒久的な歳入損失をもたらすと指摘し、低所得者層に対象を絞った補助金を通じて対処されるべきと述べている。日本の中長期的な財政再建について「最低でも15%への段階的な消費税率引き上げ、個人所得税の課税ベース拡大、年金・医療支出の抑制」などを求めている[210]。
伊藤隆敏は「手厚い社会保障を維持するなら消費税率は25%まで上がる。上げたくないなら成長戦略を実行して税収を増やし、社会保障費も抑制することが不可欠である」と指摘している[119]。
伊藤元重は「財政の持続性を確保するためには、増税や社会保障制度の見直しを継続していかなければいけない」と述べている[141]。
池尾和人は「持続可能な財政の姿を考えれば、国民の負担は今(2012年)よりも重くなり、支出はスリム化するしかない。消費税換算で30%ぐらいまで、すなわちあと25%の増税をすれば、プライマリーバランスの黒字を実現して、財政の持続可能性は回復できる。国民所得に占める消費の割合は60%なので、目の子算でいうと国民所得の15%分ほど生活水準を下げれば、なんとかなるということである。他方で、15%生産性が上がれば、差し引きゼロで生活水準を引き下げる必要はなくなる」と指摘している[190]。
熊谷亮丸は、2012年現在の財政状況が「『増税の前にやることがある』と、歳出カットや成長戦略を行なう必要性が唱えられてきたが、それは論点を拡散させて問題を先送りしてきた結果である」と指摘し、「消費税を中心に増税」「社会保障費を中心にムダな歳出をカット」「成長戦略を実効性のあるものにして経済を活性化」の3つを実現させる必要があると主張している[125]。
土居丈朗は「財政赤字の削減のためには、歳出削減や国有財産の売却など、政府の努力は必要であるが、それだけでは解決できない。劇的な増税をしなければ財政赤字の問題は解決しない」と指摘している[211]。
明治大学公共政策大学院教授の田中秀明は「経済が悪化し、財政赤字も拡大する一番悪いときに財政再建の意思決定を行い、財政再建の取り組みを開始することが理想的である。厳しい時ではないと、財政再建や構造改革について、政治家や国民の間で合意できないからである。その後、経済が上向き、回復した経済成長で税収が増え、財政収支が改善する。市場に安心感を与えることにより、経済を回復させることができる。もちろん、そうではない事例もある。1980年代前半ニュージーランドは、経済危機に直面していたため、一刻も早く財政収支を改善させる必要があった。ニュージーランドの場合は、財政再建期間中の1985年から1992年までの間の成長率は、1988年の2.7%を除いて1%前後で低迷した」「財政再建の議論で重要なことは、短期と中長期の効果を区別することである。一時は苦しくても、中長期で成長軌道に乗り、財政収支の改善によるプラスの効果があればよい」と述べている[212]。
小黒一正は「国民所得を拡大するために経済成長は重要であるが、経済成長に頼る財政再建はギャンブルである。財政を再建するには増税・歳出削減を進めるしかない。歳出削減の中心は、急増する社会保障費の抑制になる」と指摘している[213]。
UFJ総合研究所調査部は「プライマリーバランスの改善のために歳出削減・増税を急いで景気が腰折れしてしまうと結果的に名目GDP成長率が低下し、逆に財政破綻のリスクが高まる恐れもある[151]」「財政赤字=社会悪というわけではない。歳出カット・増税でやみくもに赤字を減らすのではなく、本当に必要なところにお金が回るように歳出の中身をチェックすることがまず必要である[207]」と指摘している。
みずほ総合研究所は「大幅な歳出削減を実現したところで、デフレ経済下では財政破綻の懸念が常につきまとうことに注意が必要である。単年度で財政収支が均衡しても、政府債務は利息分だけ増加する。新規国債発行を抑制しても、債務は雪だるま式に大きくなり、結果として財政破綻は避けられない。歳出削減と名目GDPの成長率を引き上げる政策が必要不可欠である」と指摘している[214]。
若田部昌澄は「大事なのは債務残高そのものよりも債務残高とGDPの比率。財政支出を切り詰め増税をすれば、政府のGDP比債務残高が減るかといえば、そうはならない。財政を縮小すると不況がやってくるが、それから景気はよくなるというのが財政再建派のロジックである。しかし、不況で経済が縮小してしまうと、縮小がさらに景気の悪化を招きかねないため、税収が減少していって財政再建はうまくいかない公算が大きい。1997年の例で分かるように、過去、日本は財政再建に高いプライオリティをつけては、失敗してきた。財政再建をやるためには、財政再建を目標にしてはいけない。税金を上げるよりも、経済の再建の方が先。順番を間違えてはいけない」と指摘している[215]。
竹中平蔵は「財政再建のために、消費増税は役には立たない。財政再建の本道は、経済を良くすることであり、歳出を増やさないことである」と指摘している[216]。
高橋洋一は「経済成長、財政再建と社会保障の三つを満足させる解は、消費税増税と経済対策ではない。(安倍首相は)いわゆるトリクルダウン説を根拠としており、説得力に欠ける。トリクルダウン説で格差が拡大した韓国の例もあり、一抹の不安を感じざるを得ない[217]」「財政再建をするには、増税せずに歳出を押さえ、その一方で金融緩和で景気をよくして税収増を図るのが正しい。これは財務省150年の歴史に当てはまる黄金則である[218]」と指摘している。
池田信夫は「数十パーセントの増税や歳出削減は政治的には不可能である。唯一の選択肢は、日銀が国債を引き受けて通貨を増やしインフレを起こすことである。ただしインフレを制御できるかは解らない」と指摘している[219]。
経済学者の鈴木亘は「財政の本当の姿を知れば、国民の目も厳しくなるので、ばらまき的な使い方もできなくなり、本当の財政再建ができる」と指摘している[220]。
国債の買いオペレーション
2011年現在のデフレーションを利用して、日本銀行が国債の大幅な買付を行うべきだとの指摘がある[87]。2011年4月にはOECDが日本に対して、日本の中央銀行、すなわち日本銀行が直接日本国債を買うべきだとの見解を表明した[221]。FT紙は、日銀がより多くの日本国債を購入し、政府の負債の一部をマネタイズしてもよいと主張する[222]。もっとも、これは中央銀行の独立性に反するとも言える[87]。
2011年4月27日に勝間和代を呼びかけ人代表とするデフレ脱却国民会議が会見を行い、日銀が震災国債を買いオペレーションの対象にすることを提言した[223]。
2013年3月21日、国債の売れ残りによる財政破綻の恐れと、金融緩和のために日銀が長期国債の大量購入を開始した。そのため、一時的に長期国債の品薄が発生している[224]。
経済学者の渡辺努は「国債の負担抑制のために中央銀行が支援すると、政府の財政再建への意思を弱めると懸念する声が多い。つまり、規律の不十分な政府には金融政策からの支援は逆効果になりかねない。財政再建の意志の弱さが露呈し始めれば、市場の反乱に遭って国債金利が急騰し、結局財政危機がさらに深刻になる恐れがある。財政規律が不十分な場合には、ルール(財政収支目標の設定など)の導入などにより規律を高めることを最優先すべきである」と指摘している[225]。
- 償還期間の長期化
ケネス・ロゴフは「国債の満期構成を長期化させるべきだ。短期金利が実質ゼロだからといって、短期でつなぐ誘惑に負けてはならない。たとえ高くついたり、一時的に財政赤字の拡大を招いたとしても、満期構成の長期化は危機に対する安い保険となる」と指摘している[117]。
増税
経済学者の水谷研治は「財政を破綻させないためには、インフレになる前に借金を大幅に削減しなければならない。そのために国民は大増税を容認する必要がある。景気は当然急落するが、国民は耐えなければならない」と指摘している[226]。
伊藤隆敏は「人口減少社会の日本で、経済成長率が5%に回復して増税なしに返済できるという夢物語は存在せず、地道に増税で返済していくほかない」「なにより、われわれ団塊の世代にその痛みを引き取らせるように、急がなければならない。退職をすれば皆、増税反対勢力に回ってしまう。退職者にとって、むしろデフレは好ましい。」と述べている[118]。
池尾和人は「(消費税率を)10%に引き上げても焼け石に水である。2020年代から2030年代に『団塊の世代』が後期高齢者入りするため、増大する財政需要に耐えられる財政構造にしなければならない」と述べ、消費税率については欧州の付加価値税は(軽減税率を含め)平均的に20%程度だとした上で、「20%が妥当であり、20%を上限に他の税を上げるか、徹底的に歳出の抑制をしない限りは債務が発散していく」との見方を示している[227]。
高橋洋一は「増税と財政再建には因果性がない。むしろ増税が経済成長を阻害したら、財政再建の障害にすらなってしまう。増税して景気が悪くなって減収になったら元も子もない」と指摘している[135]。また高橋は「増税は財務官僚の歳出権を増大させる」と指摘している[112]。
飯田泰之は「現時点(2011年)でプライマリーバランス赤字の解消は(財政支出の伸びを2%以下に抑えた上で)2%経済成長+2%のインフレ=名目4%成長を数年間、あるいは名目3%成長を5年以上維持すれば(累積値で20%近い経済成長で)達成可能である。政府は現在のプライマリーバランスと将来の医療・年金支出を混同したままに、デフレを考慮せずに増税へと進もうとしている」と指摘している[228]。
岩田規久男は「近い将来、税金が重くなることが分かっていながら、消費をどんどん増やすことなど、考えられない。現在(2012年)のように景気が低迷している時に財政再建を急ぐと、景気にとっては逆効果をもたらす[229]」「名目GDPが増加するにつれて、国税の名目成長率弾力性は低下するかもしれない。しかし、その点を考慮しても、増税は名目成長率を4%程度に上げてもなお財政再建の目途が立たない場合にとっておくべき、最後の手段である[230]」と指摘している。岩田は「税収の経路を見ながら高齢化社会では税収が不足するとなれば、増税も選択肢としてある[231]」「経済が安定的に成長するようになった段階で、税構造を見直し増税を実施するべきである[232]」と指摘している。
若田部昌澄は「財政再建を掲げ増税してデフレが悪化すればGDPも減少し本当にデフォルトしかねない[134]」「増税をすれば人々が財政の将来に安心するとは限らない[233]」と指摘している。若田部は「景気が悪い時に増税して、財政再建が成功した例は世界的に見てもない。仮に、消費税収が上がっても、他の部分の税収が下がってしまったら本末転倒である。一方で、景気が良い時の増税は、成功する可能性がある」と指摘している[234]。
経済学者の田中秀臣は「日本では不況下にもかかわらず、なぜか増税と景気対策がワンセットで議論されている。これは完全なマッチポンプであり、経済学の一般常識としてあり得ない。政権与党の政治家は、長期的な財政再建にコミットしなければならないとか、責任政党だからと説明しているがなんの説明にもなっていない」と指摘している[235]。
飯田泰之は「他の先進国並みに累進課税を適用すれば、経済成長による税収増は大きなものとなる」と指摘している[236]。また飯田は「国から地方への再配分の中心である地方交付税交付金と、世代間の再配分の中心である年金の国庫負担の配分を見直せば、増税による財源確保を最小限に抑える方法もあり得る」と指摘している[237]。
- 消費税
日本の消費税議論 も参照
ポール・クルーグマンは「日本の消費税を上げるタイミングは、少なくとも『大不況真っ只中』ではない。そんな状況下で、景気の回復よりも財政赤字の解消を優先すれば、デフレ・スパイラルを加速させるだけである」と指摘している[131]。
経済学者の浅田統一郎は「日本の国債累積問題の解決策は、デフレ不況からの脱却であり、消費税の増税ではない」と指摘している[238]。
岩田規久男は「まず(成長によって)税収を上げ、それでも財政が再建できないところを見極めてから消費税増税で遅くない」と指摘している[239]。
竹中平蔵は「自分は、今(2013年)まで消費税率の引き上げに賛成したことはないし、消費税率を引き上げずに財政再建はできる」と述べている[240]。「増税(消費税率の10%引き上げ)しても問題は解決しない。歳出をこのまま放っておくと、社会保障費が毎年1兆円ずつ増えていく。必要なのは歳出の抑制である。増税は、今ある赤字を補うためのもの。これでは消費税を30%にしても足りない」と指摘している[241]。
経済学者の野口旭は「1997年の橋本政権下での消費税率引き上げなど、自分で自分の首を絞めるようなことをしなければいい。逆噴射的となる性急な財政再建は絶対に禁物である」と指摘している[242]。
外交評論家の天木直人は、2014年の消費増税に伴う政府の各種方針に対して、「消費税増税の是非については既に議論が出尽くしており、国論は二分されている。後は政治決断だけなのに、政府が勝手に選んだ一握りの有識者なる者たちの意見を聞いてどうするというのか、政治家は不要だということを自ら認めているようなものである」「そもそも消費税増税の議論は、この国の官僚主導の予算編成システムと不可分であり、官僚に独占された予算編成システムを国民の手に取り戻さなくては、消費税増税はもちろん、あらゆる増税を国民は拒否すべきである」「2013年の増税論議は、このような反国民的な予算編成を放置しておきながら、少子高齢化にはいくら増税しても予算が足りないと脅かしているところに大問題がある」と述べている[243]。
- 所得税
経済学者の八田達夫は「日本では所得税率が高いために自発的に悠々自適の生活に入る人は少ない。所得税の引き上げは、労働供給を抑制しない。所得税率の引き上げは財政再建の有効な手段となる」と指摘している[244]。
経済成長
財政再建#税収弾性値 も参照
大和総研は「景気回復による財政赤字の効果は小さい」と指摘している[245]。
エコノミストの片岡剛士は「財政再建で大切なのは増税をすることではなく、いかにして経済成長に配慮しつつ財政再建の道筋をつけていくかということである」と指摘している[246]。
若田部昌澄は「歴史的にも、名目GDPが増えない限り、財政再建は成功しない」と指摘している[234]。
高橋洋一は「経済成長がなければ増税しても税収は増えない」と指摘している[247]。高橋はスウェーデンについて、優れたマクロ経済運営によって高い経済成長を実現させていると評し、スウェーデンが名目経済成長率2%、インフレ率2%であることを指摘。財政再建のためには、経済がデフレーションであることを脱する必要があると論じている[247]。また高橋は「財政再建だったら、経済学者のアルベルト・アレシナがたくさん論文を書いている。そこに書いてある財政再建の成功例は、例外なく名目成長率を上げて、それによって税収が上げるということである。経済学的には当たり前である[248]」「財務省の試算では税収の弾性値(名目GDP1%増で税収が何%増えるかを示す数値)を1.1として、景気回復局面での税収増を低く計算している。過去15年間の税収弾性値は3-4くらいなので、名目成長率3%くらいだと、消費税増税なしでも、2016年度のプライマリー収支対名目GDPは1.4%程度に下がり、遅くとも2018年度までには赤字解消する[249]」と指摘している。
岩田規久男は「財政破綻を避けるには、デフレを早期に脱却して、長期的には、インフレ率を2%程度で安定させ、日本経済の名目成長率を先進主要国並の4%程度に引き上げる必要がある[145]」「日本経済がデフレから脱却して、名目成長率が4%になれば、税収が拡大し、増税なき財政再建が可能になる[230][231]」「増税というリスクをとるのではなく、インフレ目標を導入し、名目成長率を上げて需要を喚起すればよい。シナリオとしてはこちらのほうがずっと安全であり、確実性が高い。何も今(2012年)、増税というリスクを冒す必要はない」と指摘している[250]。
竹中平蔵は「国債については、ナポレオン戦争後のフランス、第二次世界大戦後のイギリスは、どちらも巨額の国債を発行しているが返していない。重要なのは、これ以上増やさないことである。例えば、2%の経済成長でも35年でGDPは2倍となるため、その頃には問題ではなくなっている」と指摘している[251]。竹中は「デフレを早く克服し、名目成長率が3-4%に達すれば、税収は増えていく。景気の回復局面では、名目GDPが1%増えると、税収は3-4%増える。それがうまく続けば、財政再建につながる可能性はないわけではない」と指摘している[241]。
竹森俊平は「税を上げると成長率が下がり、かえって財政赤字が増えると説く人がいるが、少なくとも税率が低い場合にはあてはまらない。(日本は)名目成長率が18年間も1%を割り続けているのに例えば名目2%成長といった前提を立て、増税なしで財政が改善するという主張はばかげている」と述べている[252]。
「日本の税収弾性値は3-4なので、名目成長率3%を5年続ければ税収は1.7倍に膨らむ」といった議論について、小幡績は「税収弾性値の議論も初歩的な算数の誤りである。税収弾性値が3や4というのは異常値であり、この値は過去十数年のデータに基づいている。リーマン・ショックを挟んでいるため、GDP成長率も税収増加率もマイナスの時期があり、税収の回復はGDPの回復よりも遅れるため、同じ年度で一方がプラスで他方がマイナスのこともある。このようなときに年度ごとの弾性値の平均をとっても意味がない。第二に、弾性値とは足元の変化率(限界的な変化率)に関するものであり、年度ごとの値と、現在から10年後までの平均的な税収の変化を見るのには当てはまらない。長期の議論をする場合には、伝統的に使われる弾性値1または1.1が妥当である」と述べている[253]。
高橋洋一は「過去15年間の成長率変化幅・税収弾性値を見れば、常に税収弾性値が高めに出るわけでない。仮に、高めに出たものを異常値として処置しても税収弾性値は3程度はある。法人税収などでは、景気の善し悪しで税収ゼロから納税となるからである。財政再建を検討する期間はせいぜい10年間であり、直近の10年間の税制改正なしの税収弾性値として、内閣府の報告書にある3.13を無視して、1強程度というのは言い過ぎである。景気回復局面では、法人税収の弾性値は大きい」と指摘している[254]。
デフレーション脱却
ポール・クルーグマンは「日本の場合、インフレーションが始まったら、債務の問題の大部分は解決する。緩やかなものでも本当にインフレになれば、借りた時よりも現金の価値が下がって返済の負担が減るため、債務問題の解消に効果を発揮するからである」「日本が破産するとしたら、その唯一の方法は、日本銀行が『インフレなどとんでもない』と言い続け何もしないことを選んだ時である」と指摘している[131]。
ケネス・ロゴフは「2%程度のインフレーションを目指すべきである。債権者に下落した通貨価値での返済を押しつけるインフレは、債務問題の公正な解決法とは言えないが、債務負担を軽減させる有効な手段であることは明らかである」と指摘している[117]。
浜田宏一は「金融政策だけで、今(2013年)の財政の構造的な歳入不足がすべてまかなえるとまでは思えない。まず、デフレを封印し、経済が活況を呈したならば緩やかな増税をすればいい。そのときは増税幅も少なくて済むだろう。財政再建は必要だが、デフレ経済下にある今の状況では不可能である[255]」「いずれは消費税を上げなければならないが、急ぎ過ぎると肝心の日本経済の成長そのものが止まる。インフレがマクロの究極目標ではないのと同様に、財政再建もマクロの究極目標ではない。金融政策を十分にやりながら、法人税減税などで経済活動を活発にし、(経済の)パイを大きくすることが先決である[256]」「日本の財政は危機的ではないが、深刻な状態だ。金融緩和で増えた税収は、財政再建に使うべきである[257]」と指摘している。
深尾光洋は「デフレを止めることによって企業部門の再生が可能になる。売り上げが増えるので、借金が返せるようになるということである。そしてさらに、財政についても引き締めが可能になる。つまり金融政策で緩和ぎみにすれば財政は引き締められ、財政の再建が可能になる。デフレを止めるということが金融再生および財政再建の必要条件になる」と指摘している[180]。
小黒一正は「デフレ脱却が成功し、金利が上昇し始めると、低金利の恩恵を受けられなくなり、利払費が急速に膨張していくことになる」と述べている[137]。
物価が上昇すると、国債金利の上昇や利払い費の増加により、財政破綻しかねないとの懸念について岩田規久男は「2%のインフレが実現する元手は、名目GDP成長率が3%程度まで上昇し、税収の拡大や国債発行額の大幅な減少により、国債金利が上がっても総利払い費は次第に減る」と指摘している[258]。
国有資産の売却
国が保有する資産の内、金融資産は428兆円(現金・預金17.7兆円、有価証券97.6兆円、貸付金142.9兆円、運用寄託金110.5兆円、出資金59.3兆円)である(2011年度「国の財務書類(一般会計・特別会計)」参照)[259]。
高橋洋一は「財政当局は1000兆円もの負債を抱えていると、金利が上昇したときの利払費が大変になるという。ならば、資産を処分して負債を圧縮すればいい。国の資産処分は財政危機に陥った国ならどこでもやっている。それをやらないというのなら、日本は財政危機とはいえない」と指摘している[260]。高橋は「国には総計で500兆円ほどの資産があるが少なくとも350兆円は売却可能なものである。2007年度の国のバランスシートを見ると、そのうちの有価証券・現預金は130兆円。特殊法人等への貸付金・出資が250兆円は特殊法人廃止などで取り崩し可能なものである」「日本政府の資産を売却、または年金資産は国民に還元していけば、グロスの政府債務は縮小していく。当初はネットの数字はあまり変わらないが、最終的にはよくなる。民間が売却された資産を有効に活用し、そこから利益を上げて経済が回りはじめれば税収が上がりはじめる。そうなれば、ネットの政府債務も縮小していくことが期待できる」と指摘している[261]。
原田泰、大和総研は「埋蔵金を取り崩した分で国債発行を抑制できるのは一度きりであり、他の条件が一定であれば、翌年以降の国債発行額は元に戻ってしまう。借金を返済したからといって税収は増えない。ただし、埋蔵金の取り崩しが無意味だと結論づけるのは誤りである」と指摘している[262]。原田泰、大和総研は、埋蔵金の取り崩しの効果として、1)政府の総債務残高を増加させない、2)埋蔵金の存在を明らかにしたことによって財政改革につながる、3)財政の中期プランを実行するための議論に使える時間を確保できる、という点を挙げている[263]。
「国には債務もあるが金融資産も600兆円あるから大丈夫である」といった議論について、小幡績は「金融資産が600兆円あるといっても、全部が売れるわけではない。政府債務残高にはいろいろな計算方法があるが、債務に見合った金融資産をもたず、税収などで返済されるという前提になっている借金である国と地方の長期債務残高でさえ、977兆円(2013年度末見込み)もある。売れるものを売ったとしても、この3分の1も返せない。重要なのは、1998年度末の長期債務は533兆円とここ15年でほぼ倍増していることだ。しかし増加した約450兆円の借金はたんに消費されたものが大半で、資産はほとんど増えていない。増えた債務だけを考えれば、明らかに資産と負債は見合っていない」と述べている[253]。
土居丈朗は「資産売却で借金を返済する場合でも、資産売却額を正確に予測ができなければ、当てにできない」と指摘している[264]。
「国有財産は、簡単に売れるものではない」という議論について、若田部昌澄は「原則的には売ることが可能である。売らなくても貸すことはできるし、不動産に関しては家賃収入を得ることもできる。また、政府には現預金・出資金がある」と指摘している[234]。
高橋洋一は「外貨証券(82兆円)・財政融資資金貸付金(139兆円)をこれほど多く持っている先進国はない」と指摘している(2014年11月時点)[265]。
歳出・社会保障費の抑制
伊藤元重は「少子高齢化が進む中では、制度に何も手をつけなければ毎年1兆円近い社会保障費の増加が続く。そうした流れの中で、歳入規模に合わせて歳出抑制していくのは不可能である。もちろん社会保障費の増大を徹底的に抑えることは重要だが、同時に税や社会保険料を引き上げ、歳出に見合った収入を確保することが必要となる。社会保険料の負担をさらに引き上げていくことは、可能であるがそれにも限界がある。そこで税収を増やしていくために消費税率の引き上げを検討することがカギとなる」と指摘している[266]。
原田泰は「日本の財政状況は異常であり、財政赤字を削減する必要がある。そのためにも、高齢者1人当たりの社会保障支出を抑制することは避けらない。それを怠った先に待っているのは、とんでもない大増税である」と指摘している[267]。原田は「2060年に現在(2014年)の社会保障を維持するためには70%の消費税が必要となる。消費税の限度は20%であるため、逆算して社会保障支出を維持可能な限度に引き下げるべきである」と指摘している[122]。また原田は「生活保護の不正受給の問題は、財政問題としては小さい話である。もちろん、モラルの問題としては大きいが、モラルと財政は区別するべきであり、モラルの問題が解決すれば財政の問題が解決するという誤解を与えてしまう」と指摘している[268]。原田は「財政政策の効果は小さい。金融政策だけで景気刺激効果があるのだから、財政政策を発動しなければ、財政状況は必ず改善する」と指摘している[269]。
小黒一正は「社会保障の本当のコストは『社会保障給付費』と呼ばれるもので、それは年平均では約3兆円で増加している。そもそも社会保障費を抑制しないと消費税率は10%でも財政は安定せず、本当に安定化させるには30%は必要である。将来への禍根を残さないためにも、社会保障改革と消費税増税は必要である」と指摘している[112]。
伊藤修は「社会保障を縮小させ公的負担を切り下げても、私的負担(自己・家族内での扶養)が同じ分だけ拡大するため、『正味の負担』が減るわけではない。公的負担と私的負担の割合を考慮しなければならない」と指摘している[270]。
エコノミストの米山秀隆は「名目成長率2%成長率で歳出削減が全く行われないケースでは、消費税率を22%にまで引き上げなければ、債務残高のGDP比を2050年前後に60%台にすることができず、2053年に66%となる。今後の財政のシナリオは、マクロ経済の想定(名目成長率、長期金利)と歳入・歳出の見積もりによって大きく変わってくるが、政策的には、堅実なマクロ経済の想定の下で、消費税率の引き上げが最低限で済むような、歳出削減プランを示すことが重要である」と指摘している[271]。
エコノミストの熊谷亮丸は「現実問題として、国会議員の定数を是正しても100億円程度しか財源は捻出できない。無駄を削減すれば財政再建できるかのような幻想を振りまくことは、国民に対する欺瞞行為である。もちろん、政治家が自ら身を切る姿勢を示すことは、国民の増税に対する理解を得る意味では重要である」と指摘している[272]。
高橋洋一は「過去のデータ分析によれば、プライマリー収支は前年の名目GDP成長率でほとんど説明できる。名目GDP成長が4%程度ならばわずかな歳出カット、5%程度ならほぼ歳出カットなしで、プライマリー収支の均衡化は達成できる」と指摘している[273][274]。
井手英策は、日本においては、官僚・政治家・政府に対する信頼度は格段に低く、必要が満たされない財政や信じることのできない政府のために、なぜ人びとは税を払い負担を受け入れるのかと「不服従」を表明するのは当然であるとしている[275]。人間の必要を考えず、ムダをなくすことに必死な政治が赤字を大きくするのであるとしている[276]。
熊谷亮丸は「政治家を選んできたのは誰なのか。日本は『独裁国家』ではなく、『民主主義国家』である。政治家の質が低下しているのだとすれば、それは日本人の『民度』の低下を映す鏡に過ぎない。象徴的な事例は、国民の間に蔓延する『消費税引き上げ』に対する過剰な拒絶反応である。『民度』を高めること、つまり国民一人一人が『見識』を持たなければ、日本の財政破綻は回避できない」と述べている[277]。
三橋貴明は「『政府は税金を持っていくばかり』と文句をつける人が多いが、政府の施策・予算を調べ、使えるものは使い、国民が消費を拡大していくことで経済は回っていく。自分の殻に閉じこもり、すべてを成り行きに任せ、与えられたものに対しひたすら文句を垂れ流すだけでは滑稽である。自ら動くべきである」と述べている[278]。
格付けについて
#国債格付けの変化も参照。
2002年における実際の格下げに関して、ポール・クルーグマンは、格付けが実際の市場に与える影響がわずかであったことを指摘している[279]。
山崎元は「国債の格付けを信用している人はそうはいない。元々格付けなんていい加減なものである」と指摘している[280]。
若田部昌澄は「格付けは無視していい。格付け会社は破綻寸前のリーマン・ブラザーズの社債に最高の格付けをしていたことで解るように信用できない」と指摘している[281]。
脚注
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- ↑ 「白川総裁は誠実だったが、国民を苦しめた」 浜田宏一 イェール大学名誉教授独占インタビュー東洋経済オンライン 2013年2月8日
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- ↑ 財政健全化のシナリオ - 成長重視か増税重視か富士通総研 2006年4月
- ↑ 熊谷亮丸 『消費税が日本を救う』 日本経済新聞出版社〈日経プレミアムシリーズ〉、293-294頁。
- ↑ 政治・社会 【日本の解き方】増税なしで財政再建は可能 重要なのは名目GDPの成長(1/2ページ)ZAKZAK 2014年7月31日
- ↑ 高橋洋一「ニュースの深層」 「増税なき財政再建」は可能だ!政府にとって「不都合な事実」となっている小泉政権の実績現代ビジネス 2014年8月4日
- ↑ 井手英策 『日本財政 転換の指針』 岩波書店〈岩波新書〉、2013年、10-11頁。
- ↑ 日本財政 転換の指針p11政府への不信(井手英策)岩波新書ISBN978-4-00-4314035-5
- ↑ 熊谷亮丸 『消費税が日本を救う』 日本経済新聞出版社〈日経プレミアムシリーズ〉、2012年、293頁。
- ↑ 三橋貴明 『本当はヤバくない日本経済 破綻を望む面妖な人々』 幻冬舎、2009年、233-234頁。
- ↑ クルーグマン:日本国債に関する健忘症Japanese Bond Amnesia
- ↑ 「民主党政権で『改革』も『成長』もできないのはなぜか」 エコノミスト、論客たちが徹底討論「2011年 どうなる日本経済」vol.2現代ビジネス 2011年1月24日
- ↑ 若田部昌澄・栗原裕一郎 『本当の経済の話をしよう』 筑摩書房〈ちくま新書〉、2012年、94頁。
関連項目
外部リンク
- 金利/債券情報 日本国債・金利、利回り一覧 - Bloomberg
- 長期金利推移グラフ - 日本相互証券
- 国債(国の発行する債券) - 財務省
- 公債残高の累増 - 財務省
- 日本の財政を考える - 財務省
- 外国格付け会社宛意見書要旨 - 財務省
- 外国格付け会社宛意見書要旨等について - 財務省