西武秩父駅
西武秩父駅(せいぶちちぶえき)は、埼玉県秩父市野坂町一丁目にある、西武鉄道西武秩父線の駅である。駅番号はSI36。同線の終点である。
『JTB時刻表』(JTBパブリッシング)の索引地図では秩父市の代表駅として表記されていない[1] ものの、東京都区部からの定期直通列車が発着していることから、秩父市および周辺地域の玄関口として観光ガイドなどでも多く紹介されている。
秩父駅(秩父鉄道秩父本線)とは離れた位置にあり、乗換駅ではない。乗換駅は秩父本線の御花畑駅であり、改札脇から構内施設の西武秩父仲見世通りと秩父本線の踏切を通ると徒歩5分程度で到着する。
一部列車は、当駅から秩父鉄道線三峰口方面に直通運転を行っている。
歴史
- 1969年(昭和44年)10月14日 - 埼玉県立秩父農工高等学校跡地に開業。
- 秩父駅(秩父鉄道秩父本線)と隣接して駅を建設する構想もあったが、秩父農工高等学校を移転させることにより広大な敷地が確保できることなどから、現在地に駅を設置することになった。
- 2000年(平成12年) - 関東の駅百選に選定。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線を有する地上駅。単式ホーム部分(1番ホーム)は特急「ちちぶ」が発着する[2]。
1番ホームの東側(右の配線図では1番ホームの下側)に改札内コンコースがある[2]。改札内コンコースと2・3番ホームは跨線橋で連絡しており、エスカレーターとエレベーターが設置されている[2]。また、改札内コンコースと1番ホームとの間には有人の中間改札口が設置されており[2]、駅員が乗車券・特急券をチェックする。
自動改札機が設置されており、PASMO・Suicaなども利用可能である。磁気化券でない秩父鉄道線からの乗車券類を所持する乗客は有人通路(お客さまご案内カウンター)で取り扱う。また、臨時改札口もあり、秩父夜祭の際などに使用される。
トイレは、改札内のほか[2]、西武秩父仲見世通りにも設置されている。
のりば
ホーム | 路線 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | ■西武秩父線・池袋線 | 飯能・所沢・池袋方面 | 特急「ちちぶ」専用ホーム |
2・3 | ■西武秩父線・池袋線 | 飯能・所沢・池袋方面 | 一般種別用ホーム |
■秩父鉄道秩父本線 | 影森・三峰口方面 | 飯能方面からの直通のみ |
ホーム、御花畑方面への連絡線、秩父鉄道秩父本線(2005年1月)。|駅から横瀬・影森方面を見る。手前中央は3番ホームの線路、その右が御花畑方面への連絡線、一番右側は秩父鉄道秩父本線。また、中央遠くに西武秩父線の分岐器があり、そこから右へ三峰口方面への連絡線もある(2005年1月)。}}
- 秩父鉄道秩父本線との連絡線が横瀬寄りにあり、直通列車が行き来する。渡り線はダブルスリップになっている。横瀬方面と長瀞(上記配線図では秩父)方面とを行き来する列車は当駅ホームに入線せず、直接横瀬駅と御花畑駅を結んで運転する。一方、三峰口(上記配線図では影森)方面とを行き来する列車は、一度当駅ホームに停車して客扱いを行ってから、スイッチバックして双方の路線を直通する。このため、長瀞方面・三峰口方面の併結列車は、当駅ではなく手前の横瀬駅で分割・併合作業を行う。
- 直通列車の運賃計算にあたっては、当駅と御花畑駅は同一駅として扱われている。例えば、三峰口行列車に当駅から乗車した場合は、御花畑駅から全区間秩父鉄道に乗車したものとして運賃を計算する。また、長瀞発列車に御花畑駅から乗車した場合は、当駅から全区間西武鉄道に乗車したものとして運賃を計算する。なお、秩父鉄道はSuica・PASMO非対応のため、西武鉄道から秩父鉄道直通列車に乗車する場合はあらかじめ乗車駅で乗車券を購入する必要がある。そのままSuica・PASMOで西武鉄道から秩父鉄道へ乗り継いだ場合は、下車駅で乗車駅からの運賃を全額現金で精算した上で[3]、次回乗車時に導入鉄道事業者の乗車駅で処理を受ける形となる。また、御花畑駅から直接西武鉄道方面に乗車する場合も乗車券を現金で購入することになる。
- 当駅は西武秩父線の終着駅であり、直通列車の長瀞方面行は駅の手前で分岐して秩父鉄道秩父本線に入線(御花畑駅構内につながる)しているにもかかわらず、改札と2・3番ホームは跨線橋で連絡する形をとっている。これは、西武秩父駅を建設した当初、小鹿野を経て長野県の軽井沢まで延伸する構想があったためであるが、その構想は実現していない。
- 2・3番ホームの有効長は10両編成分であるが、定期列車では最大8両編成しか入線しない。2013年5月1日の深夜から2日の未明にかけて、東急5050系4102編成(10両編成)が試運転として当駅に入線した。[4]
利用状況
一日平均乗降人員は以下の通りである。
- 2005年度:8,065人[5](西武鉄道全92駅中69位[6])
- 2006年度:7,879人[5](西武鉄道全92駅中71位[7])
- 2007年度:7,558人[8](西武鉄道全92駅中72位[9])
- 2008年度:7,570人[8](西武鉄道全92駅中73位[10])
- 2009年度:7,194人[8](西武鉄道全92駅中73位[11])
- 2010年度:6,919人[8](西武鉄道全92駅中73位[12])
- 2011年度:6,691人[8](西武鉄道全92駅中75位[13])
2000年代後半以降は減少傾向にあるが、芝桜観光や秩父夜祭開催時は賑わう。
上記のように秩父鉄道への直通列車も設定されているが、その本数は少ないので、御花畑駅まで徒歩で乗り換える場合が多い。
2003年には、羊山公園の芝桜観光を目的とする旅客に対応しきれず、一時改札止めになったことがある。
駅周辺
- 御花畑駅(秩父鉄道秩父本線)
- 西武秩父仲見世通り - 1991年4月23日に開業した西武鉄道直営の商業施設で、飲食店や売店のほか、日本酒や蕎麦など、秩父地方の名産品を販売する店舗が一通り揃っている。出店店舗の詳細は公式サイト「西武秩父仲見世通りマップ」を参照。
- 秩父市役所・秩父市歴史文化伝承館
- 秩父市中央公民館
- 秩父市勤労青少年ホーム
- 秩父市秩父宮記念市民会館(休館中)
- 秩父市立秩父図書館
- 秩父市福祉女性会館
- 埼玉県庁 秩父地方庁舎
- 埼玉県秩父農林振興センター
- さいたま地方裁判所秩父支部・さいたま家庭裁判所秩父支部・秩父簡易裁判所
- 秩父税務署
- 秩父野坂郵便局
- 矢尾百貨店 秩父店
- ホテルルートイン秩父
- キヤノン電子本社
- 国道140号
- 埼玉県道232号西武秩父停車場線
観光
- 秩父神社 - 徒歩15分
- 秩父まつり会館 - 徒歩15分
- 秩父三十四箇所 - 西国三十三所、坂東三十三箇所と併せて日本百観音と呼ばれる。
- ちちぶ銘仙館(国の登録有形文化財) - 徒歩5分
- 秩父ふるさと館(国の登録有形文化財) - 徒歩15分
- 羊山公園(芝桜の丘で知られる) - 徒歩15分
バス路線
乗り場 | 系統 | 主要経由地 | 行先 | 運行事業者 | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|
西武秩父駅 | 1 | 小鹿野線 | 秩父駅・市立病院・泉田・小鹿野車庫 | 栗尾 | 西武観光バス | |
秩父駅・相生町・泉田・小鹿野車庫 | ||||||
2 | 三沢線 | 秩父駅・山田・栃谷・中三沢 | 皆野駅 | |||
定峰線 | 秩父駅・山田・栃谷・定峰 | 定峰峠入口 | 土曜・休日は全便定峰止まり | |||
3 | 市内線 | 秩父駅・影森小学校・浦山常盤橋 | 花見の里 | |||
久那線 | 秩父駅・影森小学校・浦山常盤橋・久那 | 西武秩父駅 | ||||
佐久良橋・久那・浦山常盤橋・影森小学校 | ||||||
秩父吉田線 | 秩父駅・札所二十一番・下寺尾・吉田総合支所 | 吉田元気村 | ||||
秩父駅・市立病院・下寺尾・吉田総合支所 | ||||||
正丸線 | 秩父駅・根古屋・芦ヶ久保駅・長渕 | 松枝 | ||||
4 | 西武秩父駅線 | 長若番場・小鹿野町役場・両神庁舎前 | 上野沢 | 小鹿野町営バス | ||
5 | ミューズパーク循環 | 影森中学校・ミューズパーク中央・音楽寺 | 西武秩父駅 | 西武観光バス | ||
秩父駅・音楽寺・ミューズパーク中央 | ||||||
6 | 原谷線 | 秩父駅・相生町・大野原駅前 | 和銅黒谷駅 | |||
中津川線 | 三峰口駅・大滝温泉遊湯館・川又 | 中津川 | 土曜・休日1回のみ | |||
急行(三峯神社線) | 三峰口駅・大滝温泉遊湯館・秩父湖 | 三峯神社 | ||||
西武秩父駅入口 | 浦山線 | 影森中学校前・浦山ダム | 浦山大日堂 | 秩父市営バス | ||
秩父駅前 |
付記
- 自動券売機コーナーなど、小規模で改装工事は行っているものの、山小屋風の駅舎自体は1969年10月14日の開業当初から使用しているものである。
- 2009年10月4日に開催された「西武トレインフェスティバル2009 in 横瀬」では、横瀬車両基地を第1会場、当駅を第2会場とした。当駅ではE31形電気機関車が展示されていた。また、2010年3月28日に実施された同形のさよなら運転では、当駅での展示を目的として横瀬駅 - 当駅間で実施されている。
- 2011年に放送されたテレビアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』に当駅が登場している。
隣の駅
- 西武鉄道
- ■西武秩父線(当駅始発・終着)
脚注
- ↑ 秩父市の代表駅を示すマークは秩父鉄道秩父駅に表記されている。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 西武秩父駅 駅構内マップ - 西武鉄道
- ↑ スイカ・パスモなどICカードをご利用のお客様へ - 秩父鉄道
- ↑ 東急5050系4102編成が西武秩父線で試運転
- ↑ 5.0 5.1 「駅別乗降人員(一日平均)の推移」No.1 2002年度 - 2006年度 池袋線・西武秩父線・西武有楽町線・豊島線・狭山線・山口線PDF - 西武鉄道
- ↑ 駅別乗降人員 2005(平成17)年度 1日平均PDF - 西武鉄道
- ↑ 駅別乗降人員 2006(平成18)年度 1日平均PDF - 西武鉄道
- ↑ 8.0 8.1 8.2 8.3 8.4 「駅別乗降人員(一日平均)の推移」No.2 2007年度 - 2011年度 池袋線・西武秩父線・西武有楽町線・豊島線・狭山線・山口線PDF
- ↑ 駅別乗降人員 2007(平成19)年度 1日平均PDF - 西武鉄道
- ↑ 駅別乗降人員 2008(平成20)年度 1日平均PDF - 西武鉄道
- ↑ 駅別乗降人員 2009(平成21)年度 1日平均PDF - 西武鉄道
- ↑ 駅別乗降人員 2010(平成22)年度 1日平均PDF - 西武鉄道
- ↑ 駅別乗降人員 2011(平成23)年度 1日平均PDF - 西武鉄道
関連項目
- 日本の鉄道駅一覧
- 軽井沢駅
- 埼玉県立秩父農工科学高等学校 - 秩父市大野原に移転する前(当時の名称は秩父農工高等学校)は当駅所在地にあった。石碑が立っている以外に名残りはない。
- 御花畑駅