福知山花火大会事故
福知山花火大会事故とは、2013年、京都府福知山市の由良川音無瀬橋河畔で開催されるドッコイセ福知山花火大会にて、露店が爆発し3人が死亡した事故である。
加害者は「大阪市生野区の38歳男性」という報道のみで、なぜか実名は隠されている。
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福知山ドッコイセまつり概要
1932年(昭和7年)より行われ、2011年(平成23年)には11万人が詰め掛けるなど北近畿地区では最大級の花火大会と称されている。。祭りは午前中に御霊神社の神事から始まり、その後神輿が町中を練り歩く。1,500もの灯篭流しが行われると花火が始まり、二尺玉やスターマインなど総勢6,000発の花火が1時間半にわたり打ち上げられる。
ドッコイセ福知山花火大会は福知山ドッコイセまつりのメインイベントとされており、福知山ドッコイセまつりは14日から16日の前半、翌週に後半が行われている。14日にはオープニングイベント、16日には「子ども大会」が開催。後半は福知山踊りが催され、「ドッコイセ」の掛け声とともに福知山駅から市内の広小路を練り歩く。
露店爆発
2013年8月15日、花火大会開催中の由良川河川敷で死傷者を伴う爆発事故が起きた。爆発は2度にわたり発生し、露店3棟が燃えたほか、59人が重軽傷を負った。爆発の原因として火元とみられるベビーカステラ店の店主が携行缶で発電機にガソリンを給油しようとしたところ、気化したガソリンに引火し爆発した。
事故発生直後に花火大会は中止となり、2014年度以降花火大会を実施するかは検討中である。ただ主催者は「市民から続けてくれという要望もあるだろう」と翌年度以後の開催に含みを持たせているが、今回河川敷に露店が立ち並んで周辺の通路も混雑したことから負傷者の搬送が遅れたこともあり、今後継続して花火大会を行うにしても、河川敷への露店出店は制限することを強調している。
またこの2013年度の大会で初めて設置された有料観覧席(120席分)の入場料金や、市民の寄付金にて運営する「メモリアル花火」については必要経費を差し引いて後日寄付者に返金をする予定であり、同じく寄付金で運営する「みんなの花火」についても対応を検討している。
更に同時開催である「福知山ドッコイセまつり」についても、今回の花火大会での爆発事故の影響を受けて、会期前半の8月16日に予定されていた「子ども大会」の開催を自粛し、8月23・24日に予定されていた会期後半の祭礼についても当初は検討中としたが、8月18日に後半の開催も自粛することが決定し、2013年度の同まつりは実質15日で打ち切り(順延なし)とした。
8月17日に重体だった44歳の女性が死亡、8月19日には10歳男児と35歳男性が相次いで亡くなったことにより本事故による死者は3名となった。
死亡の竹内さん、最初の爆発で全身に炎。ガソリン浴びる
全身やけどを負って死亡した京都府京丹波町の竹内弘美さん(44)は、1回目の爆発で服に火が燃え移り、全身炎に包まれる被害に遭っていたことが8月18日、京都府警や目撃者への取材で分かった。
府警は、ベビーカステラの露店の男性店主(38)が携行缶から発電機に移そうとしたガソリンが直接、竹内さんらにかかっていた可能性があるとみて、当時の状況を詳しく調べている。
火元になった露店の2軒隣でジュースを買っていた市内の男性会社員(30)によると、事件の直前、3件前後の露店の電気が停電。「シュー」という音とともに、白い煙がベビーカステラ店の方から上がって一気に炎が広がった。一瞬でテントがなくなるような感じだったという。その直後、竹内さんとみられる女性が、露店裏のコンクリート製階段から全身火だるまで河川敷に転がり下りてきた。
近くにいた人が「水、水」と叫び、2~3人で体を転がして火を消したもののすでに服が焼け落ちていた。数分後に2回目の爆発が発生。男性は「それで逃げなあかんと思った」と振り返った。
地元住民によると、露店裏の階段付近は花火が間近で楽しめる絶好のスポットとして知られ、大会前日から場所取りのシートで埋め尽くされるという。
府警もこうした情報を把握、露店の店主が露店裏に置いていた発電機に給油しようとした際、携行缶からガソリンが噴出。付近の見物客にかからないよう店の方に振り向けたさい、ベビーカステラ焼き器の火に引火したとみている。
竹内さんは、爆発で重症になった京丹波町の男児(10)ら数人と会場を訪れていた。爆発とほぼ同時に竹内さんの服からも火が出ていることから、携行缶から飛散したガソリンが、竹内さんらに直接かかっていた可能性がある。
府警は17日、司法解剖の結果、竹内さんの死因は、全身やけどで血流が不十分になり内臓が正常に機能しなくなる、循環血液量減少性ショックと判明したと発表した。
福知山市花火大会爆発事故、死者3人に。ほか2人が今も重篤な状態
京都・福知山市で起きた花火大会の爆発事故で、19日、10歳の男の子と35歳の男性が亡くなり、死者は3人になった。事故現場には、犠牲者を悼む人の姿が絶えない。
事故があった現場には、19日も多くの人が献花に訪れた。
目撃した男性は、「こういう形ですかね。(かばっていた)」、「お子さんなのか、ちょっとわからないですけども、かばった状態で、階段を落ちていく姿っていうのも見ました」などと話した。
爆発した屋台から15メートルほどの距離にいたこの男性は、爆発の直後、炎に包まれた女性が、子どもをかばうようにする様子を目撃していた。
2人は、全身にやけどを負い亡くなった竹内弘美さん(44)、そして竹内さんと一緒に来て亡くなった、山名 空君(10)とみられる。8月15日、京都・福知山市の花火大会で起きた爆発事故。犠牲者は、さらに増えた。
全身にやけどを負い、京都市内の病院で治療を受けていた、大阪・高槻市の黒田直希さん(35)が、19日午後に亡くなり、犠牲者は3人になった。
この事故では、57人が重軽傷を負い、うち13歳の男の子と8歳の女の子が、今も重篤な状態となっている。警察は、入院している屋台の男性店主の回復を待ち、くわしく事情を聴く方針。
「何の落ち度もないのに…」
福知山市で発生した花火大会の露店爆発事故は、17日に京丹波町の竹内弘美さん(44)、19日に同町の山名空君(10)と、大阪府高槻市の黒田直希さん(35)が死亡した。相次いで犠牲者が増える事態となり、関係者らは口々に悲しみを語った。
山名君が通っていた町立丹波ひかり小の森脇英隆教頭は、「活発で優しく、人懐っこい子だった。楽しみにしていた花火大会で、何の落ち度もないのに被害にあい、亡くなったことは痛恨の極みです」と沈痛な表情。他の児童もショックを受けているといい、「教育委員会と連携して、子供たちのケアを検討する」と述べた。
町教委は同日、「児童の尊い命が失われるという本当に悲しい事故で、痛恨の極み。謹んで哀悼の意を表します。また、負傷された方々の1日も早い回復を願います。このような事故が二度と起きないよう、関係者に強く望みます」とのコメントを発表した。
また、事故現場を訪れて手を合わせる人も。京都市右京区のフリーター、小宮理寛さん(34)は現場にジュースを供え、「小さな子供が亡くなるなんて思いもよらなかった。犠牲者の冥福をお祈りするとともに、重症の方々の一刻も早い回復を祈願しています」と話していた。
また、タウンマネージャーとして福知山市の町づくりに携わるシンクタンク代表の高田昇(すすむ)さん(70)も同日、現場に足を運び、「このような痛ましい事故を繰り返してはいけない。今後、イベントを行うときは慎重に万全を期する必要がある」と訴えた。
交通アクセス
- 花火大会当日は交通規制がかかり京都交通や福知山市内自主運行バスの路線も運休となる。マイカー等で来た場合は河川敷周辺に約2000台の駐車スペースがあるほか、市内の小学校や市営球場の駐車場へ案内されることがある。