ブッポウソウ
ブッポウソウ(仏法僧、Eurystomus orientalis)とは鳥綱ブッポウソウ目ブッポウソウ科に分類される鳥である。
分布
ユーラシア大陸東部とオーストラリアで繁殖する。種小名orientalisは「東洋の」の意でブッポウソウ科では本種のみユーラシア大陸東部にも分布する。日本には夏鳥として飛来、本州、四国、九州で繁殖し、冬は南方に渡る。
形態
全長29.5cm。頭部や尾羽の羽毛は黒い。胴体は光沢のある緑色の羽毛で覆われる。初列風切に白い斑紋があり、飛翔している時には目立つ。嘴は大型で赤い。
Sibley分類体系上の位置
Sibley-Ahlquist鳥類分類 |
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ブッポウソウ亜目 Coracii
ブッポウソウ上科 Coracioidea
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生態
森林に生息する。樹洞を巣にするが、木製の電柱やダムに設けられた排水溝等を巣として利用することもある。
食性は動物食で昆虫類等を食べる。獲物は飛翔しながら捕食する。
繁殖形態は卵生で、1回に4-6個の卵を産む。
鳴き声
森の中で夜間、「ブッ・ポウ・ソウ」と聞こえ、仏、仏法、僧の三宝を象徴するとされた鳥の鳴き声がこの鳥の声であると信じられてきたため、この名が付けられた。しかし、実際のブッポウソウのをよく観察しても「ゲッゲッゲッ」といった濁った音の鳴き声しか発せず、件の鳴き声を直接発することが確認できないため、声のブッポウソウの正体は長く謎とされた。
結局のところ、この鳴き声の主は フクロウ目のコノハズクであり、このことが明らかになったのは、ラジオ放送が契機となった。
1935年6月7日、日本放送協会名古屋中央放送局(現在のNHK名古屋放送局)は愛知県南設楽郡鳳来寺村(現在の新城市)の鳳来寺山でブッポウソウの鳴き声の実況中継を全国放送で行った[1]。
その後、放送を聴いていた人の中から「うちの飼っている鳥と同じ鳴き声をする」という人がでてきて、その飼っている鳥を見せてもらうとその鳥はコノハズクであった。そのコノハズクは東京・浅草の傘店で飼われていたもので、生放送中にラジオから聴こえてきた鳴き声に誘われて同じように鳴き出したという。鳴き声も「ブッ・ポウ・ソウ」と確かに鳴き、長年の謎だった「ブッ・ポウ・ソウ」の主はコノハズクだということが初めて判明した。
保護
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LOWER RISK - Least Concern(IUCN Red List Ver.2.3(1994))|
LEAST CONCERN(IUCN Red List Ver.3.1(2001))}}{{#switch:{{{category}}} |none|off=|#default=}}
絶滅危惧IB類(EN)(環境省レッドリスト){{#ifeq:{{{image}}}|none||}}{{#switch:{{{category}}} |none|off=|#default=}}
近年、全国的に減少しており、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧種に指定されている。広島県や岡山県では、巣箱による保護で繁殖個体数が回復し、徐々に増加しつつある。山梨県身延町や宮崎県高原町のブッポウソウ繁殖地が天然記念物に指定されている。
その他
- 「鳳来寺山のブッポウソウ」という童謡がある。ただし、鳳来寺山はコノハズクの生息で有名な山。
- 中京競馬場には「ぶっぽうそう特別」というレースがある。
関連項目
注釈
- ↑ 21時55分から30分間放送し、その間よく鳴いたが、放送中や放送後にゲストの俳人・荻原井泉水、歌人・川田順、愛知県史蹟天然記念物調査委員・梅村甚太郎の3人の話がうるさいという非難の電話が殺到した。これを踏まえて翌6月8日はゲストを呼ばずに鳴き声だけにすることにし(番組内容を伝えるアナウンサーだけをおいた)、前日と同じく21時55分から30分間放送したところ、この晩もよく鳴き、放送終了後は前日とは打って変わって絶賛の電話が殺到した。
- ↑ 鳥類レッドリスト 2006年版による変更
外部リンク
- BirdLife International 2004. Eurystomus orientalis. In: IUCN 2006. 2006 IUCN Red List of Threatened Species.
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