古谷有希子
古谷 有希子とは、日本と日本人と男性に対するヘイトスピーチを生業とする、エセ社会学者である。
自己主張に合わせて数字・グラフを捏造改竄し添付するのが特徴。一見、客観的データを元に主張しているように見えるが、その杜撰な根拠と主張は常に炎上し、指摘されるとヒステリックに逆上している。
目次
古谷の「強姦暗数の推定」を論破する
東大社会科学研究所の古谷有希子先生の論説「強姦被害者を黙らせる日本 女性を抑圧する社会ほど、強姦事件の認知件数が少ないことを示すデータ」
というタイトルで古谷有希子は強姦と痴漢を同列に扱っている。暴行事件の暗数の推定は困難であり、イマドキ、学部の卒論でも、こんな粗雑な議論しねーよってレベルである。とりあえず問題点を指摘しておこう。
「周囲にはレイプや痴漢に遭ったという女性が本当にたくさんいますが、彼らのほとんどは警察には報告しませんでした」
とあるのだが、通報の手間を考えると被害の大きさの違いは重要である。
『 レイプ・性犯罪被害の体感値と、公的発表の認知件数の「数値」がこんなにも乖離している』
とあるのだが、古谷の「体感値」が提示されていない。少なくとも古谷の知人女性n人のうちm%が強姦被害者と言う数字は提示すべきである。
「一人当たりGDPが高い国の方が(グラフの右に行けば行くほど)、そうでない国よりも強姦認知件数が高そうです」
とあるのだが、相関係数ぐらい確認すべきでは無いであろうか。ジョージメイソン大学社会学研究科では、統計学は全く教えていないのか?
「女性に対して差別的な家族制度(夫婦同姓などもその一つ)がある国ほど強姦認知件数は少なくなっています」
もグラフからは明確に読み取れないので、単回帰でも分析すべきであろう。また、「男女不平等な家族法」の数字の出所は明記する必要がある。つか、グラフに出所がついてねーよ、社会学者。
「女性の身体に対する抑圧の度合いが高い国ほど、強姦認知件数が少ないように見えます」
も同様で、グラフからは明確に読み取れないので、相関係数を明記すべき。また、「女性の身体に対する抑圧の度合い」がいかなる数字かが分からない。
「男女賃金格差との関係は、他のものと比べてずっと分散が大きく、強姦認知件数との関連性は見えません」
って今までのグラフと大差ないぞ。
「ここには出していませんが(略)統計的にも有意なレベルで、男女不平等な政治・市民権状況のポイントが高いほど、また一人当たりGDPが高いほど暴行事件の認知件数が増えることが確認できました」
ならば、その数字を出すべきであろう。
「一人当たりGDPが低いことは、暴行事件の認知件数を押し上げる一方、強姦事件の認知件数を押し下げているかもしれない」
とあるから、暴行事件と強姦事件は別らしいから、強姦事件については統計的な有意性は無いってことですか?それを無視して主張しているのですか?まさに社会学イデオロギー。
論文ではないから気にするほどではないのだが、本文中で言及していない参考文献は最後に一覧で出す必要あり。
最後に『分析に用いたすべてのデータはOECD.StatおよびUnited Nations Office On Drugs and Crime (UNODC) Statistics Onlineより取得しました』とあった。ここで使われている指標は、ここで意味を認すればいいのか?本当に「男女不平等な家族法」の数字、国連もしくはOECDで作っているのか疑念が沸いてきた。OECD加盟国の数字を引っ張ってきているのかと思ったのだが、韓国が無い気がする。
古谷有希子はDiscriminatory family codeを「男女不平等な家族法」、Restricted physical integrityを「女性の身体に対する抑圧の度合い」と訳した模様。ロシアはOECDに加盟していないし、韓国にデータの欠損があると言うならばイスラエルにだってある。
OECDはDiscriminatory family codeの各項目の合計値は出していない気がするのはまぁいいとして、これ、Unpaid care workでほとんど決定されている。女性の家事分担比率が女性抑圧の代理だと言い張るとしても、他の国、これの欠損、かなりあるんだが。Czech Republic、Greece、Iceland、Israel、Luxembourg、Slovak Republicは..になっているのだが、古谷有希子は図表に掲載している。なぜだ?
数字もデタラメだし相関係数もとっていないので指摘しても始まらないのだが、二つの指標と強姦認知件数に相関があるからと言って、官憲のあり方などで幾らでも法則から外れうるから、論理的にもかなり無理がある。
イスラム教国では性犯罪被害者は火あぶりにされる時があるので、強姦事件の暗数は欧米よりもずっと多いのですよと言われたら、確かに文句がつけづらい。日本は家事労働の負担がきついから、強姦事件の暗数は欧米よりもずっと多いと言われても同意し難い。
参照しているデータを良く見るとViolence against womenの中のLaws on rapeとLaws on sexual harassmentの合算値はOECD諸国全てで取れて、かつ日本は高いのでこれで回帰すればいいんじゃないですかね。
強姦発生件数2003年から2014年の10万人あたりの値の平均値になっているのだが、明記されていない。 国連のデータではAustraliaとItalyの強姦事件認知件数が空白(これは特に問題なし)。
- は2003年から2014年の間に強姦の定義が変わったようなことが書いてあるのだが、平均とって良いのであろうか?まぁ、大してかわらんか。United Kingdomの強姦発生率はなぜか地域ごとに分かれているので、平均をとったりしたのだと思われるが、明記されていない。大した問題ではないが。
日本の数値から合算している項目を想像すると、
- Australia
- Austria
- Belgium
- Czech
- Greece
- Iceland
- Ireland
- Israel
- Korea
- Latvia
- Luxembourg
- Portugal
- Slovakは除外すべき
説明通りだとJapanも欠損値があるから使えないのだが、Reproductive autonomyは無視するとしても、22カ国しか使えない。古谷有希子(社会学者・笑)の「分析にはデータが揃っている33カ国を使用」は、どう考えてもおかしい。残った22カ国のデータでOLSは回してみたが、どちらの指標も係数に有意性なし。よくみたら19カ国しか残っていない。あと3カ国、何か抜けた模様('-' )
Restricted physical integrityの中のLaws on rapeとLaws on sexual harassmentの合計値が強姦事件認知件数は負の相関があるから、せめてこれを使うべきだった。もちろん、治安が悪いところの方が刑罰が厳しくなるだろうから、同時性の問題が残るので、普通の人は納得してくれないだろう。
上記のことを指摘された古谷の反応
古谷の弁解
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-08 22:49:07
- 私自身も気付きつつ、時間制限で「まぁいいや」と細かく説明しなかったり精査せず使った点があったので「ご説明ありがとうございます」という感じです。
- 結論で「断定的なことは何も言えません」と言っているように、データを見て「こうかな?」と考えている段階の「初稿」です。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-08 22:53:45
- そもそも統計がわかる人がそこまで読者にもいないはずなので細かく数字の話をすることにはあまり意味が無いと思っています。
- むしろ「数字を見ていて感じたこと」の方が、伝わります。論文ではなく一般向けの記事だからです。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-08 22:58:27
- 性犯罪認知件数や暗数の問題に関する統計的分析に興味があるなら、私の記事などではなく、関連分野の論文を読んでみてください。
- ただ、私がこの記事を書いたのは、日本に関する論文が無いので「やろうと思えば1日でできるのに」誰もやっていないことに対する怒りでもあります。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-08 23:02:18
- 成果物の荒さについては私も認めるところです。
- データを眺めて「こうかな?ああかな?」と考える「仮説」段階のものを出しているからです。
- そもそも性犯罪暗数について本気で「研究」するのはこのデータでは無理です。だからこそもっと真剣に考えましょうよというメッセージを出しているのです。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-08 23:08:40
- 「結論潰し」「社会学dis」を念頭に置いて私の記事を批判しているようですが「そもそもデータが無い国多すぎる」「なんでまともな研究が無いのか」という認識が広がることそのものが重要です。
- それくらい性犯罪が日本で、世界で、「優先順位の低い問題」だということの表れだからです。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-08 23:17:00
- これに加えてブログ記事まで書いて、いかに私のデータの使い方が間違っているかを力説しているんですよ笑
- データの細かい使い方なんて3ページくらいの一般向け記事に出しても意味が無いという「一般感覚」がわからないようです。って、だからただのブロガーなのか。。。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-08 23:31:03
- 「データの扱い」の話に終始していて「データそのものの問題」「じゃあどういうデータがあるのか」という話が無いので社会科学系じゃないんじゃないかと思うんですよね。
- あったら教えて欲しいというか、暇そうなのでぜひご本人にこの問題に関する論文でも書いてほしいですね〜
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-08 23:51:45
- 大規模な社会統計というのは社会学ではなく社会科学(社会調査に携わる専門家)の横断的協力+お金が必要なので社会学者(だけ)の怠慢ではありません。
- 今回使用したデータは各国統計庁、警察が出してるデータを基にしているので、各国政府の怠慢です。
その弁解を論破
古谷本人に理解能力がないようなので、さらに分かり易く何が間違っているのかを教える。
そもそも女性を抑圧する社会であるほど強姦事件の暗数が大きくなると主張したいのだから、明らかになった強姦事件の件数である認知件数を分析しても意味がない。つまり、エッセイの大半が主張に対して意味の無い分析で占められている。 また古谷有希子は弁解で「そもそも統計がわかる人がそこまで読者にもいないはずなので細かく数字の話をすることにはあまり意味が無い」『性犯罪暗数について本気で「研究」するのはこのデータでは無理』と言っているが、この二つは自分の記事の内容を自分で全否定している。
「性犯罪認知件数や暗数の問題に関する統計的分析に興味があるなら、私の記事などではなく、関連分野の論文を読んでみてください」と言うのであれば、記事中の「男女不平等な社会が、強姦の告発を妨げている」の節の説明を、その論文の紹介にあてるべきである。
古谷有希子が「今回使用したデータは各国統計庁、警察が出してるデータを基にしているので、各国政府の怠慢です」と言っているのを見て、さすがに噴き出した。表では .. になっていたわけで、それを0として扱った古谷有希子氏に全面的に問題があるはずだが、社会学では違うのか?
結局「私の主張を批判する奴は強姦魔だ!!」と逆ギレ
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 01:01:54
- ある程度の方向性は他国の研究から類推できます。私が「仮説→検証→仮説の方向性の確認」という書き方をしているのはそのためです。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 01:12:43
- これだけ不十分なデータからでさえ、女性に対する抑圧と認知件数の関連性がありそうだというのが感じられるのがポイント。
- 「分析が甘い。だから女性が抑圧されていて性犯罪認知件数が低いとは言えない」というのは「実証できないなら女性に対する社会的抑圧は無い」と言っているのと同じ。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 01:15:55
- この態度は「実証主義」の皮を被ったレイピスト。レイプされた人達がレイプを提訴できない理由には「レイプされたという証拠が無い」「嫌だったけれど拒否したと証明できない」というものがある。
- 「データ」にこだわってその先を見ないのは、性犯罪の問題を潜在的に助長させるものである。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 02:02:33
- 暗数にアクセスできない以上、認知件数を分析するしかないという根本的限界はある。
- またUNの性犯罪認知数とOECDの女性抑圧度をくっつけて力尽きたので変数処理がかなり適当なのは認めるが、他国と比べて日本の抑圧度の高さは明白だったのでこの記事の趣旨としては問題ないと判断した。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 02:12:51
- 欠損値の問題は日本の女性抑圧の分析にはあまり影響しないし、他の国の欠損値にしても「こっちとこっち繋げれば補完されるかな」程度のものなので、細かい項目は考慮していない。そこまで外してしまうとどんどん母数が減って分析できないし、細かい妥当性を考えてたら1日で分析して記事書くのは無理。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 02:16:07
- そこにアクセスできるデータが、完璧ではないけれどあって、他国の知見もあるのに、誰も何もしようとしない、何も言わない、それを使おうともしない。
- そこで私が軽くやってみせて問題提起したことを批判するなら、どうぞ完璧なデータ処理でご自身でやってください、としか言いようがない。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 02:21:50
- ただし完璧な処理をしたら母数が少なすぎて結局使えないだろう。
- そもそも社会的抑圧というのはデータで取りきれないことのが多いし、法制度と慣習的抑圧は各国の状況に左右される。難しい変数でもこうしてデータを取ろうとしていることに意味があるし、それを少しでも使わないのはもったいない。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 02:25:03
- データの精度やデータ処理の精度は研究論文はもちろん一般向けの記事であっても重要だが、私が性犯罪の問題で重視しているのは「問題視されていないことの問題」を訴えること。
- データはそこに見えていないことを否定するためではなく、見えていないことも含めて社会を分析するためのツールに過ぎない。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 02:27:16
- 優先度は「声を上げられていない人のことを考えて。彼らを今すぐ助けて」です。
- データの信頼度なんて人命や人権に比べたらクソくらいの価値しかありません。
Yukiko Furuya @SociYu 2016-09-09 02:29:24
- こういう人は実証主義ではなく実証主義レイピストだと思っています。
古谷が萌え2次元ポスターに言いがかり
まあ、フェミの学者にありがちの典型的な「萌え絵を公的なポスターに使うのはけしからん論」ですね。こういった議論は、伊勢志摩サミットのキャラクター問題やのうりんポスター問題みたいに、ある一定数の人が見ても「ちょっとこれは・・・」というような過激な描写があるならともかく、この程度の絵柄で「パンチラ」と大騒ぎするところに滑稽さが出ています。
まあ、そう思っている人から見たら、私のような感性を持つ人は異常なんでしょうね。とはいっても、このポスターがわいせつだとは思えないんですよねぇ。そう思っていたら、自衛隊がこのポスターを募集に使うことが問題と、問題の所在がすり替わるw。これが、この絵で登場人物が自衛官なら良し。という、意味不明な議論を展開。
- このフェミの人がどれだけ成人マンガを読み込んでるか知らないけど、素直にされるがままの少女ってw。劇画調の成人マンガ全否定みたいですね。
- 中身が見えてないのに想像させるだけでアウトらしい。普通に考えても、この短さは異常とまでは言えないですよね。、
- スリップのレースはパンチラっていう定義なのかな?むしろ、それがパンチラならこのデザインは採用されていないでしょう。
結局は、難癖をつけているような議論展開しか出来ていませんね。自分が不快に思ったことを自衛隊という公的機関にかこつけて主張しているだけにしか見えませんね。議論の肝は公的機関のポスターに萌え絵を使うなってこと。この議論は、その後も続いていくわけですが、要は彼女の基準で不適切だと思うものを公的機関の広報に採用するな!ということを言いたいみたいですね。
きちんと、表現の自由、個人の趣味嗜好の自由については担保しているということ。
勿論、古谷氏もこの傾向が望ましいとは思っていないのは明白だが、それならばきちんとした議論を重ねることのできる可能性があったんですけどね。
まさしく、議論になるべき部分は『公的領域』においては、万人受けする比較的無難な広報の手段があるべきという主張だったらまだ納得できたのに、彼女にとって的外れな批判と思った部分に真正面から受け止めてしまったために、このようなトンチンカンなやりとりになってしまったのが残念。
負け惜しみの煽りツィートで終了
そして、最新のツイートでは最後っ屁のような中身になってしまっていますw。仮にも学者なんだから、煽り批判ツイートに対して感情むき出しにしたらどんなに立派な主張でも、途端に陳腐なものになってしまいますね。
最後に、今回のこの議論のまとめを。
サミットの萌えキャラ問題。のうりんポスター問題もそうだったけど、公的なポスターに萌え絵を活用するとある層から批判されるという事実がある以上、やはり一定の配慮が必要だと思います。
古谷氏の主張を借りれば、萌え絵にする必要がないという主張があることは理解できます。
ただ、今回はそれほど過激だったわけではないし、そもそも、現代の日本社会において一定の嗜好する層がいることから、そこへの遡求のためにポスターデザインとして採用されることは何も間違ったことではない。
結局、古谷氏は自分が忌み嫌うオタ(アニメに限らず)社会が一般化していることに腹を立てているだけ。そういった、現状が許せないという思いに対して手っ取り早いところでターゲットにしたのが、はいふりのポスターだった。
それだけの話ですよね。こういった主張する人は今後も出てくるだろうし、このタイプは冷静な議論なんてできっこない。
古谷有希子「合意に撤去明言ない、「10億払った」の主張おかしい。日本で「慰安婦」デマ横行、否定しようのない事実」
今回の問題の原因は、日韓合意が「何にも合意していないこと」にあるでしょう。日本では「慰安婦像撤去に合意した」と解釈されている日韓合意ですが、その内容を見ると、どこにも慰安婦像撤去は明言されていません。
外務省のWebページで公表されている合意内容によれば「韓国政府は,日本政府が在韓国日本大使館前の少女像に対し,公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し,韓国政府としても,可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて,適切に解決されるよう努力する」となっています。つまり、韓国側は一言も「少女像の撤去が解決策であると考えている」とは言っていないのです。
韓国政府による慰安婦像の撤去は努力義務です。一方で、日本政府が「日本政府の予算により(中略)全ての元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復,心の傷の癒やしのための事業を行うこと」は、韓国政府が「日本政府と共に,この問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する。韓国政府は,日本政府の実施する措置に協力する」「今後,国連等国際社会において,本問題について互いに非難・批判することは控える」ことの前提です。つまり、日本政府の「10億を支払ったのに合意が履行されていない」などという主張がそもそもおかしな話で、「元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の癒しのための事業」がなされて初めて、韓国側の努力義務が発生するのです。
こうした、日韓合意の「何も合意していない」問題は、安倍政権と朴政権がともにアメリカからの圧力を受け、表面的な合意を急いだせいで起こったことです。
もともと2014年4月に慰安婦被害問題の解決に向けた韓日間局長級協議が始まるまで、慰安婦少女像は議題になっていませんでした。その後、日本側が少女像問題を取り上げるようになり、韓国政府は「少女像は交渉と結びつけるものではない」としていました。そもそも市民団体が行なっている活動、それもヘイトクライムや破壊活動でもないものに対して、外国政府に問題視されたからといって政府が介入することは、民主主義国家では容認されません。
一連の協議と合意に関するメディアの位置付けにも、韓国と日本の間に大きな見解の相違がありました。韓国側では、この合意は「慰安婦問題解決のため」の枠組みとして報じられていましたが、日本側では「日韓関係の改善のため」のものとして報じられていました。 このような日韓の認識のズレが政治でもメディアでも起こったのは、日本側が慰安婦問題を自分たちに都合の良い形でしか認識してこなかったせいです。
日本では「慰安婦問題自体存在しない」「慰安婦は強制連行されていない」というデマが横行していますが、多くの歴史研究が証明してきたように、慰安婦の存在、彼女たちの経験した多様な強制性や暴力は否定しようのない事実です。
適切な研究手続きを踏んだ歴史研究の成果は、日本政府・日本軍が軍の施設として慰安所を立案・設置・管理・統制していたこと、慰安婦制度の本質が性奴隷制度であったこと、当時の国内法・国際法にも違反していたことを明らかにしてきました。
2007年3月31日に慰安婦女性の救済を目的としていた「女性のためのアジア平和国民基金」は解散しましたが、基金の解散直前の参議院予算委員会において安倍晋三首相が「官憲が家に押し入って人さらいのごとく連れて行くという強制性、狭義の強制性を裏付ける証言はなかった」等と答弁しました。しかし、そもそも 「日本軍が強制的に連行したかどうか」は問題の本質ではなく、日本軍によって肉体の自由を奪われ、日常的なレイプと暴力にさらされ、人権を蹂躙され、人としての尊厳を奪われていたということこそが、問題の本質なのです。
日韓合意はそうした問題の本質や歴史研究の成果を十分に踏まえていないどころか、今後どのような新しい事実が研究によって証明されようとも、それが慰安婦問題の本質的解決のために利用される可能性まで剥奪するようなものでした。実際、日本では歴史教科書から「慰安婦」問題に関する叙述が削られるなど、「自分たちの罪」から目を背けるような事態が政治主導で進行しています。だからこそ、韓国の人々はこの合意の無効を訴え続けているのです。
従軍慰安婦の数は5万から30万とされており、その実態の全てが明らかになっているとはとても言えません。多くの元従軍慰安婦の女性たちが、口をつぐんだまま亡くなっていったからです。
一方、元従軍慰安婦の女性たちの証言がオリジナルではない形で、恣意的な解釈によって変化してきたという点は、「証言が変化しているから嘘つきだ」「挺身隊と慰安婦を混同している」などという「検証」の隙を与え、慰安婦問題の論点を「狭義の強制性」などに矮小化する一因となってきました。そうした恣意的な解釈の変更によらない正当な歴史研究の成果をふまえて、韓国と日本が問題の本質的解決をする以外に、慰安婦問題の解決方法などありません。
今回の慰安婦少女像の設置容認は、韓国で政治が市民の力に負けたということです。それに対して日本政府はまだ政治の力に訴えようとしているようです。しかし、民主主義社会における政治というのは行政であれ立法であれ、市民のための存在であり、その行動の正当性は市民の合意があってはじめて担保されるものです。慰安婦問題の解決なくして日韓関係が改善されない中で関係改善を望むなら、日本政府も政治の力を振りかざすのではなく、韓国の人々が納得できる解決法方を韓国政府と協力して探っていくべきです。もっとも、日韓の関係改善は不可能であるとの前提に立つというのなら、別の方法を考えるしか無いのかもしれませんが。
皇室の直接的恩恵?
古谷有希子という社会学者が、反天皇・反皇室のツイートをして物議を醸している。こういう人達が、「皇室典範は女性差別」とか「人権ガー」って国連にご注進してるんだろう
「家系の上下・差別」って、部落解放同盟を彷彿とさせるような(「近現代の日本社会は、その発展過程において自由と平等の社会原理に相反する差別構造を社会体制の中に組み込んできた歴史と現実を有しているからである。例えば、天皇制や華族制度、家制度」
古谷氏は、「皇室から直接的恩恵を受けたことなどない」、だから皇室はムダ、という発想を有しているようだ。直接的恩恵()とやら、それも自分基準の物差しでみた恩恵でしか物事を見られないって、悲しいねぇ、ホント。
三島由紀夫が嫌悪した「ニュートラル」にあてはまるのだろう。古谷氏の経歴を見ると、「ジョージメイソン大学 博士課程/東京大学 客員研究員」という立派なものだ。学歴と知性・品性とは必ずしも比例しないことがあらためて分かる(鳩山由紀夫も学歴は立派)。
天皇をはじめとする皇室については私も大した知識は持っておらず、「皇室の恩恵」について深い話はできない。それにしても、社会学者でありながら、東日本大震災があった3月11日の直前に、こんな発言をするとはあまりにひどい。東日本大震災においてこそ、それまで天皇・皇室のありがたみをわかっていなかった人にも、ありがたみを実感できたのではないか。被災者はまさに「直接的恩恵」を感じたのではないか。古谷氏は社会学者でありながら、東日本大震災でのあの光景を忘れてしまったのだろうか。
【古谷有希子】蓮舫に対する「二重国籍」「経歴詐称」批判は、マイクロアグレッションという差別の一形態
今週は蓮舫氏の二重国籍問題が芸能スキャンダルのごとく報道されていました。特に問題視しているのは、産経新聞や池田信夫氏など、日頃から中韓に対する差別的言論や公平性を欠いた民進党批判などを繰り広げているメディア・論客たちです。
こうした「保守系」の論客が問題視しているのが「台湾と日本が戦争になったらどうするんだ」「嘘をついているから経歴詐称だ、公職選挙法違反だ」という点です。
しかしこうした主張は「二重国籍であっても日本国籍を持っていれば日本人であることに変わりない」という重要な点を見過ごしています。 たとえ蓮舫氏が過去に「中華民国籍(台湾国籍)を持っている」とどこかで言っていたとしても、選挙において「二重国籍ではない」と明言していない以上、経歴詐称にはあたりません。
何より、彼女のアイデンティティや二重国籍などは選挙の争点でさえなかったのだから、彼女が経歴詐称する必要性もありません。二重国籍であっても日本国籍を有している以上日本人であり、「私は日本人である」という主張に何の問題も無いのです。
そもそも、ある個人が日本人なのかどうか、というのは国籍の問題とは別にアイデンティティの側面もあり、それらを混同すると話がややこしくなります。外国籍の両親から生まれ、外国籍を所持していても、日本で生まれ育ち、日本語を使い、日本食を好み、自身を「X国系日本人」だと認識しているケースもあるはずです。
そうした人が「あなたは何人ですか?」と問われたときに、自分の食生活や言語、考え方は日本人だなと考えて「私は日本人」と答えることもあるでしょう。一方、日本国籍を持っていても配偶者が外国人であったり、国外での生活が長くなれば「私はX国人である」というアイデンティティを持つようになっても不思議ではありません。
たとえば私が住むアメリカには日系アメリカ人、中国系アメリカ人、台湾系アメリカ人、インド系アメリカ人など様々な移民がいます。彼らのアイデンティティは移民何世代目かによっても違いますが、基本的には「アメリカ人」であり、場合によっては自身のルーツ(日系アメリカ人であれば日本人)のアイデンティティを持つこともあります。
母親が日本人であり日本で生まれ育った蓮舫氏が「生まれたときから日本人である」というアイデンティティとともに、中華民国出身の父親の出自を誇りに思い「生まれたときから台湾人である」というアイデンティティを持っていても何ら問題はありません。彼女は台湾人としてのアイデンティティも持ちながら、日本人としてのアイデンティティも持っていてもおかしくない人物です。つまり彼女は台湾人でもあれば、台湾系日本人でもある、日本人でもあれば、ミックスの日本人でもあるわけです。そうしたアイデンティティが状況に応じて変化するのは、国籍の有無とは全く別問題です。日本国籍を有する蓮舫氏が、日本の国会議員として、日本のために働きたいと思い選挙に臨み「私は日本人だ」と主張することには、何ら矛盾も問題もありませんし、経歴上も確かに日本人なのですから詐称にはあたりません。
それでもあえて国籍の問題に触れるなら、そもそも、台湾国籍というのは日本の植民地支配や、国際結婚で生まれた子の国籍付与における男尊女卑問題(母親が日本人でも子は日本国籍を取得できなかった)などがあり、蓮舫氏のように父親が台湾人、母親が日本人、日本で生まれ育ったようなケースを「二重国籍だ。日本人じゃないじゃないか。嘘つきじゃないか」と断罪することは現状を正しく認識できていません。
二重国籍であっても、日本国内にいる限り日本国籍保持者としての権利のみを行使し、日本国内で中華民国国籍保持者としての権利を行使しないのであれば、二重国籍であることが問題となることはありません。
そもそも、今回の「二重国籍問題」は蓮舫氏個人の問題ではありません。大きな問題として、(1)重国籍を管理する行政上の仕組みが国内的にも国際的にも無い(2)公務員、政府関係者に対する十分な身辺調査をしていない(3)重国籍禁止という国籍法自体が時代遅れで実情にあっていない、という三点があげられます。
これらの問題を十分に論じず、蓮舫氏を「嘘つき」「台湾と戦争になったらどうするんだ」「中国のスパイ」などと非難し、個人の責任に矮小化しようとするのはあまりにも視野が狭いというべきでしょう。日台の架け橋でもあり知中派ともいえる蓮舫氏のような人が政治の世界にいれば、日中や日台が戦争になるような事態を回避するために尽力するはずです。
民進党の一部議員は蓮舫氏落としに便乗しているようですが、民進党はこうした時こそ一丸となって重国籍をめぐるより大きな政治的、行政的問題を論じるべきです。
現状の民進党の対応はあまりにも一体感がなく、野党第一党として心もとありません。蓮舫氏の対応も不適切でした。おかしな非難に同調して、民族主義的な主張をする人々の望む「日本人」に自分の経歴を合わせようとするから、二転三転する説明になるのです。大臣時代にさえ問題視されもしなかった国籍問題を、野党党首に立候補することでまさか追及されると想定していなかったというのは蓮舫氏の脇の甘さでもありますが、本気で党首を狙おう、首相を狙おうという心意気があるならば、動揺して小手先の説明などせず、もっと堂々と議論すればよいのです。
今回の問題は蓮舫氏一人の問題ではなく、同じような状況にいるすべての「日本人」の問題です。そして、こうした重国籍や複雑なアイデンティティを持つ人は今後も増え続けていきます。彼女は、彼らのためにも、日本の将来のためにも、もっと本気でこうした民族主義的言説と戦うべきなのです。
今回の蓮舫氏の「二重国籍」をめぐる主張や報道には日本における外国人差別の根深さが露呈しています。今回のケースは、日本ではまだ理解の浅い差別の一形態である「マイクロアグレッション」です。
マイクロアグレッションとは日常的に、何気なく行われている差別の一形態です。アメリカの精神科医が発見し、人種、民族、ジェンダーなどの差別問題を研究する心理学者、社会学者の間でも広く援用されています。
「アジア人は白人に人種的に劣るから同じ学校には通わせない」「女性は男性より能力が劣るから賃金が低くて当然だ」といったわかりやすい差別ではなく「アジア人の女性は従順だ」「黒人は白人よりも感情的だ」「女性には男性とは違う適性があるので、合わない仕事をすべきではない」「女性は結婚して仕事をやめてしまうので採用しづらい」「あなたは日本人なのに積極的だ」「あなたは日本人なんだからアメリカの人種問題を学ぶ必要はないでしょう。日系アメリカ人はアメリカ人(白人)にちゃんと同化しているんだから」といった、人種や性に基づくステレオタイプを強調し、当事者の感情を害する行為です。
こうしたマイクロアグレッションによって、日々少しずつ感情を蝕まれる人たちが精神的に感じるプレッシャーやストレスは大きく、それがマイノリティや女性に精神疾患や自殺願望が高い原因では無いかとも言われています。
今回の蓮舫氏の件では「戦争になったらどうするんだ」「スパイだったらどうするんだ」「夫も日本人なのに日本人苗字を名乗っていない」「子どもに中国名をつけている」といった、蓮舫氏が台湾出身であり北京への留学経験を持つという生い立ちに関する「中国人」「移民」というステレオタイプに基づいた非難が多く見られます。
そもそも、女性議員というのはファッションや顔立ちなど、政治以外のことでの非難や賞賛の対象になることが非常に多いのが現状です。 これは「女性」というステレオタイプに「女性政治家」が当てはまらないことで、マイクロアグレッションの対象となりやすいからです。 また、女性政治家自身が状況に応じて本人の「女性らしさ」を利用しながら、他方で「女性らしからぬ」言動をすることも、この状況に拍車をかけています。
たとえば蓮舫氏も「美しさ」「台湾人」というキャラクターを売りに芸能活動をしていた時代から一転して、今では気鋭のリベラル派の政治家として活躍していますが、彼女の過去を知る人たち、今の彼女のやり方が気に入ら無い人たちからすれば、「女のくせに」「中国人のくせに」「左翼め」という嫉妬や差別の対象になりやすい背景を持っています。
だからこそ、彼女を非難する人たちは、重国籍が国会議員になるのに法律上問題が無いとわかったとたん「嘘つきだ」という論点のすり替えによる非難をしはじめたのです。 このように個人の出自を強調して、さも論理的な議論かのように「戦争が起きたらどうする」「スパイだったらどうする」「経歴詐称の嘘つきだ」と非難するのは、マイクロアグレッションそのものです。
蓮舫氏は民進党の代表になることが決まりました。今回の件は、蓮舫氏一人が直面している問題ではなく、文化、国籍、民族、人種、言語など「伝統的日本人」とは異なる背景を持つ人、 そして多くの女性が直面している、マイクロアグレッションという差別の一形態であることを認識し、日本の野党第一党の党首として、この問題に精力的に取り組んでいってほしいと思います。
一般人の反応
- 話のすり替え乙
- 論点のすり替えww言うに事欠いてこれはない
- 二重国籍者が議員やってるのが問題なのですよ
- だからさー日本人である以前に台湾人でもあるって言ってんだろ。本当に問題点を理解出来てんのかよ。戦争とかものの例えで結局は一つの国に忠誠を誓っている人間ではないという部分が問題なんだっての。嘘とかそんなんは二の次の問題。言うなれば国籍は素質の、言動は資質の問題。性別差別マイノリティを論じてる時点で既に討論する土台が崩壊していることに気づけ
- そんなに二重国籍が問題ないっていうんなら、なんで二重国籍であることを公にして立候補して議員にならなかったんだ?w
- 蓮舫自身が重国籍を認めてないどころか外国人参政権には反対なんだぜ
- 時その時で聞こえの良い事を言って矛盾だらけ(ウソ付き)になってるんだよ
- なんでもかんでもカタカナで表せばいいってもんじゃない
- アグレッシヴな擁護ですね(笑)他国籍の者が日本で政治活動など論外。日本への主権侵害ですよ?
- 頭の悪さしか伝わってこない
- 台湾で選挙に行ったのがバレたら古谷有希子は死ぬの?
- 国籍の違いによる区別は差別では無い。どあほ
- 取り敢えず、差別という括りで問題を片付けようとせず、18歳で日本国籍を選択しました、台湾国籍は破棄しましたーって言ってたことがまったくの出鱈目だったってことを批判するところからはじめようか。蓮舫支持者であっても、この問題を直視しないとダメなんじゃないだろう。差別アルーで逃げるない方が、自民党と対峙する時においても有効だと思うんだがな
- いや、その前に、最初の会見時に「台湾籍を持ってますか?」と聞かれて「意味が解らない」って、惚けてた。あの時から、二重国籍を所持していることを自覚しながらトボケル気が満々だった。
- アメリカが中国国籍の大統領を選出したらこいつの話を聞いてやるわw
- お前の主張には担保がない、安全性の担保は何よりも重要です
- いくら日台友好の架け橋なんて美辞麗句で飾り立てても、奴は外交に関する仕事はしてこなかったじゃねえかよ
- 二重国籍より自分を守るために嘘をついて発言が二転三転してた方が問題だろ。国会議員としての資質が無い!
- なんでこう問題をすり替えるんだ左翼とか野党って。自衛隊を指揮するかも知れない人間が他国にアイデンティティを置いてたら正常な判断出来ないどころか某国の危機だからって話で一般人やビジネスマンなら違法だがそこまで言わんわ
- しかしすごいよなこの人。ざっと要約すると「レンホーは何も悪くない。悪いのは日本の社会と日本人。なにより悪いのはレンホーを批判する差別主義者たち。」筆者そう言ってる。頭おかしいよ。
- >彼女のアイデンティティや二重国籍などは選挙の争点でさえなかったのだから、彼女が経歴詐称する必要性もありません
- そんなものは前提条件(当たり前の話)なんだから、選挙の争点になるわけないだろうよ。こいつはバカか?