機動戦士ガンダムUC
{{継続中の作品}} {{文学}} 『'''機動戦士ガンダムUC'''』(きどうせんしガンダムユニコーン、'''MOBILE SUIT GUNDAM UNICORN''')は、[[福井晴敏]]の[[小説]]作品。[[角川書店]]『[[ガンダムエース]]』[[2007年]]2月号より連載されている。[[キャラクターデザイン]]は[[安彦良和]]、[[メカニックデザイン]]は[[カトキハジメ]]。[[挿絵]]は連載第9回まで[[安彦良和]]、10回から[[虎哉孝征]]。 == 物語 == [[第二次ネオ・ジオン抗争]]、別名「[[シャア]]の反乱」の終結によって地球圏には束の間の平穏が訪れた。それから3年後、[[宇宙世紀]]0096年。工業コロニー「インダストリアル7」において、とある謀議が交わされようとしていた。地球連邦政府を裏から操ると言われるビスト財団が、[[ネオ・ジオン]]残党軍「袖付き」に最高機密「ラプラスの箱」を引き渡すというのだ。 一方、アナハイム工専に通う少年バナージ・リンクスは、オードリー・バーンと名乗る謎めいた少女と出会う。新たな戦争の火種となり得る箱の取引を阻止するべく、たった一人で行動を起こした彼女を手助けするうちに、代わり映えのしない毎日にずれを感じていたバナージは次第にオードリーに惹かれていく。 だが取引を察知した[[地球連邦軍]]の軍事介入により、火の海と化すコロニー。仲間達と必死の思いで避難しながらもオードリーの姿を捜し求めるバナージの前に、財団当主カーディアス・ビストが現れる。バナージは瀕死のカーディアスから出生の秘密を知らされた上、箱の鍵となる[[モビルスーツ]]、[[ユニコーンガンダム]]を託されることに…。 == 概要 == 『[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア]]』から3年後の宇宙世紀0096年が主な舞台となる、正統な宇宙世紀ガンダムの新作である。物語は宇宙世紀元年から始まり、その年に起こった、宇宙世紀誕生や[[一年戦争]]の発端にも関わる[[ラプラス事件]]が物語の中核になる。 福井自身がファンでもある[[安彦良和]]が[[キャラクターデザイン]]と挿絵を担当していたが、4巻以降の挿絵は[[月刊アフタヌーン]]で『[[終戦のローレライ]]』の漫画版の作画をつとめた[[虎哉孝征]]が担当する。福井は[[プロデューサー]]的立場も兼任する。[[メカニックデザイン]]は[[カトキハジメ]]。 単行本は一巻あたり3回分の連載を収録する(福井が[[インターネットラジオ]]で一話辺り、原稿用紙100枚程度の長さだと語っている)。[[安彦良和]]による挿絵は、小説の連載1回につき、カラーが2~3点、残りはモノクロページで、計10カット前後が掲載されている。カトキハジメによるメカニック解説、設定考証担当の小倉信也による解説なども同時に掲載されている。 ガンダムエース前編集長の[[古林英明]]によると、この企画が開始されたのは2002年とのこと。雑誌『[[活字倶楽部]]』2005年夏号の福井晴敏インタビューでは、[[2006年]]頃を目処に新しいガンダムの準備をしていると語られていた。またその中で小説が先行し、[[アニメ]]化も予定しているとのこと。2007年夏には、書店公開用のプロモーションフィルムが作成された。アニメシリーズ化については公式発表はないものの、作者である福井自身がアニメ化に際して幾度となく触れているなど意欲的な様子が伺える。 2007年12月には[[マスターグレード]]No102として[[ユニコーンガンダム]]の[[ガンプラ|プラモデル]]が発売された。こういった[[メディアミックス]]展開の一環として、単行本4巻(特装版)には、このプラモデルのガンダムに装着可能なオプション装備(4巻本編中に登場する武器)のキットを同梱するなど、これまでの小説作品としてあまり類を見ない意欲的な試みも実施されている。 ちなみに、本作のタイトルを決定した時点で福井は、[[アムロ・レイ]]のトレードマークとして度々ユニコーンのモチーフが使用されている事を知らなかった。そのため、少なくとも構想段階では、その事と本作との特別な関連性は考慮していなかったという。 2016年4月からテレビ朝日で放送された。2月21日のヤフーで明らかになった。テレビ再編集と言う形で放送された。尚テレビ朝日でガンダムシリーズが放送されるのはX以来20年振りである == 主な登場人物 == ; バナージ・リンクス : 工業コロニー「インダストリアル7」にある[[アナハイム・エレクトロニクス社]]系列のアナハイム工業専門学校に通う学生。16歳。 : [[一年戦争]]も含め戦乱を経験していないごく普通の少年であるが、オードリー・バーンとの出会いと、自身の秘められた出生から世界を揺るがす大きな争いに巻き込まれることとなる。小型のモビルスーツ(プチ・モビ)を使い[[スペースデブリ]]を回収するアルバイトをしている。ちなみのそのアルバイト先は「[[ブッホ・コンツェルン|ブッホ・ジャンク社]]」。 ; オードリー・バーン : エメラルド色の瞳に、理性と高貴さ、そして謎を秘めた美しい少女。16歳。 : 「ラプラスの箱」のネオ・ジオンへの譲渡を止めるため単身で「インダストリアル7」に赴くが、そこでバナージ・リンクスと出会った事が彼女の運命を大きく変えていくこととなる。 : 実は[[ザビ家#ミネバ・ラオ・ザビ |ミネバ・ザビ]]の成長した姿である。本作で名乗っている偽名は、彼女のお気に入りの映画であると設定されている『[[ローマの休日]]』において、お忍びで行動する王女を演じた[[オードリー・ヘップバーン]]のもじり。 ; タクヤ・イレイ :バナージのルームメイトで同じアナハイム工専に通う少年。16歳。将来はアナハイム・エレクトロニクス社のテストパイロットを志望しており、モビルスーツにも詳しい。「インダストリアル7」襲撃の際にネェル・アーガマへ乗ることとなる。 ; ミコット・バーチ :アナハイム工専に隣接する私立のハイスクールに通う少女。16歳。「インダストリアル7」の工場長を父親に持つ。学校は違うもののタクヤと親しく、バナージに想いを寄せている。タクヤと同じく「インダストリアル7」襲撃の際にネェル・アーガマへ乗ることとなる。 === 袖付き(ネオ・ジオン残党軍) === ; フル・フロンタル : ネオ・ジオン軍の首魁(宇宙世紀0096時点)。大佐(正式な階級かは不明)。「[[シャア・アズナブル|シャア]]の再来」と呼ばれる仮面をつけた謎の男。「丸裸」を意味するその名とは裏腹に、謎めいた言動でバナージ達を翻弄する。赤い[[モビルスーツ]]シナンジュを駆り、シャア同様の高いカリスマ性を持って[[ネオ・ジオン#新生ネオ・ジオン|ネオ・ジオン]]残党を糾合し、[[地球連邦軍]]と宇宙世紀の根幹に関わる「秘密」を巡り争奪戦を繰り広げる。 : 素顔や口調はシャアに酷似しており、その声もシャアの記録映像を見たことのあるネェル・アーガマ艦長オットーをして「そっくり」と言わしめる程に似ている。 ; アンジェロ・ザウパー : ネオ・ジオンのMSパイロット。大尉。19歳。フロンタル親衛隊隊長でフル・フロンタルに心酔しており、ミネバからも「危険な男」と称される存在。シナンジュとの連携を前提にカスタムされた専用ギラ・ズールを駆る。 ; スベロア・ジンネマン : 「袖付き」と呼ばれる反連邦組織に属する偽装貨物船ガランシェールの船長。大尉。54歳。ヤクザな雰囲気を漂わせる歴戦の勇士。部下からは「キャプテン」と呼ばれ慕われている。 ; マリーダ・クルス : 「袖付き」のガランシェールに搭載されているMS「クシャトリヤ」の女性パイロット。中尉。18歳。長い栗色の髪と蒼い目を持ち、強靭な肉体と鋭い洞察力を持つ[[強化人間]]。船長のジンネマンを「マスター」と呼び、彼の命令には忠実に従う。 :実は『[[機動戦士ガンダムΖΖ]]』に登場した[[エルピー・プル]]のクローンの一人であり、「プルトゥエルブ」として出生した。[[第一次ネオ・ジオン抗争]]の最中、[[グレミー・トト]]によって覚醒させられ先に目覚めた姉妹達と共にネオジオン軍のMSパイロットとして戦う。宇宙世紀0089年1月17日、[[キャラ・スーン]]との戦闘で姉妹達が墜とされていく中、一人臆し、生き延びるも脱出ポッドを回収した男に娼館に売られ、以後数年間娼婦として客を取らされ続ける。後にジンネマンに保護されるが、妊娠・堕胎・客の倒錯行為により著しく消耗していた。(女性としての機能も破壊されていた)。 :「パラオ」攻防戦で[[ユニコーン]]を駆るバナージと相見えるが、NT-Dを発動したユニコーンに自機のファンネルのコントロールを奪われ撃墜寸前に追い込まれる。が、二人は精神感応を起こし意識を共有。バナージは攻撃を停止し、その後ネェル・アーガマに収容される。 ; ギルボア・サント :ジンネマンの腹心的存在。妻と三人の子供を持っている。「パラオ」ではジンネマンの頼みでマリーダを居候させており、捕らえられたバナージの面倒も見ることになった。一年戦争の際に連邦軍の捕虜となるも、ジンネマンによって収容所から救出された過去を持つ。 === ビスト一族 === ; サイアム・ビスト : 中近東に位置する小国で生まれた男。宇宙移民政策による社会の歪みと生活苦から[[テロリズム|テロリスト]]となる。宇宙世紀元年に何億分の一の偶然で「ラプラスの箱」を入手、その後裏社会のパイプと「箱」を利用してのしあがり、やがてビスト家の婿養子となることでビスト財閥の頭首となった。[[コールドスリープ|冷凍睡眠]]により宇宙世紀0096年においても100歳以上の長寿で生きながらえている。停滞する世界の変革のため、長らく封印されてきた「箱」の解放を目論む。 ; カーディアス・ビスト : サイアム・ビストの孫にしてビスト家の二代目当主。学生時代に地球連邦宇宙軍に入隊し、戦闘機のパイロットになった。主人公、バナージ・リンクスの実の父親であるが、妻(バナージの母)と別れて以降は長らく二人と会うことはなかった。 :祖父の意思を汲み、「箱」をネオ・ジオンに引き渡そうとするが失敗、その後の「インダストリアル7」の混乱の中でアルベルトに銃撃される。死に際、偶然再会したバナージに人間の優しさと希望を見出し、破壊しようとしていた[[ユニコーンガンダム]]を彼に託して息を引き取った。享年60。 ; アルベルト : 「箱」の開放阻止の為、エコーズと共にネェル・アーガマに乗り込んできたアナハイム・エレクトロニクス社の重役。33歳。ビスト一族の一人でもあり、「箱」の道標たる[[ユニコーンガンダム]]に並々ならぬ執着を見せる。 ; マーサ・ビスト・カーバイン :カーディアスの妹で、アナハイム・エレクトロニクスの創業者一族であるカーバイン家に嫁いだ。政治家的な気質と才覚を多分に擁した人物であり、嫁ぎ先において辣腕を振るっている傑物。その手腕は連邦軍上層部をも動かすほどである。「箱」の取り扱いについてサイアム、カーディアスの二人と対立しており、インダストリアル7の襲撃も彼女の意向が働いていると見られる。 アルベルトを送り込んだ張本人。 === 地球連邦軍 === ; リディ・マーセナス : 地球連邦軍ロンド・ベル隊のMSパイロット。少尉。23歳。政治家一族マーセナス家の嫡子。政治家になることを望む家に反発し、連邦軍に入った。家の七光りではなく、自分の腕だけで名をあげようとパイロットになるも、いつまでもついてまわる家の影響に辟易している。内心はモビルスーツよりも航空機に憧れを抱いており、常にかの[[マンフレート・フォン・リヒトホーフェン|伝説的なエースパイロット]]が搭乗していた複葉機のプラモデルを持ち歩いている。搭乗機はリゼル→デルタプラス。 :「インダストリアル7」内の戦闘、続く暗礁宙域でのシナンジュ迎撃戦においてネェル・アーガマ艦載MS隊最後の一人となるも、上層部の政治的意向で艦を降りることになる。しかしミネバとの出会いを経たことで、闇に葬られるであろうこの事件を世に明らかにする決意を固め、独断でミネバ、タクヤ、ミコットを伴いネェル・アーガマに戻る。「パラオ」攻略戦ではデルタプラスを受領するが、ひそかにミネバを同乗させ、戦闘終盤に戦線を離脱。「パラオ」のマスドライバーで地球へと向かう。 ; ミヒロ・オイワッケン : 地球連邦軍ロンド・ベル隊のオペレーター。少尉。22歳。利発で快活な性格の女性。東洋系の血が流れており、ダークブラウンの髪と瞳を持つ。士官学校時代、低い身長へのコンプレックスをバネにするかのような奮闘ぶりから「チビ戦車(スモールタンク)」という仇名を付けられる。 ; オットー・ミタス : 地球連邦軍ロンド・ベル隊の強襲揚陸艦「ネェル・アーガマ」の艦長。大佐。45歳。練度不十分な艦の状況、連邦上層部の無策ぶりに頭を悩ませる事務屋的艦長。 ; レイアム・ボーリンネア :ネェル・アーガマの女性副長。40歳。確かな状況判断能力と決断力を持ち、クルーからは「レイアム艦長、オットー副長」と呼ばれるまでになっている。一年戦争のソロモン攻略戦で夫を亡くし、地球に長男を残している。 ; ダグザ・マックール : 「マンハンター(人狩り)」と呼ばれる地球連邦軍特殊部隊「エコーズ」の920隊司令。中佐。38歳。「箱」のネオ・ジオンへの譲渡阻止および奪取の指令を受け、ネェル・アーガマに乗艦する。非人道的任務や戦いに巻き込まれる少年達の姿に良心の呵責を感じることもあるが、そうした感情は億尾にも見せないプロの軍人。 ; ジョナ・ギブニー :ネェル・アーガマ機付長。髭面。 ; ハサン :ネェル・アーガマに乗務する連邦軍軍医。アラブ系の浅黒い肌に、口髭を生やしている。 ; [[ブライト・ノア]] : UC0096時ロンド・ベル司令、大佐 妻(ミライ)と二児(ハサウェイ、チェーミン)の父親でもある。1年戦争時[[ホワイトベース]]の若き艦長として活躍し、戦後英雄の一人として持ち上げられた。しかしニュータイプを危険視する連邦中央からは遠ざけられ、連絡船テンプテーション船長として過ごしていた。グリプス戦役ではエウーゴに参加し「アーガマ」の艦長を務める。第一次ネオ・ジオン抗争では「ネェル・アーガマ」艦長として活躍、第二次ネオ・ジオン抗争では「ロンド・ベル」の旗艦ラー・カイラム艦長兼部隊司令として戦った。 === 地球連邦政府 === ; ローナン・マーセナス : リディ・マーセナスの父親。地球連邦政府中央議会の大物議員。移民問題評議会議長で国防方面にも顔が利く。 ; リカルド・マーセナス : 地球連邦政府の初代[[首相]]で[[自由主義|リベラル]]派とされている。[[アメリカ合衆国|アメリカ]]生まれだが、[[ドイツ]]、[[フランス]]、[[アジア]]など様々な国を転々として育ってきた。また、30以上の国の血が交じり合っているという出自から連邦の初代首相に選ばれた。[[西暦]]から宇宙世紀の節目に起きたテロ(ラプラス事件)により死亡する。ちなみにこのテロの首謀者は、リベラル派の彼を嫌った何者かとも、「分離主義者」の一派ともいわれているが、実行犯であるサイアムらもその雇い主の正体は知らなかった。 == 登場メカニック == === 地球連邦軍 === ; RX-0 [[ユニコーンガンダム]] : 連邦宇宙軍再編計画の一つ「UC計画」の産物である純白のMS。インダストリアル7においてテストされている。純白のボディで頭部に一本の角があり、神獣の[[ユニコーン]]を連想させる。地球連邦軍の委託を受け、[[アナハイム・エレクトロニクス社]]が極秘裏に開発を進めてきた。 : 全身の駆動式内骨格(ムーバブル・フレーム)を[[サイコフレーム]]で形成した実験機(νガンダムに次ぐサイコフレーム搭載機である)であり、機体追従性は桁外れに高い。また特殊なOS「ラプラス・プログラム」と「NT-D」(ニュータイプ・デストロイヤー・システム)と呼ばれるシステムが組み込まれている。「NT-D」が発動すると、内部フレームが拡張され、全身の体形が変貌。これに合わせて装甲は継ぎ目から分離し、スライド開放される。このとき、装甲の隙間から露出した内部フレームが、サイコフレームの発光現象と思われる赤い燐光を発する。「NT-D」発動時には機体性能、特に機動性能が飛躍的に高まる。これをデストロイモードと言う。 : 通常モードではフェイス部分にカメラアイなどの特徴を持たない、ある種「無表情」な頭部(一見してGM系列のMSのようにも見える)であるが、一角の左右への展開とフェイスオープンを行う事で従来の[[ガンダムタイプ]]に酷似した頭部となる。 : また、小説内では「RX-0 ユニコーン」が正式名称であり、「ガンダム」というのはあくまでデストロイモード時の頭部形状から開発陣が呼んでいた愛称に過ぎない。 ; RGM-89 [[ジェガン]] : 宇宙世紀0096年における[[地球連邦軍]]の主力量産型モビルスーツ。[[ネェル・アーガマ]]に配属されているジェガン部隊のコードネームは「ジュリエット」。本作品用にクリンナップされたD型なる機体の画稿が用意されており、肩部の形状の違いや股間部に小型のフロントアーマー(実質的には後述するスタークジェガン用の追加武装のマウントを前提としたハードポイントに相当する)が追加されているなど、『逆襲のシャア』版とも『F91』版とも異なる独自の特徴が見てとれる。 ; RGM-89S [[ジェガン#スターク・ジェガン|スターク・ジェガン]] : ジェガンの特務仕様。肩部にミサイルランチャーを搭載し、装甲やブースターが増設されている。いわばフルアーマージェガンとも言うべき様相となっている。武装は380mmのハイパーバズーカとビームサーベルが確認できる。元々は『CCA-MSV』が初出のジェガン・バリエーションのひとつだったが、こちらもカトキハジメによるリファイン画稿が用意されており、ノーマルタイプのジェガンから装備の換装が容易であるものと再解釈がなされている。 ; RGZ-95 [[Ζガンダム#リゼル|リゼル]] : [[ネェル・アーガマ]]に搭載されている最新型の可変モビルスーツ。ジムの系譜に連なるMSとしては初の可変型MSとなる。コードネームは「ロメオ」。[[リ・ガズィ|RGZ]]シリーズの一機であり[[Ζガンダム]]系列の発展機[[Ζガンダム#ZII|ZII]]の量産機である。可変機構をBWS(バック・ウェポン・システム)で代用したRGZ-91 リ・ガズィに対し、本機は可変機構の弾力的運用を前提に設計されており、変形機構は[[メタス]]の方式に差し戻すことで簡略化し可変機能を維持。さらに一部内装をジェガンと共有化させることでコストダウンに成功している。ウェイブライダー形態になることで[[ジェガン]]を牽引しつつ作戦空域に移動できる。機体名称は「REfine Z-gundam Escort Leader」の略。 ; D-50C/D50C [[フォーミュラ計画#ロト|ロト]] : ネェル・アーガマに持ち込まれた特殊部隊「ECOAS」の専用MS。全高12.2mとMSとしてはかなり小型で、タンク形態への変形機構を有する。現着後は指令本部としての機能を有するため、各種センサー、通信設備が充実している。開発は海軍戦略研究所([[サナリィ]])が行っており、本機のデータは後の小型MS開発においても活用された。型式番号の「50」はその後のサナリィによる[[フォーミュラ計画]]発足後も戦車型に変形する機体を表す番号として使用され続けた。こうして後に誕生するF50は、『[[機動戦士ガンダムF91]]』で序盤に主人公達が遭遇する[[フォーミュラ計画#ガンタンクR-44|ガンタンクR-44]]の原型機にあたる。 ; MSN-001A1 [[百式 (ガンダムシリーズ)#デルタプラス|デルタプラス]] : [[アナハイム・エレクトロニクス社]]製の可変モビルスーツ。「袖付き」との交戦で戦力を消耗したネェル・アーガマに補填された試作機。[[百式 (ガンダムシリーズ)|百式]]を当初の計画案(δガンダム)に差し戻し、可変MSとして量産を前提に再設計した機体である。計画当初は主に強度面の問題で可変を断念されたが、Ζ系列で培われたTMS技術をフィードバックさせることで、初志の実現が果たされる事となった。ただし、未だ試作品ゆえに編成の組み込みづらい規格外の機体として、同様に規格外のため単艦運用されるケースの多いネェル・アーガマに回されたというのが実情のようである。なお、この仕様は型式番号末尾の「A1」が示す通り、[[Ζガンダム]]に対する[[Ζプラス#ΖプラスA1型|ΖプラスA1型]]に相当するものだと思われる。 ; RGM-96X [[ジェガン#ジェスタ|ジェスタ]] : [[アナハイム・エレクトロニクス社]]製のモビルスーツ。[[ユニコーンガンダム]]のサポートを目的に開発されたジェガンの上位機種。機体各所にUC計画の成果が反映されており、スマートさが特徴であった従来のRGM系とは一線を画すマッシブなMS。正式採用前のため存在は秘匿されていたが、ロンド・ベル隊に性能評価のため配備されることに。 ; [[クラップ|クラップ級]] キャロット : 地球連邦軍の主力宇宙巡洋艦で、ロンド・ベル第二郡に所属する。MS搭載数は六機。 ; [[ネェル・アーガマ]] : 地球連邦軍[[ロンド・ベル]]に所属する強襲揚陸艦で、『[[機動戦士ガンダムΖΖ]]』の後半で主人公達が乗っていた艦が改修されて現役として使用されている。推進器周りなどをクラップ級の規格品に換装している点など、外観的な変更が僅かながら確認できる。[[草野直樹]]および[[日高誠之]]著のゲームブック『シャアの帰還』では宇宙世紀0090年の同隊の発足当初から運用されている様子が描かれているが、福井自身はこの作品の存在を知らなかった為、偶然の一致だったとの事である。 ;アラスカ :コロンブス級補給艦。ネェル・アーガマへの補給、ミネバ・ザビの移送のため送られてきた。 ;[[ラーディッシュ|アイリッシュ]]級戦艦 :名称不明、補給艦アラスカの護衛についていた。 ; サラミス級宇宙警備艇 : 宇宙世紀初頭、設立後間もない地球連邦宇宙軍の主戦力となっていた宇宙艦艇。後年の宇宙巡洋艦サラミスは本艇の名前を襲名したものである。全長70メートルほどのトラス状の船体前端にブリッジ、後端に推進装置を備え、兵装としてレーザー砲を装備する。兵装にはバリエーションがあり、船体とほぼ同長のレールガンを持つものもあったらしい。 ;[[ラー・カイラム]] :連邦宇宙軍・独立機動艦隊「ロンド・ベル」の旗艦 第二次ネオ・ジオン戦争ではロンド・ベル艦隊を率いて防衛の一線を張り、アクシズの地球落下を防ぐ活躍をした。白亜の船体、カタパルト・デッキを両舷に備える。ロンドベル発足とほぼ同じ艦齢であり、新造の部類に入る。全長500m弱、ジェスタ12機配備 === アナハイム・エレクトロニクス === ; メガラニカ : スペース・コロニーの建造を行うための超巨大宇宙船で「コロニービルダー」にカテゴライズされる。その形状からカタツムリとも呼ばれる。インダストリアル7の建造を行っている。 === ネオ・ジオン === ; NZ-666 [[クィン・マンサ#クシャトリヤ|クシャトリヤ]] : 「袖付き」と呼ばれる組織の[[モビルスーツ]]。パイロットはマリーダ・クルス。デザイン的にはNZ-000[[クィン・マンサ]]の流れを汲み、脳波誘導兵器である[[ファンネル]]を搭載しているが、[[サイコ・フレーム]]の搭載により性能を維持したまま22.3mまでの小型化に成功している。このMSに限らず、この組織のMSは腕部に袖のような紋章が共通して施されており、地球連邦からは「袖付き」と呼ばれている。 : サイコフレームは胸部コクピット周辺を中心に構造材の一部に使用されているが、現在のネオ・ジオンはこれを製造する設備を持たず、その備蓄は「シャアの反乱」時に[[アナハイム・エレクトロニクス社]]から供給されたものが全てとなる。そのため、本機は追加生産はおろか損傷箇所の完全修復すらままならないワン・アンド・オンリーな機体となっている。 ; AMS-119 [[ギラ・ドーガ]] : 宇宙世紀0093年のシャアの反乱で使われた[[ネオ・ジオン]]の主力モビルスーツ。 ; AMS-129 [[ギラ・ドーガ#ギラ・ズール|ギラ・ズール]] : ガランシェールに搭載されているモビルスーツで、[[ギラドーガ]]に若干の改良を加えた発展型。元々ギラドーガ自体、かつてのMS-06ザクのコンセプトに沿って設計された機体であるが、本機は各部の意匠がさらによりザクに近いものになっている。カラーリングは濃緑色で「袖付き」の主力モビルスーツ。オーソドックスなジオン・スタイルでまとめられているのは、総帥を失い求心力が低下した組織の士気を高めるための、シンボリックな意味もあったようだ。<br>手首付近に袖飾りのようなマーキングが施され、色とデザインから所属部隊が分かる。隊長機を示す頭部のブレードアンテナをはじめ、ショルダーアーマーも所属や階級に応じて換装する自由度が設けられており、量産機らしからぬ個性が演出できる機体。<br>中でも親衛隊機は、両肩にスパイク・アーマー、背部に二基のブースト・ポッドを装備し、推進剤タンク兼スタビライザーは尻尾さながら後方に突き出す様は、悪魔のような印象を醸し出している。<br>特に隊長のアンジェロ機には、全身を紫を基調とする独特のカラーリングが施されている。 :ちなみに、口部分はこれまでのザク系の排気口のようなデザインではなく、[[ガスマスク]]のような円筒状となっている。 ; MSN-06S [[シナンジュ (機動戦士ガンダムUC)|シナンジュ]] : 宇宙世紀0094年に[[アナハイム・エレクトロニクス社]]から「袖付き」によって強奪された(実際は強奪に見せかけた譲渡であるという説もある)試作MS。NT-Dの実験用にムーバブル・フレームの一部にサイコフレームが採用されており、この機体で検証された追従性の向上や、強度などのデータを基にユニコーンガンダムが完成された。言わば兄弟機の関係である。パイロットはフル・フロンタル。本体の大推力に加え、フロンタルの「進行方向の宙域を漂うデブリ群を蹴った反動で連続的に加速する<!-- シャア本人もルウム戦役の際、離脱の瞬間敵艦の装甲を蹴って加速という技を披露した -->」まさに神技により後続機の3倍の戦闘速度でネェル・アーガマを強襲する。意か偶然かカラーリングもシャアの愛機と共通する真紅。乗り手と同じく、敵の心中に「赤い彗星」の恐怖を否応無く蘇らせる存在。 ; AMX-003 [[ガザC]] : ; AMX-006 [[ガザC#ガザD|ガザD]] : ; RMS-119 [[ハイザック#アイザック|アイザック]] : ;AMS-129M ゼー・ズール :ネオ・ジオン軍残党が開発した水陸両用MS。宇宙で開発された後、地上のジオン・シンパ勢力に供与された。ギラ・ズールと共通の基本フレームを持ち、外側にベスト状の潜水装置、首周りのバラスト・タンク、ハイドロジェット推進器、水中用フィンなどの水中用装備を装着している。 全体に丸みを帯び、頭部はずんぐりとしたボディに埋没している。セラミックス高分子化合物によるヒートナイフを持った両腕は、前腕に装着した格闘用クローと相まって、甲殻類の鋏を思わせ、ジオン公国軍水陸両用MS「ズゴック」を想起させる。全高:20.3m、本体重量:28.9t ;AMA-X7 ジャンブロ :ガーベイ・エンタープライズ社開発 シーゴーストの異名を持つモビルアーマー 正面からは扁平に潰れた菱形シルエット、三本の鋭い爪を備えた腕(もしくは前足)を持ち、その付け根から貝殻を思わせる丸みを帯びた装甲が張り出している。細長い流線型のボディ、上方からはスペードの形に見える先端部分は猛禽類の嘴を想起させる有機的な曲線、頭部と思わしき部分には単眼センサーを閃かせている。 最大幅80M、高さ30M 肩の装甲内に電磁流体誘導推進ユニット(MHD)を仕込んでおり、スリットから海水を吸い込み超伝導コイルで推進機関に誘導、引き入れた海水を加速して後方に噴射し推進する。この無音推進システムは初期のもので、パワー不足で使われなくなって久しいが、[シャンブロ]は更にミノフスキー・クラフト・エンジンを内蔵し、粒子を常時散布することでIフィールド力場を形成し、イオン化した海水を機体の保護膜とすることで潜航時の抵抗を大幅に低減、驚異的な機動力を獲得した。しかし、[シャンブロ]の真価は上陸したときに発揮されるというが・・・。 管制は少人数パイロットで運用可能、コクピットブロックは前面の壁一面がスクリーンとなっており、その手前に操縦・索敵・防御を司るオペレーター席が並ぶ。コクピット後方の一段高いスペースは機長席となり、攻撃オペレートの役割も兼ね、非常時には一元操作も可能。 ; ガランシェール : 航宙貨物船。全長約120m、最大貨物積載量500t超、搭載可能MS数は4機、0096年代には旧式にあたる。クルーは33人。三角錐状の船体をしている。宇宙だけでなく大気圏内の飛行能力も持ち、宇宙と地球を往復することも可能である。 :表向きは「リバコーナ貨物」という民間の貨物会社の船舶とされているが、実際は「袖付き」の船舶で「クシャトリヤ」や「ギラ・ズール」などのモビルスーツを搭載している。 ; [[レウルーラ]] :ネオ・ジオン残党の旗艦。元シャア総帥の座乗艦でもあり、真紅の船体色が特徴。艦載MS数は10機。 :船体形状は細長い二等辺三角形、曲線を多用した生物的フォルム、両舷に6基づつ装備した球状の推進剤タンクが卵のように見える。旧ジオン公国軍が建造したグワジン級の意匠を引き継いだ直径艦とも言える(一部の資料ではグワジン改級にカテゴライズされている)。 ;ムサカ級(M級)軽巡洋艦 == 組織 == ; [[ロンド・ベル]] : 連邦宇宙軍の独立機動艦隊。特定の管轄地域を持たない有事即応の部隊で、命令系統も通常の部隊とは異にしている。現在の司令はかつての名艦長[[ブライト・ノア]]。 ; エコーズ : 連邦宇宙軍特殊作戦群(ECOAS)。ネオ・ジオン軍残党の摘発及び掃討を任務とする連邦軍の新設部隊。通称・マンハンター(人狩り)部隊。 ; 袖付き : 本作における[[ネオ・ジオン]]の通称。[[第二次ネオ・ジオン抗争]]の後、廃墟同然の資源小惑星で朽ち果てようとしていたネオ・ジオン軍の残党をフル・フロンタルがまとめ上げた。 ; ビスト財団 :サイアム・ビストが興した巨大財閥。表向きは、地球の芸術品などの文化資産を環境の安定しているコロニーへ移送することを目的とした財団であるが、「ラプラスの箱」を秘匿する事で得た多大な影響力によって、連邦上層部との深い繋がりを持ち、アナハイム社を実質的に支配するなど、非常に強大な力を持つ。 ; [[アナハイム・エレクトロニクス社]] : == 単行本 == *1巻 ユニコーンの日(上) ISBN 978-4-04-713969-5 (2007年9月26日発行) *2巻 ユニコーンの日(下) ISBN 978-4-04-713970-1 (2007年9月26日発行) *3巻 赤い彗星 ISBN 978-4-04-715003-4 (2007年12月26日発行) *4巻 パラオ攻略戦 ISBN 978-4-04-715060-7 (2008年4月26日発行) :*4巻 パラオ攻略戦(特装版) ISBN 978-4-04-715018-8 (2008年4月26日発行) *5巻 ラプラスの亡霊 ISBN 978-4-04-715084-3 (2008年7月26日発行) == 関連項目 == * [[貴婦人と一角獣]] ドラゴンボールスーパー。こちらも28話までは映画の再編集だった == 外部リンク == * [http://www.gundam-unicorn.net/index.html 機動戦士ガンダムUC公式サイト] {{ガンダムシリーズの書籍}} {{Gundam-stub}} {{DEFAULTSORT:きとうせんしかんたむゆにこおん}} [[Category:ガンダムシリーズ小説作品|ゆにこおん]] [[Category:宇宙世紀]] [[Category:ガンダムエース]] [[Category:福井晴敏]] {{Lit-stub}} [[en:Mobile Suit Gundam Unicorn]] [[it:Mobile Suit Gundam Unicorn]]