きちがい
きちがい(キチガイ、気違い、気狂い、瘋とも表記)とは、本来は発狂した人間、端的に精神状態が著しく常軌を逸した人間、または常軌を逸した犯罪行為などを行う人間を表現するにあたり用いられる俗語である。気が違うとも表現する。そのような人物を狂人(きょうじん)と呼ぶ。「ガイキチ」「キ印」とも言う。
動詞にすると、「きちがいじみる」(自上一)などと使われる。
転じてネット中毒患者やネットウヨやパラノイア偏執狂に対して侮蔑的に使われるようになる。罵り言葉としてもしばしば使われる。一方で「- 愛好家」「- バカ」という意味でも使われていた。「- 狂い」という言葉も同じく使用が減っている。
特に1970年代ごろまではTVでも一般の会話でも頻繁に使われていた。しかし、1980年代ぐらいから放送禁止用語として認知されるようになった為、TVはもちろん、一般の会話でも使用されることは減っている。
昔の名作ドラマや、アニメがDVD化などされる際によくこの言葉が入っているので、以前はカットされる動きがあったが(しかし不自然な空白が生まれる)、最近では原作を尊重する意味で手を加えないことも多くなっている(冒頭に「お断り」のテロップが入る)。
概要
回復治療期に、テレビ・ラジオでこの語を聞いた精神障害者がショックを受けることにより、治癒を妨げる恐れが指摘されたことから、指摘を受けた関西の民放テレビ局である毎日放送が使用の自粛を呼びかけた。このため、現在ではほとんどの放送局で放送禁止用語(放送自粛用語)に分類している。スタジオには「気違いは禁句」と書いた紙を貼り出して誤って使用したりすることがないように努めている。一般社会においても差別用語とされる。 これは、差別利権発生の黎明期の事案としてよく語られる。
しかし、「気」という言葉の意味は日本語的に広い解釈があり(たとえば「病気」「気が弱い」など)、「気」という物の概念の広さから、他の人と違う考えを持っている、あるいは若干ずれた考えを持っているという意味も含むという本来の趣旨とかけ離れ、単に世間から見て異常な行動を取る人物、または社会的に容認されない行動、もしくはその人物そのものを指す意味に(悪意的あるいは過剰的に)理解された事情もあり、この言葉を用いることにマスコミ・報道関係が過剰に反応するのはナンセンスであるという意見や、単なる言葉狩りという意見もある。
また、趣味などに常識を超えて没頭する人のことを「○○キチ」と表現するが、現在ではこれらも望ましくない表現とされている。「釣りキチ」「碁キチ」「雀キチ」「パチキチ」「トラキチ」など(参照: マニア)。この使用法が一般には浸透しており、侮蔑の意味でもなんでもないため、テレビなどで素人が言ってしまう放送禁止用語としては最もよく見られる。古い番組や映画などでも顕著に見うけられ、放送ではよく削除されている。(例外として、釣りキチ三平がある。)
俳句の世界には「季ちがい」という言葉があり、季節外れの題材或いは季語を用いた際に用いられる。この言葉はマスコミ・出版物では「季節違い」「季語違い」と言い直されている。
子持ち男性「満員電車にベビーカーが乗ってきたら、5人降りてスペースを作るべき!」
赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。
赤ちゃんの泣き声について議論をすることがそもそも理解できない。いいとか悪いとか、そういう対象ではないと思うからだ。赤ちゃんを飛行機に乗せるなとか、ベビーカーを通勤電車に乗せるなとか、何を言っているのだろうとぼくは思う。
子供が産まれてよくわかったのは、子育ての大変さだ。大変なんてもんじゃない。戦いだ。修羅場だ。赤ちゃんは良妻賢母的なママがだっこすれば泣きやみ、あとはパパがお風呂に入れればいい、などというきれい事ではない。
飛行機の中で赤ちゃんが泣きやまない。じゃあみんなであやしてあげよう。子育ての先輩たちは、うちのはこうして泣きやんだことがある、と知恵を出してあげてもいい。満員電車にベビーカーを押して母親が乗ってきた。じゃあその周りの5人くらいは電車を降りて、みんなで空間を作ってあげればいい。遅刻したら堂々と「ベビーカーに譲ったので」と報告して、上司は「それはよいことをしたね」と褒めればいい。
そんな非効率なことできるか、と言いたい?でも赤ちゃんが増えないことは、人口が減っていくことは、どれだけその社会にとってネガティブな事態をもたらすだろう。
日本の人口は世界で何番目か知ってるだろうか。1位中国、2位インド、3位アメリカ。そのあとは工業化が遅れていた国々が並んで、10位が日本。ドイツが8千万人、イギリスやフランスは6千万人。日本のGDPがずっと2番目だったのは、工業化が進んだ国の中で人口が2番目だったからだ。人口が多いことは重要なのだ。多い方が経済的に有利だし、減ってしまうと経済的に不利になる。
ベビーカーに譲って遅刻することは、だから日本経済のためにはいいのだ。人道的だけでなく、日本の国力を高める行為なので褒められるべきなのだ。
出典
大久保彦左衛門の三河物語に、波切孫七郎ト申は、無レ隠武辺之者、又ハ気チガ(イ)者ナレバ、とある。三河一向一揆の際に、主君の徳川家康に逆心した家臣を指していたようである。
その他
- 日本語入力システムによっては、「気違い」と変換されないよう、初期設定では単語登録されていないことがある。そのため「基地外」と誤変換され、これがインターネット掲示板の「2ちゃんねる」などで使用されている。他に、「キティ・ガイ(略してキティ)」などの片仮名を用いた表現も用いられている。詳しくは2ちゃんねる用語参照。
- ジャン=リュック・ゴダールの名作『気狂いピエロ』は、テレビではフランス語タイトルの『ピエロ・ル・フ』で放映されることが多い。こういったメディアの過剰反応に対しては、単なる言葉狩りではないかという批判的な意見もある。
- 横溝正史の『獄門島』では、主人公である金田一探偵が「季違い」と「気違い」を混同するというこの作品のトリックに関する重要なシーンがある。過去に映画やテレビドラマとして制作されたことはあるものの、この語が放送禁止用語として指弾されてからはテレビではそのまま放送できない。それらを放送する場合は苦肉の策としてその部分のみ削除を行い、新たにドラマ化される場合はストーリーを改変している。
- THE BLUE HEARTSの楽曲『終わらない歌』の歌詞に「終わらない歌を歌おう キチガイ扱いされた日々」というものがあるが、歌詞が該当するボーカルの部分にギターを被せ聞き取り辛くしている。また歌詞カードの表記についても「…」と表記されている。
- 同楽曲が使用されている日本映画「リンダ リンダ リンダ」でも同様の措置がとられた。
- かつて放映されたテレビ番組などを後に再放送する際、「きちがい」の語を含む部分は編集されるか音声を消去され、程度のはなはだしい場合は放送回自体を省かれる。
- 子供向け特撮ドラマ『怪奇大作戦』の第24話「狂鬼人間」は精神異常者の犯罪をテーマとしているため円谷プロによって正式に「永久欠番指定」され、2008年現在その内容は再放送はおろかソフト販売も一切不可になっている。
- 衛星放送にて旧作品を放送する場合、放送局によっては当該用語を消音にする局としない局がある。
- 2007年7月21日、麻生太郎外務大臣が「酒は『きちがい水』だとか何とか皆言うもんだから、勢いとかいろんなことありますよ」と発言したことに対して毎日新聞が「問題発言である」と主張(毎日新聞 2007年7月21日付)。本来「きちがい水」という言い回しそのものは、古典落語にもある江戸時代からの伝統的な言い回しであるが、この時期は政府関係者からの様々な問題発言が注目されていた時期のため、ほかと同様に過剰に問題視する人もいた。
- 2005年、塩川正十郎は日テレの生放送真相報道 バンキシャ!に出演し、当時話題になっていた騒音おばさんの映像を見て「こりゃねえ、やっぱり狂ってますよこの人は。顔見てごらんなさい。目はつり上がってるしね、顔がぼうっと浮いてるでしょ。これきちがいの顔ですわ。」と発言し、即座に司会の福澤が「そういう言葉はふさわしくないと思います。」と述べ、視聴者に謝罪した。
- 任天堂のゲーム「どうぶつの森」で,手紙や掲示板に「きちがい」または「キチガイ」と入れると,自動的にその部分が削除されるようになっている。またドラゴンクエストシリーズでは名前変更時に「きちがい」と入力すると警告を受け、それを無視して変更を強行すると以後名前が容易に変更できなくなり、再変更時には多額の資金を請求されることになる。
- プロレス団体大日本プロレス所属の"黒天使"沼澤邪鬼は、キチ○イの神様と自称し、チーム「045邪猿気違's」でタッグを組む葛西純とともに「キチガイ」をキャッチフレーズとしている。そのため同プロレス団体の中継番組大日大戦では、地上波放送の際に「キチ○イ」の部分に「ピー音」がかぶせられる(キチ○イの表記についてはこちらを参照)。
著名なきちがい
- 水銀燈 - ローゼンメイデンのきちがいドールかつ極悪非道の犯罪者。
- Hosiryuhosi(利用者:Hosiryuhosi) - ユアペディアにまで出現するウィキペディアのきちがい管理者。
- 蹴り魔 - 無料SNSアプリLINEにおける蹴り行為を行い、快楽を得ているとされるキチガイ。
ウィキペディアにおける気違い
ウィキペディアには多くのキチガイが存在する。
- Shigeru-a24(トコロテン射精)
- 海獺
- Avanzare
- Fromm
- 七之助
- 須磨寺横行
- 彩華1226
- Dr jimmy
など。 詳しくはウィキペディア日本語版の管理者も参照
関連項目
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