小牧者訓練会わいせつ事件
小牧者訓練会わいせつ事件(しょうぼくしゃくんれんかい)とは、韓国人牧師 卞在昌(ビュンジェージャン)が信者の女性に対し長年にわたり猥褻行為を行っていた事件である。
事件の発覚
週刊文春2009年2月26日号にて掲載される。
『被害女性10人が怒りの告白 筑波“神学校”牧師が強いた「屈辱的な性行為」 「神のために働きなさい」』
「『二人きりのときはヒザに座るようにしよう』と言われて座らされ、キスしたり胸を触られたり。『止めてください』というと、『これはあなたの癒しのために仕方なく行っていることで、誰にでもやっていることではない。だから二人の秘密にしようね』と。『聖書のどこに、そんなことが書いてあるんですか?』と尋ねても、『まぁまぁ、いいから』と止めてくれませんでした。
心から信頼している先生なので、あまりにもショックで…。記憶が飛んでしまって、どうやって自分の部屋に帰ったかも覚えていないんです」被害に遭った女性の一人A子さんは、そう振り返る。
多数の女性信徒から性的暴行被害を訴えられているのは、茨城県つくば市を拠点とする宗教法人「小牧者訓練会」代表・卞在昌(ビュンジェージャン)牧師。今年六十一歳の韓国人だ。
A子さんは二十代半ばのころ、卞牧師が営む神学校に入学。ひと月ほどのち、卞牧師の自宅に下宿するよう命じられた、直後からほぼ毎晩マッサージをさせられ、「あなたは私の娘なのだから」と迫られて、おやすみのキスとハグが習慣となる。部屋に鍵をかけることを禁じられて着替えを覗かれたり、「娘のことは何でも知りたい。どこまで経験したのか」などと執拗に聞かれ、「娘のように、とこには恋人のように愛し合わなければならない」と諭されるようになった。
提訴へ
茨城県つくば市に本部を置くキリスト教系宗教法人「小牧者訓練会」の代表牧師 卞在昌(ビュンジェージャン)(61)に教団施設内などで、わいせつな行為を繰り返されたとして、20~30代の元信者の女性4人が牧師と教団などを相手取り、計4620万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしていたことが17日、被害関係者への取材で分かった。元信者側は一連の牧師の行為について茨城県警に相談し、刑事告訴も検討している。関係者によると、教団には約300人の信者が在籍していたが、わいせつ疑惑が表面化した昨年以降、大半が脱会したという。
訴状によると、4人は平成12~19年の間、つくば市や東京都新宿区の教団施設の牧師室や茨城県土浦市の牧師の自宅などで、牧師と2人きりになった際、胸や下半身を触られたり、キスや性行為などを強要されたとしている。
教団は弟子養成の一環として、神学校を運営しており、信者の一部は神学生として牧師と共同生活をしていたという。
元信者側は「(牧師は)指導者の霊的権威は絶対不可侵であるなどと欺瞞(ぎまん)的説法を繰り返し、被害女性を抗拒不能にさせた」と主張。被害を受けたという女性は「『君には癒やしが必要だ』といってセクハラをエスカレートさせた。衝撃的すぎて声も出なかった。嫌だと感じるのは自分の信仰が足りないせいだと思ってしまっていた」と話している。
複数の関係者によると、牧師は韓国生まれ。昭和56年に来日し、62年にプロテスタント系の教団の前身組織を立ち上げた。牧師が導入した弟子養成のプログラムは高く評価され、国内の延べ2000の教会が影響を受けたとされる。国内5、国外3カ所に教会を持つほか、出版や物販の関連会社があり、牧師やその親族が役員を務めていた。
牧師側は「一度たりとも性的関係を迫ったことはない。事実無根」とわいせつ疑惑を全面的に否定。今年2月の産経新聞の取材には「カイロプラクティックは互いに練習や実習を行っている。医療としての線を越えていない」「インターナショナルな文化でのあいさつは日常的に行われる環境にあるが、慣れなくて避ける人には無理に要求したことはない」などと回答していた。