東名高速道路
東名高速道路(とうめいこうそくどうろ、TOMEI EXPRESSWAY)は、東京都世田谷区を起点とし、神奈川県、静岡県を経由し愛知県小牧市へ至る高速道路(高速自動車国道(A路線))の営業路線名である。一般に東名高速や単に東名(英略称:TOMEI EXPWY)と略される。法定路線名は第一東海自動車道。
目次
概要
全区間を中日本高速道路(NEXCO中日本)が管理・運営している。中央自動車道・名神高速道路・新東名高速道路・新名神高速道路・東名阪自動車道・西名阪自動車道とともに、東京23区付近から名古屋付近を経由し大阪付近につながる日本の大動脈となっている。名神と一体とした呼称で東名神と呼ぶこともある。
東京IC-厚木ICは大都市近郊区間であり、普通区間に比べて通行料金が割高になっている。
東京IC・横浜青葉IC・裾野ICの3箇所のICを除き、全てトランペット型ICとなっている。また台風接近時は高波の影響で下り線(名古屋方面)の富士IC-清水JCTが度々通行止になる。
東京ICから小牧ICまでの直線距離は248.4km[1]であるが、東名の延長距離は346.8kmと、約98kmも迂回している(東海道新幹線の東京駅-名古屋駅とほぼ同じ距離)。
毎年10月に2週間(土・日・祝日を除く)の工期で「東名集中工事」が実施されている(後述)。
道路名
「東名高速道路」の名称は東京IC-小牧IC間の道路名であり、小牧IC以西の道路名は「名神高速道路」である。便宜上、名古屋IC-小牧ICを名神に含める場合もある。法令(国土開発幹線自動車道建設法の別表、高速自動車国道の路線を指定する政令の別表)による路線名は、それぞれ第一東海自動車道、中央自動車道西宮線である。また、中央自動車道西宮線は、東京都から西宮市までの一貫した路線であるため、小牧JCTから小牧ICまでは重複している。これは、逆にすると、高速自動車国道の路線11,520kmの内訳である第一東海自動車道(東名)347kmと中央自動車道西宮線(名神)465kmと合わなくなることからもわかる。
「高速道路」という呼称を使用しているのは、現在、新東名・東名と新名神・名神のみであるが、これは東名・名神の計画・建設の進められる過程で広く民間において「高速道路」という通称が使用され、一般的に定着して馴染みがある名称となったという歴史的な背景を考慮して採用されたものである[2]。ただし新聞等のメディアでは、東名開通後も暫く「東名高速自動車道」「名神高速自動車道」と表記していた[3]。しかし、現在では東名高速道路を指して「東名自動車道」あるいは「東名道」と呼んだり、逆に他の高速自動車国道を指して「中国高速道路」「関越高速」「東北高速」などとは呼ばれることは少ない。ただし日常生活の場面において、しばしば沿線案内においては○○高速と呼ばれることもある。なお、中央道については開通当初「中央高速道路」と称していたこともあり、現在でも中央高速と呼ばれることがある(中央道日野バス停付近を並走する一般道路の看板には、中央高速と書かれている)。近年開通した新東名、新名神についてはそれぞれ東名、名神のバイパスルートとして建設されたという経緯を踏まえた特例である。逆に一部のサービスエリアの案内板や一部の公的文書[4]などにおいて「東名高速道路」「新東名高速道路」「名神高速道路」「新名神高速道路」の略称として「東名道」「新東名道」「名神道」「新名神道」と表記されるケースもある。
新東名高速道路との関係
新東名高速道路は東名と並行しながらもより短絡しており、御殿場JCT-三ヶ日JCTで新東名-(浜松いなさJCT)-引佐連絡路を利用した場合、従来の東名経由より約10kmの短縮になっている。複数ルートが選択出来る場合は最短ルートの通行料金が適用されるため、御殿場IC以東⇔豊川IC以西を相互に利用した場合は従来より通行料金が値下げされた。
また、新東名においては台風などの高波による通行止めや大規模地震による路面点検などの通行止等、現行の東名では常識的に行われていた処置を最小限にかつ迅速に対応して東西の物流確保に対応している。
2012年4月14日に御殿場JCT-浜松いなさJCT・連絡道の清水JCT-新清水JCT・浜松いなさJCT-三ヶ日JCTがそれぞれ開通し、今後 浜松いなさJCT-豊田東JCTが2015年度、海老名南JCT(仮称)-厚木南IC(仮称)が2016年度、厚木南IC(仮称)-伊勢原北IC(仮称)が2018年度、伊勢原北IC(仮称)-御殿場JCTが2020年度に順次開通予定である。
歴史
- 1966年 - 東京~静岡の建設に対し、世界銀行から1億ドルの融資
- 1968年4月25日 - 東京IC~厚木IC、富士IC~静岡IC、岡崎IC~小牧IC開通し、小牧ICで名神高速道路と接続
- 1969年2月1日 - 静岡IC~岡崎IC開通
- 1969年3月31日 - 厚木IC~大井松田IC、御殿場IC~富士IC開通
- 1969年5月26日 - 大井松田IC~御殿場IC開通により全線開通
- 1972年10月5日 - 小牧JCT開通により中央自動車道と接続
- 1974年3月26日 - 浜松西IC開通
- 1979年7月11日 - 日本坂トンネル火災事故
- 1981年4月25日 - 秦野中井IC開通
- 1986年11月21日 - 音羽蒲郡IC開通
- 1988年3月29日 - 裾野IC開通
- 1991年12月24日 - 大井松田IC~御殿場IC改築完了(上り2車線下り2車線を、上り3車線(新線)下り2+2車線(既存線転用)化)
- 1993年3月22日 - 東名三好IC開通
- 1993年3月25日 - 相良牧之原IC開通
- 1993年12月21日 - 掛川IC開通
- 1995年4月22日 - 大井松田IC~厚木IC6車線化完了
- 1998年3月20日 - 横浜青葉IC開通
- 1998年3月27日 - 日本坂トンネル新下り線(3車線)開通
- 1999年4月4日 - 磐田IC開通
- 2003年3月15日 - 豊田JCT開通により伊勢湾岸自動車道(豊田東IC)と接続
- 2003年10月19日 - 小牧ICで名古屋高速道路11号小牧線と接続
- 2004年11月27日 - 日進JCT開通により名古屋瀬戸道路と接続
- 2004年12月12日 - 豊田JCTが完成し伊勢湾岸自動車道(四日市方面)と接続
- 2007年5月31日 - 豊橋TBを廃止(豊橋北BS~豊川IC/BS)
接続高速道路
- 首都高速3号渋谷線(東京ICで直結)
- 東京外かく環状道路(東名JCTで接続 : 事業中)
- 川崎縦貫道路(II期)(宿河原JCTで接続 : 調査中)
- 横浜環状北西線(横浜青葉JCTで接続:事業中)
- 保土ヶ谷バイパス(横浜町田ICで接続)
- 首都圏中央連絡自動車道(海老名JCTで接続)
- 小田原厚木道路(厚木ICで接続)
- 新東名高速道路(伊勢原JCTで接続 : 事業中)
- 厚木秦野道路(秦野中井ICで接続 : 計画中)
- 新東名高速道路(御殿場JCTで接続)
- 伊豆縦貫自動車道(沼津ICで接続)
- 西富士道路(富士ICで接続)
- 新東名高速道路(清水JCTで接続)
- 新東名高速道路(三ヶ日JCTで接続)
- 三遠伊勢連絡道路(三ヶ日JCTで接続 : 調査中)
- 伊勢湾岸自動車道(豊田JCTで接続)
- 名古屋瀬戸道路(日進JCTで接続)
- 名古屋第二環状自動車道支線(名古屋ICで接続)
- 中央自動車道(小牧JCTで接続)
- 名古屋高速11号小牧線(小牧ICで接続)
- 名神高速道路(小牧ICで直結)
インターチェンジなど
(導入実験中のスマートICが設置されているSAやPAは、斜体 で示す。また、恒久化されたスマートICは、スマートICで示す。)
主なトンネルと橋
- 多摩川橋
- 尺里川橋
- 滝沢橋
- 皆瀬川橋
- TN 大和 (横浜町田IC~厚木IC)
- 相模川橋
- TN 吾妻山
- TN 都夫良野(大井松田IC~御殿場IC)
- TN 新都夫良野(上り)
- TN 鳥手山(上り)
- TN 太郎ヶ尾(上り)
- TN 北畑(上り)
- TN 桜平(上り)
- TN 高尾(上り)
- TN 蒲原(富士IC~清水IC)
- TN 奥津
- TN 清見寺
- TN 袖師
- 安倍川橋
- TN 日本坂 (静岡IC~焼津IC)
- 大井川橋
- 天竜川橋
- 浜名湖橋
- TN 宇利 (三ケ日IC~豊川IC)
- 矢作川橋
トンネルの数
区間名 | 上り線 | 下り線 |
---|---|---|
東京IC~横浜町田IC | 0 | 0 |
横浜町田IC~厚木IC | 1 | 1 |
厚木IC~大井松田IC | 0 | 0 |
大井松田IC~御殿場IC | 9 | 2 |
御殿場IC~富士IC | 0 | 0 |
富士IC~清水IC | 5 | 5 |
清水IC~静岡IC | 0 | 0 |
静岡IC~焼津IC | 1 | 1 |
焼津IC~三ヶ日IC | 0 | 0 |
三ヶ日IC~豊川IC | 2 | 2 |
豊川IC~小牧IC | 0 | 0 |
合計 | 18 | 11 |
ハイウェイラジオ
(路側放送)
- 東京(東京IC~東名川崎IC)
- 横浜青葉(東名川崎IC~横浜青葉IC)
- 港北(横浜青葉IC~横浜町田IC)
- 横浜(港北PA~横浜町田IC)
- 海老名(横浜町田IC~厚木IC)
- 厚木(厚木IC~秦野中井IC)
- 秦野中井(厚木IC~秦野中井IC)
- 中井(秦野中井IC~大井松田IC)
- 大井松田(大井松田IC~御殿場IC)
- 都夫良野(大井松田IC~御殿場IC)
- 鮎沢(大井松田IC~御殿場IC 上りのみ)
- 御殿場(大井松田IC~御殿場IC)
- 駒門(御殿場IC~裾野IC)
- 裾野(裾野IC~沼津IC)
- 沼津(裾野IC~沼津IC)
- 愛鷹(沼津IC~富士IC)
- 富士(富士IC~清水IC)
- 由比(富士IC~清水IC)
- 清水(富士IC~清水IC)
- 静岡(清水IC~静岡IC)
- 日本坂(静岡IC~焼津IC)
- 焼津(焼津IC~吉田IC)
- 牧之原(吉田IC~相良牧之原IC)
- 相良牧之原(相良牧之原IC~菊川IC)
- 菊川(掛川IC~掛川IC)
- 浜松(磐田IC~浜松IC)
- 浜松西(浜松IC~浜松西IC)
- 三ヶ日(浜松西IC~三ヶ日IC)
- 豊橋(三ヶ日IC~豊川IC)
- 豊川(豊川IC~音羽蒲郡IC)
- 岡崎(音羽蒲郡IC~岡崎IC)
- 岡崎西(岡崎IC~豊田JCT)
- 豊田(豊田JCT~豊田IC)
- 名古屋(東名三好IC~名古屋IC)
- 春日井(名古屋IC~春日井IC)
- 小牧(小牧JCT~小牧IC)
この節を書こうとした人は途中で寝てしまいました。後は適当に頑張って下さい。 |
制限速度
ほとんどの区間は制限速度が100km/hで速度規制はないが、日本坂トンネルなど一部区間では80km/h制限となっているところがある。 また、他の高速道路と同様、雨天・濃霧・台風などの荒天時は50km/hの速度規制が行われる。
街灯設置区間
通過市町村
利用状況(2002年度)
- 区間別日平均交通量(全区間平均) - 76,657台(前年度比99.5%)
- 区間別に見ると横浜町田IC~厚木ICが126,614台(前年度比98.9%)で最大である。
- 交通量
- 年間 - 151,416,468台(前年度比98.8%)
- 日平均 - 414,840台
- 料金収入
- 年間 - 258,859,816,000円(前年度比99.0%)
- 日平均 - 709,205,000円
他路線と比べた東名高速の利用の特徴としては、東海道の物流の大動脈を担っていることから、夜間でも走行台数があまり減らないことと、大型車の割合が高いことがあげられる。特に深夜帯は、走行車両の大半が大型トラックである。
脚注
- ↑ 距離測定:キョリ測(ベータ)
- ↑ 国土交通省道路局 道の相談室
- ↑ 朝日新聞1969年5月27日
- ↑ “今般の大雪による道路における対応状況とみなさまへのお願い”. 国土交通省道路局 (2014年2月18日). 2014年2月19日閲覧。PDF
関連項目
外部リンク
|