安房鴨川駅
安房鴨川駅(あわかもがわえき)は、千葉県鴨川市横渚(よこすか)にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
概要
線路は繋がっているが、内房線と外房線それぞれの終着駅である。そのため、当駅から発車する列車は上りしか存在しない。1997年(平成9年)頃までは両路線を相互に直通(当駅を経由)する普通列車が設定されており、急行列車は1975年(昭和50年)3月まで両路線を循環運転していた。両路線の相互直通を頻繁に行うと、車両の向きが容易に反転する不都合が起きるため、現在、定期列車は内房線・外房線共にすべて当駅で折り返しを行っている。なお、内房線にあたる区間が北条線として先に当駅まで開業し、外房線にあたる区間は後から当駅に乗り入れたため、当駅の所属線は内房線となっている[1]。
内房線は普通列車のみだが、外房線は普通列車のほか特急「わかしお」も当駅まで来ている。また「わかしお号」は鴨川シーワールドの無料送迎バスと接続をするダイヤが設定されている。「わかしお」号の一部は当駅から勝浦駅までの区間を普通列車として運転する。なお普通列車は一部を除き内房線、外房線相互の上り列車を対面接続する。
また、2007年(平成19年)に開催された「ちばデスティネーションキャンペーン」では、多数の臨時列車が当駅に発着した。
歴史
- 1925年(大正14年)7月11日 - 北条線(現在の内房線にあたる)の駅として開業。
- 1929年(昭和4年)4月15日 - 房総線の安房鴨川延伸により北条線を房総線に編入。房総線の駅となる。
- 1933年(昭和8年)4月1日 - 房総線が当駅で房総西線と房総東線に分割される。房総西線所属駅となる。
- 1972年(昭和47年)7月15日 - 路線名称変更により、房総西線が内房線、房総東線が外房線となる。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄の分割民営化により、東日本旅客鉄道の駅となる。
- 1988年(昭和63年)4月14日 - 東西自由通路跨線橋開通。
- 1989年(平成元年)3月25日 - 西口駅前ロータリー完成。西口開発へ。
- 2006年(平成18年)8月 - 駅舎改装。
- 2008年(平成20年)3月 - 構内ホーム間跨線橋のエレベーター稼働開始。
- 2009年(平成21年)
- 2012年(平成24年)4月 - 西口ロータリー整備完了[2]。
駅構造
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを持つ地上駅になっている。ホーム同士を結ぶ跨線橋には、エレベーターが設置されている。自由通路にも2009年(平成21年)3月3日にエレベーターが設置された。
直営駅であり、管理駅として外房線の安房小湊駅と安房天津駅、内房線の江見駅と太海駅を管理している。みどりの窓口(営業時間:6時30分 - 20時)があり、2009年(平成21年)3月14日に指定席券売機・自動改札機(suica対応)が導入された。ほかにNEWDAYS・南総軒(駅弁販売)がある。
駅舎は東口にあり、前原海水浴場などへ便利である。市役所、イオンなどがある西口があり、東口とは改札外の自由通路で結ばれる。
駅西側に留置線が3本あり、夜間などは車両が留置される。この場合、回送電車は一度太海駅方面に車両を発車し、折り返す形で留置線に入線してくる。従って、駅のすぐ太海駅側にある太一号踏切では、回送電車がここを通る場合は「開かずの踏切」となり、しばしば渋滞が発生する。
1番線のホーム上には地震計が設置されている。2010年(平成22年)2月10日より外房線PRC型自動放送が導入されたが、発車放送のみ従来通り巌根型放送のままである。
のりば
番線 | 路線 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | ■外房線 | 勝浦・蘇我・千葉・東京方面 | 主に特急 |
2 | ■外房線 | 勝浦・蘇我・千葉・東京方面 | 主に普通 |
3 | ■内房線 | 千倉・館山方面 |
運転番線 | 営業番線 | ホーム | 勝浦方面着発 | 館山方面着発 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 11両分 | 到着・出発可 | 到着・出発可 | |
2 | 2 | 11両分 | 到着・出発可 | 到着・出発可 | |
3 | 3 | 11両分 | 到着・出発可 | 到着・出発可 | |
4 | ホームなし | 不可 | 不可 | 留置線 | |
5 | ホームなし | 不可 | 不可 | 留置線 | |
6 | ホームなし | 不可 | 不可 | 留置線 |
- 外房線・内房線とも終着駅であり当駅を通過することはできない。(場内信号機に進行現示がない)
- 運転4 - 運転6番線と、ホームとの入出区は、太海方の内房線本線上にてスイッチバックを行う。
- 夜間、1・3番線、運転4番 - 6番線に特急および普通列車が留置される。日中にも運転4番 - 6番線に留置される車両がある。
* 参考資料:「JR東日本全線【決定版】鉄道地図帳」 第4巻 「水戸・千葉支社管内編」 『学研』 2010年3月
利用状況
JR東日本および千葉県統計年鑑によると、1日の平均乗車人員の推移は以下の通りである。
年度 | 一日平均 乗車人員 |
---|---|
1990年 | 3,433 |
1991年 | 3,475 |
1992年 | 3,251 |
1993年 | 3,573 |
1994年 | 3,372 |
1995年 | 3,201 |
1996年 | 2,995 |
1997年 | 2,713 |
1998年 | 2,501 |
1999年 | 2,354 |
2000年 | 2,309 |
2001年 | 2,201 |
2002年 | 2,042 |
2003年 | 1,987 |
2004年 | 1,951 |
2005年 | 1,925 |
2006年 | 1,871 |
2007年 | 1,803 |
2008年 | 1,695 |
2009年 | 1,678 |
2010年 | 1,531 |
2011年 | 1,407 |
2012年 | 1,414 |
駅周辺
- 鴨川市役所
- フローレ鴨川(イオン鴨川店)
- 鴨川市役所鴨川駅西口市民サービスセンター
- 鴨川郵便局
- 前原海水浴場
- 魚見塚展望台
- 一戦場スポーツ公園
- みんなみの里
- 大山千枚田
- 金山ダム - 桜の名所
- 鴨川温泉「なぎさの湯」源泉地
- 粟斗温泉
- 鴨川シーワールド
- 千葉県立長狭高等学校
- 文理開成高等学校
- 国道128号
- 千葉県道34号鴨川保田線(長狭街道)
- 千葉県道247号浜波太港線
- 亀田総合病院
- 東洋大学鴨川セミナーハウス
バス路線
のりば | 系統 | 主要経由地 | 行先 | 運行会社 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
安房鴨川駅(西口) | アクシー号 | 木更津金田バスターミナル | 東京駅八重洲口前・浜松町 | 鴨川日東バス 日東交通 京成バス |
|
カピーナ号 | 亀山・藤林大橋・久留里駅前・蘇我駅・県庁 | 千葉駅 | 鴨川日東バス 日東交通 千葉中央バス |
||
木更津鴨川線(急行) | 長狭学園正門前・宿原・かずさアーク | 木更津駅東口 | 鴨川日東バス | ||
鴨川駅西口 | 急行くろしお号 | お花畑・南三原駅前・千倉役場 | 安房白浜 | 館山日東バス | |
鴨川市内・館山線(急行) | お花畑・南三原駅前 | 館山駅 | 鴨川日東バス 館山日東バス |
1日1本 | |
大学線 | 早稲田大学鴨川セミナーハウス | 城西国際大学観光学部 | 鴨川日東バス | ||
鴨川シーワールド | 亀田病院 | 鴨川日東バス 館山日東バス |
|||
北ルート | ふれあいセンター | 金山ダム | 鴨川市コミュニティバス | ||
亀田総合病院・浦の脇・天津駅前・小湊駅前 | 鯛の浦 | ||||
南ルート | ふれあいセンター・浦の脇・東条病院 | 鴨川駅前 | |||
曽呂十字路・曽呂小学校・畑青年館 | 曽呂終点 | ||||
鴨川シーワールド | 無料送迎バス | ||||
鴨川駅(東口) | 鴨川市内・館山線 | 太海駅・仁右ヱ門島入口・お花畑・南三原駅前 | 館山駅 | 鴨川日東バス 館山日東バス |
|
鴨川シーワールド・亀田病院・天津駅・小湊駅 | 興津駅 | ||||
鴨川シーワールド | 亀田病院 | 鴨川日東バス | |||
金谷線 | 長狭学園正門前・金束・保田中央 | 東京湾フェリー | 鴨川日東バス | ||
長狭線 | 長狭学園正門前・金束 | 平塚本郷 | |||
太海線 | 横渚橋 | 太海公民館 | 平日のみ運行 | ||
南ルート | 東条病院・浦の脇・ふれあいセンター・鴨川駅西口 | 曽呂終点 | 鴨川市コミュニティバス |
その他
- 太海駅 - 当駅間は強風の影響を受けやすく、しばしば速度規制や運転中止になる。
隣の駅
※外房線の特急「わかしお」の隣の停車駅は列車記事を参照されたい。
脚注
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
- ↑ 鴨川駅西口ロータリー 市の改修工事が終わる