日産・アトラス
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アトラス(ATLAS )は、日産自動車が販売する小型および中型トラックである(製造は1tクラスがオートワークス京都、2tクラスが三菱ふそうトラック・バス)。
1t積クラスと2-4t積がラインナップされる。欧州と台湾、シンガポールでは1tクラスの「アトラス10」が「キャブスター」の名で販売されている。
1tクラス
初代 F22型系(1982年-1992年)
アトラス100 / 150
- 1982年2月
- F20系キャブスター/ホーマーの後継車種として、F22系「アトラス100/150」を発表。エンジンはガソリンエンジンがZ20型、Z16型、ディーゼルエンジンがSD25型、SD23型。
- 後に当時のほかの小型トラックメーカーと同様、ウォークスルーバンをラインナップに加える。
- フロントウインドシールド、ドアガラス、ドアは2代目「キャラバン」 / 「ホーミー」とほぼ共通(ドアはホイールアーチ部のプレスが異なる)。
- 1983年7月
- マイナーチェンジ。「NISSAN」のロゴマークが一新される。
- 1985年5月
- インド アルウィン日産にてアトラスの生産を開始。
- 1986年11月
- マイナーチェンジ。ディーゼルエンジンがSD23型、SD25型からTD23型、TD27型に変更された。
- 1988年10月
- マイナーチェンジ。
- 1990年6月
- マイナーチェンジ。ガソリンエンジンをZ16型、Z20型からNA16型、NA20に変更。また、平成2年排出ガス規制適合。
2代目 F23型系(1992年-2007年)
アトラス10
- 1992年1月
- F23系にモデルチェンジ。
- 搭載エンジンは、TD23型、TD27型ディーゼルと、NA16S型、NA20型ガソリンの計4種。
- 1993年11月
- マイナーチェンジ。
- 1995年
- フロントグリルのデザインが変更される。
- 1995年6月
- TD23型ディーゼルエンジンをTD25型に変更。
- 日産ディーゼル販売[1]向け「コンドル」1 - 1.5トン系を新設定、通称は「コンドル次郎」。
- いすゞ自動車に「エルフ100」としてOEM供給を開始。
- 1995年8月
- ガソリンエンジンのNA16S型が廃止される。
- 1997年8月
- 新しいディーゼルエンジンQD32型を追加。
- 1999年6月1日
- マイナーチェンジ。
- フロントグリルやバンパーの形状変更など、内外装の意匠変更がなされ、搭載ガソリンエンジンを直列4気筒 OHC NA20SからDOHC KA20DE型に変更、直列4気筒OHVディーゼルのTD27型およびQD32型の3機種となる。また、1tおよび1.25t積みの2WD車を1.3t積み車に統合。
- 2000年10月23日
- オーテックジャパンの手による、KA20型LPG仕様エンジンを搭載する「アトラスLPG」を追加。
- 2002年8月21日
- 一部改良。
- CIを変更し、全車平成12 / 13年騒音規制に対応、パワーウインドウ、タコメーター等の標準装備、オートマチック車へのシフトポジションインジケーターの採用、リモートコントロールエントリーシステムのオプション設定した。
- 2004年8月23日
- 一部改良。
- QD32型エンジンを改良。装備を向上させる。なお、この改良により、全車に運転席SRSエアバッグシステムが標準装備された。
3代目 F24型系(2007年-)
アトラスF24
- 2006年9月20日
- キャブスターとして、まず欧州で発表。
- 新会社「日産ライトトラック」が世界戦略車として開発し、プラットフォームは、新開発のLDTプラットフォームが採用された。
- なお、欧州仕様車は日本仕様車よりもバンパーが大型化されており、2.5Lと3Lのコモンレールディーゼルエンジンが搭載される。
- 2007年6月14日
- F24型として日本で発売開始。
- エンジンは新長期規制対応ディーゼルエンジンのZD30DDTi型と、ガソリンエンジンのQR20DE型を搭載。トランスミッションは最大積載量、エンジンの種類により、5速AT、5速MT、6速MT、6速AMT(機械式AT)が設定される。
- 従来の最大積載量は1.5トンまでであったが、このモデルより1.75 - 2t積みも追加された。なお、1.75 - 2t積みは、6MTおよび6AMTとディーゼルエンジンのみが組み合わされ、6MTは1.15 - 1.5t積みには用意されていない。さらに、1.15t-1.5t車と1.75 - 2.0t積み車は、カタログや公式ウェブサイトが別々になっている。
- 欧州ではボルボ系のルノートラックへ「マクシティ (Maxity) 」という名称でOEM供給されている。
- 2007年7月11日
- OEM車のいすゞ・エルフ100がフルモデルチェンジ。
- 2007年7月20日
- OEM車の日産ディーゼル・コンドル 1.0t - 2.0t車がフルモデルチェンジ。
- 2009年7月30日
- 2t系シングルキャブ車に平成27年度燃費基準達成車を追加。エンジン出力特性およびトランスミッションのギア比が変更され、燃費が向上された。
- 2009年11月12日
- 中国で鄭州日産汽車が「NT400キャブスター」として発売を開始
- 2010年3月1日
- 一部改良。
- サイドターンランプの形状を変更し灯火器規制に適応し、加えてキー付グローブボックスの標準装備化やセットオプションの追加を行い、仕様向上。
- 2010年8月30日
- 一部改良(9月15日販売開始)。
- 1.5t系ディーゼル車でエンジンの燃焼効率を改善したことで、「平成27年度燃費基準」を達成。同時に全車でシートの色味やデザインも変更された。
- 2011年1月15日
- 「キャンターガッツ」として三菱ふそうトラック・バスへOEM供給を開始。2010年4月にダイムラーAGとルノー・日産アライアンスとの戦略的協力関係に基づき、ダイムラーAGのトラック事業における戦略的提携パートナーである三菱ふそうトラック・バスとの間で2010年12月8日に締結された商品相互供給に関する基本契約に基づいて行われるものである。また、2年後の2013年には三菱ふそうトラック・バスがキャンターを「NT450アトラス」として日産自動車へOEM供給している(後述)。
- 2011年3月
- 生産委託先を、UDトラックスからオートワークス京都に変更する。
- 2011年11月24日
- 1.5t系ディーゼル車を一部改良。
- ディーゼルエンジンの低圧縮比化、コモンレール式超高圧燃料噴射システムの採用、酸化触媒及びDPF容量の拡大化などで排出ガス性能を大幅に向上。これにより、「平成22年基準排出ガスPM30%低減レベル」を達成するとともに、2WD車は「平成27年度燃費基準」も達成した。併せて、一部グレードではタイヤのサイズアップなどの仕様変更を行った。
- 2012年3月2日
- 2t系ディーゼル車を一部改良。
- エンジンの低圧縮比化、コモンレール式超高圧燃料噴射システムの改良、酸化触媒及びDPF容量の拡大化などで排出ガス性能を大幅に向上したことで「ポスト新長期排出ガス規制(平成22年排出ガス規制)」に適合するとともに、エンジンの燃焼効率の改善とトランスミッションのギア比変更により燃費も向上され、「平成27年度重量車燃費基準」を達成した。
- 2012年6月22日
- 一部改良。
- 全車でシートベルトアンカーの強化要件への対応を行い、木製荷台仕様全車で後部反射板(シール)の追加設定を行った。また、ガソリン車においては「平成27年度燃費基準+5%」達成の対象車種が拡大し、「平成27年度燃費基準+10%」達成の対象車種が新たに設定された。併せて、2t系には標準尺・1.85t積みダブルキャブを追加設定した。
- 2013年1月25日
- 特装車のドライバン、冷蔵・冷凍車を一部改良。
- エルグランドやスカイラインクロスオーバーなどで採用されている「アラウンドビューモニター」をトラック用に進化させた「マルチビューモニターシステム」を世界で初めて搭載。
- 荷台上面4ヶ所に配置されたカメラで車両周囲の様子をとらえ、運転室内上部に設置されたハイマウントモニターにその様子を映し出すことで運転シーンにおける安全確認をサポートする。ドライブモードで運転している時はルームミラーで後方を見ているのと同様の映像「ルームミラービュー」が表示されているが、リバースモードでは駐車時に最適な車両を上方から見下ろしている映像「トップビュー」に切り替わる。また、建物の軒下との干渉を確認できる車両後部上方の映像「ルーフビュー」や車両後方障害物の確認をサポートする「リアビュー」も設定されているほか、右左折の際のターンレバー作動時には車両前部から後部までの側面周囲の映像「サイドビュー」が表示され、特に左折時の巻き込み防止に効果的である。
- 2013年6月6日
- 一部改良。
- 1.5t系のディーゼル2WD車においてポスト新長期排出ガス規制(平成22年排出ガス規制)に対してNOxを10%低減させたことにより、「低排出ガス車(平成21年排出ガス基準10%低減レベル)」認定を取得した。
4代目 F25型系(2013年-)
アトラスF25
- 2013年11月
- F25型として海外で発売。先代と基本的なメカニズムはほぼ同一だが、内外装は大きな変更が行われる見通し。
2-4tクラス
初代 H40型系(1981年-1992年)
アトラス200 / 300
- 1981年12月
- キャブオール/クリッパーの後継車種として、H40系「アトラス200/300」を発表。
- 1985年5月
- インド アルウィン日産にてアトラスの生産を開始。
- 1988年10月
- マイナーチェンジ。
- 1990年6月
- マイナーチェンジ。ガソリンエンジンをZ20型からNA20型に変更。
2代目 H41型系(1991年-1995年)
アトラス200 / 300
- 1991年10月
- H41系・標準キャビンをモデルチェンジ。エンジンはFD46、FD42、BD30のディーゼルエンジン3機種。
- 1992年1月
- ワイドキャビンがモデルチェンジ。
- 1993年11月
- マイナーチェンジ。
3代目 H42型系(1995年-2007年)
アトラス20 / 30
- 1995年6月
- いすゞ自動車から「エルフ」のOEM供給を受け、AKR、AKS、APR、APS型(社内型式H42型)となる。
- 1998年11月26日
- オーテックジャパンの手によるセミキャブオーバータイプ「アトラス MAX」を追加。同時にCNGエンジン仕様を追加。
- 1999年5月13日
- マイナーチェンジ。フロントグリルのメッキ化やシート生地の変更のほか、平成10年排出ガス規制適合、ターボエンジンの排気量アップ(4.8L→5.2L)等が施された。
- 1999年12月20日
- 3.1L 4JG2型エンジン搭載車、および4.6L 4HG1型エンジン搭載車に七都県市低公害車指定制度、京阪神六府県市低NOx車指定制度などに適合する指定低公害車を追加。あわせてフロント独立サスペンション車をワイドキャビン系に設定、5.0L 4HJ1型および4HJ1N型エンジン搭載車を標準キャビン系に追加。
- 2000年10月23日
- 4HG1型エンジンをベースとする4HG1-LPGエンジンを搭載する「LPG車」、および「ルートバン」を追加。
- 2001年1月31日
- 一部改良。クラッチフリー機能付のデュアルモードマニュアルトランスミッションを一部グレードを除き拡大設定。積載量3t車に小型貨物(4ナンバー)を追加設定。
- 2002年6月12日
- マイナーチェンジ。CI変更を含むフロントグリル意匠変更をはじめ、平成13年騒音規制への対応のほか、新型マニュアルトランスミッションの採用や搭載エンジンを変更し、一部のエンジンについては平成15年排出ガス規制に対応した。
- 2003年9月12日
- 1.5t積車を追加。EGRを備える3.1Lディーゼル4JG2型エンジンを搭載。また、オーテックジャパンより4WDの2コンプレッサー式冷凍車などが発売された。
- 2004年6月9日
- マイナーチェンジ。灯火器具類の保安基準変更の関係でフロントまわりのデザインを大幅変更。クラッチペダルの無いMT(スムーサーE)を2トン系車種に標準装備。マツダ・タイタンと共通キャブおよびシャシ(4姉妹化)となる。また、エルフはフロントガラス下部が黒のままだが、アトラスはボディ同色に変更された。
- 2005年5月10日
- CNG車をマイナーチェンジ。マルチポイントインジェクション (MPI) 方式燃料噴射システムを採用する4.6Lエンジンを搭載。
4代目 H43型系(2007年-2012年)
- 2007年1月30日
- 3代目に引き続きいすゞ自動車から「エルフ」のOEM供給を受け発表・発売。新長期規制に対応した。社内型式はH43型。
- 2007年9月28日
- CNG車、ディーゼルハイブリッド車モデルチェンジ。
- 2009年4月23日
- 一部改良。2トン系、4トン系、4.5トン系車に加え、新たに3トン系車が平成27年度重量車燃費基準を達成。同時に一部仕様を向上し、「DX」にはフォグランプが標準装備化され、全車サイドターンランプが標準装備となった。
- 2009年10月15日
- 3トン系ワイドキャブ(MT車)が平成27年度燃費基準を達成。
- 2010年3月10日
- 3トン系ワイドキャブ(スムーサーEx車)の燃費を向上し、平成27年度燃費基準を達成。同時にCNG車はポスト新長期規制に適合。
- 2011年7月25日
- 一部改良。ディーゼルエンジン車は5.2Lを廃止して4JJ1型 3.0Lエンジンに統一し、ダウンサイジングを図ることで環境性能の向上と燃費性能を両立。本エンジンはあらゆる負荷領域でターボ効果を高める2ステージターボ過給システムや超高圧コモンレール燃料噴射システム・高効率EGRの採用により動力性能が向上したことで燃費効率を向上。また、排出ガス性能の向上によりNOxの削減も実現した。これらにより、ほぼすべてのタイプが「平成27年度燃費基準」を達成するとともに、平成22年基準排出ガス規制も適合した。また、尿素水フリー設計としたことで、尿素水タンクや関連デバイスが不要となった結果、車体重量や排出ガス後処理システム容積の増加を抑制し、従来の積載量・架装性を確保した。さらに、安全規制の強化に対応すべく、フロントアンダープロテクターや大型後部反射器を採用した。
- 2012年4月16日
- 一部改良。既に適合済みの平成22年基準排出ガス規制において、PM30%低減レベルに加え、ほとんどの車種においてNOx10%低減レベルを達成したことで「平成21年排出ガス基準10%低減レベル(低排出ガス車)」に認定された。併せて、万一の衝突の際、乗用車が車体の下に潜り込むことを抑制するリアアンダーランプロテクターの新基準にも適合し、安全規制の強化にも対応した。
5代目 H44型(2013年-)
- 2012年11月8日
- フルモデルチェンジを発表(2013年1月8日販売開始)。前述の商品相互供給に関する基本契約に基づき、ベース車種をエルフからキャンターに変更するとともに、車種名を「NT450アトラス(エヌティー よんごうまる アトラス)」に改名した[2]。
- エンジンは3.0Lディーゼルエンジンの4P10型となり、低燃費と環境性能を両立。トランスミッションは5速マニュアルに加え、トラック唯一のデュアルクラッチを採用した機械式6速オートマチックミッション「DUONIC(デュオニック)」を設定。クラッチ操作不要の2ペダル方式を採用したことでオートマチック限定免許でも運転でき、マニュアル操作に不慣れ者でも簡単に運転できる。また、湿式多板クラッチの採用でスムーズな坂道発進とアクセル操作なしでクリープ走行時の速度コントロールを実現した。先代でもラインナップされていたハイブリッド車も設定されており、超薄型モーターとリチウムイオンバッテリーを搭載。発進時はモーターのみで走行するので実用燃費の向上に寄与する。これらにより、全車で「低排出ガス車(平成21年基準排出ガス規制10%低減レベル)」認定を取得し、「平成27年度燃費基準(アイドリングストップ搭載車は平成27年度燃費基準+5%、ハイブリッド車は平成27年度燃費基準+10%)」を達成した。なお、NT450アトラスはエンジン進化型エコカー「PURE DRIVE(ピュアドライブ)」の車種となっているため、フロントドア下に「PURE DRIVE(ハイブリッド車は「PURE DRIVE / HYBRID」)」エンブレムが装着される。
アトラスMAX
1998年11月26日、1996年に生産終了となったアトラスロコの後継として、ウォークスルーバンタイプのアトラスMAXを発表・発売。いすゞとのOEM契約の一環で、エルフUTのバッジエンジニアリング車となったため、メーカーロゴとエンブレム以外はエルフUTと同一である。
ラインナップは
- 1.5トン積み:4JG2型 3.1Lディーゼルエンジン・5MT/4AT(KC-AHR69K)
- 2トン積み:4HF1型 4.3L ディーゼルエンジン・5MT/4AT(KC-AKR66K)
- 2トン積み:4HF1型改 4.3LCNGエンジン(125馬力)・5MT(KC-AKR66LAV)
の5種類。
東京渡しの希望小売価格は、ディーゼル車が259/279、296/322万円(5MT/4AT)、CNG車が507.5万円。
1999年の改良で、平成10年自動車排出ガス規制に適合し、識別記号が「KK-」となった。
車名の由来
ギリシャ神話に登場する、「地球を双肩に担ぐ大力無双の巨人」、「アトラス」から。
関連項目
- 日産ディーゼル・バイソン - コンドル20 / 30の前身。
- 日産ディーゼル・コンドル
- いすゞ・エルフ
- マツダ・タイタン
- 日産・LDTプラットフォーム
- 三菱ふそう・キャンター
- UDトラックス・カゼット
脚注
- ↑ 現在のUDトラックスジャパンと群馬日産ディーゼル&ロジスティクス
- ↑ なお、日本国内向けの車種で車種名にNISSAN TRUCKを略した"NT"がつくのは三菱・ミニキャブトラックのOEM車種であるNT100クリッパーに次いで2車種目となる
外部リンク
1tクラス車
- 日産:アトラスF24 トラック/マイクロバス Webカタログ トップ
- キャブスター(F24型英国仕様)
- WEBカタログバックナンバー アトラス10(F23・後期I型)
- WEBカタログバックナンバー アトラス10(F23・後期II型)
- WEBカタログバックナンバー アトラス10(F23・後期III型)