mixi
mixi(ミクシィ)は、株式会社ミクシィが運営する、国内最大級のシェアを持つソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)である。
目次
歴史
2004年2月にサービス開始。Gocoo(2003年12月開始、2005年6月終了)、GREE(2004年2月開始)と並び、日本では最も早い時期からサービスを展開していたSNSのひとつである。
サービス名の「mixi」は、公式サイトの説明によると、「mix(交流する)」と「i(人)」を組み合わせた造語で、利用者同士の交流が深まることを願って名づけられたもの。
ミクシィ、身売りを検討 (2012年5月)
突然不自然な経営体制刷新
日本のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)業界を牽引してきたミクシィが身売りを検討していることが明らかになった。社長の笠原健治氏が保有する約55%の株式について、売却に向けた交渉への参加を複数の企業に打診し始めた。近く行われる入札にはグリーやDeNA(ディー・エヌ・エー)といった競合他社などが参加する見通しだ。
ある金融筋は「今春、ミクシィから競合他社に株式売却の話が持ち込まれた」と証言する。笠原社長の意を受けた証券会社が株式の売却を持ちかけたといい、「第一段階では笠原社長の保有株式の一部を譲渡して資本提携し、その後、将来的に全株式を放出する案が示された」と続ける。
ミクシィが身売りを検討するのは、今回が初めてではない。過去に一度、ヤフーとの間で資本提携が実現まであと一歩のところまで進んだことがある。両社の交渉は2011年2月末にプレスリリースを配信する直前まで進んだが、最終局面で条件が折り合わず結局、白紙に戻ってしまったという経緯がある。
ミクシィがSNSを開始したのは2004年2月。当初は同時期にサービスを開始したグリーに比べて圧倒的に多くの会員を獲得し、日本のSNS業界を牽引してきた。しかしその後、携帯電話に主軸を置き、ソーシャルゲームを事業の中心に据えたグリーとDeNAが急成長。一方、リーマンショックの影響やスマートフォンの台頭で、収益の大半をパソコンや携帯電話の広告に依存してきたミクシィの業績は低迷を続けた。
2011年11月には方針転換を決意し、従来から提供していたSNS上のアプリのうち、ゲームのみを集約した「ミクシィゲーム」を新設。他社に比べて出遅れていたソーシャルゲーム分野のテコ入れによって、広告モデルから課金収入モデルへのシフトを加速させている。
だが、グリーやDeNAに比べると業績の差は歴然としている。ミクシィの2012年3月期の売上高は前年同期比横ばいの133億3400万円。営業利益は同34.9%減の21億9400万円に落ち込み、純利益は7億4900万円と同45.8%減少した。
ミクシィへの資本参加に関心を示している1社と見られるDeNAの2012年3月期の売上高は1457億2900万円と、前年同期比29.3%増加した。純利益は同9.1%増の344億8500万円。同じく売却交渉に参加すると見られるグリーの2012年6月期の連結業績予想は売上高が1600億~1700億円、純利益は440億~500億円。こちらは前年度比2倍超の成長を見込む。
成長力の差は3社の時価総額に端的に表れている。ピーク時の2007年秋に約3000億円に達したミクシィの時価総額は約250億円にまで減少(5月14日時点)。DeNA(時価総額約3000億円)やグリー(同約3400億円)とは10倍以上の開きがある。
フェイスブック台頭で窮地
ミクシィが窮地に立たされた一番の理由は、世界最大手のSNSである米フェイスブックの国内市場での台頭だ。現在全世界で9億人を超すユーザーを持つ米フェイスブックだが、本格的な日本市場開拓は2010年から。完全実名によるSNS利用を推進するフェイスブックの存在は、ソーシャルゲームと一線を画してきたミクシィの独自性を奪い去った。
グリーやDeNAはゲームを通じて利用者同士がつながるが、ミクシィは知人や友人同士が現実でつながることを推し進めてライバルと差異化を図ってきた。そこに実名での利用を前提とするフェイスブックが本格参入してきたことで、ミクシィの立ち位置が不明瞭になり、利用者の多くがフェイスブックへと流れる結果となった。
ミクシィも無策だったわけではない。2011年8月にはフェイスブックが提供していた企業や団体が無料でマーケティングに利用できる「フェイスブックページ」に対抗し、「ミクシィページ」を開始。また、「タウン構想」を発表し、コミュニケーションの場をプライベート空間とそれ以外に分ける「ホーム・タウン構想」を掲げるなど、懸命にフェイスブックとの違いを打ち出してきた。
しかし、ミクシィが圧倒的な開発力を持つフェイスブックと対峙していくのはそもそも無理がある。IPO(新規株式公開)で巨額の資金調達を予定しているフェイスブックが今後、日本市場への攻勢を強めてくるのは確実で、単独での生き残りはますます難しくなる見込み。今回の株式売却交渉は、同業他社との連携に活路を求める動きと言える。
揺れるSNS業界
消費者庁が「コンプリートガチャ」と呼ばれるソーシャルゲーム内の課金システムの規制に乗り出す方針であることが報じられ、SNS各社の株価が軒並み急落した連休明け。コンプガチャの扱いを巡るSNS各社の経営トップの発言に注目が集まる中、ミクシィは5月11日、2012年3月期の決算発表に合わせて経営体制の刷新を発表した。
ただ内容は「突然で、不自然としか思えない」(SNS業界関係者)ものだった。これまで笠原社長とともにミクシィを率いていた原田明典副社長が取締役に降格したほか、経営管理を担当してきた小泉文明取締役が役員から退き、顧問に就任する内容だったためだ。
ミクシィは「笠原社長に権限を集中させ、意志決定を迅速にするためだ」と説明するが、当の笠原社長は決算発表会の席上で、「原田氏には今後も施策などのアドバイスをいただく」「引き続きいくつかの案件を担当してもらう予定」など、つじつまの合わない説明を繰り返した。
突然の経営体制刷新を身売りに向けた地ならしと見る向きがある一方、経営幹部の降格や退任を受け、証券業界では「ミクシィ社内が混乱状態にあるのではないか」と指摘する声もある。もしこれが真実なら、身売りを含めた同社の行方はさらに不透明なものになる。
SNSの「老舗」はなぜ間違えたのか(2012年6月)
国内最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス「mixi」を運営するミクシィが揺れている。5月には突然の幹部異動発表にともない、身売り報道さえあった。昨年末には「ネット視聴率調査」で訪問者数が急減したように見える「騒動」があり、成長のかげりまで指摘された。同じSNSの「フェイスブック」の勢いが加速するなか、国産のmixiはライバルを意識するあまり、自らのメリットを放棄しているように思える。
国内SNS市場では依然として大きな存在だが
ゴールデンウィーク明けの5月11日、ミクシィのホームページに副社長の原田明典氏の取締役降格と、取締役の小泉文明氏の顧問就任が掲載された。原田氏は2008年にNTTドコモからミクシィに入社し、メディアなどの取材でも前面に立つなど、ミクシィの最近の施策をけん引する中心的な存在と見られていた。
ミクシィが同日行った決算発表によると、12年3月期の売上高は133億3400万円で前年横ばいだったが、営業利益は34.9%減の21億9400万円、純利益も45.8%減の7億4900万円と落ち込んだ。さらに方針説明の発表でも、友人とのコミュニケーションは「ホーム」、ニュースやゲーム/コマースなどを「タウン」と分ける従来の「TOWN構想」を繰り返すにとどまった。mixiがどこへ進むのか、明確な方針を示さなかった。
mixiの12年3月時点の月間ログインユーザーは約1500万人で、登録ユーザーが約2700万人、ページビュー(PV)は200億もあるなど、日本のSNSでは依然として大きな存在である。だが、ログインユーザー数は一年前とほぼ変わらず、PVは一年前から100億も減少している。ユーザーの利便性を優先しているためページビューが出にくくなっているとミクシィは説明しているが、過去1年で3分の1を失っている。
ネットレイティングスによる「ネット視聴率調査」でも、12年4月の国内の「訪問者」はフェイスブックが1483万人、「ツイッター」は1486万人で、mixiが691万人、「グーグル+(プラス)」は303万人。フェイスブックの数値はmixiの約2倍だが、もはやネットでは大きな騒ぎにならなかった。
ミクシィはどこで間違えたのか。同社の歴史を振り返ってみた。
機能変更のたびにユーザーと摩擦
mixiのサービス開始は04年で、フェイスブックやグリーの「GREE」のサービス開始と同じ年だった。一時、「国内3大SNS」といわれたディー・エヌー・エー(DeNA)の「モバゲー」は06年の開始である。ソーシャルゲームで業績を伸ばしているGREEだが、サービス開始当時はmixiと同様にユーザーの交流中心のSNSだった。
グリーは04年9月に「GREE Night 2.0」 というイベントを開き、登録者数で国内ナンバーワンのSNSになったことを祝った。しかしその後、mixiが急追し05年夏に100万IDを突破した。GREEの100万人突破は07年だから、SNSではmixiに完全に後塵を拝していた。追い抜かれたGREEこの後、モバイルに活路を見出し、飛躍していく。
激動のなかでもmixiは順調にユーザーを増やし、様々な機能も追加していった。08年にはツイッターと同様な機能といえる「エコー」を用意し、これを09年には「mixiボイス」としてリニューアルしている。さらにフェイスブックの「ページ」と同様な「mixiページ」を11年に導入するなど、ライバルへの対策も打っている。
一方で、mixiでは大きな変更を行うたびに、ユーザーと摩擦が起こっていた。
例えば、07年10月の表示デザインのリニューアルや、08年3月発表の利用規約改定、09年3月のコミュニティの大量削除などでは、いずれもユーザーから反発があった。使い慣れたサービスを新しくする際には、ユーザーの反発があるものだが、毎年のようにユーザーの反対運動があるのも珍しい。最大のものは11年6月の「足あと」機能の廃止だろう。1万7000人分の実名署名が集まり、ミクシィへの陳情もあった。
「コミュニティ」へのアクセスを下げる方針に
反対運動の中核は、mixi内の「コミュニティ」だった。反対を議論するコミュニティが次々と立ち上がり、議論や署名活動が行われることになった。コミュニティには人が集まり、行動まで起こさせるパワーがあった。
その後のmixiは、コミュニティへのアクセスを下げる方針をとった。具体的には、ユーザーが利用する画面でコミュニティへのリンクを目立たない位置に変えた。その代わり、友達の書き込みなどを目立つ位置にした。ミクシィが「リアルグラフ」という言葉で表現する、現実における人と人のつながりを重視したためだという。
ツイッターは「ニュースグラフ」と呼べる存在で、有名人や影響力を持つ人が中心に利用しているが、片方向(受信中心)のつながりが多く、主なユーザーは30代以上の男性だという。フェイスブックは「パブリックグラフ」と呼べるという。中心となるのは仕事関係や友人関係。150~200人とのつながりがあり、完全実名の30代以上の男性が多いと分類していた。
これらに対し、mixiは「プライベートグラフ」であり、親しい友人が中心。平均40人ほどのつながりで、実名制(ニックネーム併用)、20~30代の女性が中心と位置づけた。このプライベートグラフもリアルグラフと同じような意味だ。ミクシィは言葉の定義についても熱心になり、時にライバルを「SNSではない」とした。
ライバルへの対抗意識が自らの強みを消し去る
フェイスブックが普及し始めた数年前、実名で出身大学や所属企業も明らかになるリアルなサービスは、匿名性が高い日本では流行らないとされた。その点、mixiはハンドルネームなど匿名も使えるなど、ゆるやかなサービスが特徴といえた。
そのゆるやかなつながりが、いつのまにか現実の「人と人」というつながりへと運営側に定義されていった。コミュニティがあるにもかかわらず、フェイスブックの機能に似たmixiページも導入した。
足あと機能の廃止や訪問者数減少の騒動のなかで、ミクシィの幹部は「反対しているのはヘビーユーザーの一部」「現在の利用者はライトユーザーが中心で、ヘビーユーザーは使ってもらわなくてもいい人たちだ」と反論した。しかしフェイスブックへの過剰な対抗意識こそが、自らの強みを消し去ったといえるのではないだろうか。コミュニティ機能は、ビジネスライクなフェイスブックには存在しないユニークな機能であり、足あとは「いいね!」を代替していたともいえる。
mixiに残った「ヘビーユーザー」たちは、いまでもコミュニティを利用して意見を交わす。足あとが廃止になって1年が経過しているにもかかわらず、足あと復活を呼びかけるコミュニティもある。5月末にはあるユーザーグループが、意見交換会をミクシィ側に提案した。提案にかかわったユーザーの一人は「mixiの事情を鑑みつつ、ユーザーの思いも反映させたくて続けています。笠原社長の目指す、居心地の良いSNSを実現する力になりたいのです」と参加の動機を答えてくれた。
果たしてユーザーの思いは届くのか。笠原社長を始めとする運営側がソーシャルメディアに登場することはまれだ。ユーザーへのメッセージは、会社の広報かマスメディアを通じたものが中心となり、SNS会社の幹部がSNSを利用しないという状況になっている。これはフェイスブックの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏が自らの結婚式の写真までもフェイスブックで公開した姿勢とは、対照的とさえいえるのではないか。
参加方法
mixiは、既に入会している登録ユーザーから招待を受けないと利用登録ができない、完全招待制を採用している。招待制をとることで、ユーザーそれぞれの素性が明らかになり、健全で安心感のある居心地の良いコミュニティを維持するという目的で採用されている。
18才未満の者の参加については、利用規約で禁止されている。mixiは年齢制限が無ければ、「出会い系サイト規制法」に抵触する可能性があるためである。しかし、現在でもそのような利用者は後を絶たないのが現状である。以前はPCアドレスを持っていないと登録できなかったが、2006年12月4日より、携帯電話でも登録可能となった。ただし、従来どおり既に登録している人からの招待状が必要である。また、2007年3月27日よりPCのフリーメールアドレスでの登録には、携帯電話のメールアドレスが必要になった。2007年4月4日からは、ウィルコムの公式コンテンツとして登録されている。
利用者数
利用者数(アクティブユーザー数)は、2006年10月現在では520万人。月間PVは27億6631万。平均利用時間は3時間29分で日本ドメインでは2位となっている。また、ミクシィの調査によると、男女比率は男性が52.2%、女性が47.8%。年齢層で最も多いのは20~24歳の33.8%、次いで25~29歳が28.4%、30~34歳が17.6%。最終ログインが3日以内のユーザーの割合が70%をかつては占めていたが、アクティブユーザー率は少しずつ下がり、2007年5月現在は64%である。
機能
マイミクシィ
ユーザーごとにあるリストの名前。また、そのリストに登録された他のユーザー。略して「マイミク」とも呼ぶ。
事務局が想定しているのは、すでに友人や知人の関係にあるユーザー同士をリンクする使用法である。そのため、mixi内の表示で、マイミクシィを「友人」と言いかえている部分もある。実際には、mixi内で出会ったユーザー同士が、まずマイミクシィに登録するところから親交を深めていくという場合も多い。
マイミクシィに登録するには、まず、一方のユーザーが「マイミクシィに追加」のボタンから登録依頼をする。登録依頼を受け取ったユーザーが登録を承認すると、互いのマイミクシィに追加される。マイミクシィのリストからはずすには、どちらかが「マイミクシィの管理」ページから操作すれば可能。招待したユーザー同士は、ユーザー登録した時点でマイミクシィに登録されていて、3ヶ月間はマイミクシィをはずすことができない。
マイミクシィになると、閲覧制限された日記やアルバムの内容、プロフィールのうち誕生日や職業など一部の項目などを読むことができる特権が与えられる。マイミクシィの新規に執筆した日記のタイトルをリスト表示する機能、コミュニティの存在をマイミクシィに知らせる、同報メッセージの機能などもある。マイミクシィについて紹介文を登録する機能は、マイミクシィになったユーザーのキャラクターを他のユーザーに知らせ、信頼と親近感を与えて新しい関係を築くのに役立つ。
なお、マイミクシィ0人の状態になると、3日以内にマイミクを最低1人は作らなければ、強制退会となる。
足あと
ユーザーのページを他のユーザーが閲覧すると、「足あと」リストに閲覧したユーザーのニックネームが日付と時刻とともに追加される。一般には「アクセスログ」などと呼ばれる機能である。このリストの名称から、他のユーザーのページを閲覧することを、ユーザーのあいだで「足あとを付ける」と呼ぶこともある。同一のユーザーが頻繁に閲覧を繰り返した場合、1日のうちで1回のみ、直近の閲覧時刻がリストに残る。後述する「アクセスブロック」機能にIDを登録したユーザーは、それ以後、足あとリストに名前が残らなくなる。
mixi開設当初は閲覧のたびにリストに追加されていた。初期ユーザーのあいだで訪問を多数繰り返す「足あとつけ競争」が流行して、足あとのリストが特定のユーザーばかりになったり、サーバーが動作不良を起こすほど負荷がかかったりしたために、現在のような仕様に変わった。
ユーザー登録以降の通算の閲覧数がカウントされている。加えて、閲覧数が設定値に達した時点でmixiからメールが届く機能「足あとお知らせメール」がある。ネットには、mixiの開設以前から、たとえば500や2,000、10,000といった「キリ番(きりのいい番号)」にアクセスカウンターが達したときに「踏んだ(訪問した)」閲覧者に、ウェブマスターが特別の感謝をする習慣がある。この習慣を継承した機能が、足あとお知らせメールである。メールの届く閲覧数は、「設定変更」画面にて自由に設定することができる。
足あとは、自身の注目度や人気度を端的に表す指標であり、また、mixi内での人間関係を明示するものでもある。足あとリストからユーザーのページをたどることを、「足あとを踏み返す」と呼ぶユーザーが多い。足あとのリストから自分に興味のあるユーザーを発見することで、新たな関係が生まれることもある。
営業目的のユーザーが無差別多数の訪問を繰り返す、足あとリストへのスパム行為もある。営業目的の記載があるスパマーのユーザーページを閲覧させるために、足あとを踏み返す風習を悪用したものである。
日記
基本的な使い方は、いわゆる「ブログ」と同じである。日記の本文には、画像を埋め込むこともできる。コメントをつける機能もある。日記はいつでも修正でき、削除することもできる。コメントは、日記の主が削除できるほか、コメントをつけたユーザーが自分のコメントを削除することもできる。日記の公開範囲を、全ユーザー、友人の友人、友人のみの3段階から選択できる。楽天広場、はてなダイアリー、ドリコムブログなど、主なブログサービスを日記として使うこともできる。
mixiの参加者数は数百万に上り、また原則的に参加者による招待のみを認証要件として参加できるシステムであるため、日記の公開範囲を全ユーザーとした場合において、ブログの炎上と同様の現象が起こった例がある。このようなケースでは日記の記述内容等が外部に無断転載される事がある。日記の炎上を発端に、後述のコミュニティ乗っ取りがなされた例もある。
コミュニティ
2004年4月1日から提供開始の機能。掲げられたテーマに同調する者が集まり、掲示板などを利用する仕組み。コミュニティは、mixiのユーザーが誰でも自由に作ることができる。ただし、既存のコミュニティと類似するテーマでコミュニティを新設することは好まれない風潮がある。コミュニティを開設すると管理人になるが、コミュニティの他のメンバーに管理権を渡すことも可能。コミュニティ開設時に選択するカテゴリには、音楽や映画、アダルトなど約30ほどの種類がある。なおカテゴリをアダルトにした場合、コミュニティを閲覧しようとすると「このページから先はアダルト(成人向け)コンテンツが含まれています。」というメッセージが表示され、同意しない限りそのページにアクセスできないようになっている。
コミュニティでは、掲示板機能をトピックと呼ぶ。新しいトピックは、誰でも作成可能、もしくはコミュニティの管理人のみ作成可能のどちらかに設定できる(2006年9月18日より。それ以前は誰でも作成できた)。mixi全ユーザーが誰でも自由に参加できるようにすることも、コミュニティの管理人の承認制にも設定できる。承認制にすると、トピックをメンバー以外に非公開にすることもできる。
トピックのほかに、イベントとアンケートの機能がある。どちらも基本は掲示板。特定の期日を指定して、メンバーの中から参加者を募る機能があるのがイベント。択一式の回答をメンバーに求める機能があるのがアンケート。アンケートはプレミアム会員のみ作成することができる。
コミュニティは基本的に掲示板の集合体であるため、ネットの掲示板ではありがちのいざこざが起こることもある。紛争を回避するため、ユーザーをコミュニティから退会させたり、特定のユーザーを参加させない参加ブロック機能も備わっている。ブロックされたユーザーがコミュニティに参加しようとすると「(コミュニティ名)には参加できません」と表示される。なおこの機能は、一つのコミュニティにつき12ユーザー(mixiモバイル利用時は6ユーザー)であるほか、非公開でない限りトピックの閲覧も可能である。トピックやアンケートなどの作成を、コミュニティの管理人のみに限定することもできるようになった(2006年9月21日に追加)。
また最近になって、コミュニティリンク機能が作られた。これは関連性のあるコミュニティに直接行けるというものである。コミュニティリンクの追加は管理人のみ、参加者全員の中から選べる。初期設定は「管理人のみ追加可能」である。なおコミュニティリンクは拒否することができ、拒否されたコミュニティがコミュニティリンクに追加しようとすると「このコミュニティはコミュニティリンクを拒否しているため、追加することはできません。」というメッセージが表示される。
事務局の承認を明記した上で、企業や企業の代理人が自社製品・サービスに関するコミュニティを立ち上げることもある。開設数は100万件を超えた。なお、現存する最古のコミュニティは「音楽好き系mixi's」である。
アクセスブロック
mixi内には、商業利用を目的としたり、荒らし行為をする悪質ユーザーが少なからず存在する。そのため、それらのユーザーがページを見られないようにするアクセスブロック機能がある。1ユーザーにつき12ユーザーまでブロックできる。
これを設定すると、ページの閲覧だけでなく、メッセージの送信などその人とは一切コミュニケーションが取れなくなるだけでなく、そのユーザーの足あとにも残らなくなる。ブロックされたユーザーがブロックしたユーザーを見に行こうとすると見に行こうとすると「申し訳ございませんがこのユーザーのページにはアクセスできません」というページにリダイレクトされる。ただし、アクセスブロックされた側がその人をお気に入りに追加していた場合はアクセスはできないがお気に入りからは削除されず、ログイン時間などはすべて閲覧可能である。またこの機能を「キリ番を踏ませないため」、「そりが合いそうにない」、「荒らしはされていないがこの人には見られたくない」と言う本来の目的とは異なる主観的な理由で設定する者もいる(規約違反ではない)。
またかつてアクセスブロックに「0」を入れると自分は非公開の日記、コミュニティなどの閲覧が可能になる一方、すべてのユーザーがその人のページを見に行けなくなると言う事態になり、さらにその状態を解除できなくなる事態になり後に修正された。
カレンダー
月割りのカレンダー。ユーザーの予定を書き込めるほか、1週間分の天気予報と、マイミクシィの誕生日、イベントの開催を表示する機能がある。ユーザーが参加中のコミュニティにイベントが設定されると、イベントのタイトルが自動的に表示される。ユーザーがイベントに参加表明すると、青い旗が赤く変わる。
お気に入り
特定ユーザー・コミュニティーをブックマークする機能。マイミクシィと違い、相手ユーザーの承認は不要だが、自分のユーザーページ上で日記の更新などを表示させることはできない。システム上、相手ユーザーに自分の足あとを付けずにログイン後の経過時間を把握することが出来る。これは登録されている側がアクセスブロックを設定しても見ることができるため、問題になっている。
mixiニュース
2006年2月2日に追加された、ニュースの表示機能。トップページに最新ニュース6つを表示できる。ニュースを提供しているのは、読売新聞、毎日新聞、時事通信社、日刊ゲンダイ、CDジャーナル、ITmedia、Impress Watch、R25など。掲載されたニュースをもとに、ユーザーが日記を書くと、記事のページの「このニュースに関する日記を書いた人」欄からリンクが自動的に張られる機能がある。機能追加に伴うレイアウト変更で横幅が増えたため低解像度だとすべて表示しきれない、表示にはJavaScriptが必須で非対応のWebブラウザーで表示できない、などの批判がある。トップページに掲載の情報が増えたため、3カラムと2カラムの2種類のレイアウトがデザインされ、切り替えて使用できるようになった。
おすすめレビュー
自分の観賞した音楽や書籍、映画作品などについてのレビューを書くことができる機能。
レビューは作品ごとに見ることが出来る他、あるユーザーが書いたレビューを見ることもできる。さらに、レビューされた作品を、Amazon.co.jpやイープラスより、詳細情報の閲覧・購入をすることが可能。
フォトアルバム
以前はプレミアムユーザー(後述する有料会員)のみが使用できたが、2007年6月27日全ユーザーに開放された。有料会員は1GB、無料会員は100MBまで使用可能で1度に5MBまでアップ可能である。公開レベルは「友人までの公開」「全体に公開」「非公開」の3種類があり、非公開の場合は閲覧キーを指定し、閲覧キーを入れた場合のみ見ることができる。日記と異なりアルバムごとに公開レベルの変更が可能である。
動画
動画の投稿機能は、2007年2月5日よりプレミアムユーザー限定でサービスを開始した。同年6月に一般ユーザーに公開開始し、7月にはすべての一般ユーザーが利用可能になっている。1回の動画で5分までアップロードできる。最大容量はプレミアムユーザーが1GB、一般ユーザーが200MBである。
プレミアムサービス
一般ユーザーは無料で利用できるが、有料のプレミアムサービスに登録することによりフォトアルバムや、日記の容量増大、日記内の特定タグの使用、メッセージ無期限保存(通常は最後の送受信があってから60日分まで)、アンケートトピックの作成、公開などを行うことができる。またプロフィールページの写真の下の部分にmixi premiumのロゴが付く。
ミュージック
2006年5月22日にプレミアム会員向けに開始、同年6月28日には全ユーザーが利用できるようになった。Macintosh及びWindows用プログラム「mixi station」をインストールすることにより、パソコン内で自分が再生した曲名などをmixi上に表示できる。対応するプレイヤーソフトはWindows Media Player(Windowsのみ)とiTunesとWinampの3種類。なお、mixiが公式にWinampに対応したため開発が終了しているが、有志によって開発されたプラグインによってfoobar2000からもWinamp用のmixi stationをブリッジさせる形で利用することもできる(有志による開発なのでmixiからのサポートはない)。
2006年12月21日からは、iPodの再生履歴をアップロードできるようにもなった。また2007年3月22日からは、歌詞が公開されているものについては、歌詞も表示できるようになった。
アーティストのページは、Wiki方式になっておりmixiに参加してから30日以上経過していれば編集が可能である。
機能要望
mixiでは利用者から、どのような機能が欲しいかというのを要望できるようになっている。全ユーザーはその要望に対して賛否を唱えることができる。
受賞
- 月刊Yahoo! Internet Guide誌 Web of the Year 2005 年間総合大賞・特別賞受賞
- 2005年 日経優秀製品・サービス賞 審査委員特別賞
- Web of the Year 2005「年間総合大賞」
- Web of the Year 2005「話題賞:1位」
- Web of the Year 2005「コミュニティ部門:2位」
- 第3回Webクリエーション・アウォード「Web人賞」
- デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー'04「Best Producer/ Director」
- 第19回デジタルコンテンツグランプリ「優秀賞」
- 2006年 ユーキャン新語・流行語大賞トップ10
公称登録者数
累計登録者数
退会者・多重登録者を含めた、発行ID数。
- 1万ID 2004年5月
- 5万ID 2004年7月21日
- 10万ID 2004年9月15日
- 25万ID 2004年12月16日
- 50万ID 2005年3月21日
- 75万ID 2005年5月28日
- 100万ID 2005年7月15日
- 200万ID 2005年11月17日
- 300万ID 2006年2月7日
- 400万ID 2006年4月16日
- 500万ID 2006年6月14日
- 600万ID 2006年8月18日
- 700万ID 2006年10月9日
- 800万ID 2006年12月5日
- 900万ID 2007年1月16日
- 1000万ID 2007年2月25日
※現在の発行ID数はmixiカウンターから確認することができる。
有効ID数
退会者を除いた実利用ID数。ただし、規約違反の多重登録者を含む。
- 100万人 2005年8月1日
- 200万人 2005年12月7日
- 300万人 2006年3月1日
- 400万人 2006年5月15日
- 500万人 2006年7月24日
- 600万人 2006年10月1日
- 800万人 2007年1月29日
- 1000万人 2007年5月20日
事件や問題点
有名人ユーザー
上場企業の社長、作家、タレントなど、広く名前の知られた人物も数多くmixiを利用している。中にはファンを集めたコミュニティをタレント自ら立ち上げてオフ会を開催するなど、積極的な利用もみられる。東方力丸など、仕事を得る為にmixiを利用している例もある。なお2006年11月29日の朝日新聞朝刊でmixiが紹介された際にサンプラザ中野がmixiに参加していることが書かれていた。
歌手の宇多田ヒカルが2006年4月11日に自身のウェブサイト上で、mixiの登録ユーザーであると公表したところ、mixi内の宇多田のページに多数のユーザーからメッセージが殺到し、宇多田は退会した。
週刊文春2007年2月8日号に高円宮承子女王がmixiなどのサイトのユーザーであることが報じられた。
一方で、有名人の名を騙るユーザーの存在がある(他人へのなりすまし行為は規約違反に当たる)。お笑い芸人のヒロシは自身の公式サイトで、mixiに参加しておらず、名を騙る偽者がmixiに存在している事を不快に感じていると発表した。結果、ヒロシに成りすましていた偽者は他のユーザーから批判を受けてmixiを退会した。また、アンガールズの田中卓志や波田陽区を詐称するユーザーも存在したが、こちらは所属事務所のナベプロが素早く対応し、両人のmixi参加を所属事務所が公式に否定すると、偽者は退会した。
チェーン日記
mixiではチェーンメールならぬ「チェーン日記」が急速に広まったがために混乱が生じる事例が発生している。
2006年6月、「特定のタイトルの日記のコメントすると、自分の日記にも自動的に投稿され、個人情報が漏洩する。ウイルスの一種であり、急速に増殖しているので、友人にも伝えてほしい」という日記が投稿された。この日記が掲載された直後に急速に同様の日記が投稿され混乱を来した。事務局では問題となった脆弱性を修正しており、また公式の告知で「この日記を広めないように」と注意を呼びかけた。
2006年9月、「ある写真家がロサンゼルスで行方不明になった。本人のmixiに家族がアクセスしているので、情報を持っている人は情報提供するとともに、この情報を広めてほしい」という日記が投稿された。これ以後日記やコミュニティのトピック、さらに個人ブログにも転載されたことから、ユーザーのあいだで情報が急速に広まり、写真家の日記のコメント欄には応援のメッセージで埋まり情報提供ができない状況となった。さらに一部の日記には家族の携帯電話番号も書かれていたため、家族に電話が殺到し、連絡をとるのに支障が生じる事態となった。なお、この写真家は2006年10月30日に遺体で発見された。
個人情報との照合
mixiでは実名による登録を推奨しているが、同時にmixi内で公開する個人情報について運営側は保護の責任を負わないとしている。現在のところプロフィール欄に記入した名前など(随時変更可)は全参加者に公開される。その他、日記同様に公開レベルを設定できる個人情報項目や記入が任意の項目もある。
最近では、何かしらの事件に巻き込まれた被害者や加害者が実名で登録していた場合に、2ちゃんねるを初めとする掲示板などに公開される場合がある。mixiでも独自に対処する場合があり、殺人事件の被害者が実名登録していた場合、実名報道が行われた数時間後には非公開とされる場合がある。
2006年10月5日、コンピュータウイルスに感染した男性所有のコンピュータから、ファイル共有ソフト「Share」を経由した情報が漏洩し、交際相手と見られる被害者の女性の写真がインターネットに流出したことが発端となり、漏洩した情報とmixiに登録していた実名が匿名掲示板2ちゃんねるにて照らし合わされ、2ちゃんねるをはじめとしてネット中にその話題や個人情報が流布した(ケツ毛バーガー事件)。
渋谷区短大生遺体切断事件におけるマスコミ
2006年1月3日東京都渋谷区で起きた短大生遺体切断事件(現時点での事案、殺人事件に変更される思われる)において、2ちゃんねらーが被害者の実名からmixi上でのIDを特定、掲示板や日記で公開した(それらの行為を行った2ちゃんねらーは即時アカウントを抹消されたが、その後無差別招待によって復帰、事務局の監視の目を逃れるため、画像やコミュニティのURLによって被害者のIDを再公開した)。これらの行為が行われた事に対して、事務局は被害者のアカウントを表示不可にしたが、マイミクシィはURLを直接入力する事で閲覧できる事から、マスコミは被害者のマイミクシィに対して情報を求めるメッセージを大量に送付したり、加入コミュニティを元に記事を書いて発表した。
mixi八分
mixiは、完全招待制というその性質上、全てのインターネット参加者に開かれたサービスではない。それ故mixiに参加したくとも招待を受けないため参加できないという事例が生じる。特定の人物を意図的に招待しない、mixi八分と呼ばれる現象も発生している。
mixi疲れ
mixi疲れ(ミクシィづかれ)とは、多くのコミュニティやマイミクを登録しているmixiのヘビーユーザーが、mixiを介したコミュニケーションに負担を感じ、コメントの投稿や日記の書き込みを突然やめてしまう現象をいう。
野村総合研究所上席研究員の山崎秀夫によると、mixiはコミュニケーションツールとしての側面が強いため、自分に宛てられたコメントに返事をすることが望ましい。これが高じると、全てのコメントに返事をすることが「義務」となり、またマイミク登録した友人の日記も投稿直後にすべて読み、できるだけ速やかに返事することが自分に求められているように考えてしまう。結果的に、大量にふくれあがるコメントを処理することができなくなり、コミュニティの維持そのものを断絶してしまうという。
迷惑メール
発信元を「mixi(裏)運営事務局」とした、招待を偽装した迷惑メールが2006年11月23日に出回った。翌24日付けで、mixi運営事務局はこのメールに対し、詐欺などの恐れがあるためURLをクリックしたり返信したりしないように告知を出している。またこのメール自体、mixi招待状と内容が酷似しているため著作権侵害の可能性がある。
無差別招待
mixiに参加するためには、友人・知人からの招待が必要であるが、全く面識のない人物から招待を受け、mixiに参加登録を行う目的のウェブサイトが存在するとされている。[mixiの利用規約]では無差別招待は禁止事項として明記されており(禁止事項として「掲示板等でまったく面識のない方を無差別に招待する行為」「オークションサイト等で招待状を売買する行為」などがあげられている)、mixi側でも無差別招待が存在することを認識しているといえる。
また、インプレスの人気コラムである「やじうまWatch」では、書き込みに、アカウントの不正売買が行われていることを示す記述があり、不正な手段で参加しようとする利用者がいることが示唆されている。
一時、2ちゃんねるにてメールアドレスを公募し、無差別招待を受け入れるという時期があった。mixi事務局は掲載されたメールアドレスで登録されたアカウントを全て削除した。次に、メールを送ると自動的に招待するボットが設置された。これは招待画面に画像で数字を表示させ、ボットに理解させられなくする事で対処した。公募先メールアドレスを2ちゃんねるに掲載し、そこから受け取ったメールを手動で処理することによる無差別招待が、現在でも行われている。
ニュース速報(VIP)板のような、全体の書き込み数が非常に多いためmixi事務局に見つかりにくいと思われる掲示板では、メールアドレスを記入しての無差別招待行為が時折行なわれている。この場合、招待してほしい人が自分のメールアドレスを「メールアカウント」「アットマーク」「ドメイン名」の3行に改行して書き込み、招待者が手動でそのアドレスに招待状を送信するという方式が一般的である。3行にするのはmixi事務局に見つかりにくくするためとされているが、その効果があるのかどうかは不明。
2007年1月頃、ユーザーに対して招待を制限する機能が追加された。同一のIPで複数のメールアドレスを使用していた場合などでアカウントを削除されると、再度招待してもらっても制限を受け「友人を招待する」をクリックしても「ただいま招待機能は利用停止中です。」と表示され、招待する事が出来なくなる。なお、この措置は現時点では恒久的に行われており、制限を解除されたユーザーは未だいない。これらの措置は、アカウント削除から制限に至るまでの一切が規約に明記されている訳では無いため、招待を抑制する意図以上の事は不明である。また、3月よりフリーメールを利用しての新規招待者に対して、携帯電話端末を用いた認証方法を行うことになった。
コミュニティ乗っ取り
コミュニティの趣旨やタイトルを書き換えて全く別のコミュニティにしてしまう行為。乗っ取り行為は以前からも見られたが、2006年末頃から多発している。
管理人がいないコミュニティの管理権限を取得して内容を書き換えるほか、管理人がいるコミュニティでも、乗っ取りを仕組む悪意あるユーザーが、対象となるコミュニティを荒らし、「事態を収拾させる」と偽って管理人から管理権を譲り受け、同様の乗っ取りが行われている。
2006年12月27日、mixi運営事務局では「副管理人」制度を導入して管理権限の分散化を図るほか、2007年1月18日には管理人および副管理人を、コミュニティ参加期間が当該コミュニティ設立から連続して3割以上参加しているユーザーに限定するようにした。
中傷行為など
mixi内における相手の個人情報を提示した中傷罵倒行為がしばしばmixi外に露呈し、社会的問題となっている。例えば、アイドルのファンなどに対する悪口・中傷がmixi内で発見され、その書き手が所属する企業側が謝罪・厳重注意して対応するという事件が起こっている。また、大学生が皮膚病患者を隠し撮りし、mixi内で「ミイラが来店」「刺激臭を観測…くせぇ」などと中傷して公開したところ、それを知った同じ病気で苦しむ関係者らが抗議し、大学の学部長が本人に注意するという事件が起こっている。このほか、パネルクイズ アタック25における大学生大会の優勝者がmixi内にて予選でのカンニングを暴露→後日、大学から呼び出しを受ける→同級生らと未成年飲酒と自身が全裸になった写真でどんちゃん騒ぎをWebページで公開していることが暴露→後日、またもや大学から呼び出し→本人に厳重注意・・・といった、公共の電波を使ったお粗末な騒動もあった。
マイミクシィを断られたユーザーが断ったユーザーに対し、謂われの無い誹謗中傷を自身のブログに掲載した結果、民事裁判にまで発展した例もある。
2007年4月には、ガイナックス赤井孝美取締役が、自身のmixiの日記にて2ちゃんねるの投稿について「肛門に顔を近づけて深呼吸をするようなもの」と記載。他にもガイナックス女性社員が同様にmixiの日記にて「キモヲタ死ね」と記載していたことも発覚。ガイナックスへの非難が殺到し、赤井孝美が取締役と担当しているアニメのプロデューサーの2つに対し辞任を発表するまでに至った。
わいせつ画像の流布
mixi日記やアルバムは不特定多数に見せないように設定できるため、しばしばアダルト画像の交換に使用された。また女性やゲイの利用者が自分や他人のわいせつな画像を公開することがあった。こうした行為を総称してエロミクと呼ばれる。特に、”ケツ毛バーガー”や”人間フランクフルト”、”自称・○ェラ○オの達人”等といったものが一部で話題となっていた。
裏ミク
裏mixiのことを言う。
以前は、足あとをつけずに日記を閲覧したりコメントを書き込んだりする行為のことを言っていた。現在は別メールアドレスでもう一つ取った方のアカウントを言う。「複垢(複数アカウント)」などとも言われるが、もちろん規約違反である。表mixiのほうでは現実での知り合いが多数いて、書けないことも多いというユーザーや、アダルト系コミュニティに参加するために取得しているという人が多い。
アダルト系コミュニティにおいて、自分の裸体写真を掲載したり性体験を書いている女性は、そのほとんどが裏ミクか、アダルトサイトの業者である。なおmixiでは性行為や性器を表す言葉などの卑猥な言葉の掲載を規約で禁止している。
前述のとおり、2007年3月より、一人のユーザーが複数のアカウントを取る行為を防ぐため、新規登録には携帯電話のメールアドレスの記入及びその確認が必須となった。多重登録行為の抑制に大きな効果を発揮するとみられるが、携帯電話を持っていないユーザーが加入できないことなどから、一部では批判の声があがっている。
画像のリンク
mixiにログインしていなくても、URLがわかれば画像に誰もがアクセスできる状態となっている。このため、画像のURLが2ちゃんねるなど外部の掲示板に暴露されることがあった。現在は、画像へのリンクのURLが自動的に生成されるようになっている。生成されたURLは、ある期間が経つと無効になり、画像を閲覧することができなくなる。掲示板やブログなどで画像が曝されることになっても、ごく短時間でみられなくなる。
著作権・肖像権の侵害
mixiではこれら権利侵害をする画像のアップロードを禁止している。しかし多くのユーザーは芸能人の写真を自分のページのTOP画像として使ったり、コミュニティーのTOP画像として利用している。芸能人コミュニティーはそうでないと成り立たないケースも多いからである。2007年5月中旬に絢香など研音に所属する芸能人のコミュニティーに対し、mixi事務局から画像を削除するようにとの依頼がなされた。
関連書籍
- mixiと第二世代ネット革命(監修:根来龍之、編者:早稲田大学IT戦略研究所、東洋経済新報社、ISBN 4492501622)
- ソーシャル・ネットワーキング・サービス 縁(えん)の手帖(著者:猪蔵、原田和英、ふぁる、ユキピタスマン、翔泳社、ISBN 4798108022)
- mixiの本(著者:林信行、野田幾子、アスペクト、ISBN 4757211333)
- SNS(mixi・GREE・キヌガサ・フレンドパークetc…)を深ーく知って長ーく楽しむための本。(著者:寺崎美保子、ケイズプロダクション、ラトルズ、ISBN 4899771096)
- mixiで友達の輪が広がった!(宝島社、ISBN 4796645691)
- mixiでこんなことまでできた!(著者:mixiの達人クラブ、青春出版社、ISBN 4413007905)
- mixi(ミクシィ)完全攻略マニュアル(著者:田口和裕、森嶋良子、インプレス、ISBN 4844321714)
- mixiコンプリート・ハンドブック―詳解カラー図説!(著者:小板橋英一、ユービック、マガジンファイブ、ISBN 4434071335)
- 愛よ広がれ―mixi十六夜日記より(著者:十六夜、新日本文芸協会、ISBN 4903311007)