「スプーのえかきうた騒動」の版間の差分
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2007年5月13日 (日) 16:19時点における版
スプーのえかきうた騒動(すぷーのえかきうたそうどう)とは、2006年4月28日、NHK教育テレビの人気番組「おかあさんといっしょ」内の「やぎさんゆうびん」のコーナーにて、うたのおねえさんであるはいだしょうこが描いた、同番組に登場するマスコットキャラクター『スプー』の絵があまりにも衝撃的であったため、面白がったインターネットの利用者によって、その動画がYouTubeなどインターネット上のサイトに公開され、話題になった騒動(所謂"祭り")である。
内容に関する詳細
はいだしょうこが描いた、通称『極悪スプー(以下スプー)』(又は地獄のもんすたー すぷー)は、あらゆる点において、オリジナルのスプーとはかけ離れたイラストとなっている。事件が発生した際、うたのおにいさんである今井ゆうぞうが同時に描いたものと比較しても、その違いは歴然としている。
まず、スプーの輪郭は、オリジナルが洋ナシをふっくらとさせたような、柔らかい印象のものであるのに対し、ピーマンのようにゴツゴツとし、硬い印象を与えるものになった。目は、オリジナルが円形であるのに対し、縦に長い歪な楕円形と化し、しかも両目の瞳が同時に全く逆の方向を向いている為、異様な雰囲気を与えた。オリジナルの頭部から生えていた小さな翼は触手のように細長く伸び、下方に垂れ下がった。また、口の内部を雑に塗りつぶしたため、ギザギザになった塗り残しが生まれ、これが鋭い歯のように見えたことから、さらに凶暴で醜い印象を与える結果となった。そして、スプーが頭にかぶっているはずの帽子が、楕円形のものが3段に重なったようなものになり、あたかも鏡餅を頭にかぶっているかのような具合になった。
こうして完成されたこのイラストだが、完成直後に、はいだのスプーがどうなったかを確認しようとした今井が、奇妙な笑い声を上げながら「ちょっと……!!!」と言葉を詰まらせてしまい、10秒ほど半笑いになりながら番組を進行させた。そして、その直後、今井がはいだに「画伯」とコメントしたのに対し、はいだが「良かった、描けて」と応酬する非常に珍妙な光景が繰り広げられ、視聴者を驚かせた。その間、両者の下で絵描き歌に合わせて踊っていた黒と白のヤギの人形が、口をあんぐりと開けた驚きの表情ではいだのスプーを凝視して動きを止めるという行動に出たため、さらに視聴者の笑いを誘った。ちなみに、今井はこの歌の最中いきなり声が上ずったり、歌詞を忘れたりしており、途中から、はいだの絵の異様さに気付いていた節が見られる。また、はいだの「みんなもね えかきうたやってみてね」というセリフに対してノーコメントで「バイバイ」と切り上げようとする今井の行動にも異常さが見受けられる。
この一連の動きを見た視聴者からは、「こういう事は、あらかじめリハーサルをするはずではないのか?」「いくらなんでも下手すぎる。スタッフも、分かってやっているのではないか?」などといった疑問の声が投げかけられた。要出典
そもそも、絵描き歌を歌い始める前に、はいだが「わたしたちも、みんなに負けないくらい上手に絵を描きましょう」と台本通りと思われる台詞を発したあとに、今井が「ほ、ほんとに!?」と半笑いで返しているが(その後も両者とも半笑いで、顔を見合わせて微妙な間を作っていた。画面下の人形ははいだの台詞を聞いて固まっていた)、番組進行を考えるとこの応答はNGとなるはずである。これをそのまま通して放送している時点で、本人達もスタッフもはいだの画力を「わかって」やっていた節が強い。 カメラも今井の方をなるべく映し、はいだの方はなるべく写さないようにしていた。
影響
スプー祭り
2006年5月上旬、インターネット上の、動画のアップロードサイト「YouTube」にて、この動画が違法に公開された。これに対してNHKは6月上旬、「当協会の著作権を侵害している」などとして、YouTubeに動画の削除依頼をし、動画は削除されたが、削除を察知したファンによって、繰り返し動画が違法にアップロードされ、いたちごっこの状態が続いた。YouTubeから拡散した動画は現在でも一部のサイトで見ることが出来る。
この動画の公開を機に、2ちゃんねるにはスレッド『スプーの絵描き歌のガイドライン』が作成され、そこで作られたアスキーアートが多くのスレッドに貼り付けられたため、ますますスプーの知名度は広がり、インターネット上では、このスプーの画像(これについては、タレント中川翔子も自身のブログ上でスプーの絵を描いている)やFlash、替え歌、ゲームなどが続々と公開されていった。Yahoo! オークションには、フィギュアまでも出品され、最高入札価格はイタズラ入札もあって7億円となった。2006年12月現在では、個人のブログにて小説が執筆されている。
また、ブログなどを通じて、その異様さから普段あまりインターネットを利用しない一般人や小中学生にも広まり、文房具店での試し書きのコーナーや、学習塾の机などにスプーが落書きされている姿が見られた。要出典
また、NHKの番組「つながるテレビ@ヒューマン」上で、YouTubeに関する問題が、日本のテレビ上で初めて取り上げられた際、スプーのえかきうたの動画がYouTube上で再生されている場面が放送され、ファンの間で話題となった。
ブームの終焉
一方、ファンの間でのこうした「過剰」とも取れる人気ぶりには、「個人の絵を執拗に面白がるのは、いじめである」や「やりすぎで笑えない」といった意見も見られた。要出典 7億円落札騒動以降は、新たな動画作品で一度は持ち直したものの、離れていくファンが続出し、関連の掲示板の書き込み数も大幅に減少して現在に至っている。
動画の種類
現在多く出回っている(改造・MADを除く正式な)動画の多くは、YouTube経由で出回った6MB程度のものや、初期にYouTube以外で出回ったもので、どちらも元は同じでVHSのビデオで録画されたと思われるものであった。しかし、2007年1月にStage6で新たに、デジタル方式で録画されたと思われる、これまでと一線を画す高画質(75MB)なものが違法に公開されているのが発見された(実際にアップロードされたのは8月7日)。
略歴
- 1999年4月 - NHK教育テレビの「おかあさんといっしょ」にスプーが登場。
- 2003年4月 - はいだしょうこが「おかあさんといっしょ」のうたのおねえさんに。
- 2003年 - 1回目の「スプーのえかきうた」の放送。はいだの描いたスプーは、上手いとはいえないが、いたって普通のものだった。
- 2006年4月28日 - 2回目の「えかきうた」の放送。はいだが、ものすごいスプーを描く。
- 2006年5月中旬? - 動画アップロードサイト「YouTube」に動画がアップロードされる。この後、ブログや同じく動画アップロードサイト「ファイルマン」などにも転載される。替え歌「じごくのもんすたー スプー」が公開され、大きな話題を呼ぶ。
- 2006年5月22日 - 2ちゃんねるのガイドライン板に「スプーの絵描き歌のガイドライン」のスレッドが立てられ、そこから次々に話題を呼ぶ。[1]
- 2006年5月26日 - Yahoo!オークションにはいだが描いたスプーのフィギュア『【描く前から】例の化け物【半笑い】』が出品される。[2]開始価格は1円であったが、次々に入札価格は上がっていく。
- 2006年5月30日 - オークションが終了、落札価格は7億円に。その後は入札取り消しが相次いだため、最終的には5億1万円になる。その後オークションは取り消しとなった。
- 2006年5月31日 - NHKの削除依頼により、YouTubeが「えかきうた」の動画を削除。しかし、すぐにユーザーにより再アップロードされる。
- 2006年8月12日 - 東京ビッグサイトで開かれたコミックマーケットにスプーのコスプレをした者が2人登場。
- 2006年9月1日 - この日に放送された第26回全国高等学校クイズ選手権の準決勝の映像で、三重県立川越高等学校の出場者が着ていたTシャツに描いてあった寄せ書きにはいだが描いたスプーが描かれていた。
- 2006年10月8日 - Yahoo!オークションに、5月末に取り消されたスプーのフィギュアが、『【神南から】例の化け物【拒絶レター】』として再出品される。神南とはNHKの本社所在地で、製作者は、前回のオークションでの騒動の後に、はいだ本人に宛ててこれを送付したが受け取りを拒否されたとしており、そのため受け取り拒否の旨を綴った手紙がセットで出品されることとなった。希望落札価格は20万円だったが、入札者のイタズラによって削除される。後に10月14日、10月15日にも再々出品されるが、イタズラによってまたオークションは中止される。
- 2006年10月18日 - Yahoo!オークションでイタズラ入札での取り消しが続いていたスプーのフィギュアが4回目の再出品。15時15分に4万円で落札される。この日放送されたアニメ『ネギま!?』第3話のラストシーンでの黒板の落書きで「おまい超ガンガレ!」と喋っているスプーが登場。
- 2006年12月19日 - 漫画家ちばてつやが自身のブログで文星芸術大学の学生が練り消しで制作したスプーを紹介し、ファンを驚かせる。[3]
関連項目
外部リンク
- 「スプー」削除の舞台裏 「YouTube」にテレビ局苦慮(ITMediaのニュース」)
- スプーの絵描き歌のガイドライン8(2ちゃんねるスレッド」)
このページは Wikipedia日本語版由来のコンテンツを利用しています。もとの記事はスプーのえかきうた騒動にあります。執筆者のリストは履歴をご覧ください。 Yourpediaと同じく、WikipediaはGFDLのライセンスで提供されています。 コンテンツを再利用する際には同じくGFDLのライセンスを採用してください。