「Portable Document Format」の版間の差分
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+ | ただし作成方法によっては、商業印刷には使えないPDFファイルが生成されることもある。たとえば、紙資料をスキャンして作成したPDFファイルから商業印刷に要求される結果を得るのは難しい。目的とする印刷品質を得るためには、フォントの埋め込みや印刷時に使用する色の情報、画像解像度などをPDFファイル作成時に適切に設定する必要がある。この設定を行うにはコンピュータの操作方法ならびに印刷物とその製造工程を的確に理解していることが必須であるため、誰でも確実に行うことができるとは言い難い。[[PDF/X]]は、こうした問題を回避するために用いられる<ref>[http://blog.ddc.co.jp/mt/dtp/archives/20050704/114733.html PDF形式の7つのメリット なぜPDFなのでしょうか?(特売プレス+吉田印刷所 DTPサポート情報Blog)]</ref>。 | ||
+ | === データの入力と収集 === | ||
+ | Acrobatは「フォーム」機能を利用し、文書入力のインターフェースとしても利用される。 | ||
+ | フォームとは記入用紙のことで、PDF内に記入欄を設け、エンドユーザーに入力させてメールで送付させる、あるいはPDFのインタラクティブ機能を使ってサーバーに送信させることでデータを収集することができる。 | ||
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+ | またPDFファイルにはJavaScriptを埋め込むことができる。これにより入力のナビゲーションや入力時の値チェックなどが可能になる。 |
2014年8月31日 (日) 16:45時点における最新版
Portable Document Format(ポータブル・ドキュメント・フォーマット、略称PDF)は、アドビシステムズが開発および提唱する、電子上の文書に関するファイルフォーマットである。1993年に発売されたAdobe Acrobatで採用された。
特定の環境に左右されずに全ての環境でほぼ同様の状態で文章や画像等を閲覧できる特性を持っている。
アドビシステムズはPDF仕様を1993年より無償で公開していたが、それでもPDF規格はAdobeが策定するプロプライエタリなフォーマットであった。 2008年7月には国際標準化機構によってISO 32000-1として標準化された。アドビはISO 32000-1 についての特許を無償で利用できるようにしたが、XFA(Adobe XML Forms Architecture)やAdobe JavaScript などはアドビのプロプライエタリな部分として残っている。
なお、「PDF」という頭字語には「フォーマット」という単語が含まれるので、「PDFフォーマット」と呼ぶのは冗長である。
目次
PDFの特長[編集]
PDFファイルは 印刷可能なあらゆるドキュメントから生成でき、表示や印刷はアドビシステムズが無料で配布している Adobe Reader(旧Acrobat Reader)またはサードパーティ製品を利用する。
PDFには、次の特長がある。
- 作成したドキュメントを異なる環境のコンピュータで元のレイアウトどおりに表示・印刷できる
- ドキュメントのセキュリティを設定できる
- 圧縮してデータを格納することで、ファイルサイズを小さくできる
- しおり・リンク・コメント・注釈といった、ドキュメントを画面に表示するときに便利な機能を設定できる
- フォーム機能を使って、利用者の入力欄を受け取るような書式設定済み文書を作成できる
- 音声化などアクセシビリティに配慮したドキュメントを作成できる
- マルチメディアに対応している
レイアウトの保持[編集]
PDFのドキュメントは、Adobe Readerがインストールされているコンピュータであれば元のレイアウトどおりに表示・印刷できる。Adobe ReaderはWindows・Mac OS X・Linuxなど各種オペレーティングシステム (OS) に対応したものが無償で配布されており、他のPDF閲覧ソフトも数多く存在するため、PDFファイルは多くの環境で閲覧・印刷できる。
PDF以外の電子ドキュメントは、ほかのコンピュータ上で元のレイアウトを保持したまま表示・印刷するのは難しい。例えば、WordやExcelなどMicrosoft Officeのドキュメントは、対応するソフトウェアもしくは無料のビューワーをインストールすれば閲覧することは可能だが、バージョンや設定が違っていたり、フォントの有無が原因で編集者が意図した通りのレイアウトを保てない場合がある。HTML のドキュメントは多くのコンピュータで閲覧できる。しかし、レイアウトの制限が大きい上、OSやWebブラウザ(HTMLレンダリングエンジン)の種類・設定でレイアウトが変わりやすい。
そのため、厳密にレイアウトを保持する必要のあるドキュメントはPDF化することが多い。ただし、フォントの設定によっては、PDFでも元のレイアウトを保持できない場合がある。この問題は、フォントを埋め込むことで回避できる。
PDFの利用場面[編集]
電子ドキュメントの公開・配布[編集]
PDFの特長は、PDFファイル作成元と異なるコンピュータ環境において、作成元ドキュメントのレイアウトや書式を忠実に再現した表示・印刷ができることにある。その性質を好んで、Webページ上のドキュメントやソフトウエアの説明書などの広く公開・頒布する形態で多く利用される。また、同様の理由から、将来のコンピュータの環境変化を想定した長期保存向け文書 (PDF/A) や、 DTP の過程でPDFファイルを作成・利用する (PDF/X) 用途も多くなっている。
印刷物として制作したドキュメントのPDF化[編集]
Quark XPressやAdobe InDesignなどのDTPソフトウェアで組版した結果のデータは、しばしばPDFファイルとして出力される。こうして作成されたPDFファイルは、印刷物と同じレイアウトの電子ドキュメントとなる。一般に、PDFファイルの公開・配布は印刷物を配布するのに比べて低コストである。
そのためPDFを利用して例えば、カタログやパンフレットなどをインターネット上で公開したり、マニュアルや雑誌の収録記事をCD-ROMで配布することが多くなっている。
PDF入稿[編集]
印刷物制作時の入稿をPDFですることも増えてきている。従来は、QuarkXPress などで組版した結果のデータをそのまま入稿することが多かった。
PDF入稿には、
- 原稿作成方法の制限が小さくなる
- 画像ファイルの添付し忘れやエラーの発生を少なくできる
- データサイズをコンパクトにすることができる
などといった利点がある。
ただし作成方法によっては、商業印刷には使えないPDFファイルが生成されることもある。たとえば、紙資料をスキャンして作成したPDFファイルから商業印刷に要求される結果を得るのは難しい。目的とする印刷品質を得るためには、フォントの埋め込みや印刷時に使用する色の情報、画像解像度などをPDFファイル作成時に適切に設定する必要がある。この設定を行うにはコンピュータの操作方法ならびに印刷物とその製造工程を的確に理解していることが必須であるため、誰でも確実に行うことができるとは言い難い。PDF/Xは、こうした問題を回避するために用いられる[1]。
データの入力と収集[編集]
Acrobatは「フォーム」機能を利用し、文書入力のインターフェースとしても利用される。 フォームとは記入用紙のことで、PDF内に記入欄を設け、エンドユーザーに入力させてメールで送付させる、あるいはPDFのインタラクティブ機能を使ってサーバーに送信させることでデータを収集することができる。
またPDFファイルにはJavaScriptを埋め込むことができる。これにより入力のナビゲーションや入力時の値チェックなどが可能になる。