「スカウト (勧誘)」の版間の差分
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2013年9月10日 (火) 21:43時点における版
スカウト(scout)は、求められる人材を見つけ、勧誘(自らの側に招く行為)すること。既に所定の組織などに属している場合は、好条件を示してそれら組織から自陣営側の組織に呼び込むことも行われる。
なお英語の「 scout 」には「探し出す」や「見つけ出す」の意味があり、偵察・斥候(軍事)などもスカウトという。本来の意味で言えば、人材となる人物を探し出す行為(勧誘はその次の段階)である。
概要
スカウトは、能力や容姿などの優れた人材を勧誘する行為全般であるが、人材が組織の求める能力などを持つ存在であり、その組織の価値観に合致すればこそ勧誘されるため、スカウトが行われる基準は一定ではない。要は組織にとって利益を与える存在が、人材となるためである。
スカウトは様々な場所で行われ、またその人材の種類によっても様々であり、下は小学校の班分けのような場での人気者の誘い合いから、上は政党への参加の勧誘や、優秀な能力を持つ人物を国家がその運営に必要だとして招き入れるなどまで、様々なレベルが存在する。
大衆一般に於いてなじみの深いものとしては、いわゆる芸能関係のスカウトであろう。これらでは容姿が整っているとかスタイルが良いといった外見的な魅力がある存在がスカウトを受ける。ただそういった勧誘は当人の自尊心にとって「他人に認められた」など好意的な意味がある一方で、いわゆる悪徳商法のモデル・タレント募集と銘打ったキャッチセールス(募集に応じると、登録手数料を取られたり、物品を売りつけられたりする)などの社会問題もみられる(後述)。
女性に「風俗、紹介するよ」売上3億、都内最大のスカウト集団摘発
風俗店で働くように路上で女性を勧誘したとして、警視庁保安課は、東京都迷惑防止条例違反容疑で、都内最大のスカウト集団「タレントバンク」の統括役で人材派遣会社「センス」(豊島区池袋)社長、吉岡守(34)=練馬区東大泉=ら3人を逮捕、法人としての同社と従業員の男ら7人を書類送検した。同課によると、いずれも容疑を認めている。
吉岡は平成23年8月ごろからスカウト約70人を統括。東京、神奈川、埼玉の3都県の風俗店50店と契約し、紹介料として3億円以上を受け取っていた。同課は女性を雇った風俗店6店も都ぼったくり条例違反容疑で書類送検した。
吉岡らは23年8月、豊島区西池袋の路上で、当時16歳だった高校2年の女子生徒に「キャバ(クラ)とか風俗とか何でも紹介できるよ」などといって付きまとい、風俗店に勧誘した。女子生徒は同区内の風俗店で働き、4日間で14万円を稼いでいた。
スカウトの例
企業
企業にとっては、優秀な能力がある人材を確保する事は死活問題である。このため既に社会に出て、ビジネスで実績のある人材の引き合いは激しい。通常、企業が従業員を募集する方法は、卒業を控えた学生や、求職中の者を面接などして人材になりそうな者と、そうなりそうも無い者をふるいに掛け、人材となりそうな者だけを雇い入れる。
しかしそれら従業員が実際に人材として役立つかどうかは別の話で、上司からの働き掛けや情報を与えるなどして教育を行いながら仕事を与えて行くわけだが、そこで能力を伸ばす者と余り伸びない者とがおり、能力が伸びれば更に期待して密度の高い教育を行いつつより大きな仕事を与えたりする。ただこういった人材育成は時間が掛かり、経営者にとっては人材不足は切実な問題となる。そこで既に一定以上の能力を示すものを外部から引き入れる場合もあり、その際に行われるのがスカウトである。
日本ではバブル景気の頃より、急速に事業拡大した大手企業では深刻な人材不足に見舞われ、他の業種などからも人脈を通して優秀な人物を集めようと各企業が奔走した。しかし既に能力のある人間の多くは、様々な分野で仕事を持っており、他よりの誘いに応じないこともある。この場合にヘッドハンティング(各々の勧誘員は「ヘッドハンター」と呼ばれた・職業紹介事業参照)など専門職も存在し、これら優秀な人物と交渉、条件を示して引き抜いた人材を所定の企業に斡旋するなどの業態も見られた。反面、同時代には所定の企業の業務成績を引き下げるために、ヘッドハンターを装ってその企業の要職関係者に接触、引き抜きに見せかけ企業から離脱させる行為も存在したなどの話も漏れ聞かれる。米国でも1990年代の情報通信産業分野で、盛んな人材の引き合いもあった事が聞かれる。
ただ企業からの引き抜きなどは同時代に社会現象として一般に知られたというだけで、それ以前にも様々な分野で引き抜きが行われたという話も存在する。これらでは、縁故などの人脈を頼って優秀な人物が他へと渡っていった。
芸能
芸能分野では、繁華街で芸能関係者が前途有望だと目を付けた人に声を掛けるなどがあるが、同じような場所でホストやアダルトビデオの募集もあるなどしていて、紛らわしい。最近では芸能事務所がオーディション(ホリプロタレントスカウトキャラバンなど)といったイベントで人員を集め、この中からめぼしい者を選んでスカウトする様式が見られる。街中で声を掛けるものでは、雑誌グラビア用などの写真モデルなどもあるが、いかがわしい写真のモデルなどもあり、様々である。スカウトと偽って呼び止められ、所定の場所に連れ込まれて犯罪被害に遭う者もいる。
その一方で、前出のような悪徳商法もあり、勧誘目的を偽って自尊心を煽り、仕事を紹介するつもりも無いのに登録の手数料(プロフィール制作やカタログ用写真撮影など)やレッスン料として対価を求めるケースも聞かれ、この問題は子役タレントや子供モデルなどの子煩悩な親を狙い撃ちにして、子供を誉めそやして良い気分にさせ、つかさず契約して手数料などの名目で金銭を請求する業態もあり、前出の大人を対象としたモデル・タレント募集と併せ、国民生活センターなどにも相談が寄せられている[1]。