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(法解釈学と基礎法学)
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Juraという語で同じような内容を指すこともあるが(「Jurastudenten」「ich studiere Jura」等)、本来これは[[ラテン語]]の「ius」(法)の複数形である。複数形であるのは、俗界の法(特に[[ローマ法]])と聖界の法([[カノン法]]あるいは[[教会法]])の両方を修めていた頃の名残であるといわれる。また、[[ドイツ語]]のJurisprudenz、[[フランス語]]・[[英語]]のjurisprudenceは、[[ローマ法]]におけるiuris prudentia(法の賢慮)という表現に由来する。[[市民法大全]]の[[ローマ法大全 | 法学提要]]によれば、「法学とは、…正しいことと正しくないことを知ることである(iuris prudentia est ... iusti atque iniusti scientia)」とされていた。しかし、[[イマヌエル・カント]]以来の[[法と道徳の峻別]]の結果、[[実定法]]学が析出してくることになる。
 
Juraという語で同じような内容を指すこともあるが(「Jurastudenten」「ich studiere Jura」等)、本来これは[[ラテン語]]の「ius」(法)の複数形である。複数形であるのは、俗界の法(特に[[ローマ法]])と聖界の法([[カノン法]]あるいは[[教会法]])の両方を修めていた頃の名残であるといわれる。また、[[ドイツ語]]のJurisprudenz、[[フランス語]]・[[英語]]のjurisprudenceは、[[ローマ法]]におけるiuris prudentia(法の賢慮)という表現に由来する。[[市民法大全]]の[[ローマ法大全 | 法学提要]]によれば、「法学とは、…正しいことと正しくないことを知ることである(iuris prudentia est ... iusti atque iniusti scientia)」とされていた。しかし、[[イマヌエル・カント]]以来の[[法と道徳の峻別]]の結果、[[実定法]]学が析出してくることになる。
  
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== 法解釈学と基礎法学 ==
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法学の分類として最も一般的なのは、実際の問題への適用を前提として実定法の意味を認識体系化する[[法解釈]]学と、法に関する基礎的研究を行う[[基礎法学]]への分類である。実定法とは、現に存在する法のことであり、その国家[[制定法]]や[[慣習法]]などが[[法源]]となる。基礎法学は、この実定法学を補う学問であると位置づけることができる。法哲学は、実定法の哲学的考察・実定法の一般理論・法学方法論をその領域とし、[[法史学]]や[[比較法学]]は、[[歴史]]的・[[地理]]的比較の中に対象となる実定法(日本国では[[日本法]])を位置づけることにより、実定法の認識を豊かなものにする。日本の研究においては、基礎法学(特に比較法学と法史学)による知見を基に一定の解釈を展開するというスタイルが支配的である。
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法解釈学の対象は、大きく[[公法]]と[[私法]]に分かれる。これらの対象に応じて、[[公法|公法学]]・[[私法|私法学]]と呼ぶ。[[憲法|憲法学]]([[国法学]])、[[行政法|行政法学]]、[[租税法|租税法学]]などは公法学に属し、[[民法|民法学]]、[[商法|商法学]]などは私法学の個別分野である。しかし、この分類は理論的に意味のあるものであるが、あまり便宜的ではないので、公法学、民事法学、刑事法学、基礎法学のように四分することもある(民事訴訟法と刑事訴訟法は、先の分類ではともに公法学に属するとされるが、ここでは民事法学と刑事法学に分かれる)。ここでは、国際法を公法とは別扱いにし、五つのカテゴリーに分けることにしよう。
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===法解釈学===
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* [[公法]]:
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** [[日本国憲法]]([[国法学]]) : [[憲法総論]]、[[基本的人権]]、[[統治機構]]、[[憲法訴訟]]
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** [[行政法]] : [[行政法総論]]、[[行政事件訴訟法]]、[[国家補償法]]([[国家賠償法]])、[[警察法]]、[[教育法]]、[[環境法]]、[[放送法]]
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** [[租税法]]
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** [[財政法]]
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** [[社会法]]、[[社会保障法]]
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** [[情報法]](狭義)
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* [[民事法]]
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** [[民法]] : [[民法総則]]、[[物権法]]、[[担保物権]]法、[[債権総論]]、[[契約法]]、[[事務管理]]、[[不当利得]]、[[不法行為]]、[[親族]]法、[[相続]]法。
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** [[商法]] : [[商法総則]]、[[会社法]]、[[商行為法]]、[[保険法]]、[[海商法]]、[[有価証券法]]([[手形法]]、[[小切手法]])、[[証券取引法]]
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**[[信託法]]
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** [[労働法]]
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** [[知的財産権法]]([[無体財産権法]]):[[特許法]]、[[著作権法]]
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** [[経済法]]([[産業法]]) : [[独占禁止法]]
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** 民事手続法 : [[民事訴訟法]]、[[民事執行法]]、[[民事保全法]]、[[倒産法]]([[破産法]]、[[民事再生法]]、[[会社更生法]]、[[会社整理]]、[[特別清算]])、[[国際民事手続法]](国際民事訴訟法)
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** [[国際私法]]
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* [[刑事法]]
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** [[刑法]] : [[刑法総論]]、[[刑法各論]]
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** [[刑事訴訟法]]
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** [[少年法]]
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* [[国際法]] : [[海洋法]]、[[空法]]、[[宇宙法]]、[[国際責任法]]
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** [[国際組織法]]
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** [[国際人権法]]
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** [[国際経済法]]
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** [[国際環境法]]
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** [[国際刑事法]](刑事国際法)
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** [[国際人道法]](戦争法・武力紛争法・戦時国際法)
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===基礎法学===
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* [[法哲学]]
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* [[法史学]]([[法制史]]・[[国制史]])
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** [[西洋法制史]] : [[楔形文字法]]、[[古代ギリシア法]]、[[ローマ法]]、[[教会法]](特に[[カノン法]])
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** [[東洋法制史]] : [[中国法制史]]、[[日本法制史]]
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* [[比較法学]]
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** [[大陸法]]
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*** [[ドイツ法]] : [[ドイツ法史]]、[[ドイツ憲法]]、[[ドイツ行政法]]、[[ドイツ民法]]、[[ドイツ商法]]、[[ドイツ民事訴訟法]]、[[ドイツ刑法]]、[[ドイツ刑事訴訟法]]。
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*** [[フランス法]] : [[フランス法史]]、[[フランス憲法]]、[[フランス行政法]]、[[フランス民法]]、[[フランス商法]]、[[フランス民事訴訟法]]、[[フランス刑法]]、[[フランス刑事訴訟法]]。
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*** [[イタリア法]]
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*** [[オランダ法]] : [[オランダ民法]]
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*** [[ベルギー法]]
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*** [[スイス法]] : [[スイス民法]]
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*** [[オーストリア法]] : [[オーストリア民法]]
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*** [[スペイン法]]
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*** [[イベロ・アメリカ法]]
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*** [[スコットランド法]]
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*** [[日本法]]
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*** [[韓国法]]
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*** [[台湾法]]
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** [[コモン・ロー|英米法]]
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*** [[イングランド法]]
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*** [[アメリカ法]] : [[アメリカ法史]]、[[アメリカ憲法]]、[[アメリカ行政法]]、[[アメリカ刑法]]、[[アメリカ刑事訴訟法]]。
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** [[シャリーア|イスラーム法]]
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** [[社会主義法]]
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*** [[中華人民共和国法]]
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* [[法社会学]]
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* [[犯罪学]]・[[刑事学]]・[[刑事政策]]
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* [[法と経済学]]
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* 実定法の体系
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**[[自然法]]・[[実定法]]
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**[[公法]]・[[私法]]
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**[[私法|市民法]]・[[社会法]]
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**[[実体法]]・[[手続法]]
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**[[民事法]]・[[刑事法]]
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**国内法・[[国際法]]
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**[[実質法]]・[[抵触法]]
  
 
== 学派 ==
 
== 学派 ==

2012年8月28日 (火) 17:19時点における最新版

法学(ほうがく、独:Rechtswissenschaft または Jurisprudenz、仏・英:jurisprudence)とは、(独:Recht)についての学問(独:Wissenschaft)である。

語源[編集]

Juraという語で同じような内容を指すこともあるが(「Jurastudenten」「ich studiere Jura」等)、本来これはラテン語の「ius」(法)の複数形である。複数形であるのは、俗界の法(特にローマ法)と聖界の法(カノン法あるいは教会法)の両方を修めていた頃の名残であるといわれる。また、ドイツ語のJurisprudenz、フランス語英語のjurisprudenceは、ローマ法におけるiuris prudentia(法の賢慮)という表現に由来する。市民法大全 法学提要によれば、「法学とは、…正しいことと正しくないことを知ることである(iuris prudentia est ... iusti atque iniusti scientia)」とされていた。しかし、イマヌエル・カント以来の法と道徳の峻別の結果、実定法学が析出してくることになる。

法解釈学と基礎法学[編集]

法学の分類として最も一般的なのは、実際の問題への適用を前提として実定法の意味を認識体系化する法解釈学と、法に関する基礎的研究を行う基礎法学への分類である。実定法とは、現に存在する法のことであり、その国家制定法慣習法などが法源となる。基礎法学は、この実定法学を補う学問であると位置づけることができる。法哲学は、実定法の哲学的考察・実定法の一般理論・法学方法論をその領域とし、法史学比較法学は、歴史的・地理的比較の中に対象となる実定法(日本国では日本法)を位置づけることにより、実定法の認識を豊かなものにする。日本の研究においては、基礎法学(特に比較法学と法史学)による知見を基に一定の解釈を展開するというスタイルが支配的である。

法解釈学の対象は、大きく公法私法に分かれる。これらの対象に応じて、公法学私法学と呼ぶ。憲法学国法学)、行政法学租税法学などは公法学に属し、民法学商法学などは私法学の個別分野である。しかし、この分類は理論的に意味のあるものであるが、あまり便宜的ではないので、公法学、民事法学、刑事法学、基礎法学のように四分することもある(民事訴訟法と刑事訴訟法は、先の分類ではともに公法学に属するとされるが、ここでは民事法学と刑事法学に分かれる)。ここでは、国際法を公法とは別扱いにし、五つのカテゴリーに分けることにしよう。

法解釈学[編集]

基礎法学[編集]

学派[編集]

法思想その他によって、法学の学派を区別することがある。

法学者[編集]

用語[編集]

各種の法律[編集]

現行の法律など法令の条文は、総務省行政管理局の法令データ提供システムにおいて入手できる。

関連項目[編集]

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