「西表サンクチュアリーリゾートニラカナイ」の版間の差分

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「大自然との共存を実感できる新しいスタイルのリゾートシーンを演出」として、自然にやさしいエコ、リサイクルに留意している。  具体的対策としては、 ・アメニティとして用意しているバスタオル、シャンプー、リンス、ボディソープ、石けんなどは天然素材のものを使用しており、客が持参してたものは出来るだけ使用しないように呼び掛けている。  
 
「大自然との共存を実感できる新しいスタイルのリゾートシーンを演出」として、自然にやさしいエコ、リサイクルに留意している。  具体的対策としては、 ・アメニティとして用意しているバスタオル、シャンプー、リンス、ボディソープ、石けんなどは天然素材のものを使用しており、客が持参してたものは出来るだけ使用しないように呼び掛けている。  
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===地元住民側の主張===
 
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ホテルの建設によって、周辺の自然環境が破壊されていると主張している。
  
 
ホテルが建設された浦内川河口流域は、[[イリオモテヤマネコ]]やカンムリワシ、セマルハコガメ、キシノウエトカゲなど14種の絶滅危惧種の生息地となっており、さらに大規模開発による自然環境への影響を懸念し、竹富町とホテル側に説明会を開くことを要求する。そこで、県への開発許可申請は住民の同意を得た上で行うと約束したにも関わらず、水面下で県への申請を行っていた。そして2002年10月県から開発許可が下りてしまう。住民の同意がなかったにも関わらず行われた行動に対して、住民側は[[リゾートホテル開発反対運動]]を立ち上げる。
 
ホテルが建設された浦内川河口流域は、[[イリオモテヤマネコ]]やカンムリワシ、セマルハコガメ、キシノウエトカゲなど14種の絶滅危惧種の生息地となっており、さらに大規模開発による自然環境への影響を懸念し、竹富町とホテル側に説明会を開くことを要求する。そこで、県への開発許可申請は住民の同意を得た上で行うと約束したにも関わらず、水面下で県への申請を行っていた。そして2002年10月県から開発許可が下りてしまう。住民の同意がなかったにも関わらず行われた行動に対して、住民側は[[リゾートホテル開発反対運動]]を立ち上げる。

2009年7月3日 (金) 20:20時点における版

沖縄県西表島竹富町にある大規模リゾートホテルの名称。 屈指の美しさを誇るトゥドゥリ浜(月ヶ浜)に位置し、そのホテル建設が周辺環境へもたらす影響を懸念した地元島民の間では、反対運動が起こっている。

概要

沖縄県の西表島にあるリゾートホテル(客室数141、収容人員171名:2004年7月オープン)の名前であり、正式名称『西表サンクチュアリーリゾートニラカナイ』。ニラカナイとは現地の言葉で「神の宿る聖地」という意味である。  

株式会社ユニマットリバティーによって経営。  西表島内の竹富町にあり、西表島でも屈指の美しさを誇る浦内川の河口流域に広がるトゥドゥマリ浜(月ヶ浜)に位置している。  このホテル建設は沖縄でも類を見ない大規模リゾート開発のために、自然環境破壊が懸念されており、地元住民の強い反対運動が起こっている。


西表島

沖縄本島に次ぐ大きな島で、ほとんどが複雑な起伏に富む地形を形成し、山岳が多い。  島全体は、熱帯・亜熱帯の植物によるうっそうと茂るジャングルやマングローブ林が発達、そして固有の動植物が豊富に残されており、「最後の秘境」や「東洋のガラパゴス」とも呼ばれている。  

観光地

西表島は観光地としても人気が高い。 島内の浦内川と仲良川という二つの大きな川では観光ボートが運行され、その景勝を楽しむことができる。また、浦内川の河口から約14㎞の地点にはマリュド、カンビレーの滝があり、観光客が年々増加している。[1]

自然環境への影響

ホテル側の対応

ホテル側は自然環境への配慮を行っているとしている。

「大自然との共存を実感できる新しいスタイルのリゾートシーンを演出」として、自然にやさしいエコ、リサイクルに留意している。  具体的対策としては、 ・アメニティとして用意しているバスタオル、シャンプー、リンス、ボディソープ、石けんなどは天然素材のものを使用しており、客が持参してたものは出来るだけ使用しないように呼び掛けている。 ・歯ブラシ、シャワーキャップ、くし、カミソリ類はゴミ減量のために用意してはいない。ゴミ対策としては、ホテル外で出たゴミを持ち帰れるようにホテル側がゴミ袋を客に提供したり、ホテルから出たゴミは環境を汚染しない炭化装置で処理している。[2] ・手つかずの自然に立ち入ったり、破壊しないように客に呼び掛けたり、フロンガス対策済みの冷蔵庫の使用、再生紙100%使用、大豆油インキ(大気汚染対策、作業環境保全、健康管理に有効)の使用、水なし印刷(廃液がなく通常より環境への負担少ない)の実行、専門家による環境調査などを行っている。



地元住民側の主張

ホテルの建設によって、周辺の自然環境が破壊されていると主張している。

ホテルが建設された浦内川河口流域は、イリオモテヤマネコやカンムリワシ、セマルハコガメ、キシノウエトカゲなど14種の絶滅危惧種の生息地となっており、さらに大規模開発による自然環境への影響を懸念し、竹富町とホテル側に説明会を開くことを要求する。そこで、県への開発許可申請は住民の同意を得た上で行うと約束したにも関わらず、水面下で県への申請を行っていた。そして2002年10月県から開発許可が下りてしまう。住民の同意がなかったにも関わらず行われた行動に対して、住民側はリゾートホテル開発反対運動を立ち上げる。

 ホテル側は自主的(沖縄県の条例で20ha以下の開発に関しては環境影響評価は不要となっており、ニラカナイホテル開発は20ha以下であった)に環境調査を行ってはいた。しかし、この調査はずさんなものであったと反対住民側は主張した。ホテル側は浦内川に生息している魚類は3種のみであるとして、開発のよる周辺環境への影響はないとした。しかし、日本魚類学会による同地域の調査では約360種の魚類が生息していることが確認されたからだ。特に稚魚期には多くの種がトゥドゥマリ浜(月ヶ浜)から浦内川河口域を重要な生育場としていた。

 西表島エコツーリズム協会日本エコツーリズム協会がリゾート開発計画の見直しを数度にわたり要請したが、無視されたまま開発許可が下りてしまった。そして、開発許可が下りたことを受けて、島民による「西表の未来を創る会」という反対運動グループが結成される。このグループは、ホテル側に対して両者の話し合いの場となる西表リゾート問題調整委員会の設置を要求し、インターネットを通じてこの問題の広報活動を行った。この広報活動によって、ニラカナイ開発問題は全国的に知られるものとなり、全国保護連盟によって、「保安林確認請求」や西表島固有の動植物を原告とした「西表リゾート開発差し止め動植物原告訴訟」が東京で行われたり、インターネット上で開発反対の署名活動が行われた。    しかし、そのような反対運動にも関わらず開発は進んだ。それに対して、島民は法的手段をとることを決定し、2003年1月沖縄開発審査会に開発行為許可取り消し審査請求を行い、同年3月那覇地方裁判所に建築禁止仮処分命令申し立てを行った。そして、7月に西表島リゾート開発差し止め訴訟を起こし、これは現在も継続中である。  同時期に、日本生態学会・沖縄生物学会・日本魚類学会などによって工事の一時中止と環境影響評価を求める学会決議を採択し、竹富町とホテル側に提出した。

 実際に、夜間も光が煌々と海岸を照射しているホテルがオープンして以来、ウミガメがトゥドゥリ浜(月ヶ浜)に産卵に来なくなったとも言われている。さらに、開発地域のハマグリ生息数が激減していることが確認されており、これはホテルによる汚排水の地下浸透が原因である考えられている。排水によって海が富栄養化し、赤潮の発生やサンゴへの影響が懸念されている。[3]

 ニラカナイホテルの開発に反対し、ニラカナイホテル宿泊客の利用を断っている地元観観光関連業者もいる。

 世界自然保護基金(WWF)はこの西表リゾート開発に対し工事中断を含めた再検討を行うとともに、地元住民・行政・事業者・学識者による協議会を設置するように求める見解を発表している。

 この西表サンクチュアリーリゾートニラカナイホテル開発への島民の反対運動は現在も継続中の問題である。

脚注

[1]花井正光・石垣金星著、岩波書店、1995年『子どもとはじめる自然[冒険]図鑑10 南の島を旅する』  田中利典著、新星図書、1958年『カラー百科シリーズ③沖縄の自然 秘境西表島』 [2]http://www.nanseirakuen.jp/iriomote/  、じゃらんホームページ [3]http://www.geooities.co.jp/Natural_and/2032/index.html

参考文献

花井正光・石垣金星著、岩波書店、1995年『子どもとはじめる自然[冒険]図鑑10 南の島を旅する』 田中利典著、新星図書、1958年『カラー百科シリーズ③沖縄の自然 秘境西表島』

[外部リンク] http://iriomote-love.com/ 西表の自然を愛する会

--asumi 2009年7月2日 (木) 20:48 (JST)