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{{Infobox_自動車のスペック表
 
| 車種 = 普通自動車
 
| 車名 = 日産・クルー
 
| 車名補 = K30型
 
| 1枚目画像の説明=営業車 前部(2005年までのモデル)
 
| 1枚目画像名=Nissan Crew Daiichikoutsu.JPG
 
| 2枚目画像の説明=営業車 後部(2005年までのモデル)
 
| 2枚目画像名=Nissan Crew 002.JPG
 
| 3枚目画像の説明=営業車(2005年以降のモデル)
 
| 3枚目画像名=Nissan Crew 004.JPG
 
 
 
| 別名 =  <!--現地名、地域を記入-->
 
| 製造国 =
 
| 販売期間=1993年-2009年<br/>(自家用は1994年-2002年)
 
| 設計統括 =
 
| デザイン =
 
 
| 乗車定員 = 5名
 
| ボディタイプ =4ドア[[セダン]]
 
| エンジン位置 =フロント
 
| 駆動方式 =[[後輪駆動]]
 
| プラットフォーム =
 
 
| エンジン = [[日産・RBエンジン#RB20E|RB20E]] 1,998cc [[直列6気筒]]<br />[[日産・RDエンジン|RD28]] [[ディーゼル]] 2,825cc 直列6気筒<br />→RD28E<br />[[日産・NAエンジン#NA20P|NA20P]] [[LPG自動車|LPG]] 1,998cc [[直列4気筒]]
 
 
| モーター =
 
| 最高出力 = '''RB20E''':<br />130PS/5,600rpm<br />'''RD28''':<br />94PS/4,800rpm<br />'''RD28E''':<br />100PS/4,800rpm<br />'''NA20P''':82PS/4,600rpm→85PS/4,600rpm
 
| 最大トルク =
 
| トランスミッション =
 
 
| サス前 =
 
| サス後 =
 
 
| ホイールベース=2,665mm
 
| 全長=4,595mm
 
| 全幅=1,695mm
 
| 全高=1,460mm
 
| 車両重量=1,290 - 1,575kg
 
| 最大積載量 =
 
| 自由項目1(項目名) =
 
| 自由項目1(内容) =
 
| 自由項目2(項目名) =
 
| 自由項目2(内容) =
 
| 先代=[[日産・ブルーバード|ブルーバード営業車(910型系)]]<br/>[[日産・ローレル|ローレル営業車(C32型系)]]
 
| 後継=[[日産・セドリック営業車|セドリック営業車]]、および[[日産・ティーダラティオ|ティーダラティオ(タクシー・教習車仕様)]]に統合
 
 
}}
 
 
'''クルー'''(''CREW'')は、[[日産自動車]]が生産していた[[セダン]]型[[商用車]]、およびセダン型[[乗用車]]。主に[[タクシー]]として用いることを前提に設計されている。[[1994年]] - [[2002年]]には[[コンシューマ|個人(自家用)向け]]仕様の「クルー・サルーン」と[[パトカー]]仕様も発売されていた。
 
'''クルー'''(''CREW'')は、[[日産自動車]]が生産していた[[セダン]]型[[商用車]]、およびセダン型[[乗用車]]。主に[[タクシー]]として用いることを前提に設計されている。[[1994年]] - [[2002年]]には[[コンシューマ|個人(自家用)向け]]仕様の「クルー・サルーン」と[[パトカー]]仕様も発売されていた。
  
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== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[日産・ローレル|ローレル(C31)]]/[[日産・ブルーバード|ブルーバード(U10)]]/[[日産・スカイライン|スカイライン(R30)]]それぞれの[[商用車|営業車]]を統合させた4ドアセダンである。[[シャーシ]]は、タクシー専用モデルとして設定されていたC32型系ローレル4ドアセダンのフロントセクションと、Y31型系[[日産・セドリック営業車|セドリック営業車]]のキャビンとリアフロアパンを組み合わせて、耐久性・信頼性・整備性を向上させた物を使用。ドアは、使用頻度の高い[[操縦席|運転席]](右前)と左リアの前後寸法をそれぞれ反対側より50mmずつ大きく取り、左右非対称の設計にする等、最初から小型タクシーとして使用する事を前提とした設計となっている。
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[[日産・ローレル|ローレル(C32)]]/[[日産・ブルーバード|ブルーバード(910)]]/[[日産・スカイライン|スカイライン(R30)]]それぞれの[[商用車|営業車]]を統合させた4ドアセダンである。[[シャーシ]]は、タクシー専用モデルとして設定されていたC32型系ローレル4ドアセダンのフロントセクションと、Y31型系[[日産・セドリック営業車|セドリック営業車]]のキャビンとリアフロアパンを組み合わせて、耐久性・信頼性・整備性を向上させた物を使用。ドアは、使用頻度の高い[[操縦席|運転席]](右前)と左リアの前後寸法をそれぞれ反対側より50mmずつ大きく取り、左右非対称の設計にする等、最初から小型タクシーとして使用する事を前提とした設計となっている。
  
 
[[パトロールカー]]や[[教習車]]としても使用されている。
 
[[パトロールカー]]や[[教習車]]としても使用されている。
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[[1994年]]1月から[[2002年]]6月までは、クルー・サルーンという[[自家用車|自家用]]向けモデルも存在した。これは、3ナンバーサイズの大柄な車体・過剰な装備・[[直列4気筒|直4]]エンジン・[[オートマチックトランスミッション|AT]]等をあまり好まない[[流行#イノベーター理論|保守的]]な60代以上の高齢のユーザー(1994年 - 2002年当時)を主なターゲットとした物であり、[[日産・RBエンジン|RB20E型]][[ガソリンエンジン]]と、[[日産・RDエンジン|RD28E型]][[ディーゼルエンジン]]という、回転フィールと出力特性のバランスで評価の高かった2種の[[直列6気筒|直6]]エンジンや、AT以外に[[シフトレバーの配置|フロアシフト]]の5速[[マニュアルトランスミッション|MT]]が設定され、価格も比較的低廉であった。
 
[[1994年]]1月から[[2002年]]6月までは、クルー・サルーンという[[自家用車|自家用]]向けモデルも存在した。これは、3ナンバーサイズの大柄な車体・過剰な装備・[[直列4気筒|直4]]エンジン・[[オートマチックトランスミッション|AT]]等をあまり好まない[[流行#イノベーター理論|保守的]]な60代以上の高齢のユーザー(1994年 - 2002年当時)を主なターゲットとした物であり、[[日産・RBエンジン|RB20E型]][[ガソリンエンジン]]と、[[日産・RDエンジン|RD28E型]][[ディーゼルエンジン]]という、回転フィールと出力特性のバランスで評価の高かった2種の[[直列6気筒|直6]]エンジンや、AT以外に[[シフトレバーの配置|フロアシフト]]の5速[[マニュアルトランスミッション|MT]]が設定され、価格も比較的低廉であった。
  
タクシー等として使用する事を前提に開発された車種ではあるが、当時急速に数を減らしつつあった[[後輪駆動|FR]]とMTという組み合わせが選べる事や、RBエンジン搭載車の中では価格が低めであった事等もあり、一部の[[珍車|レアカー]]や[[チューニングカー]][[マニア]]からも注目をされた。簡素な[[サスペンション]]を始めとして、元来駆動系や足回りに流用[[部品]]が多い成り立ちから、既存の豊富な[[アフターマーケット]]パーツが利用できた他、元々RB型系及びRD型系エンジンの設定がある為に[[エンジンスワップ]]にも都合が良く、直4の[[日産・SRエンジン|SR系エンジン]]は言うに及ばず、[[日産・スカイライン|スカイライン]]GT-R用の[[RB26DETT]]を筆頭としたRBの高性能版への[[エンジンスワップ|換装]]例も数多く見られた。この他、旧車の[[フェンダーミラー]]やホイールキャップを流用した[[レトロ]]調のドレスアップなども見られ、[[中古車]]としての[[市場]]規模は小さいながらも、一時は一定の人気を得るに至った。タクシー用途としては生産終了から年数が経っているが、[[コンフォート]]など同様の車種が生産終了したこと、耐久性の面で現在でも数多くのタクシー及びハイヤーの会社が現役で使用している。
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タクシー等として使用する事を前提に開発された車種ではあるが、当時急速に数を減らしつつあった[[後輪駆動|FR]]とMTという組み合わせが選べる事や、RBエンジン搭載車の中では価格が低めであった事等もあり、一部の[[珍車|レアカー]]や[[チューニングカー]][[マニア]]からも注目をされた。簡素な[[サスペンション]]を始めとして、元来駆動系や足回りに流用[[部品]]が多い成り立ちから、既存の豊富な[[アフターマーケット]]パーツが利用できた他、元々RB型系及びRD型系エンジンの設定がある為に[[エンジンスワップ]]にも都合が良く、直4の[[日産・SRエンジン|SR系エンジン]]は言うに及ばず、[[日産・スカイライン|スカイライン]]GT-R用の[[RB26DETT]]を筆頭としたRBの高性能版への[[エンジンスワップ|換装]]例も数多く見られた。この他、旧車の[[フェンダーミラー]]やホイールキャップを流用した[[レトロ]]調のドレスアップなども見られ、[[中古車]]としての[[市場]]規模は小さいながらも、一時は一定の人気を得るに至った。タクシー用途としては生産終了から年数が経っているが、[[トヨタ・コンフォート|コンフォート]]など同様の車種が生産終了したこと、耐久性の面で現在でも数多くのタクシー及びハイヤーの会社が現役で使用している。
  
 
== 型式 K30型(1993年 - 2009年) ==
 
== 型式 K30型(1993年 - 2009年) ==
 
; [[1993年]][[7月8日]]
 
; [[1993年]][[7月8日]]
: それまでタクシー専用モデルのみ継続して生産・販売されていた、C32型[[日産・ローレル|ローレル]]および910型[[日産・ブルーバード|ブルーバード]]の4ドアセダンの後継として登場<ref>{{Cite press release|和書|url=https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-52ceef740fc0095afb0845bf400df0d7-19930708-j|title=ニッサン クルーを新発売 <small>後席左側に乗降性に優れる大型ドアを採用</small>|publisher=日産自動車株式会社|date=1993-07-08|accessdate=2022-03-18}}</ref>。運転席と左リアドアの開口寸法と最大開き角度を拡大する等、タクシーでの利便性を向上させている。
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: それまでタクシー専用モデルのみ継続して生産・販売されていた、C32型[[日産・ローレル|ローレル]]および910型[[日産・ブルーバード|ブルーバード]]の4ドアセダン、R30[[日産・スカイライン|スカイライン]]の営業車モデルの後継として登場<ref>{{Cite press release|和書|url=https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-52ceef740fc0095afb0845bf400df0d7-19930708-j|title=ニッサン クルーを新発売 <small>後席左側に乗降性に優れる大型ドアを採用</small>|publisher=日産自動車株式会社|date=1993-07-08|accessdate=2022-03-18}}</ref>。運転席と左リアドアの開口寸法と最大開き角度を拡大する等、タクシーでの利便性を向上させている。
 
; [[1994年]][[1月21日]]
 
; [[1994年]][[1月21日]]
 
: 自家用向けグレード「クルー・サルーン」が登場<ref>{{Cite press release|和書|url=https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-ea2ada92a067df51a78ce3a3b2192ddb-19940121-02-j|title=クルー サルーンシリーズを新発売 <small>実質機能を極めた、正統派5ナンバーセダン</small>|publisher=日産自動車株式会社|date=1993-07-08|accessdate=2022-03-18}}</ref>。ローレルや[[日産・スカイライン|スカイライン]]と同じ[[日産・RBエンジン|RB20E]]や[[日産・RDエンジン|RDエンジン]]を積んだモデルもあった。[[自家用自動車|自家用]]4ドアセダンには珍しく、[[自動ドア]]のオプション設定があった。これは[[個人タクシー]]での使用を想定したものと思われる。
 
: 自家用向けグレード「クルー・サルーン」が登場<ref>{{Cite press release|和書|url=https://global.nissannews.com/ja-JP/releases/release-ea2ada92a067df51a78ce3a3b2192ddb-19940121-02-j|title=クルー サルーンシリーズを新発売 <small>実質機能を極めた、正統派5ナンバーセダン</small>|publisher=日産自動車株式会社|date=1993-07-08|accessdate=2022-03-18}}</ref>。ローレルや[[日産・スカイライン|スカイライン]]と同じ[[日産・RBエンジン|RB20E]]や[[日産・RDエンジン|RDエンジン]]を積んだモデルもあった。[[自家用自動車|自家用]]4ドアセダンには珍しく、[[自動ドア]]のオプション設定があった。これは[[個人タクシー]]での使用を想定したものと思われる。
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;2009年8月
 
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:営業車としての受注分の全てを販売終了。販売終了前月までの新車登録台数の累計は5万2124台<ref>デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第31号11ページより。</ref>。16年の歴史に幕を下ろす。これに伴い、日産自動車のラインナップから小型タクシーが消滅した。後継としては、[[鹿児島日産自動車]]が独自に企画・開発した[[日産・ティーダラティオ|ティーダラティオ]]タクシー仕様(ガソリンエンジンのみ)が2009年9月1日に発売されている<ref group="注釈">このほか、2010年12月に発売された[[日産・NV200バネット|NV200バネット]]タクシーは小型車扱いである。一方でタクシー仕様の設定はないものの、2011年頃から[[日産・ブルーバードシルフィ|ブルーバードシルフィ]]、2017年頃からは[[日産・ノート E12|ノートe-POWER]]をタクシーとして導入する企業が現れた。また、訪日外国人の増加に伴い[[日産・セレナ|セレナ]]を導入する事業者も現れている。</ref>。
 
:営業車としての受注分の全てを販売終了。販売終了前月までの新車登録台数の累計は5万2124台<ref>デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第31号11ページより。</ref>。16年の歴史に幕を下ろす。これに伴い、日産自動車のラインナップから小型タクシーが消滅した。後継としては、[[鹿児島日産自動車]]が独自に企画・開発した[[日産・ティーダラティオ|ティーダラティオ]]タクシー仕様(ガソリンエンジンのみ)が2009年9月1日に発売されている<ref group="注釈">このほか、2010年12月に発売された[[日産・NV200バネット|NV200バネット]]タクシーは小型車扱いである。一方でタクシー仕様の設定はないものの、2011年頃から[[日産・ブルーバードシルフィ|ブルーバードシルフィ]]、2017年頃からは[[日産・ノート E12|ノートe-POWER]]をタクシーとして導入する企業が現れた。また、訪日外国人の増加に伴い[[日産・セレナ|セレナ]]を導入する事業者も現れている。</ref>。
 
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:生産終了の背景に[[2008年|前年]]に発生した[[リーマンショック]]による強まる不況が要因とされている。
生産終了の背景に[[2008年|前年]]に発生した[[リーマンショック]]による強まる不況が要因とされている。
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== 脚注 ==
 
== 脚注 ==

2024年10月27日 (日) 00:51時点における最新版

クルーCREW)は、日産自動車が生産していたセダン商用車、およびセダン型乗用車。主にタクシーとして用いることを前提に設計されている。1994年 - 2002年には個人(自家用)向け仕様の「クルー・サルーン」とパトカー仕様も発売されていた。

製造は日産車体が担当していた。

概要[編集]

ローレル(C32)/ブルーバード(910)/スカイライン(R30)それぞれの営業車を統合させた4ドアセダンである。シャーシは、タクシー専用モデルとして設定されていたC32型系ローレル4ドアセダンのフロントセクションと、Y31型系セドリック営業車のキャビンとリアフロアパンを組み合わせて、耐久性・信頼性・整備性を向上させた物を使用。ドアは、使用頻度の高い運転席(右前)と左リアの前後寸法をそれぞれ反対側より50mmずつ大きく取り、左右非対称の設計にする等、最初から小型タクシーとして使用する事を前提とした設計となっている。

パトロールカー教習車としても使用されている。

設定されたグレードは上から順にGLX, GL, E-L、Eの4種類。主にE-L, Eが地方の法人タクシーで使われている。上級グレードのGL, GLXは主に個人タクシーで使われている。

1994年1月から2002年6月までは、クルー・サルーンという自家用向けモデルも存在した。これは、3ナンバーサイズの大柄な車体・過剰な装備・直4エンジン・AT等をあまり好まない保守的な60代以上の高齢のユーザー(1994年 - 2002年当時)を主なターゲットとした物であり、RB20E型ガソリンエンジンと、RD28E型ディーゼルエンジンという、回転フィールと出力特性のバランスで評価の高かった2種の直6エンジンや、AT以外にフロアシフトの5速MTが設定され、価格も比較的低廉であった。

タクシー等として使用する事を前提に開発された車種ではあるが、当時急速に数を減らしつつあったFRとMTという組み合わせが選べる事や、RBエンジン搭載車の中では価格が低めであった事等もあり、一部のレアカーチューニングカーマニアからも注目をされた。簡素なサスペンションを始めとして、元来駆動系や足回りに流用部品が多い成り立ちから、既存の豊富なアフターマーケットパーツが利用できた他、元々RB型系及びRD型系エンジンの設定がある為にエンジンスワップにも都合が良く、直4のSR系エンジンは言うに及ばず、スカイラインGT-R用のRB26DETTを筆頭としたRBの高性能版への換装例も数多く見られた。この他、旧車のフェンダーミラーやホイールキャップを流用したレトロ調のドレスアップなども見られ、中古車としての市場規模は小さいながらも、一時は一定の人気を得るに至った。タクシー用途としては生産終了から年数が経っているが、コンフォートなど同様の車種が生産終了したこと、耐久性の面で現在でも数多くのタクシー及びハイヤーの会社が現役で使用している。

型式 K30型(1993年 - 2009年)[編集]

1993年7月8日
それまでタクシー専用モデルのみ継続して生産・販売されていた、C32型ローレルおよび910型ブルーバードの4ドアセダン、R30スカイラインの営業車モデルの後継として登場[1]。運転席と左リアドアの開口寸法と最大開き角度を拡大する等、タクシーでの利便性を向上させている。
1994年1月21日
自家用向けグレード「クルー・サルーン」が登場[2]。ローレルやスカイラインと同じRB20ERDエンジンを積んだモデルもあった。自家用4ドアセダンには珍しく、自動ドアのオプション設定があった。これは個人タクシーでの使用を想定したものと思われる。
1994年4月
パトロールカー仕様追加。以後、R32型系スカイラインのパトカー仕様を代替していくようになる。警ら自動車のエンジンを6気筒とする警察の規定[注釈 1]によりRB20Eを搭載。また、ホイールは標準車と同じPCD114.3の4穴ながら、15インチに変更されている。
1994年5月11日
LXサルーンにディーゼルエンジン仕様車を追加[3]
1995年2月8日
サルーン系を一部改良[4]、運転席SRSエアバッグが標準装備となる[注釈 2]。LXサルーンはBタイプ[注釈 3]を廃止し、Gタイプ[注釈 4]を追加。
1996年1月10日
営業車と教習車を一部改良[5]。運転席SRSエアバッグをオプション設定。
1996年
光岡自動車がクルーベースのレトロ調セダン「ガリュー」の販売を開始する。
1998年6月22日
一部改良[6]NA20P型 LPGエンジン燃焼室改善などにより、低燃費化および出力トルクを向上。また、営業車上級グレードのGLX / GLに、カラードバンパーやメッキアウタードアハンドル、アルミロードホイール、装飾フィニッシャーなどをセットにした「カスタムパッケージA/B[注釈 5]」をオプション設定。同時に、センターコンソールリッドへの料金トレイの設定、トランクルームのフルトリム化、オゾンセーフエアコンの標準装備、抗菌処理などを施す。
1999年8月23日
一部改良[7]。安全性能および仕様装備の向上を図る。また、旧来の機械式燃料噴射ポンプを用いたRD28型 直列6気筒ディーゼルエンジンに代わり、SOHCながら18バルブとし、燃焼噴射も電子制御としたEGIディーゼルのRD28E型を採用。営業車は、福祉タクシーとして助手席回転仕様車を追加。サルーン系は、下級グレードのLSサルーン / LSサルーンF[注釈 6]を廃止した。
2001年2月21日
福祉タクシーに後席回転仕様車を追加(4月2日発売)[8]
2002年6月26日
一部改良[9]。ガソリン、ディーゼルエンジン廃止により、サルーン系とパトカー仕様が生産終了となり、低排出ガス化した直列4気筒SOHC LPGエンジン NA20P搭載の営業車と教習車のみの設定となる。また、運転席デュアルシートリフター、運転席ランバーサポートを全車標準化した。ボディカラーは、シルバー系をシルバーメタリックからダイヤモンドシルバーメタリックに変更した。
2005年11月30日
一部改良[10]。最下級グレードのEとGLのMT車を廃止、ターンシグナルランプレンズのクリアー化、リアコンビランプ形状の小変更、ハイマウントストップランプLED化などを行い、灯火器技術基準に適合した。
2007年7月
平成17年排出ガス規制適合。教習車が廃止され、2008年9月にティーダラティオ教習車が発売されるまで日産から教習車のラインナップが一時消滅した。
2009年6月
営業車としての受注分の生産終了。
2009年8月
営業車としての受注分の全てを販売終了。販売終了前月までの新車登録台数の累計は5万2124台[11]。16年の歴史に幕を下ろす。これに伴い、日産自動車のラインナップから小型タクシーが消滅した。後継としては、鹿児島日産自動車が独自に企画・開発したティーダラティオタクシー仕様(ガソリンエンジンのみ)が2009年9月1日に発売されている[注釈 7]
生産終了の背景に前年に発生したリーマンショックによる強まる不況が要因とされている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 三菱・ギャランΣのみ、4気筒ながらサイレントシャフトの追加で例外的に採用されている。
  2. エアバッグ仕様ステアリングホイールの形状も変更。
    尚、エアバッグレス仕様も選択出来た。
  3. 電動リモコンドアミラーの電動格納機能とボディカラード塗装、AM/FM電子チューナーラジオのカセットデッキ機能を省き、ラジオアンテナを手動化した廉価仕様。
  4. 本革巻きステアリングホイール&シフトノブ&パーキングブレーキレバー、リモートコントロールエントリーシステム、15インチアルミパッケージを追加した上級仕様。
  5. AとBの違いは、Aがアルミホイール(GLXは15インチ、GLは14インチ)付きとなる。
  6. 塩ビレザー表皮シート(後席アームレストなし)、無塗装バンパー、パワーウィンドウ&集中ドアロック及びフルホイールカバー非装着など、営業車E-L並みの装備仕様となる最廉価グレード。
  7. このほか、2010年12月に発売されたNV200バネットタクシーは小型車扱いである。一方でタクシー仕様の設定はないものの、2011年頃からブルーバードシルフィ、2017年頃からはノートe-POWERをタクシーとして導入する企業が現れた。また、訪日外国人の増加に伴いセレナを導入する事業者も現れている。

出典[編集]

  1. (1993-07-08) ニッサン クルーを新発売 後席左側に乗降性に優れる大型ドアを採用 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  2. (1993-07-08) クルー サルーンシリーズを新発売 実質機能を極めた、正統派5ナンバーセダン 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  3. (1994-05-11) クルー サルーンシリーズにディーゼル車を追加 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  4. (1995-02-08) クルー サルーンシリーズを仕様向上 自家用車全車に運転席SRSエアバッグシステムを標準採用 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  5. (1996-01-10) クルー タクシーを仕様向上 運転席SRSエアバッグシステムを全車種にオプション設定 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  6. (1998-06-22) クルー「タクシー」を一部改良 2.0ℓLPGエンジン搭載車の燃費を向上 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  7. (1999-08-23) 「クルー」を一部改良 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  8. (2001-02-21) セドリック セダン福祉タクシー及びクルー福祉タクシーに後席回転仕様車を新発売 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  9. (2002-06-26) 「セドリック セダン」、「クルー」の営業車を一部改良 〜あわせて「セドリック セダン」の営業車に「クラシックSV」を追加〜 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  10. (2005-11-30) 「スカイライン クーペ」をマイナーチェンジ あわせて「スカイライン セダン」、「ステージア」、「セドリック セダン」、「クルー」を一部改良 日産自動車株式会社 [ arch. ] 2022-03-18
  11. デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第31号11ページより。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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