「奈良女子大学」の版間の差分
(→佐保会) |
細 (追記 工学部) |
||
10行目: | 10行目: | ||
=== 建学の精神(校訓・理念・学是) === | === 建学の精神(校訓・理念・学是) === | ||
「女子の最高教育機関として、広く知識を授けるとともに、専門の学術文化を教授、研究し、その能力を展開させるとともに、学術の理論及び応用を教授、研究し、その深奥を究めて、文化の進展に寄与すること(奈良女子大学学則)」また、[[2000年]](平成12年)11月「4つの基本理念」を定め、社会における女性の知的自立と知的展開能力の獲得を目指している。 | 「女子の最高教育機関として、広く知識を授けるとともに、専門の学術文化を教授、研究し、その能力を展開させるとともに、学術の理論及び応用を教授、研究し、その深奥を究めて、文化の進展に寄与すること(奈良女子大学学則)」また、[[2000年]](平成12年)11月「4つの基本理念」を定め、社会における女性の知的自立と知的展開能力の獲得を目指している。 | ||
+ | |||
+ | ===工学部設置=== | ||
+ | 2022年度から、国立女子大学としては始めて工学部を新設する予定である。入学定員は45人とし、「人間情報分野」と「環境デザイン分野」の2つの専門分野を設ける。 | ||
== 基礎データ == | == 基礎データ == |
2021年12月14日 (火) 16:58時点における最新版
奈良女子大学は、奈良市北魚屋東町に本部を置く日本の国立大学である。1949年に設置された。大学の略称は奈良女(ならじょ)。
旧制女子高等師範学校として設立された奈良女子高等師範学校が母体となっている。国立の女子大学は同学とお茶の水女子大学の2校だけであり、お茶の水女子大と並ぶ女子大学の双璧として長年にわたり多くの人材を輩出してきている。
概観[編集]
大学全体[編集]
奈良女子大学は1908年(明治41年)に中等教育女子教員の養成を目的として設置された奈良女子高等師範学校(師範学校参照)をその前身とした女子大学である。1949年国立学校設置法の公布により奈良女子大学として発足。また、2004年(平成16年)10月に施行された国立大学法人法により、新たに国立大学法人奈良女子大学として設置された。
建学の精神(校訓・理念・学是)[編集]
「女子の最高教育機関として、広く知識を授けるとともに、専門の学術文化を教授、研究し、その能力を展開させるとともに、学術の理論及び応用を教授、研究し、その深奥を究めて、文化の進展に寄与すること(奈良女子大学学則)」また、2000年(平成12年)11月「4つの基本理念」を定め、社会における女性の知的自立と知的展開能力の獲得を目指している。
工学部設置[編集]
2022年度から、国立女子大学としては始めて工学部を新設する予定である。入学定員は45人とし、「人間情報分野」と「環境デザイン分野」の2つの専門分野を設ける。
基礎データ[編集]
所在地[編集]
- キャンパス(奈良県奈良市北魚屋西町)
- 事務局(奈良県奈良市北魚屋東町)
象徴[編集]
校歌[編集]
1917年(大正6年)1月、貞明皇后より下賜された御歌を基に東京音楽学校(現在の東京芸術大学)へ付曲依頼されたもの。同年6月に奈良女子高等師範学校校歌として制定された。
ソプラノ・メゾソプラノ・アルトの女声合唱である点が女子大ならでは。入学式に音楽部(合唱部)によって披露されている。
校章[編集]
八重桜を輪郭とし、中に八稜鏡を収め、更に撫子を中心に配したもの。
奈良を象徴する『八重桜』、婦徳のかがみであってほしいとする『八稜鏡』、やまとなでしこの『撫子』をそれぞれ表している。1914年に奈良女子高等師範学校徽章として制定され、やや小型化され丸みを帯びる形に改変されたものの現在まで受け継がれている。 </div>
沿革[編集]
- 1908年(明治41年)3月31日 - 勅令第69号により奈良女子高等師範学校を設置。
- 1909年(明治42年)5月1日 - 授業を開始。(この日が開校記念日である。)
- 1911年(明治44年)- 附属小学校と附属高等女学校を設置。
- 1912年(明治45年)- 附属幼稚園を設置。
- 1912年(大正3年)- 予科を廃止、文科、理科、家事科の3学科を設置。
- 1916年(大正7年)- 附属実科高等女学校を設置。(後に附属高等女学校と統合)
- 1947年(昭和22年)- 学制改革に伴い、附属中学校を設置。
- 1948年(昭和23年)- 学制改革に伴い、附属高等学校を設置。
- 1949年(昭和24年)5月31日 - 新制奈良女子大学が発足、文学部(社会学科、国語国文学科、英語英文学科、史学地理学科)と理家政学部(数学科、物理学科、化学科、生物学科、家政学科)の2学部を設置。奈良女子高等師範学校を包括。
- 1950年(昭和25年)4月1日 - 幼稚園教員養成課程を設置。
- 1952年(昭和27年)3月31日 - 奈良女子高等師範学校を廃止。
- 4月1日 - 文学部教育学科を設置。
- 1953年(昭和28年)8月1日 - 理家政学部を理学部(学科、物理学科、化学科、生物学科)と家政学部(食物学科、被服学科、住居保健学科)に分離。
- 1954年(昭和29年)4月1日 - 家政学専攻科を設置。
- 1955年(昭和30年)7月1日 - 文学専攻科を設置。
- 1956年(昭和31年)4月1日 - 理学専攻科を設置。
- 1964年(昭和39年)4月1日 - 家政学専攻科を廃止し、大学院家政学研究科(修士課程)を設置。
- 1965年(昭和40年)4月1日 - 理学専攻科を廃止し、大学院理学研究科(修士課程)を設置。
- 1967年(昭和42年)4月1日 - 文学部史学地理学科を史学科及び地理学科に改組。
- 1968年(昭和43年)4月1日 - 大学院文学研究科(修士課程)を設置。
- 1973年(昭和48年)4月1日 - 家政学部生活経営学科を設置。
- 1976年(昭和51年)4月1日 - 文学専攻科を廃止。
- 1980年(昭和55年)4月1日 - 大学院文学研究科に博士課程を設置。
- 1981年(昭和56年)4月1日 - 大学院文学研究科博士課程を人間文化研究科(博士課程)に改組。
- 1991年(平成3年)4月1日 - 理学部情報科学科を設置。
- 1993年(平成5年)4月1日 - 家政学部を生活環境学部(生活環境学科、人間環境学科)に改組。
- 1995年(平成7年)4月1日 - 文学部6学科を3学科(国際社会文化学科、言語文化学科、人間行動科学科)に改組。
- 1996年(平成8年)4月1日 - 理学部物理学科を物理科学科に、生物学科を生物科学科に改組。
- 1998年(平成10年)4月1日 - 大学院人間文化研究科を区分制博士課程に改組。大学院修士課程3研究科を統合し人間文化研究科博士前期課程に改組。
- 2004年(平成16年)4月1日 - 国立大学法人になる。
- 2005年(平成17年)4月1日 - 生活環境学部生活環境学科を食物栄養学科、生活健康・衣環境学科に改組。
- 2006年(平成18年)4月1日 - 生活環境学部人間環境学科を住環境学科、生活文化学科に改組。
- 2013年(平成25年)5月12日 - 臨床心理相談センターを設置。
革マル系女子学生を逮捕。偽名で航空機に搭乗(2013年10月)[編集]
偽名で沖縄への旅行を申し込み、航空機に搭乗したとして、大阪、奈良、沖縄3府県警は30日、私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、革マル派系全学連活動家の奈良女子大2年成田睦月こと郭美香(20)=奈良市=を逮捕した。
府警は30日、同容疑で奈良市にある大学のサークルの部屋や、大阪市東淀川区の「解放社関西支社」など十数か所を家宅捜索。活動拠点とみている。
逮捕容疑は5月上旬、大阪市の旅行代理店で、沖縄へのパック旅行を申し込んだ際に伝えた偽名を航空会社のシステムに登録させた上、同月中旬に偽名の航空券で関西発那覇行きの航空機に搭乗した疑い。黙秘しているという。
教育および研究[編集]
組織[編集]
学部[編集]
- 2014年度以降の入学生
- 文学部 - 3学科
- 人文社会学科 - 5コース(古代文化学、歴史学、地域環境学、文化メディア学)
- 言語文化学科 - 2コース(日本アジア言語文化学、ヨーロッパ・アメリカ言語文化学)
- 人間科学科 - 2コース(教育学・人間学、心理学)
- 理学部 - 2学科
- 数物科学科 - 3コース(数学、物理学、数物連携)
- 化学生命環境学科 - 3コース(化学、生物科学、環境科学)
- 生活環境学部 - 5学科
- 食物栄養学科
- 心身健康学科 - 3コース(生活健康学、スポーツ健康科学、臨床心理学)
- 情報衣環境学科 - 2コース(衣環境学、生活情報通信科学)
- 住環境学科
- 生活文化学科
- 文学部 - 3学科
- 2013年度以前の入学生
大学院[編集]
- 人間文化研究科
- 博士前期課程 12専攻
- 国際社会文化学専攻 - 5コース(古代文化学、歴史学、社会情報学、地域環境学、文化メディア学)
- 言語文化学専攻 - 2コース(日本アジア言語文化学、ヨーロッパ・アメリカ言語文化学)
- 人間行動科学専攻 - 3コース(教育学・人間学、人間関係行動学、スポーツ科学)
- 食物栄養学専攻
- 生活健康・衣環境学専攻(2013年度入学生まで) - 2コース(生活健康学、衣環境学)
- 心身健康学専攻(2014年度入学生から) - 3コース(生活健康学、衣環境学、臨床心理学)
- 住環境学専攻
- 生活文化学専攻
- 数学専攻 - 2コース(構造数学、現象解析学)
- 物理科学専攻 - 2コース(基礎物理学、物性物理学)
- 化学専攻 - 2コース(基幹化学、機能化学)
- 生物科学専攻 - 2コース(分子・細胞生物学、個体・集団生物学)
- 情報科学専攻 - 2コース(数理情報学、環境情報学)
- 博士後期課程 4専攻
- 比較文化学専攻 - 3講座(文化史論、日本アジア文化情報学、欧米地域文化情報学)
- 社会生活環境学専攻 - 4講座(人間行動科学、社会・地域学、共生社会生活学、生活環境計画学)
- 共生自然科学専攻 - 4講座(食物栄養科学、環境生活科学、生物環境科学、機能性物質科学)
- 複合現象科学専攻 - 3講座(現象構造解析、複合自然構造、複合情報科学)
- 博士前期課程 12専攻
研究院[編集]
- 人文科学系
- 人文社会学領域
- 言語文化学領域
- 人間科学領域
- 自然科学系
- 数学領域
- 物理学領域
- 化学領域
- 生物科学領域
- 情報科学領域
- 生活環境科学系
- 食物栄養学領域
- 生活健康学領域
- 衣環境学領域
- 住環境学領域
- 生活文化学領域
- 臨床心理学領域
- 先端IT領域
附属機関・教育研究施設[編集]
- 学内センター
- 共生科学研究センター
- 古代学学術研究センター
- アジア・ジェンダー文化学研究センター
- 国際交流センター
- 社会連携センター
- 生涯学習教育研究センター
- 教育システム研究開発センター
- 総合情報処理センター
- 環境安全管理センター
- 保健管理センター
- 臨床心理相談センター
- 奈良女子大学記念館
- 附属図書館
- 学生寄宿舎・国際学生宿舎
附属学校[編集]
全て、男女共学である。
研究[編集]
21世紀COEプログラム[編集]
21世紀COEプログラムとして、1件のプロジェクトが採択された。
- 2004年(平成16年)
- 革新的な学術分野
- 古代日本形成の特質解明の研究教育拠点
学生生活[編集]
部活動・サークル活動[編集]
学部棟から運動場を隔て、文化系サークル共用施設、音楽棟、課外活動サークル棟、弓道場が並び、各活動を行っている。公認団体として体育系20団体、文化系20団体、音楽系9団体の計49団体(2009年(平成21年)2月現在)があるほか、非公認のサークルやインカレサークルなどが活動している。なお、サークル共用施設は数年間に渡り老朽化が問題となっていたが、2006年(平成18年)8月に新築された。
学園祭[編集]
「恋都祭(ことさい)」は毎年11月初めに3日間(2008年までは4日間)の日程で行われる学園祭。運営主体は恋都祭実行委員会による。中庭の池前にステージが設けられ、小規模ながらスタンプラリーなど独特の活気を呈している。学部によってはいくつかの研究室が研究内容を公開する。また、この数年は、期間中の1日にオープンキャンパスが開催されている。なお、学園祭と前後1日は休講措置が取られている。
学内奨学金[編集]
- 廣岡奨学金
大学関係者と組織[編集]
佐保会[編集]
佐保会は1913年(大正2年)に結成された奈良女子高等師範学校と奈良女子大学の卒業生による社団法人の同窓会である。各都道府県と韓国に支部がある。大学が運営する奨学金とは別に独自に運営している佐保会奨学金を毎年授与している。佐保会館(登録文化財)も参照。
大学関係者一覧[編集]
施設[編集]
キャンパス[編集]
- 交通アクセス:近鉄奈良駅から徒歩5分、JR奈良駅から奈良交通バス5分+徒歩5分。奈良市街地の中心に近く、京阪神のターミナル駅からのアクセスもよいため、大阪市内・京都市内・神戸市内からも通学圏内である。
重要文化財[編集]
奈良女子大学では1909年(明治42年)竣工の旧本館及び守衛室(附 正門)が重要文化財として指定されている。旧本館は大学本部と講堂として使用されていたが、1980年(昭和55年)に本部管理棟が、1983年(昭和58年)に講堂が別に新築されたため、1990年(平成2年)に「記念館」と名称を改め、保存されることとなった。
1994年(平成6年)2月26日から12月25日にかけて改修工事を行い、同年12月27日に守衛室(附 正門)とともに国の重要文化財に指定され、一階は展示室、二階は講堂として学内活動で使用されるとともに、春と秋の期間限定ではあるが広く一般に公開されている。なお、現存する演奏可能な国産ピアノとしては最古の「百年ピアノ」が設置され、演奏に供されている。
学生食堂[編集]
奈良女子大学生活協同組合によって購買部・喫茶部と共に運営されている。カフェテリア形式で豊富なアラカルトメニューが好評である。また、女子大学らしく、ライスは「SS」サイズが標準となっている
寮[編集]
正門前に寮(学生寄宿舎)があり、定員は340名である。日本人学生は原則として学部学生のみ入寮できる。全てトイレ・シャワー付きの1人用個室であり、立地条件ともあいまって人気が高い。24時間出入り可能であるが、外部者の宿泊は禁止されている。
対外関係[編集]
他大学との協定[編集]
- 学都仙台コンソーシアム
- 五女子大学コンソーシアム
その他[編集]
- 奈良教育大学や奈良県立医科大学との統合案が持ち上がったことがあるが、メリットとデメリットを勘案して立ち消えになった経緯がある。現在もそれぞれの大学が問題を抱えており(女子大学敬遠の傾向による受験生離れ(特に理学部)/教員採用の減少による志願者減/単科大学での基礎医学研究の限界)、今後同様の意見が浮上する可能性はあるものの、国立大学法人化により、統合問題は棚上げとなっている。
- 奈良大学や奈良女子高等学校はいずれも私立学校であり、同学とは関係がない。
- 奈良佐保短期大学は同学同窓会の佐保会によって設立され、現在も同学の卒業生や退官した教員が教鞭をとることが多い。