「フュージョン (音楽)」の版間の差分
Sangyourock (トーク | 投稿記録) |
|||
1行目: | 1行目: | ||
− | + | '''フュージョン'''(Fusion, Jazz Fusion)とは、[[ジャズ]]を基調に[[ロック (音楽)|ロック]]や[[リズム・アンド・ブルース|R&B]]、[[電子音楽]]などを融合(フューズ)させた[[音楽]]の[[ジャンル]]。産業ロック、ディスコ、AORと同様、商業主義に走った音楽をして批判された。 | |
− | '''フュージョン'''(Fusion, Jazz Fusion)とは、[[ジャズ]]を基調に[[ロック (音楽)|ロック]]や | + | |
== 概要 == | == 概要 == | ||
− | [[1960年代]]の後半より、[[電気楽器]]やロック風な奏法を取り入れた、新しい演奏スタイル[[ジャズ・ロック]]、[[クラシック音楽|クラシック]]や[[現代音楽]]の要素を取り入れた[[クロスオーバー (音楽)|クロスオーバー]]を経て、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]などでは[[1970年代]]終盤、日本でも同時期から[[1980年代]]に入ると、よりソフィスティケイトされたポピュラーな曲想や演奏となった{{要出典}}。これを、他のジャンルと融合した音楽として'''フュージョン'''という新たなジャンルで呼ばれた。1990年代より現在ではよりポップ性を持たせ、大衆により聞きやすくなった'''[[スムーズジャズ]]''' | + | [[1960年代]]の後半より、[[電気楽器]]やロック風な奏法を取り入れた、新しい演奏スタイル[[ジャズ・ロック]]、[[クラシック音楽|クラシック]]や[[現代音楽]]の要素を取り入れた[[クロスオーバー (音楽)|クロスオーバー]]を経て、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]などでは[[1970年代]]終盤、日本でも同時期から[[1980年代]]に入ると、よりソフィスティケイトされたポピュラーな曲想や演奏となった{{要出典}}。これを、他のジャンルと融合した音楽として'''フュージョン'''という新たなジャンルで呼ばれた。1990年代より現在ではよりポップ性を持たせ、大衆により聞きやすくなった'''[[スムーズジャズ]]'''がアメリカのラジオ局を中心に人気になっている。 |
− | アメリカの[[ビルボード]]においてはフュージョンは[[コンテンポラリー・ジャズ]]と分類されており、この'''コンテンポラリー(同世代の)'''の意味合いは、「'''現時点における音楽の手法''' | + | アメリカの[[ビルボード]]においてはフュージョンは[[コンテンポラリー・ジャズ]]と分類されており、この'''コンテンポラリー(同世代の)'''の意味合いは、「'''現時点における音楽の手法'''を用いたもの」と考えた方がいいだろう。ここで混合されやすいのは[[モダン・ジャズ]]との違いである。 |
「[[ビート (ドラム・ビート)#16ビート|16ビート]]」がその代名詞ともなっていき、後には、このジャズやロックなどがミックスされた音楽であるフュージョンの要素が、「[[ビート (ドラム・ビート)#8ビート|8ビート]]」中心のロックなどにも、逆に取り込まれるようになる。そのことからも、現在の視点から判断すると、単なるミックスされた音楽というよりも、前述した「新たな独立した[[ポピュラー音楽においてのジャンル|音楽ジャンル]]」という表現の方が相応しい。 | 「[[ビート (ドラム・ビート)#16ビート|16ビート]]」がその代名詞ともなっていき、後には、このジャズやロックなどがミックスされた音楽であるフュージョンの要素が、「[[ビート (ドラム・ビート)#8ビート|8ビート]]」中心のロックなどにも、逆に取り込まれるようになる。そのことからも、現在の視点から判断すると、単なるミックスされた音楽というよりも、前述した「新たな独立した[[ポピュラー音楽においてのジャンル|音楽ジャンル]]」という表現の方が相応しい。 | ||
11行目: | 10行目: | ||
このような楽曲的性格から、[[バックグラウンドミュージック|BGM]]としても馴染みの良い音楽に仕上がっているため、番組専用の音楽が作られていない[[テレビ]]・[[ラジオ]]番組において、あらゆる場面であらゆるアーティストの楽曲がテーマ曲やBGMとして多用されているほか、中には番組テーマ曲として使用されることを前提として作られた曲も存在する。 | このような楽曲的性格から、[[バックグラウンドミュージック|BGM]]としても馴染みの良い音楽に仕上がっているため、番組専用の音楽が作られていない[[テレビ]]・[[ラジオ]]番組において、あらゆる場面であらゆるアーティストの楽曲がテーマ曲やBGMとして多用されているほか、中には番組テーマ曲として使用されることを前提として作られた曲も存在する。 | ||
− | また、売れる音楽ということで、ジャズ[[音楽家|ミュージシャン]]側からこの音楽を演奏する状態も多かったが、[[日本]]でのブームの際には、多数のジャズ系ミュージシャン、それより少数派のロック系ミュージシャンの他、後に、独自のフュージョン系ミュージシャンも登場した{{要出典}} | + | また、売れる音楽ということで、ジャズ[[音楽家|ミュージシャン]]側からこの音楽を演奏する状態も多かったが、[[日本]]でのブームの際には、多数のジャズ系ミュージシャン、それより少数派のロック系ミュージシャンの他、後に、独自のフュージョン系ミュージシャンも登場した{{要出典}}。そのことからも、現在は、「伝統的なジャズの流れや進歩の系譜として扱うには、やや疑問」という見解と、逆にここから、現在のジャズの最先端ともいうべき、ポップ化への動きが盛んになったとの見方もあり、そういった「現在のコンテンポラリー・ジャズへ至る、あらゆる意味での大元である」との見解とに別れている。 |
== 起源 == | == 起源 == | ||
1960年代半ばに[[キャノンボール・アダレイ]]がジャズとポップを融合させた音楽を演奏し始める。'60年代後半になると[[マイルス・デイヴィス]]や[[トニー・ウィリアムス]]の[[ライフタイム]]が[[エレクトリックギター|エレクトリック・ギター]]や[[ベース・ギター]]、[[エレクトリック・ピアノ]]といった[[電気楽器]]を用いてロックをジャズに取り入れ演奏し始める。後に[[ハービー・ハンコック]]や[[ジョー・ザヴィヌル]]、[[ヤン・ハマー]]、[[チック・コリア]]等が[[モーグ・シンセサイザー]]を取り入れ始める。 | 1960年代半ばに[[キャノンボール・アダレイ]]がジャズとポップを融合させた音楽を演奏し始める。'60年代後半になると[[マイルス・デイヴィス]]や[[トニー・ウィリアムス]]の[[ライフタイム]]が[[エレクトリックギター|エレクトリック・ギター]]や[[ベース・ギター]]、[[エレクトリック・ピアノ]]といった[[電気楽器]]を用いてロックをジャズに取り入れ演奏し始める。後に[[ハービー・ハンコック]]や[[ジョー・ザヴィヌル]]、[[ヤン・ハマー]]、[[チック・コリア]]等が[[モーグ・シンセサイザー]]を取り入れ始める。 | ||
− | トランペッターの[[マイルス・デイヴィス]]が''In a Silent Way'' (1969)と''Bitches Brew'' (1970) | + | トランペッターの[[マイルス・デイヴィス]]が''In a Silent Way'' (1969)と''Bitches Brew'' (1970)を発表した。 |
== 主にフュージョンで活躍しているアーティスト == | == 主にフュージョンで活躍しているアーティスト == | ||
34行目: | 33行目: | ||
*[[カーク・ウェイラム]] Kirk Whalum | *[[カーク・ウェイラム]] Kirk Whalum | ||
*[[カリズマ]] Karizma | *[[カリズマ]] Karizma | ||
− | |||
− | |||
*[[クリス・ボッティ]] Chris Botti | *[[クリス・ボッティ]] Chris Botti | ||
*[[ザ・クルセイダーズ|クルセイダーズ]] The Crusaders | *[[ザ・クルセイダーズ|クルセイダーズ]] The Crusaders | ||
115行目: | 112行目: | ||
=== 日本で活躍のアーティスト === | === 日本で活躍のアーティスト === | ||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
*[[カシオペア (バンド)|カシオペア]] | *[[カシオペア (バンド)|カシオペア]] | ||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
*[[塩谷哲]] | *[[塩谷哲]] | ||
*[[渋さ知らズ]] | *[[渋さ知らズ]] | ||
155行目: | 142行目: | ||
*[[渡辺香津美]] | *[[渡辺香津美]] | ||
*[[渡辺貞夫]] | *[[渡辺貞夫]] | ||
− | + | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
162行目: | 149行目: | ||
***[[スムーズジャズ]] | ***[[スムーズジャズ]] | ||
*[[ジャズ・ロック]] | *[[ジャズ・ロック]] | ||
− | + | ||
{{DEFAULTSORT:ふゆしよん}} | {{DEFAULTSORT:ふゆしよん}} | ||
170行目: | 157行目: | ||
[[Category:フュージョン]] | [[Category:フュージョン]] | ||
[[Category:アメリカ合衆国の音楽]] | [[Category:アメリカ合衆国の音楽]] | ||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− | |||
− |
2013年4月10日 (水) 18:54時点における版
フュージョン(Fusion, Jazz Fusion)とは、ジャズを基調にロックやR&B、電子音楽などを融合(フューズ)させた音楽のジャンル。産業ロック、ディスコ、AORと同様、商業主義に走った音楽をして批判された。
概要
1960年代の後半より、電気楽器やロック風な奏法を取り入れた、新しい演奏スタイルジャズ・ロック、クラシックや現代音楽の要素を取り入れたクロスオーバーを経て、アメリカなどでは1970年代終盤、日本でも同時期から1980年代に入ると、よりソフィスティケイトされたポピュラーな曲想や演奏となった要出典。これを、他のジャンルと融合した音楽としてフュージョンという新たなジャンルで呼ばれた。1990年代より現在ではよりポップ性を持たせ、大衆により聞きやすくなったスムーズジャズがアメリカのラジオ局を中心に人気になっている。
アメリカのビルボードにおいてはフュージョンはコンテンポラリー・ジャズと分類されており、このコンテンポラリー(同世代の)の意味合いは、「現時点における音楽の手法を用いたもの」と考えた方がいいだろう。ここで混合されやすいのはモダン・ジャズとの違いである。
「16ビート」がその代名詞ともなっていき、後には、このジャズやロックなどがミックスされた音楽であるフュージョンの要素が、「8ビート」中心のロックなどにも、逆に取り込まれるようになる。そのことからも、現在の視点から判断すると、単なるミックスされた音楽というよりも、前述した「新たな独立した音楽ジャンル」という表現の方が相応しい。
このような楽曲的性格から、BGMとしても馴染みの良い音楽に仕上がっているため、番組専用の音楽が作られていないテレビ・ラジオ番組において、あらゆる場面であらゆるアーティストの楽曲がテーマ曲やBGMとして多用されているほか、中には番組テーマ曲として使用されることを前提として作られた曲も存在する。
また、売れる音楽ということで、ジャズミュージシャン側からこの音楽を演奏する状態も多かったが、日本でのブームの際には、多数のジャズ系ミュージシャン、それより少数派のロック系ミュージシャンの他、後に、独自のフュージョン系ミュージシャンも登場した要出典。そのことからも、現在は、「伝統的なジャズの流れや進歩の系譜として扱うには、やや疑問」という見解と、逆にここから、現在のジャズの最先端ともいうべき、ポップ化への動きが盛んになったとの見方もあり、そういった「現在のコンテンポラリー・ジャズへ至る、あらゆる意味での大元である」との見解とに別れている。
起源
1960年代半ばにキャノンボール・アダレイがジャズとポップを融合させた音楽を演奏し始める。'60年代後半になるとマイルス・デイヴィスやトニー・ウィリアムスのライフタイムがエレクトリック・ギターやベース・ギター、エレクトリック・ピアノといった電気楽器を用いてロックをジャズに取り入れ演奏し始める。後にハービー・ハンコックやジョー・ザヴィヌル、ヤン・ハマー、チック・コリア等がモーグ・シンセサイザーを取り入れ始める。
トランペッターのマイルス・デイヴィスがIn a Silent Way (1969)とBitches Brew (1970)を発表した。
主にフュージョンで活躍しているアーティスト
バンド/グループのミュージシャンも含む。個人についてはジャズ・フュージョンミュージシャンの一覧も参考のこと。
日本以外で活躍のアーティスト
スムーズ・ジャズ系のアーティストについてはスムーズ・ジャズの項目を参考のこと。
- アール・クルー Earl Klugh
- アジムス Azymuth
- アル・ジャロウ Al Jarreau
- アル・ディ・メオラ Al Di Meola
- イエロージャケッツ Yellow Jackets, The
- ウェザー・リポート Weather Report
- エリック・ゲイル Eric Gale
- エリック・マリエンサル Eric Marienthal
- オマー・ハキム Omar Hakim
- カーク・ウェイラム Kirk Whalum
- カリズマ Karizma
- クリス・ボッティ Chris Botti
- クルセイダーズ The Crusaders
- グローヴァー・ワシントン・ジュニア Grover Washington, Jr.
- ケニー・G Kenny G
- シーウィンド Seawind
- ジェフ・ベック Jeff Beck
- ジェフ・ローバー Jeff Lorber
- ジェリー・ヘイ Jerry Hey
- シャカタク Shakatak
- ジャコ・パストリアス Jaco Pastorius
- ジョー・ザヴィヌル Joe Zawinul
- ジョー・サンプル Joe Sample
- ジョージ・デューク George Duke
- ジョージ・ベンソン George Benson
- ジョージ・ハワード George Howard
- ジョン・パティトゥッチ John Patitucci
- ジョン・マクラフリン John McLaughlin
- スタッフ Stuff
- スタンリー・クラーク Stanley Clarke
- スティーヴ・リード Steve Reid
- ステップス Steps
- ステップス・アヘッド Steps Ahead
- スパイロ・ジャイラ Spyro Gyra
- チャック・マンジョーネ Chuck Mangione
- チック・コリア Chick Corea
- デイヴ・ウェックル Dave Weckl
- デイヴ・グルーシン Dave Grusin
- デイヴ・コーズ Dave Koz
- デイヴィッド・サンボーン David Sanborn
- デイヴィッド・ベノワ David Benoit
- ディーン・ブラウン Dean Brown
- デオダート Deodato
- デニス・チェンバース Dennis Chambers
- トム・スコット Tom Scott
- ドン・グルーシン Don Grusin
- ドン・グロルニック Don Grolnick
- ナイアシン Niacin
- ネーザン・イースト Nathan East
- ノーマン・ブラウン Norman Brown
- ハービー・ハンコック Herbie Hancock
- ハーヴィー・メイソン Heavey Mason
- ハーブ・アルパート Herb Alpert
- ハイラム・ブロック Hiram Bullock
- パット・メセニー (パット・メセニー・グループ) Pat Metheny (Pat Metheny Group)
- ヒロシマ Hiroshima
- ヒューバート・ロウズ Hubert Laws
- フィリップ・セス Philippe Saisse
- フォープレイ Fourplay
- ブライアン・カルバートソン Brian Culbertson
- フルーツケーキ Fruitcake
- ブレッカー・ブラザーズ Brecker Brothers, The
- ベルエア・プロジェクト Belair Project, The
- ポール・ジャクソンPaul Jackson
- ポール・ジャクソン・ジュニアPaul Jackson, Jr.
- ポール・テイラー Paul Taylor
- ボビー・ライル Bobby Lyle
- ボブ・ジェームス Bob James
- マーカス・ミラー Marcus Miller
- マイケル・ブレッカー Michael Brecker
- マイク・スターン Mike Stern
- マイク・マイニエリ Mike Mainieri
- マイルス・デイヴィス Miles Davis
- マハヴィシュヌ・オーケストラ Mahavishnu Orchestra
- マリーン Marlene
- メゾフォルテ Mezzoforte
- ラムゼイ・ルイス Ramsey Lewis
- ラリー・カールトン Larry Carlton
- リッピントンズ The Rippingtons
- リー・リトナー Lee Ritenour
- リターン・トゥ・フォーエヴァー Return To Forever
- リチャード・ボナ Richard Bona
- リック・ブラウン Rick Braun
- レニー・ホワイト Lenny White
- レベル42 Level 42
- ロベン・フォード Robben Ford
- ロイ・エアーズ Roy Ayers
- ロニー・リストン・スミス Lonnie Liston Smith
日本で活躍のアーティスト
- カシオペア
- 塩谷哲
- 渋さ知らズ
- 須藤満
- 神保彰
- 高嶋宏
- 高中正義
- 田中豊雪
- T-SQUARE
- DIMENSION
- 土岐英史
- 鳥山雄司
- ナニワエキスプレス
- ネイティブ・サン
- 則竹裕之
- PARACHUTE
- 日野皓正
- 深町純
- プリズム
- 堀井勝美
- 本多俊之
- 本田雅人
- 松居慶子
- 松岡直也
- 松原正樹
- MALTA
- 宮崎隆睦
- 野獣王国
- 渡辺香津美
- 渡辺貞夫
関連項目